(社)シャンティ国際ボランティア会
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1.実施事業名    イラン南東部地震救援事業

2.実施団体名    社団法人シャンティ国際ボランティア会

3.現地パートナー ケルマン州社会福祉局、他

4.実施期間     2004年1月7日〜7月12日

5.実施目的     12月26日、イラン南東部ケルマン州バム市一帯を中心に発生した大地震による被災孤児、児童の救援

6.実施地域     イラン、ケルマン州バム市及びケルマン市

7.実施背景

 12月26日早朝にイラン南東部ケルマン州バム市を中心とする地域で大地震が発生。政府発表によれば、死者数はバム市だけでも総人口の29%にあたる26,000名を数え、負傷者数も30,000人にまでのぼった。また90%近くの家屋が全半壊したとされ、路上もしくは援助機関が開設したキャンプサイトに避難するホームレスは、90,000人前後にまで至った。本会は1月6日に日本人スタッフを派遣し、バム市及びその周辺区域にて救援事業の立案調査を実施。調査の結果、震災によって両親もしくは片親を失い、肉親を頼ることのできない子どもたちが多数存在することが判明したため、彼らに焦点を当てた緊急救援活動を行うこととした。また、教員の3割以上が亡くなったにもかかわらず、震災から約1ヶ月たつと複数の幼稚園が自主的に再開(あるいは託児所が新しく設置)し始めたため、これらの園に対しても側面支援を行っていくこととした。


8.実施活動報告

A.ケルマニアン孤児院修復支援
 両親を亡くした子どもが1,964人、父親を失った子どもが1,039人にものぼり、多くが州都であるケルマン市の既存孤児院に一時庇護されていたが、ピーク時には通常の3倍の数にまで膨れ上がっていたため、再活用が渇望されていたケルマニアン(現マザー・ナーサリー)孤児院の修復を支援することとした。6月上旬にはすべての修繕が完了に至り、ケルマン州知事他、イラン中央福祉局部局長などの列席のもと、落成式が執り行われた。現時点(7月下旬)で約60名の0-3歳児が生活を送っている。  


B.孤児院生活物資配布
 震災直後、中央政府から割り当てられた臨時予算では、当面の衣服と毛布、食費を賄うのが精一杯であり、地元市民に寄付の呼びかけを行わざるを得ないほど切迫した状況が生じていたため、緊急に生活物資の配布を行うことを決定。第一段階として、3月までの間に8つの孤児院へ約120品目を約360名に配布。第二次配布には、さらに8施設、298名を対象に150品目の物資を提供した。
 
C.ホセインズィア孤児院修復支援
 バム市内にあった孤児院のひとつ、ホセインズィア孤児院を支援。地震によってもとの施設は全壊し(こどもたちの半数が亡くなる)、生き延びた子どもたちは、ケルマン市内の雑居ビルに一時避難していたが、立地上の問題から近郊の住宅街へ移転することとなったため、転居先施設の改装・修繕を行うこととした。4月28日に作業が完了し、現在26名の子どもたちがこの場所で新たな生活を再スタートさせている 。

D.マシーズ孤児院帰還支援

 ホセインズィア孤児院同様、バム市内にあった孤児院のひとつで、地震により施設が全壊(こどもの半数が亡くなる)。ケルマン市内にある同孤児院の系列施設で庇護されていた子どもたちがバムへの帰還を希望していたため、コンテナ型の仮設居住施設(コネックス)と当面の生活必要品の提供を行った。6月5日までにコネックス6棟分の設置を終え、生活必需品の支給についても、7月9日時点で全て完了するに至った。現在、約60名の子どもたちが生活を送っている。

※本事業はWCRPの全面支援により実施。  

E.バム市市内幼稚園支援

E-1 教員トレーニング開催

 震災後、幼稚園の数は11園から36園まで増えた一方で、経験の浅い教員による子どもたちの受け入れ、特に心の傷を負った子どもたちのケアが大きな課題となってきたため、州及び市福祉局とともに教員トレーニングを実施。金曜日を除く午後4〜7時の時間帯を使い、11セッション、約8週間〜9月まで〜の間継続して開催されている(本活動は、同時点で福祉局へ事業委託扱い)。市内全36幼稚園の教員約150名が参加している。


E-2 教材配布

 教員トレーニングの参加を条件に全幼稚園へ基本教具の配布を予定。テヘランの教育研究機関〜Child Protectionから助言を得ながら絞り込んだ教材、約33品目を1パッケージとして供給してく 。

E-3 小旅行支援

 長期にわたる被災生活から解放するため、教員ならびに子どもたちのために小旅行を企画し、支援を行った。教員のみを対象とした小旅行は、6月に実施され、約150名の教員がシラーズ州(2泊3日)でひと時を過ごした。また7月上旬には、全幼稚園児+教員による旅行も実施され、あわせて約800名の子ども・教員たちが近郊の街、マハーンにて日帰り旅行を楽しんだ。

E-4 仮設園舎提供

 市内にあった幼稚園のほとんどは、地震により全壊、もしくは半壊し、使用不可能な状態におかれていたため、10の幼稚園へコネックス(コンテナ)タイプの仮設園舎を各1棟ずつ提供した。6月中旬までにすべてのコネックスが設置され、現在これらの幼稚園には、約350名の子供たちが通園している。

 

 

 

E-5 その他

 バム福祉局並びに幼稚園教員コミッティより、SVAがこれまで実施した救援活動に対して感謝状が贈られた。

 

(被造物に感謝しなかった者は創造主にも感謝しなかった))

シャンティ国際ボランティア会殿

 御清栄のことと存じます。バム地震における福祉局の下でのあなた方の幼稚園への支援活動は、比類なく、賞賛すべきものであり、あなた方の活動の報賞は神の御許に記憶されることでしょう。あなた方はきっと永久にバムの暑い太陽や背の高いナツメヤシの木、慈悲深い大地を記憶にとどめ、あなた方の忍耐強く建設的な援助の手を待ち望んでいる城塞の幼稚園の子供達のまなざしや、その崩れ落ちたレンガのことをお忘れになることはないでしょう。

((あなた方が成功し、活躍されますように))

 いつの日かバムの再建が終わり、ありがたくもバムの背の高いナツメヤシや常緑の柑橘類の木陰で、あなた方との再会とともに復興の祝典を催し、子供達の顔から疲労や悲しみや孤独の埃を取り払うことができることを願っております。

バム市福祉局局長
モハンマド・ムーサーザーデ



 

福祉局の意思と国内、国外からの援助によりケルマン州唯一の孤児院再開

イラン・ニュース新聞 2004624日(木)

 

〒160‐0015 東京都新宿区大京町31 慈母会館2・3F TEL:03‐5360‐1233 FAX:03‐5360‐1220 E‐mail:info@sva.or.jp