憲法改悪、教育基本法改悪に反対する連続講座のご案内

第1回「憲法改悪の本質〜自民党改憲草案と国民投票法を批判する」
講師:西原博史さん(早稲田大学・憲法学)

日時:3月5日(日)午後1時30分〜4時30分(開場1時)
場所:エルおおさか 5階視聴覚室      <地図>
主催:アメリカの戦争拡大と日本の有事法制に反対する署名事務局



(1) 自民党と与党が今国会に提出しようとしている、憲法改悪のための国民投票法案、教育基本法改悪案は、小泉首相の求心力の低下、自民の失策の続出とポスト小泉の権力抗争、民主党の「対決姿勢」という政局の転換の中で、今のところ法案提出のメドが立たない状況にあります。しかし、決して楽観できる政治状況ではありません。政局のわずかな力関係の変化で、いつ危険な状況になるか予断は許しません。

(2) 攻防の中心は言うまでもなく9条です。「二度と侵略国家にはならない。」−−加害国としてアジア民衆に対する不戦の誓いがこの憲法だったはずです。また、9条改悪は、米国の「長期戦争」戦略とグローバル軍事介入に積極的に加担し、海外派兵を常態化し自衛隊を侵略部隊に変質させるためのものです。日本がグローバルな侵略国家として登場することなのです。様々な意味で9条は国際的意義を持つのです。
 憲法9条は、反戦平和の「最大の砦」、侵略国家復活を阻止する「防波堤」です。改憲を阻止することで、軍国主義化・反動化にストップをかけなければなりません。

(3) 9条改憲の危険は、憲法の全面改悪との関係で捉えた時に、より深く理解することができます。侵略国家への道は言論弾圧や民主主義的諸権利の否定とワンセットであり、9条改憲は国民主権や基本的人権の否定と不可分一体のものなのです。国民主権から国民の国家への従属へ。「伝統文化」重視の名の下での天皇と天皇制への敬愛と忠誠の強要へ。基本的人権から『公益』へ、権利保護規定から義務強制規定へ。政教分離原則から靖国参拝と政教分離の曖昧化へ。教育基本法での「愛国心」強制と教育の機会均等の破壊。労働者の権利の剥奪と労働基本権の否定。「家制度」の固定化、「家族の重視」。両性の平等からジェンダー軽視、女性の権利の否定へ。等々。
 日本国憲法は、歴史的に形成された矛盾したものですが、それは世界的にも例を見ない平和主義的な原理を内包しています。それは全面的で体系的なものです。国民主権−戦争放棄−基本的人権が相互に連関し合っており、バラバラに解体できないものなのです。私たちは、現行憲法の平和主義的、民主主義的原則の全面的な擁護、徹底を主張します。

(4) 改憲を阻止するのは人民の運動です。制定後の米日の支配層による明文改憲策動を阻止してきたのは日本の人民運動です。私たちは、反戦平和運動、労働運動、環境保護運動や反原発運動等々、民主主義運動と勤労人民の運動全体にとって現憲法が持つ決定的な意義を強調しなければなりません。憲法の諸規定は、闘争の“テコ”、“武器”となってきたと同時に、それ自体が文字通り命や生活をかけた人民の闘いによって防衛されてきたものなのです。

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 私たちは、日本国憲法と教育基本法の改悪を許さない闘いを構築するために、日本国憲法と教育基本法の根本的なところからつかみ取るために、連続的な学習会を開催したいと思います。
 講座の第1回は憲法学者の西原博史さんに、自民党改憲案の全体像と国民投票法をどう批判すべきかについてお話しして頂きます。西原さんは、9条改悪の危険性とあわせて、憲法改悪における基本的人権、思想良心の自由の否定が決定的な意味を持つ、と厳しく批判してこられました。また、日の丸、君が代の教育現場への強制と思想・良心の自由の侵害に対して一貫して闘っておられます。現に運動に取り組んでいる実践的な立場から、そして憲法の専門家として全面的な憲法改悪論批判をお聞きしたいと思います。是非ご参加下さい。

※なお、第2回以降の連続講座の内容は、以下のような内容を計画中です。
第2回 4月2日(日) 「日本国憲法の成立過程と天皇制」(大阪産業大学 岩本勲さん)
第3回 5月7日(日) 「基本的人権と憲法改悪〜『公共の福祉』から『公益』へ」 (弁護士 冠木克彦さん)
第4回 6月4日(日) 米国の「長期戦争」戦略、米軍再編、日米軍事一体化と憲法9条改悪(署名事務局 吉田正弘さん)




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