<海外情報>

EMFacts
2009年1月13日
Libby Kelly

フィンランドの当局が子供の携帯電話制限を勧告

□子どもの健康のための予防措置
 フィンランド放射線・核安全局(STUK)は、子どもの携帯電話使用を制限する勧告を発表した。理由は、子どもたちは携帯電話を10年以上使用する大人よりも携帯電話を使用しがちだからだ。(携帯電話を10年以上使用すると脳腫瘍になるリスクが増大するという研究が出ている)。また携帯電話の使用によるリスクの度合いは数十年でも確定できないことと、子どもの脳は大人より未発達であること、もSTUKは理由にあげた。
 STUK勧告は、一方で、携帯電話は親との連絡手段として有効なことから携帯電話の全面禁止は支持しない、としている。そして、携帯電話の通話よりメ−ルを勧めるとか、親が子どもの電話回数や通話時間を制限させるとか、ハンズフリ−セット(イヤホン装置の一種)の奨励にも言及している。また、車の中とか電車内のような閉鎖された空間は電波状況が良くない分、携帯電話の出力がアップするのでそれだけ電磁波被曝量が増大するので、そうした場所では携帯電話の使用を避けるよう、勧告している。

□心臓ペ−スメ−カ−への影響も勧告
 STUK勧告は、携帯電話が心臓ぺ−スメ−カ−に干渉することを今回あらためて言及している。携帯電話は心臓ペ−スメ−カ−に誤作動をもたらし有害であるし、心臓ペ−スメ−カ−従事者の傍で携帯電話を使用すれば、心悸亢進のような不快反応をもたらす可能性がある。特に、除細動器を付けたペ−スメ−カ−だと、心臓に有害な電気パルスを引き起こすおそれがある。ペ−スメ−カ−従事者は携帯電話から少なくても20センチは離れるといい。ハンズフリ−はいいが、その時携帯電話を胸ポケットに入れて置かないように。

□携帯会社ノキアは“反論”
 ノキアは、このSTUK勧告を「最近の科学研究結果に基づいていない」としている。そして「科学的根拠はないが、一種の予防的措置と考えている」とした。このSTUK勧告は世界の携帯会社にも関係する。


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