パンガー県クラブリー港近くにある仮設住宅(約500人が居住)に設置したSVAの仮設図書館には、毎日たくさんの子どもたちが通ってきます。ここには仮設住宅に住む子どもばかりでなく、近隣に住むタイ人の子どもや港に出稼ぎにきているビルマ人(約10,000人)の子どももいます。
ビルマ人の子どもたちは学校に行っていないので、タイ語を話すことができません。まれにタイ語を話せる子がいても読み書きはできません。それでもタイ語の絵本の読み聞かせや人形劇を楽しみに図書館に通ってきます。
3月13〜16日、タイ北部で活動するSVAミャンマー難民事業事務所の図書館スタッフが、津波で被災した子どもたちを元気づけるため、クラブリー避難所の仮設図書館を訪問しました。通常は、タイ-ビルマ国境に点在するビルマ人の難民キャンプで、ビルマ語を使って図書館活動をしているスタッフです。
いつもにぎやかに騒いでやんちゃな印象のビルマ人の子どもたちですが、人形劇の「赤ずきんちゃんとオオカミ」を真剣なまなざしで見ていました。これまでタイ語がわからないため理解できずにいたゲームのルールも自分たちの言葉で理解でき、スタッフとのコミュニケーションもスムーズで、大いに楽しんでいる様子でした。
この日は、図書館に通ってくるタイ人の子どもたちにとっても特別な日でした。というのも、人形劇やゲームの説明などがビルマ語で行なわれたからです。言葉がわからないため席を立とうとする子もいましたが、ほとんどの子どもたちは言葉が通じなくても雰囲気を楽しんでいました。
言葉がわからないと不安や苛立ちを感じるものですが、被災した子どもたちの心の傷を癒すだけでなく、他の文化を受容し体験交流する場所としての図書館の可能性を感じました。
また、3月18〜20日にはラオスで活動するSVAの図書館スタッフも南タイにはいり、小学校や仮設住宅で移動図書館活動を行ないました。タイ語と似ているラオス語に子どもたちはすぐに馴染み、昨年タイで大ヒットした「キャロット(にんじん)」の歌にあわせて、「大きなかぶ」ならぬ「大きなにんじん」を子どもたちと演じました。ラオスの子どもたちが、被災したタイの子どもたちのために作った折り紙もプレゼントされ、その一つ一つにメッセージが添えられていました。最後はスタッフがつくった津波の被災者を励ます歌を子どもたちと大合唱。この様子は同行したラオス国営テレビによってラオス国内で報道されました。
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