『私たちが考えるダイオキシン問題』


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   ダイオキシン汚染問題は終わっていない


 高木学校ブックレット2「私たちが考えるダイオキシン問題」を発行いたしました。2000年7月発行の「リサイクルの責任はだれに」に続く、2冊目の高木学校ブックレットです。
 このブックレットは、高木学校・化学物質問題研究グループが今まで調べてきたダイオキシンの問題をまとめたもので、2000年に開催された高木学校市民講座「松葉が語るダイオキシン汚染」の報告も盛り込んでいます。また、(株)環境総合研究所・池田こみち氏の寄稿もいただきました。私たちが健康にくらしていくためにはどうしたらいいかという視点で、ダイオキシンの問題を考えています。食べ物やゴミについて、日々のくらしの中で考える上でも、問題解決に向けて行動する上でも、この本をお役に立てていただければうれしく思います。
 昨年施行された「ダイオキシン類対策特別措置法」で問題は全て解決したかのようにいう行政関係者や、ダイオキシンの毒性を軽んじてダイオキシン汚染は人類にとってとるに足らない事だなどという本やマスコミの論調も最近では見受けられます。しかし決してそうではないと思います。私たちはあくまでもすこやかな生命を守ることを大前提に考え、人間の健康が軽んじられることのない社会に向けてこれからも活動していきます。


           化学物質問題研究グループ

目 次
まえがき 本冊子作成の契機と高木仁三郎のことば 1
         
第1章  ダイオキシン摂取量および発生源別排出量の概況 6
  (1)ダイオキシンとその毒性等価量 6
  (2)食べ物からの一日摂取量 7
  (3)発生源別ダイオキシン排出量 11

第2章 生活者・市民によるダイオキシン測定活動と 松葉調査を採用した自治体 15
  (1)ダイオキシン測定を市民の力で 15
  (2)自治体による松葉調査を求めて 17
  (3)松葉調査を採用した自治体 18

第3章  特別寄稿:市民参加によるダイオキシン類調査の意義と これまでの成果 22
  (1)なぜ市民が測るのか 22
  (2)松葉調査の理論的・社会的特徴 23
  (3)松葉と大気のダイオキシン濃度の相関関係 25
  (4)これまでの取り組み状況 25
  (5)松葉調査の成果〜市民運動から学術論文まで 26
  (6)今後の取り組み方針 28
  (7)これまでの主なデータ(グラフでみる) 29
  (8)参考資料について 32

第4章  ダイオキシンと食物連鎖 33
  (1)生物濃縮――ダイオキシン汚染のキーポイント 33
  (2)異性体によって異なる生物濃縮性 34
  (3)異性体組成分析によってわかること ―ダイオキシンの発生源 35
  (4)食品の安全性をどう考えるか 38
  (5)ダイオキシンの人体内でのゆくえと健康障害 39

第5章  ダイオキシンの作用の仕方 43
  (1)ダイオキシンの毒性 43
  (2)内分泌系と神経系の情報伝達のしくみ 44
  (3)内分泌攪乱物質の作用の仕方 48
  (4)ダイオキシンの作用の仕方 49
  (5)AhRは本来何のレセプターなのでしょうか 52

第6章  ダイオキシン摂取量の規制値について 54
  (1)耐容一日摂取量 54
  (2)耐容一日摂取量の算定方法 55
  (3)耐容一日摂取量の何が問題か 58
  (4)発生源に応じたダイオキシン対策を 59

高木仁三郎講義  「数値とどうつきあうか」 61

あとがき 67

付記 1 ダイオキシン対策への提言 71

付記 2 ダイオキシン対策としての焼却推進政策について 74