電磁波の健康影響を考えるシンポジウム

□経済産業省ワーキンググループWG報告書の問題点を衝く
 2008年4月13日(日)午後1時15分から、電磁波から健康を守る百万人署名連絡会議主催の「電磁波の健康影響を考えるシンポジウム」です。
 2008年1月23日、経済産業省総合資源エネルギ−調査会・原子力安全保安部会の第19回電力安全小委員会で「ワ−キンググル−プ報告書(案)」が正式に承認され、すでにパプリックコメント募集も終わり「50ヘルツで1000ミリガウス、60ヘルツで830ミリガウス磁場規制」方針は着々と進み、あとは省令改正を待つだけの段階になっています。
 このシンポジウムはそうした経済産業省の磁場規制方針の問題点を明らかにすることが大きなねらいです。

□開催の経緯
 このシンポジウムは「電磁波から健康を守る百万人署名連絡会議」(以下連絡会議)が主催です。
 連絡会議は、2007年8月20日に開催された「第2回経産省電力設備電磁界対策ワ−キンググル−プ」の後、ワ−キンググル−プ会合を傍聴した全国の市民団体メンバ−が交流し、発足が決まりました。現在、電磁波問題に取組んでいる全国の市民団体や個人で、合計30が参加しています。連絡会議には、国内の主要な団体がすべて参加しており、画期的な組織です。

□シンポジウムのねらい
 電磁波から健康を守る百万人署名運動の社会的認知は不十分といえます。
 一方で、経済産業省は全国で電磁セミナ−を開催し、行政に都合のいい主張を展開しています。
 こうした状況を打破するために、このシンポジウムを開催することにしました。
 シンポジウムのねらいは三つです。
 一つは、2007年6月に発表されたWHOの環境保健基準(EHC)の内容と経済産業省ワーキンググループ報告書の違いを明らかにし、日本政府が採用しようとしている「千ミリガウス磁場規制」の問題点をはっきりさせること。
 二つは、百万人署名連絡会議の存在を社会的にアピ−ルし百万人署名運動のさらなる展開を促し、日本における4ミリガウス磁場規制等の政策導入を求めていくこと。
 三つは、日頃全国の連絡会議メンバ−は電子メ−ルや手紙や電話で連絡をとっているのみで、顔を合わせていません。そこで、シンポジウム後に懇親会を持ち、お互いの交流をすることです。

□パネリストの紹介
☆荻野晃也(おぎの こうや)
1940年生まれ。電磁波環境研究所所長。元京都大学講師。理学博士。原子核物理、原子核工学、放射線計測学が専門。著書『がんと電磁波』(技術と人間)、『あなたを脅かす電磁波』(法政出版)、『危ない携帯電話』(緑風出版)等。
☆斎藤貴男(さいとう たかお)
1958年生まれ。早稲田大学卒業。ジャ−ナリスト。著書『カルト資本主義』(文芸春秋)、『機械不平等』(文芸春秋)、『「非国民」のすすめ』(ちくま文庫)、他多数。最近、兵庫県川西市の携帯中継基地局問題を取材し、電磁波問題にも関心を持ち出した。
☆津田敏秀(つだ としひで)
1958年生まれ。岡山大学大学院環境学研究会教授。環境疫学を専攻する気鋭の研究者で、水俣病やカネミ油症で鋭い見解を出す。福岡県三瀦町携帯基地局移転訴訟で意見書提出。著書『市民のための疫学入門』(緑風出版)、『医学者は公害事件で何をしてきたのか』(岩波書店)他。
☆宮田幹夫(みやた みきお)
1936年生まれ。北里大学医学部名誉教授。化学物質過敏症問題を石川哲氏とともに早くから提起。電磁波過敏症も理解されている。北里研究所病院臨床環境医学センタ−客員部長。共著『化学物質過敏症』(かもがわ出版)、『あなたも化学物質過敏症?』(農山漁村文化協会)等。


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