[5月29日署名提出行動報告]
  8513名分の署名を提出 −− さらに署名活動を強めよう!
   有事法制廃案の声を国会に集中しよう!
   防衛庁による身元・思想調査事件を徹底追及しよう!


 5月29日(水)、全国から集まった8513名分の貴重な署名を手に、大阪の署名事務局と首都圏の呼びかけ人を中心に30名あまりで衆議院への署名提出行動をおこないました。
 ロビー活動などほとんどやったことのない私たちに、署名提出の労をとって頂いたのは沖縄の東門美津子議員でした。何人か私たちの署名呼びかけ人にもなって下さっている沖縄で反基地行動をすすめる「心に届け!女たちの声ネットワーク」の紹介でした。そして東門事務所のご協力を得て、@請願署名提出のための紹介議員依頼、A「武力攻撃事態法」特別委員会傍聴、B院内集会を行いました。

 29日当日はすでに与党内で会期延長が議論され始めた緊迫した情勢から、私たちは、会期延長でも継続審議でも法案修正でもなく、あくまでも廃案を目指すことを主張し、チラシを配布しました。

 共産党、社民党は反対で一致しているので、私たちは法案の行方を握りながらも動揺と迷走をくり返す民主党に働きかけを集中しました。民主党議員のうち、秘書を通じて、9名の議員(内、特別委員3名)が私たちの請願署名の紹介議員になることを受けていただきました。特別委員の一人首藤議員の秘書は預かり検討するとのご返事でした。深く感謝するとともに、有事法制廃案のために最後まで闘われることを強く期待します。今後も電話や手紙、メール等を通じて、与野党への働きかけを続けていきたいと考えます。

 国会傍聴では、福田官房長官をはじめ与党が野党に言質を取られることを嫌い「難しい」を連発して質問にまともに応えないなど、全くずさんな政府答弁が行われていました。
 院内集会では30名定員の会場が満杯になり、報告と交流会が開催されました。反原発闘争や沖縄の反基地闘争、在韓被爆者医療訴訟などを通じて知り合った市民派の議員も参加し、沖縄戦から見た有事法制の危険性や、戦死の奨励・命の軽視の批判、自衛隊違憲等々を熱く語り、有事法制の廃案を訴えました。

 大阪の署名事務局、呼びかけ人、東京の「ピースニュース」、「基地はいらない女たちの全国ネット」など各地からの運動の紹介の後、依然緊迫した情勢が続くことから署名活動をさらに強めるとともに、国会に対して民主党の議員だけでなく与党・自民党に対する働きかけ、抗議電話キャンペーン、自治体への働きかけなどの行動提起がありました。最後に防衛庁リスト作成問題で「政府・防衛庁による身元・思想調査事件を許さず、徹底的な事実究明・責任追及を求める特別決議」をあげ、民主主義の破壊という点からも、また国会情勢の点からも重要なことから、その決議を衆院内閣委員会委員に配布し徹底追及の声を拡大するよう確認しました。

 すでに、地方公聴会について6月5日仙台市・鳥取市、6月7日新潟市・佐世保市という予定が決まり、6月10日からの週には中央公聴会が画策されています。まだまだ予断を許しません。署名を拡大すること、国会に廃案の声を集中すること、そして特に防衛庁リスト問題徹底追及の声を上げることで、有事法制を廃案へと追い込んでいきましょう。
 行動の詳しい内容は、以下の院内集会の報告をご覧ください。

−−−−請願署名の紹介議員になっていただいた議員の方々−−−−

民主党

●「武力攻撃事態法」特別委員会委員
伊藤忠治(比例東海)
桑原豊(比例北陸信越)
筒井信隆(新潟6区)
首藤信彦(比例南関東) 【検討中】

●その他
家西悟(比例近畿)
生方幸夫(千葉6区)
金田誠一(比例北海道)
佐々木秀典(北海道6区) 
山元勉(比例近畿)   
横路孝弘(北海道1区)

社民党

●「武力攻撃事態法」特別委員会委員
今川正美(比例九州)
東門美津子(沖縄3区)

●その他
北川れんこ(比例近畿)
中川とも子(比例近畿)


[集会報告]
廃案に向け決意を新たに 5・29有事法制を廃案に!院内集会

 全国の皆さんから寄せられた署名の一連の提出行動を終えた直後に、事務局主催により第一議員会館・第三会議室にて集会が行われました。集会には、寄せられた署名を手に民主党を中心とする議員への説得行動参加者、各地で有事法制反対の署名活動に取り組んできた方々や、今回の署名提出に骨を折って下さった東門議員をはじめとする社民党議員が一堂に、全体で30名以上が結集しました。有事法制を廃案に追い込むことができるのか、まさに天王山を迎え国会周辺で抗議集会、座り込み行動等が行われている緊迫した雰囲気の中、防衛庁による新たな疑惑−情報公開法に基づく請求者に対する身元・思想調査事件−の発覚を受けさらに運動を拡大させなければならないとの熱い思いを抱きつつ、有事法制をめぐる最新の情勢認識を共有することで廃案に向けての決意を新たにし、次の段階への課題・方針を参加者全員で議論しました。


署名活動の新たな広がり 全国各地からの熱いメッセージ

 冒頭で署名事務局が署名が全国から8513名も集まったことを報告するとともに、全国から返送されてきた署名に添えられたメッセージやネット署名をした人の「一言」を「署名運動ニュース号外」として配布し、参加者全員でこの間の取り組みの成果を確認しました。最近署名活動が全国的に広まり、また若者から反対の熱い声が多く寄せられていること、そしてあらたに、高校生をはじめ何人かの方々の提案で携帯電話を利用した署名を開始し、急速に広がっていることを報告しました。


ずさんな審議に怒り 「武力攻撃事態法 特別委員会」傍聴報告

 まずはじめに、公聴会の日程をめぐり紛糾、久々に再開・「正常化」された「武力攻撃事態法 特別委員会」の傍聴報告が行われました。開口一番、「政府答弁のずさんさ、曖昧さに空いた口がふさがらない」との怒りの声があがりました。当日小泉首相は欠席、福田官房長官、中谷防衛庁長官、川口外務大臣の主要閣僚が列席し答弁に立ちました。防衛庁の身元調査に関してそれが組織ぐるみではなかったのかと民主党議員から問いただされた中谷防衛庁長官は、「本当に個人かなという気がしている」と一旦は答弁した後、慌てて自らの発言を翻し、組織ぐるみの可能性を認めたことを曖昧にしました。このような醜態をまざまざと見せつけられ、防衛庁の組織ぐるみの関与への疑惑をさらに深めたことが報告されました。また有事法制によって国民の権利を制限するならば、それが憲法違反であるか否かを判断するためにも問題を具体的に類型化する必要があるとの委員からの追及に、福田官房長官をはじめとする閣僚は「それは難しい」を繰り返し、質問に立った委員が「それでは質問をできないではないか」と怒り出す場面等が報告されました。一事が万事、このように有事法制の議論が具体的に問題にされるや否や、矛盾を覆い隠すためか、またいらぬ言質をとられ法案の内容を制約されたくないとの思いからか、「難しい」を連発し、とにかく法案を可決して下さいと頼まんばかりの対応に終始していました。このような国民を愚弄した政府の基本姿勢に対して傍聴者の怒りはおさまらなかったとのことです。その後も周辺事態法と武力攻撃事態法の関連で、二つが重なる事態が起こった場合それが憲法の禁ずる集団自衛権の行使に抵触する可能性があるとの以前の答弁への追及に、福田官房長官は「理論上は有り得ても実際にあり得ない」と回答するなど、有事法制の矛盾を塗り隠すのに必死でした。
 傍聴したその他の集会参加者からは「こんな情けない議論だったとは……」との感想が述べられるなど、国の運命を決する重要法案があまりに無内容で情けない審議内容によって粛々と進められている現状に、集会参加者一同、廃案に向けての決意を新たにしました。




国会情勢報告−継続する緊迫した情勢を確認

 有事法制をめぐる国会情勢が緊迫し多忙を極める中、社民党の議員の方々が集会に参加下さり、法案をめぐる情勢と議員皆さんの有事法制廃案に向けた思いを聞くことができました。参加いただいた議員の皆さんは次の方々です。東門美津子議員(武力攻撃事態法特別委員会)、北川れん子議員(内閣委員会)、阿部とも子議員(厚生労働委員会,財政金融委員会)、中川とも子議員(厚生労働委員会)。
 はじめに、今回の署名呼びかけ人でもある沖縄反基地闘争のグループ「心に届け!女たちの声ネットワーク」を通じてご紹介いただいた東門議員からの報告がありました。東門議員はまさに有事法制が審議されている「武力攻撃事態法特別委員会」の委員でもあります。「幸いなことに、私は委員会の一人であります」との発言に続き、今後の有事法制審議日程の見通しが報告されました。焦眉の地方・中央公聴会の日程については、6月の早々にも地方公聴会を実施、6月10日にも一般質疑、早くて11日にも中央公聴会の開催を与党は狙っていることが報告されました。一部のマスコミでは審議日程が厳しくなっており有事法制の継続審議の可能性が取りざたされています。しかしながら国会での激しいせめぎ合いの中、審議を強引に進めようとする与党の動きに警戒が必要であることを認識させられました。また現在は反対で結束している野党の実態についても決して楽観できない情勢であることが報告されました。自由党は独自案を提出したこと、民主党の態度ははっきりしないこと等々。野党が決して一枚岩ではないことに対して議員の皆さんは大きな危惧を抱いており、その危機感が私たちにもひしひしと伝わってきました。特に民主党の動きは法案の審議進行に大きく影響します。動揺する民主党に対していかなる働きかけを今後行っていくのか。それは民主党議員を中心に議員訪問を行った参加者が肌で感じたことでもあり、集会後半で行った方針討論の中でも、この側面の取り組みについて様々な提案がなされました。
 続いて“個人情報保護法案”を審議する「内閣委員会」に所属している北川議員からの報告がありました。有事法制をめぐる情勢に関して北川議員は、「6月19日の会期延長がなければ“個人情報保護法案”、“有事法制”、“郵政民営化”等は通らない」との認識を示し、現在各委員会で所轄大臣の取り合いが行われているほど審議日程に余裕のない実態が報告されました。
 思うように審議日程がくめずもがく与党、党内の分裂をかかえ動揺する民主党、追い風、向かい風、両方の要因が錯綜する中、廃案に追い込むためには世論にさらに働きかけていくことが私たちの任務であることを再確認しました。


民主党議員を説得 議員訪問報告

 引き続き、有事法制の危険性を訴え、請願署名の紹介議員になっていただくために民主党を中心とする議員訪問を行った各グループがその時の様子を報告し、成果を全体のものとして確認しました。
 有事法制に対する立場が曖昧な民主党議員を集中的に訪問したグループからは、「非常に難しいと事前に聞いていたがやはりそうだった」との感想に続き、しかしその中でも桑原豊議員が署名主旨に賛同し、紹介議員になった成果が報告されました。他のグループからは、筒井信隆、横道孝弘、山元勉議員、さらには伊藤忠治、家西悟、金田誠一、佐々木秀典、生方幸夫議員が、各々秘書の方を通じて請願署名の紹介議員になったことも報告されました。(首藤信彦議員は検討するとのことでした)
 しかしその行動における議員および議員秘書との話し合いを通して、有事法制をめぐる民主党の微妙な立場を実感したとの意見が多く出されました。たしかに事前の予想通り署名を明確に拒否する民主党議員も多く存在しましたが、紹介議員を引き受けて下さった方々の中にも、有事法制をめぐって対立する党内情勢への懸念が多く見受けられたということです。7月まで会期延長となると党内はしんどい(党内が紛糾する)、6月末までの会期延長、継続審議が良いと、ある議員が述べていたそうです。また会場からは、「継続審議となって、有事法制の矛盾をさらに暴露する時間的猶予が得られることは運動の立場からすると有利な条件ではあるが、しかし民主党にとっては諸刃の剣でもある。また修正協議に応じる流れになると、その後の手足を縛られかねない」との発言がありました。これらを受け会場からは、民主党議員に強く世論の声を伝え、反対を鮮明にするように働きかけていく活動の重要性が指摘されました。また自民党野中議員を訪問した参加者からは、「市民はよく議員一人一人の判断を注視している」との呼びかけに、応対した秘書が即座に「(先生は)戦争体験者でもあります」と返答したエピソードを紹介し、有事法制に対する危機感が高まる世論動向を、与党、民主党議員に伝える活動の重要性が指摘されました。局面の進展にともないこれまでとは異なる新たな方針の必要性を参加者一同確認し、さらなる討議を進めました。


新たな取り組みの構築に向け 廃案に向けた方針討議

 今回の署名提出行動以降の新たな方針として、事務局から次の方針が提起されました。
@署名活動の拡大。携帯署名を含めさらに署名活動を広げ、世論に働きかけていく。
Aホームページやリーフレットなどの手段を通して、有事法制が制定された場合の平時からの危険性を問題にしていくこと。
B現在全国各地域で開催されている「アフガニスタン・パレスチナ パネル展」などの様々な取り組みを継続し、戦争被害の実態を伝えていくこと。
 また会場から、次々と新たな提案が出されました。民主党の議員への働きかけを強化するために、ロビー活動、説得活動を継続する必要性があるのではないか。議員にFAXを送っても見ずに捨てられる、メールはそのままにされる、それなら抗議電話を集中してはどうか、等々。また、与党に対する働きかけが意外に効果があること、自治体への働きかけも有効なことなどさまざまな行動が提案されました。また集会に参加した議員からは、政府首脳陣は防衛庁の身元・思想調査を軽い問題と考えているが決してそれで終わらせてはならない、世論を盛り上げていくことが重要であり、それをバックに集中審議を開かせたいとの声があがりました。
 最後に採決された決議文「政府・防衛庁による身元・思想調査事件を許さず、徹底的な事実究明・責任追及を求める特別決議」を満場の拍手をもって承認し、決議文を衆院内閣委員会委員全員に配布することが確認されました。
 有事法制をめぐる情勢は決して楽観視できないものの、若干の手応えも感じられはじめた状況下で開かれた集会は活発に意見を交換し、新たな課題を確認し終えました。


2002年6月1日
アメリカの戦争拡大と日本の有事法制に反対する署名事務局




● 院内集会参加議員の皆さんの有事法制反対の声 ………  

 沖縄出身の東門議員は、一沖縄県人として本土復帰を果たした30年前、「平和憲法の下に戻ることへのよろこびがいかなるものであったのか」を語りました。しかし米軍基地がそのまま放置され、今またさらに有事法制によってさらに基地機能が強化されようとしていることに対して、「正直言って憤りを感じている」と語りました。またテロ直後の沖縄がいかなるものであったのかを。基地周辺を見回った際、基地はバリケードと機動隊に囲まれ、銃を構えた米兵が住民ににらみを利かしていたとのことです。「軍隊は決して住民を守るのではなく、沖縄戦での友軍の怖さはいまだにお年寄りに響いている……。」泣き叫ぶ子供たちを殺害し、方言をしゃべる県民をスパイとして虐殺した過去。しかし沖縄戦の教訓は決して過去の軍隊固有のものではなく、有事法制によって軍隊がさらに幅を利かせることに対してたいへんな危機感を持っていることが私たちに伝わってきました。

 兵庫県出身の北川議員は、阪神・淡路大震災の時の教訓を、怒りを込めて語り始めました。「自衛隊は守ってくれなかった。……ほんとうに助けに来たのは市民であり、ボランティアであった。自衛隊は、……被災者を分断した。本当に国民を災害や危険から守るならば、消防隊を増やせ。」巷では阪神・淡路大震災の記憶も風化しつつあります。しかし一般的に流布されているように自衛隊は大災害時のために必要な存在なのか、自衛隊を柱とした危機管理の強化が必要なのか、あらためて世間に問いかける必要性を感じました。

 小児科医でもある阿部議員は、自衛隊は人を殺す訓練をしているのであって、災害に役に立つ存在といった宣伝がいかに欺瞞であるかを強調されました。また「私は骨おたく」と切り出し、自らの海外戦没者遺骨収拾の取り組みを紹介されました。先の戦争での海外戦没者は240万人にものぼっていますが、いまだに160万柱が放置されているとのこと。収拾活動は民間人が先頭に立って実施しており、自らの責任で行った戦争であるにもかかわらず政府はどれほど冷淡か。政府は収拾活動を行わず軍人は靖国に名前を刻むだけ、多くの遺骨が保管されている千鳥ヶ淵戦没者慰霊墓地は個人個人の墓ではなくただ人骨を集めているだけの施設であり「ペットの墓の方がまだまし」であり、外国の戦没者慰霊施設と比較していかに貧弱で思いやりのないものか。これらの実態について怒りを込めて語りました。収拾現地では必ず「天皇に謝って欲しい」と言われるなど、戦争責任を明確にしないどころかさらに有事法制などを持ち出し、軍国主義をエスカレートさせていることへの懸念を語りました。

 在韓被爆者医療問題に取り組んでおられる中川議員も有事法制に対する怒りの声をあげました。「有事法制よりも、失業問題、若年層等々、様々な重要問題がある。火のない所に火をかけるのが有事。問題だらけの有事法制を、会期延長を認めず、審議切れ廃案に追い込んでいく」。また植田議員の秘書である太田氏は「本来日本国憲法は有事法制を必要としていない」と述べ、街宣に出かけている議員ともども闘っていく決意を私たちに伝えました。