自衛隊伊丹第三師団、第6次イラク派兵反対行動へ!

[1]侵略戦争加担、市街戦訓練のためのイラク派兵反対!
(1) 日本政府は、第6次イラク派兵を決定し、伊丹駐屯地を中心に500人規模の陸上自衛隊員を5月にも派兵しようとしている。私たちはこの決定に満身の怒りを覚える。イラクでは、今なお米軍の掃討作戦が続けられ、毎日多数の人々、女性や子どもたちが犠牲になっている。多くの有志連合諸国が脱落し、イラクからの撤退を表明し開始するなかで、小泉はあくまでアメリカの侵略戦争を支持し、不法な占領支配に加担するというのである。この関西の地からのイラク派兵に、私たちは断固反対する。

2004年10月グアムで行われた在沖海兵隊と自衛隊中部方面隊第3師団の共同軍事演習はイラクを想定した市街戦訓練だ。
 自衛隊第6次イラク派遣部隊は、北海道の旭川、札幌、東北の青森、山形、中部の名古屋等々、昨年1月から始まった自衛隊のイラク派兵に続くものである。伊丹(千僧)基地陸自第3師団を中心に、近畿など2府19県を管轄する中部方面隊の約20駐屯地の隊員約500人で構成される。第6次派遣隊は、姫路(姫路市)、川西(川西市)、青野原(小野市)、大久保(宇治市)、福知山(福知山市)、桂(京都市西京区)、祝園分屯地(精華町)、大津(大津市)、今津(高島市)、出雲(島根県)、善通寺(香川)、鯖江(福井)、海田市(広島)等々の基地・駐屯地からの混成部隊となる。 

(2) 自衛隊が最大の目玉としていた給水活動は今年2月に終了した。今回の派兵も「復興支援」「道路や建物の修理」「医療支援」を口実にしている。しかし、イラクにとって焦眉の急は電力施設の復旧、伝染病の蔓延を防ぐ上下水道の再建等々、米軍によって破壊された国土の復興である。アリバイ的な道路の補修や建物の修繕ではない。第7次派遣は九州を中心とする西部方面隊が目論まれている。イラク人民の死活の要求を無視して、ブッシュの戦争にあくまでも協力するために、ただ黙々とスケジュールをこなそうとしているのである。

(3) イラクへの自衛隊派兵は、混成部隊での派兵として、自衛隊員たちを戦場で実戦訓練させるための性格をますます強めている。これまで3000名近い陸上自衛隊員が戦場に足を踏み入れた。今では、サマワ宿営地は、米英軍と一体となった占領軍の拠点の一つとなり、市街戦の戦闘訓練、民衆の治安弾圧、住民懐柔とプロパガンダのための訓練・教訓の蓄積の場となっている。
 それだけではない。混成部隊形式の派兵は、全国の自衛隊員を戦場に馴らすとともに、派兵元の地域を全国に拡大し、各地で「銃後」意識を強める意味がある。伊丹では基地の中や道路・駐車場などに「黄色いハンカチ」がつるされ、マンションの入り口には「無事帰国されることをお祈りいたします」のカンバンが掲げられている。「銃後」体制を作り出しているのである。地元の商工会議所を中心に酒屋、散髪屋、眼鏡屋などにも黄色いハンカチがかけられている。「自衛隊協力会」が前に出ている。自衛隊員に市街戦訓練を施し、残された市民に銃後意識を植え付ける。私たちは、こうした日本国内の有事体制化に対抗するためにも、自衛隊派兵に絶対に反対する。

[2]イラク経済の崩壊と反米・反占領感情の高まり、反米武装闘争の再拡大

米軍は5月3日、シリアとイラクの国境付近の町で襲撃し、12人を殺し、6歳の女の子を含め多数の人々を負傷させた。米軍は今も掃討作戦を続けている。自衛隊派兵は侵略戦争への加担である。
(1) 5月1日、2003年のこの日、ブッシュ大統領は「大規模戦闘終結宣言」を行い、イラク戦争の勝利をうたいあげた。しかし、2年経過した今、情勢は全く逆である。イラクではすでに10万人以上の市民が殺された。昨年4月と11月の2度に渡って強行されたファルージャの大虐殺は歴史に残るジェノサイドとなった。最低でも6000人もの人々が虐殺されたファルージャは未だに廃墟である。20万人近い人々が帰還することができず難民生活を送っている。

(2) イラク戦争開戦から2年が立ち、殺戮と破壊によってイラク経済は完全に崩壊した。電力施設と上下水道の破壊で伝染病の蔓延の危険性さえ出ている。電気の供給は一年前の水準を下回り、国民の実に6割が食糧配給に頼っている。イラクはハイチやセネガルなどと並ぶ最貧国の一つになった。子どもの栄養失調の割合はフセイン政権崩壊時の2倍になっている。伝染病コントロール・センター(IDCC)は、2005年3月の肝炎が2004年3月比で30%増も増加していることを明らかにした。バグダッド周辺部で下水・汚水処理を行うための電力の供給が不能となり、給水施設も崩壊しているため、汚染された水が飲料水に混じり、被害を拡大しているのである。チフスや結核の流行の危険も指摘されている。多くの人々が安全な飲料水を手に入れることができない。

(3) このようなイラク人民の悲惨、イラク経済の惨状とは無縁のところで、親米派・親占領派が石油収入と国庫を食い潰し、権力争い・利権争いを繰り広げている。「権力ゲーム」に明け暮れる支配エリートに業を煮やした米国の一喝によって、この4月28日、ようやくお粗末な「イラク移行政府」なる新たな傀儡政府が作られた。

(4) 反米感情が再び高まっている。この4月にはサドル師が米軍の撤退を求める大規模なデモを呼び掛け、シーア派とスンニ派が統一行動を敢行した。今年1月末のイラク移行国民議会選挙後、いったんは沈静化していた反米武装闘争が、4月に入って再び活発化している。4月26日、記者会見でマイヤーズ統合参謀本部議長は反米武装攻撃の4月の累計が「1年前とほぼ同じレベル」に達したことを明らかにした。国防総省によると、昨年春までは週200件程度だった攻撃が、今月は再び週400件に増加し特に4月後半は一日40〜60件にものぼっているという。
 イラク市民の手によるイラクの復興・再建のためには、イラク人民のための、全ての宗派・全ての民族のための真の人民の権力が必要である。米軍は一刻も早く撤退しなければならない。自衛隊を含む全ての有志連合軍は撤退しなければならない。

自衛隊のイラク派兵は、派遣元の地域で「銃後」意識を植え付ける意味を持っている。伊丹の町に掲げられたイラク派兵翼賛のカンバンなど。

[3]自衛隊伊丹第三師団、第6次イラク派兵に反対する!
(1) 今年3月ついにサマワからオランダ軍が撤退した。第6次派遣隊は英・オーストラリア軍が治安弾圧を行う地域に行くことになる。「非戦闘地域」は、憲法違反を取り繕うためのデマゴギーにすぎない。危険は増している。宿営地にロケット弾、迫撃砲弾が撃ち込まれ、周辺で銃撃戦が起こっている。4月半ば、日本政府は、オーストラリア軍のサマワ進駐に際し「不測の事態」に備えて、日本の記者・報道陣への宿営地公開を延期した。それが何よりも現地の危険性を表している。サドル派の外国軍撤退要求は強まっている。

(2) 米兵の死者は1500人を超えた。負傷者はその10倍とも20倍ともいわれている。米軍は、イラク占領支配の泥沼化の中で、ベトナム戦争以来の激しい市街戦の下で肉体的・精神的ダメージを受け、再起不能な重傷者、重度障害者、PTSD患者を大量に生み出し、募集危機を招来し軍のローテーションの不能、兵員不足に陥っている。自衛隊と有志連合軍のイラク駐留継続は、米軍が陥っている兵員不足を肩代わりするものに他ならない。
 米の占領支配は完全に破綻している。小泉政府は、第6次派兵をやめるべきである。殺し殺される前に、今すぐ自衛隊を撤退すべきである。

2005年5月1日 ブッシュ「大規模戦闘終結宣言」2周年の日に
アメリカの戦争拡大と日本の有事法制に反対する署名事務局


5.7自衛隊第3師団イラク派兵反対集会
 日時:5月7日(土)午後1時〜
 場所:瑞ケ池公園(ずがいけこうえん)[JR・阪急伊丹駅よりバス、瑞ケ池公園下車]
 主催;フォーラム平和・関西ブロック
 規模1200名
 集会後デモ(予定)

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□抗議電報等の取り組み
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 陸上自衛隊中部方面隊
 第3師団長 五藤正美 陸将
 Eメール adminpr-3d@gsdf.mail.jda.go.jp