NGOの道は「けものみち」を行くのに似ている――。SVA発展の礎となり、中心となった先達、故有馬実成師はこう語った。
インドシナ難民の支援活動から始まった我々の道程は、文字通り、道なき道を行くに等しかった。お金も知識も技術もない、ずぶの素人集団による手探りの歩みだった。「苦しむ人々を座視できない」「子どもの笑顔こそ未来の希望」――。そんな思いで活動を続けてきた我々は、むしろ、数多くの人々に支えられ、助けられ、学んだのは我々自身だったことに気づかされた。
<シャンティ>ー平和・寂静ー。我々の願いがここに込められている。
あらゆる民族や文化や立場の違いを越え、一人ひとりの人間の尊厳が尊重され、一人ひとりが主人公となり、心の平安のうちに生きる。それこそ世界の平和の基である。
時あたかも、テロの恐怖や民族間の対立などによって、混迷を深める現代世界。しかし、憎しみに対し憎しみで応ずることによって決して平和が訪れることはない。心の平安に根ざした社会の平和――シャンティが今こそ求められている。
12月10日。この日は、1981年、SVAが設立総会を開催した日。すなわち、我々がその志と願いを高らかに宣言し、お互いの連帯と協動を誓い合った日である。
この日を、我々SVAの原点回帰の時としよう。そして、我々の志と願いを高め合い、お互いの絆をさらに強く結び、さらなる道程へと新たな一歩を踏み出そうではないか。
<自らを変え、社会を変える> <共に生き、共に学ぶ>――、一人の傑出した覚者や為政者が世界を導く時代は終わった。一人ひとりの平凡な市民が覚醒し、立ち上がり、手をつなぎ、世界を動かす時が来た。
2002年12月10日 |