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図書館事業

@ 図書館建設

各図書館は、それぞれのキャンプ図書館委員会との視察により、立地条件や人口、子どもの足を考えた場所(セクション)に建設 されている。建築資材は主に竹とユーカリを用い、屋根はチャークという巨大な葉を約1500枚重ねて使用。難民キャンプ 内には電気がないため、室内の明り取り用にスカイライト(半透明な波型プラスチック)を6枚から8枚取り付けている。 また雨季の場合の浸水を考慮し、高床式に建築されている。建築にはキャンプの人たちが約8人がかりで10日から2週間 ほどで手がけ、各図書館の脇にはトイレも設置されている。

館内は、児童室・大人の部屋・司書質と3部屋があり、そのなかでも児童室は各館共通してもっとも広いスペースをとっており、 大勢の子どもを対象に読み聞かせや文化活動(工作やお絵かきなど)が行えるように考慮されている。本棚は耐久性を考えて スチール枠と木材とを使用したオリジナルのデザイン。絵本の表紙を見せて並べられるように児童の身長、目線を考えた高さで 製作されている。



A 図 書

図書館には、難民キャンプ内での主な使用言語であるカレン語と、帰還後の共通語であるビルマ語の2言語による本を配布 している。

ビルマ語の書籍に関しては、主にタイ国内の書店を通じてビルマ国内へ発注をだしているが、カレン語に関しては出版を している団体が非常に限られ、入手困難な状況となっている。

児童書については大人の本以に上入手が困難なため、タイ・カレン系の図書館事業スタッフが英語またはタイ語からカレン語、 ビルマ語への翻訳をおこない、テキストを貼り付けたうえで配布をしている。現在1タイトルにつき4冊(3冊カレン語・ 1冊ビルマ語)69タイトルが配布済みである。

写真提供   甲斐 氏


A 図書館員

あらかじめ図書館委員会にキャンプ内で職業についていない人材の中から図書館員を募集して選んでもらう。 図書館員は各館に2名。開館前に図書館活動に関する基礎ワークショップ(理論編、実践編)をおこなったうえで開館を している。

開館後は、図書館活動における文化活動の技能取得のためにワークショップ(おりがみ、工作、ペープサート、紙芝居制作、 謄写版の使用法など)を開催し、継続した指導にあたっている。

日常的な児童への対応と大人への貸出しは、すべて図書館員が行っており、活動の様子は毎日「図書館日記」に記入 してもらっている。この日記をもとに定期的にSVAがモニタリングで訪問した際に問題点などを話し合い、改善策や アドバイスをしている。将来的には、図書館員が自主的に図書館運営をできるようになることが目的である。

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図書館での活動

@ 読み聞かせ

図書館員により毎日行われている図書館での主となる活動である。 絵本の他に紙芝居やパネルシアターなどを活用した読み聞かせも行われている。 図書館に頻繁に通ってくる高学年の子どもたちの中には図書館員に代わって小さな 子どもたちに読み聞かせをしてあげている姿も見られる。



写真提供   甲斐 氏

A 文化活動

図書館では読み聞かせ以外にお絵描き、工作、折り紙そしてゲームや歌などの文化 活動を行っている。図書館員はウィクリー・スケジュール表を作成し入り口に掲示 し、子どもたちが自分の好きな活動を見つけやすいようにしている。週末はお絵描 きコンテストなども実施されている。

撮影   瀬戸 正夫

B 伝統文化活動

伝統舞踊教室と伝統楽器教室を各図書館にて実施。小学生から中学生までの子どもが 対象。カレン民族は独自の伝統舞踊や楽器を持ち備えているものの、長い難民生活の 中で次世代にきちんと受け継がれずにきている。また子どもたちの多くは自分たちの 伝統舞踊や楽器を知らずに成長してきている。この活動を通じてカレン民族の文化を 継承していくことを目的としている。 現在、伝統楽器教室については3種類が教えられている。本当は種類がもっとあると のことだが、教えられる大人がいない、またタイ国内で手に入れることが難しいこと から3種類のみとなっている。


C 人形劇(キャラバン)活動

年に一度、7ヶ所の難民キャンプにて図書館スタッフによるキャラバン(人形劇)公演を 実施。子どもたちだけでなく大人からお年寄りまで毎回たくさんの観客で賑わっている。 通常図書館で行っている読み聞かせ、歌やゲームの他に人形劇の公演が加わる。現在まで で「赤ずきんちゃん」「さんびきのがらがらどん」の人形劇が披露されている。毎年、1回 の公演に約500人もの人が集まり、会場は笑いの絶えない雰囲気となる。

撮影   瀬戸 正夫 撮影   瀬戸 正夫

D 高齢者活動

難民キャンプにおける社会的弱者向けのサービスは障害者及び女性に対するものが多く、 高齢者向けのものはほとんど行われていなかった。高齢者用に食糧や生活用品を年に一度、 配布していた団体があったが今は行われていない。高齢者自らが参加して行われる活動 は皆無であることから図書館にて活動を実施することになった。月に一度、65歳以上 の高齢者20−25名が各図書館に集い、活動に参加している。主な活動内容はカレン の民話や伝統詩であるターの収集と記録、子どもたちへカレンの文化や歴史についての 話しや健康のためのヨガ体操などである。

撮影   瀬戸 正夫
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その他

@ 移動図書館活動

図書館では、キャンプ内にある保育園と小学校に図書館から一定期間のあいだ絵本の貸出し をする移動図書館活動(モバイル)を行っている。これによって、自宅と図書館が遠いため に自力で来ることのできない子どもたちにも、学校で絵本の世界にふれる機会が与えられて いる。この移動図書館活動を開始するにあたっては、保育園と小学校の教員に向けて「絵本 の読み聞かせワークショップ」を開催している。


A 母の日、父の日、子供の日などを祝う活動

母の日



子どもの日

出版活動

カレン語の出版物が皆無に等しいことから、図書館ではカレン語出版の活動を行っている。 2005年度までに22タイトルの出版を行った。主な出版物はカレンの民話絵本、図書館活動 に関係したゲームや折り紙のマニュアル本などである。また子どもの権利や保健衛生に関する 絵本も出版している。後者の出版については学校でも活用され高い評価を受けている。その他、 図書館員そして図書館委員会による謄写版を活用した簡易本や図書館便りの製作も行われて おり、今後は作家や画家の育成にも力を入れていき、難民がカレン語の出版物を自主的に製作、 配布できるように支援していく予定である。

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