台湾の元「慰安婦」裁判を支援する会:ホーム

 「国民基金」への質問状

●以下、渡辺代表がアジア女性基金へ質問状として出したものです。

 

台湾の元「慰安婦」裁判を支援する会 代表 渡辺信夫

157-0061 東京都世田谷区北烏山 1-51-12 東京告白教会内

 

2002131日付の台湾「中国時報」、21日付「聯合報」掲載のアジア女性基金の広告が台湾から送られて来ましたので、これに関して質問します。

 

1) 「総理大臣的信」には日付がありませんが、日付のないまま送るおつもりでしょうか。実際に小泉純一郎首相によって書かれた書簡でしょうか。また、この手紙は日本国内で公表されたものでしょうか。韓国で見舞金を受け取った元「慰安婦」のもとで橋本元首相のお詫びの手紙を読ませてもらったことがありますが、それはもっと整った手紙でありました。

2) 慰撫金受領者には国家補償請求の訴訟をしないことを条件としてつけないと記載されています。それは結構なことと思いますが、条件を付けないという約束を文書にしたためて手交する用意があるでしょうか。

3) 受給手続きのためには、台湾当局あるいは台湾当局の委託した団体によって元「慰安婦」であると認定される必要があるというのですが、「慰安婦」であったと認定できる機関は台北市婦女救援基金会しかありません。そして、台北市婦女救援基金会はアジア女性基金に反対の態度を貫いています。台湾当局が別の機関にこの認定を委託すると考えることも出来ません。したがって、実際には認定を行う機関は存在しないように思われるのですが、どういう意図で今回この広告をお出しになったかをお知らせ下さい。

4)私の記憶するところでは以前にもっと大きい新聞広告を出されたことがありますが、今回を含めて台湾での女性基金の新聞広告料の出費はいかほどになるでしょうか。

 

以上の項目を質問します。

 

一言申し添えます。

私は牧師であり、台湾長老教会とは浅からぬ関係を持っています。台湾の元「慰安婦」の裁判を支援する会の代表を勤めることになったので、台湾長老教会に挨拶に行って協力の約束を得、同教会総会の慰安婦問題担当のリン・メイ・ジュン氏とも協議しました。被害を受けた女性たちの名誉回復のためには、国家の謝罪と補償を裁判によって勝ち取るしかないと話し合って来ました。同氏は一昨年12月の国際女性法廷の台湾代表団の中でも積極的な人でした。昨年9月、アジア女性基金のフォーラムのために彼女が高李麗珍氏とともに招かれて来たので驚いたことです。高李麗珍氏とは非常に古くから、その夫君である高俊明牧師とともに親しくしています。

フォーラムの後、台湾で高李麗珍氏がアジア女性基金に協力的であることについて王清峰弁護士から激越な非難を新聞紙上で受けたことを知り、リン氏が元「慰安婦」の何人かにアジア女性基金の慰撫金を受け取ることを勧めたために、婦女救援基金会が多大の迷惑を蒙っているという報せが入りました。私たちはこの二人の方に一貫した態度をおとりになるようお願いしました。高氏はアジア女性基金の理事の方々が誠実であるのに感銘を受けたのだと釈明しましたが、女性基金の理事が誠実であることは日本国が誠実に補償しようとすることと別であるとの私たちの説明は分かってくれたと思います。

高氏の場合にそうであったように、アジア女性基金が活動をすることによって不和が生じ、人々を傷つけることをよくご承知頂きたく思います。このことで最も弱い立場にある被害者の女性がますます傷つくことを良く考えて下さるようお願いいたします。

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