<海外情報>

CNET
2007年5月21日
(抄訳:TOKAI)

無線LANは是か否か

□無線LANの電磁波は、携帯電話基地局の3倍
 「Wi-Fi(英国の無線LAN)のピーク時の電磁波量は、携帯電話中継基地局鉄塔の3倍に達する」とした研究が出てから、主要なメディアは、Wi-Fiは子供の脳をだめにし子供の身体をむしばみ、社会構造を弱化させるのではないかといった風潮に陥っている感がある。
 きっかけは、BBCテレビ番組『パノラマ』で紹介された研究である。番組で行なわれた研究テストは、Wi-Fiは健康を破壊する一種の時限爆弾であるという恐怖をもたらした。
 すでに、英国の70%の学校でWi-Fiが導入されているという事実からすると、英国は10代ががんに悩む国になってしまうのだろうか?あるいは、そんな研究は信じず、そんなのは技術に対する現代の魔女狩りにすぎないとやりすごすのだろうか?そのどちらも支持する意見はある。
 Wi-Fiネットワークは、基本的に携帯電話基地局の小型版である。基地局は頭痛・疲労・めまい・吐き気・一時的記憶喪失の原因となることは証明されている。もしWi-Fiを使った、ラップトップ型パソコンが3倍以上も電磁波を出すならば、電磁波は子供がいる教室でも同じようなことが起こる。

□過敏症が増える?
 何人かの科学者は、Wi-Fiはリスクがあると主張する。Wi-Fiがあって病気になってしまうような場所にいれば、100人中に3人が電磁波過敏症になるとWHO(世界保健機関)では見積もっている。
 バッキンガムにあるストウ(Stowe)学校では、一人の教師が28年間教鞭をとっていて、Wi-Fiが設置されたとたんに頭痛や吐き気に襲われたことから、校内の一部分からWi-Fiが撤去された。教師でさえこうなのだから、頭蓋骨が薄く神経組織が未発達な段階の子供たちはもっと影響受けるのではないか、と心配されている。
 だが、ちょっと冷静に考えてみることも大事だ。この記事を書いている我々スタッフは『パノラマ』を見ていない。だが、BBCによれば番組で行なったテストの数値は、英国政府の安全基準値より600倍も下回る。WHOは3%も過敏症になるというが、現実にWi-Fiの電磁波を目一杯浴びている私たちのオフィスでは200人が働いているが、その内3%にあたる6人も頭痛を感じるだろうか。あるいはWi-Fiを付けているスターバックコーヒー店の客の3%が吐き気を感じるだろうか。あるいはWi-Fiが使える列車内の乗客の3%がめまいを感じるだろうか。WHOの特定の科学研究結果の精度を、私たちが言及することはできない。しかし、実際の経験では理解できない。


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