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パキスタン地震

パキスタン北東部地震支援事業 (2006.7.17)
終了前モニタリング

  昨年10月に開始したパキスタン地震救援事業は、19日で終了します。
先週は、フェーズ2全18校と復興支援物資配布活動のモニタリングを行いました。


 

 パキスタンでは7月から夏休み。でも、フェーズ2の活動では、2週間ほど前にようやく図書室が完成し、絵本や備品が運ばれたばかり。そのため、休み中も支援校では毎日午前中、図書館を開館してもらっています。
モニタリングのために9時に学校に到着すると、まだ開いていません。普段は8時半から学校が開いているはず。早く着きすぎたかな。でも、次々と子ども達が学校にやってきます。友達とおしゃべりしながら待つ子ども達と一緒に、私たちも図書館開館を待ちます。
先生到着。「すみません。家でやることがあったから、、、」休み中は、先生も副職で稼ぐそうですから、SVAからも日当を支払うことになっています。それでもやはり他の仕事のために「家の用事」と言って先生が来てくれない学校も、、。担当となっている2人の先生のうち、どちらか1人でもやり繰りして開けてあげてください、とお願いします。

 「この地域で地震の犠牲者は116人。うち40人があの学校校舎の下敷きとなり亡くなりました。」地域長さんが時折目を潤ませながら話すなかで指差した学校は、Battal女子小学校。地域を見渡せる区長舎から、SVA支援のシェルター3棟が建っている小学校が見えます。いくつものカーブを経て山間を抜けた後、対象地の中でも一番奥地にあります。景色はとても綺麗で、私も初めて訪れたときに、退院直後であるという先生や子ども達のいるこの学校の被災状況と緑の綺麗な自然の景色とのギャップに衝撃を受けました。地震が起こったあの朝も、瞬間に崩れた校舎が見えたと思います。どんな気持ちで大人たちが学校へ走ったのか。胸をつぶされるような、気持ちになりました。生活も大変なはずです。この夏休み中に図書館が開いているかどうか不安になりながら近づくと、静かな図書館の中で女の子達がお絵かきをしたり絵本を読んでいます。子ども達を見ながら先生が言いました。「図書館やお楽しみ会という活動は、この子ども達のために、本当に良い活動だと思います。」


 バタル男子校、この学校校舎も全壊でした。地域の家屋はほとんどが全壊している危険地域であるレッドゾーンと呼ばれ、地形の影響で地震が再度起こった時にも多大な被害が予想されるとのことで、政府が、恒久的校舎建設を禁止しており、支援団体も政府もまだ校舎建設を行う予定がありません。そのためあれからずっとテントでの授業。地震後、他の地域に移住した人も多くいます。「電気をひこうにも、電気工事士がいません。」先生が言っていました。学校に近づくと「A,B,C,D,E....」と先生が言って子ども達が復唱している声です。図書館兼教室で授業をしているようです。「まず、授業、それから休憩、そして図書館の時間にしています。」初めて会った時、英語で支援の希望を直談判してきた先生。図書館研修では真っ先によみきかせにトライしました。そして、この日も毎日つけているという英語の図書館日記を私に見せてくれました。読み聞かせはまだ固いんだけれど、すごく熱心に子ども達に接しています。
 どの学校でも子ども達が朝早くから図書館に来ていました。先生への図書館活動の再研修のため、子ども達によみきかせやゲームをするモニタリング担当のバシルとワハブに「次は何時来てくれるの。また来てね。」という声がきかれました。「次からは毎日先生がやってくれんだよ。先生にお願いしてね。」

 全18校の終了前モニタリングを終えました。事業は終了しても、この後、家族や多くの友達を亡くした哀しみと自らの恐怖体験をどうやって乗り越えていくのか。
 緊急救援、復興支援、開発支援、それぞれの段階で優先ニーズは異なります。その中でもSVAが緊急救援事業を行う意味を自問自答しながらの3ヶ月でした。でも、この子達が休み中にも毎日こうして通ってきていることに答えがあると思いました。SVAが図書館で絵本を読んだり、お絵かきをしたり、友達と遊ぶ、「時間」と「空間」と「人」と「モノ」作りをこうして支援したことの意味、は確かにあると思います。

 子ども達が絵本に接することで将来につながることを信じています。

 沢山の方々に支えられた10ヶ月間、あたたかいご支援をありがとうございました。

(社)シャンティ国際ボランティア会
緊急救援担当 伊藤解子

 

 

ご支援いただいた方々には後日、 支援事業報告書、会計報告を送らせて頂きます。