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■■インドネシア・スマトラ島沖大地震■■
スマトラ沖大地震:タイ緊急救援活動現地レポート(NO.2)
2005年1月9日
報告者:秦
1月4日より7日まで、パンガー県の被災地区において、6人のスタッフ(秦、八木沢、ドゥルディ、オイ、サンティ、ペン)で、第2次緊急救援物資の配布を実施した。
第1日目(1月4日)

タクアパー郡バーンムアン地区の避難所 |
午前7時の便でプーケット入りし、パンガー県タクアパー郡バーンムアン地区の避難所入り。到着後、避難所の仮設住宅の建設や調整を実施している社会開発・人間の安全保障省CODI(Community Organization Development Institute)のスタッフより、ブリーフィングを受ける。CODIのスタッフの説明では、バーンムアン地区でも最も被害が大きかったナムケム村の全人口は、約8,000人(タイ人が約1,600家族4,700人、海洋民族であるモーケン人が約1,700人、ビルマ人や東北タイからの労働者が約3,300人)。3日の時点で、避難所に集まった住民は690家族、約2,500人で、ほとんどがナムケム村の住民である。キャンプ用テントは、すでにCODIが410張り、ワールド・ヴィジョンが280張りを配布済みで急場を凌いでいる。仮設住宅も同時に建設中であり、軍隊の協力で、取り急ぎ400室を用意しているとの説明であった。
我々はその後、ナムケム村を再度視察し、前夜バンコクから輸送した救援物資の受け渡しを同避難所で実施した。この日届いた主な救援物資は、大型(5mx12m)のテント32張り、ステンレス製給水タンク10個、浄水器2個、蛍光灯、電気コード、プラスチックシートなどの避難所設営に必要な物資である。その後は、ナムケム村の多くの子どもたちが通っていたバーンムアン小学校の校長と、生徒数の確認作業や制服などの配布方法について打ち合わせを行なった。

避難所に到着した SVA の給水タンク |
夜7時すぎから避難所で活動する関係者の会議に出席した。出席者は、地区長をはじめ、CODI関係者、保健省の代表、NGO関係者、給水施設を担当しているボランティアグループなど。unicefやワールド・ヴィジョン、日本からの国際緊急援助隊、台湾からの救援団体などは、夕方引き上げていたため出席しなかった。CODIの説明によると、4日の登録でさらに避難所に集まる人数が増大し、741家族、3,490人が約20ライ(32,000平米)の土地に9つのゾーンに分かれて仮住まいをしているとのことで、人口密度が急速に高まっており、建設が予定されている400室の仮設住宅では、到底カバーしきれない旨の報告があった。会議の席では、CODI関係者から、今後は子ども支援関係の団体で小委員会を作り、活動調整を行なってはどうかとの提案がなされた。実際、避難所での様々な救援活動は充分には調整されていない状態で、昼間は多数の団体やボランティア、マスコミ関係者などが次々と避難所を訪れ、物資を配布したり、インタヴューを行なっていた。一応はバーンムアン地区の行政機関をCODIが支援・調整する形で動き始めているが、多少混乱している状況もみられた。NGO関係者の話では、避難所支援に関して、社会開発省と国際機関やNGOなどとの活動のすみわけに関する調整がうまくいっていないことなどから、バーンムアン地区の行政にかなりの負担がかかっているのではないかとのことであった。
第2日目(1月5日)
第2次支援物資として前日避難所で配布した物資に加え、この日からはパンガー県で津波の被害を受けたタクアパー郡、クラブリー郡、ターイムアン郡の海岸沿いにある小中学校の被災した子どもたちに、制服、学用品、カバン、絵本などの救援物資を配布した。
学校の校舎が津波で破壊された所や、多数の生徒が被災した小学校を除き、1月5日から学校が開校したため、被災して家族を亡くした上に、家屋や家財道具など全てを失った子どもたちは、制服や学用品などを心から待ちわびていた様子で、先生方をはじめ関係者の人たちも感激してくれた。この日は午前9時にタクアパー郡のバーンムアン小中学校を訪問し、被災した子どもたちに配布を行っていたところ、ちょうどタイのテレビ局が来ていたためチャンネル11とiTVが取材を行った。
その後、バーンムアン地区の避難所に一旦立ち寄った後、乳幼児用のミルクの湯沸しポットなどを購入し、午後は50キロほど北にあるクラブリー郡のサマキータム寺院を訪問し、避難していたモーケン族の子どもたち70人分の制服などを配布した。制服などの配布については、予想以上に必要性が高いと判断し、その日のうちに追加分として小学生用2,000着、中学生用1,000着をバンコクに注文し、翌6日の早朝にパンガー市内まで輸送するよう手配も行った。
夕方からは、タクアパー郡の南部にあるクッカック地区のトゥンカミン保育園付近に設営された避難所(タイ人40家族、モーケン族60家族)を視察し、住民リーダーから被害状況と救援活動状況などに関しての聞き取りを行った。
第3日目(1月6日)

救援物資を受け取ったナイラーイ小学校の
被災児童 |
早朝からパンガー市内を出て海岸線を北上し、ターイムアン郡、タクアパー郡の小中学校を訪問し、物資の配布作業を実施した。この日訪問した学校は8校で、前日の4ヶ所も含めると12ヶ所となった。また、夕方からは、タイ上院議会の社会開発委員会の議員団らが被災地域を訪問したため、それに合流した。被災住民の代表やCODI関係者、宗教者などと会議を行ったため、それにも出席した。その際に話し合われた内容は、
被災地域は6県で135ヶ村位におよび、約3,000隻の船が難破又は陸上などに打ち上げられた(CODI関係者)。
ナムケム村などの住民は、これから生きていく気力すら無くしているような精神的な状態に追い込まれており、まずはそうした被災者への勇気付けを行っていくことが大変重要(被災者の代表)。

バーンムアン地区避難所の夜の集会 |
今後の居住問題として深刻なのは、国籍がなく、国立公園などに指定された区域に居住している人々(海のジプシーとも言われるモーケン族)や、労働者などの問題である。また、後に村を再建していく上でも、土地の登記や住宅再建などに関する問題をどうクリアーしていくのかが大変大きな課題である(CODI関係者)。
住宅再建に関しては、民間資金も含めて様々な形態の支援活動の動きがあり、足並みが揃っていない状況である。各関係機関で調整していく必要があるのではないか(上院議員)。
多くの被災者が漁民であることから、今後どのように雇用を取り戻し、生活再建を行っていくのかも大きな問題。現在、関係NGOや南タイの漁民のネットワークなどと協力し、まずは数ヶ月間かけて船の修理などの支援をすべきではないか(CODI関係者)。
居住環境の復興や今後の雇用確保、国籍のない人々の問題など、総合的な復興の鍵を握るのは、被災者自身の意見である。従って、被災した人々が、各村や地域で結束して政策的な面でも発言していけるような状況が整うよう、心のケアなども含めて各機関が支援していくことが大切(上院議員)。
感想と今後の活動内容について
第1次で入った12月29〜31日とは異なり、第2次で入った1月4〜7日までの訪問では、瓦礫などの片付けや遺体の処理が進んでおり、救援活動が活発に動き出している状況が見られた。特に、前回も行ったタクアパー郡ナムケム村の被災者を対象にした避難所設営が進展しており、数日間の変化には改めて驚いた。また、発災後たった1週間で、医療や食料、水、衣類などの支援から、仮設住宅や保健衛生、子どもたちへの関わりなど生活の質的向上や心のケアなどへの対応の必要性へと移り変わり、さらには生活の糧である雇用の回復やコミュニティ全体の再建・復興問題、少数民族(モーケン族)や国籍のない人々、ビルマ人や東北タイからの労働者への対応など、中長期的な視野に立った取り組みが求められていることが明らかになった。だが、その一方で、タイ政府をはじめ、多数の救援機関と被災住民間の活動調整が未だ十分ではなく、かつまた来る2月6日に下院議員の総選挙が実施されるという状況もあって、被災住民や住民リーダーたちへのプレッシャーはかなり大きくなっているようにも見えた。

津波の2日前にナムケム村で生まれた赤ちゃん。
ニックネームは゛Tsunami゛と冗談を言った(バーンムアン地区避難所で)
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こうした中でSVAは、避難所のニーズに対応し、その一方で活動対象地域をタクアパー郡からその南のターイムアン郡、北のクラブリー郡、ラノーン県のスックサムラン郡に広げ、小学校を中心に情報を収集した上で、被災した子どもたちが一日も早く平常どおり学校に戻って来れるように制服や学用品などを配布した。この配布は非常にタイムリーで、どの学校の先生からも「開校日に合わせて、一番早く学校で最も必要な物資を配ってくれたNGOだ」と喜んでもらい、子どもたちも明るい笑顔で答えてくれた。子どもたちがカバンや制服をしっかりと胸に抱きしめて微笑んでいる姿を目の当たりにし、日本から支援してくれている人たちや、バンコク事務所で通常業務を抱える傍らで大量の物資のパッケージづくりに夜を徹して何時間も取り組み、真夜中に何回も物資を運び込んでくれたタイ人スタッフやボランティアの人々の気持ちが少し報われた思いがした。
今後の活動については、バーンムアン地区の避難所と各学校のネットワークを活用してさらにデータを収集し、心のケアや教育支援などを3ヶ月間にわたって実施していく詳しい計画を作成するが、今のところは避難所をベースにした心のケアのための図書館サービスや遊び場づくり、子どもたちへの緊急奨学金の支援、保育や託児所施設の確保などが考えられる。
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