1/31,2/1自衛隊派兵を問う写真展に80名の参加
劣化ウラン被害・戦争被害のパネルに真剣に見入る人々
参加者それぞれに自衛隊派兵反対の思いを強くする


1月31日、2月1日 守口文化センターにて

 1月31日、2月1日両日、守口文化センターで開催された署名事務局主催の「イラク戦争と占領支配の被害――自衛隊派兵を問う」写真・パネル展の報告をします。

 1月31日早朝、自民党・公明党は、野党欠席のまま、衆議院本会議でイラクへの自衛隊派兵「国会承認」を単独強行採決。それに怒った人々は、米英によるイラクでの劣化ウラン使用を初めとする、ことに女性・子どもへの目を覆うばかりの加害を訴える写真・パネル展へ長蛇の列を作り、米英の占領支配に手を貸すだけのイラク自衛隊派兵に怒りの声を発した――などというのはどこかの夢物語で、月末31日は入場者も20数名を数えるのみで先行き不安を感じさせました。
 おまけに、イラクへは「戦争」じゃなく「人道復興支援」に行くのであって、「派兵」ではなくて「派遣」と書くべきだろうなどと、まるで小泉首相の口うつしのような中年紳士まで現れる始末。主催者の「徒労感」を増すだけのような立ち上がりでした。

 しかし、後の感想を一読頂ければわかる通り、参加した方は写真・パネルを食い入るように見つめ、そこからある真実を汲み取ろうとする方々ばかりであり、また会場を立ち去りかねている人々が多かったことも印象的でした。友人の紹介ということでわざわざ東京から駆けつけて下さった人もいらっしゃいました。

 2月1日は、この傾向が持続しました。土地柄、近くの百貨店に買い物に来る方に見学を呼びかければ、気軽に来ていただける所でもあります。買い物ついでに10歳前の少女から70歳を過ぎた女性まで実に広範な層が訪れました。のべ60数名。森瀧さんに提供いただいた貴重なイラクの写真から、困難な状況の中でも敢然と闘っている広島の方に提供頂いた自衛隊派兵反対行動の写真まで、実に熱心に見ていただけました。署名事務局発行のパンフレットをすべて購入していった青年もありました。

 どうであれ運動は倦まず弛まず進める必要があるんだよ、ということを見学に来ていただいた方に後押しされるような催しでありました。
 いずれにせよ、その情勢に介入できたとは到底思わないけれど、イラク自衛隊派兵の「国会承認」のその時に、派兵反対の写真・パネル展を、一地方都市であれ開催していたことを運動の「誇り」としたいと思います。


■ アンケートより
 以下は、両日協力いただいたアンケートに寄せられた声です。「パネル展を見て、どう思われましたか?」という一般的問いかけにも関わらず、派兵反対等実に真摯な声が寄せられています。できるだけママ掲載しました。耳を傾けたいと思います。

◎ なぜイラクへ自衛隊が行かねばならないか。理由はただ一つ。アメリカのごきげんうかがいだけだ。(男性 70歳以上)
◎ 活字よりも写真を見てこんな"ひどい"のが現実だと思いしりました。どんな理由があろうとも戦争は許されないことです。正義のための戦争といっても大切な命、人を殺した時点で"正義"はなくなります。
たった1人たりとも命を奪う権利はだれにもありません。人を傷つけ殺せば裁かれるのが真の民主主義ではないでしょうか?(男性 30歳代)
◎ とてもふく雑な気分です。言葉では、何と表現すればよいかわかりません。心の中に深く、しみてくるものがあります。(女性 20歳代)
◎ イラク戦争によって、イラク民衆がどのような状況なのか、現実の実態を正しく伝えることで、イラク戦争の侵略の事実をはっきりおさえておきたい。
侵略軍である米軍のかたがわりをする"自衛隊"も侵略軍である。どのような美しい言葉でごまかしてもイラク戦争とその後の占領を正当化することはできない。
できるだけ早く"人の命をとことん軽視する政治"をほうむりさりたい。(男性 30歳代)
◎ イラクに現に存在する被害の大きさにがく然とせざるを得ませんでした。戦争犯罪者が、国作りや復興に手を貸すことなんてあり得ない。まずその罪こそが裁かれるべきだ。アメリカ合衆国にイラク全土を滅茶苦茶にさせておいて「復興支援」に行く日本は一体何なんだろう。ブッシュの戦争を支持した時点で、イラク復興に日本が参加する資格はない。小泉の態度には全く腹が立つ。25日の堺文化館は、雪花の散る寒さだったのでやむを得ぬが、小春日和の今日(2/1)、参加者が少なく感じられるのはなぜか。堺と守口の違いか。(男性 30歳代)
◎ 日、米国戦争時代の畏れ?(男性 70歳代)
◎ どんな理由があっても子供達への被害だけはさける様考へたい。(女性 60歳代)
◎ 大義のない戦争。その継続によるイラクの人々のギセイ。
報道の一面性のコワさが解りました。(男性 60歳代)
◎ 沖縄戦をケイケンしているので胸が痛いです。
早く何とか出来ることを願います。(女性 60歳代)
◎ むごい(男性 30歳代)
◎ 戦争の無い世の中が来る事を心から願います(男性 40歳代)

2004年2月1日 大阪府教員 N



1・24、25 写真パネル展に80名が参加


1月24日(土)25日(日) 堺市文化館にて

 「イラク戦争と占領支配の被害の記録−−自衛隊派兵を問う−−」と題するイラク写真パネル展を堺市文化館にて行いました。(1/31、2/1に守口でも予定)。

 昨年初来日されたドラコビッチ博士とUMRCの活動を紹介するパネルと、米軍による占領統治の実態とその下での犠牲者の増大についてのパネルが追加され、さらに自衛隊のイラク派兵に関するパネルも加えて、わかりやすい内容のパネル展になりました。

 天候が悪い中、中学・高校生、子ども連れのお母さんたちから年配の方まで、たくさんの方に見にきて頂きました。何度か同じ場所でのパネル展をやっていますが、以前にも参加して頂いた方もあれば、駅前で配ったチラシを見て初めてパネル展に参加してくれた方も目立ちました。「戦争がこんなに酷いものだとおもはなかった」と率直な感想をアンケートに書いてくれた高校生ぐらいの男子もありました。署名も集めてきますと言って頂いた若い女性もありました。
 以下にアンケートと、感想ノートに書いていただいた参加者の声を紹介します。

 日本が再び泥沼にはまっていくのを食い止めるため、イラクの占領とブッシュの戦争を1日も早く終わらせるため、戦争の真実を知らせ、戦争反対の下からの世論を作り上げていくための活動を粘り強く続けていきたいと思います。


■ パネル展を観て感じた事

◎ 劣化ウランの被害、あまりにも残酷、この様な事実を知らない人が多い。テロのために戦っていると思っていたかも、と、本当のことを知らなければ日本も又軍事国家に逆戻りする感じがする。(70代 女性)
◎ 悲しすぎます.(50代 女性)
◎ 詩で聞くより文章で読むより目で見ることはより事実が明らかになります。特に劣化ウランによる被害は特に深刻で、10年もの長期にわたる苦しみとあわせて、ほとんど永久の汚染に、その使用の責任を大きく問いただしたい思いで、絶対に許せません。被害の多くが女性や子供である事も許せません。(60代 女性)
◎ 戦争の犠牲になるのはいつも普通の市民です。子供たちの負傷した顔や劣化ウランによる影響の大きさに驚いています。私たちの毎日使っている電力も劣化ウランとなってイラクで使用されているかと思うと複雑な気持ちです、胸が痛みます。(60代 女性)
◎ 小泉他政府、防衛庁関連の人たちに腹が立つ。(60代 男性)
◎ 改めて酷い戦争だと感じた。(30代 男性)
◎ あまり自分の事として考えていない事が多いのだと思います。(60代 女性)
◎ われわれ戦争を体験したものにとって写真展を観て悲惨な時代が今更のように蘇ってきました、早く世界が平和になれば良いと感じます。(70代 女性)
◎ 昭和一桁の者にとっては、第二次世界大戦の空爆の後を思い出す悲しい写真である。その当時(原爆により終止符を打ったが)より戦争に使用する手段が悪質で被爆を受けたものは一生身体の内部から心身ともに苦しめられる状態となる。現在の日本の平和をしみじみと感じた。(70代 男性)
◎ 今まで目を背けていたことを突きつけられた様に思います。悲しみや種々の違和感を感じますが、すべての感情が自分の蚊帳の外に対する事だと言うのが本音です。同じ土俵のことであるという実感が薄いのが実情です。(20代 男性)
◎ 関係のない一般市民に被害が及ぶのは悲しい・・・(40代 男性)
◎ 戦争がこんなに酷いものだとは思わなかった。(10代 男性)
◎ 平和は来そうにない。(10代 男性)
◎ 日本のジャーナリズム、マスコミが取り上げない真実を少しでも知らせるために大変必要だと思います。本日はありがとうございます。(50代 男性)
◎ 生々しい写真がたくさんあり、見ていて涙が出そうになった。でも、実際の現場はこんなものではないのだろう。政治権力者たちの身勝手な思い、行動が罪もない人を平気で殺している。本当に許せない!
日本は、アメリカにたくさん軍事費を渡しているのは知っていたが日本が本格的な爆弾 を持っている事に驚いた。情けない。また、私たちの生活エネルギーで使われたものが兵器へ変わっていく事も驚いた。日本も戦争にずいぶん手を貸しているんだと思った。いやだ!!
みんなが笑って過ごせる平和な世界に早くなってほしい。(20歳代 女性)
◎ 新聞報道では伏せられている事があまりに多く、ショックです。こういうパネル展を開く事を「生協」や「子供会」「学校」等へ案内をしたら良いと思います。(30代 女性)
◎ もっと多くの方に見ていただきたいと思います。(40代 女性)
◎ 偶然チラシを渡されなかったらこの展示を見ることはなかったと思う、そして多くの事実を知らなかったと思う。メディアで操作された情報だけが流されるテレビで、こうして見に来なければ事実を知る事が出来ないのだと思った。「見ざる」「言わざる」「聞かざる」という、お上には逆らわないという日本人独特の知らないふりはもうやめるべきだと思った。ところでこういう展示会には堺市議など多くの知らなければならない人はちゃんと来てるのでしょうね!!
◎ 一番大切なのは戦争は絶対してはいけないということである(戦争の目的は経済政策、金の為だけである、一部宗教戦争は除く)。しかし、戦争が始まってからでは一般市民の犠牲者(これは当たり前)、いろいろな兵器使用これはさけられない、なぜなら戦争は殺し合いである、兵士(家族もあり友人もいる)たちはやらないと自分がやられる、全世界が以前にくい止めなければならない。(40代 男性)
◎ 見に来るにはつらいなと思いつつ、でも見ないと分からない事もあると足を運びました。心の痛む写真ばかりでしたが、劣化ウラン弾やクラスター爆弾に対する(アメリカは勿論のことですが)我が日本政府の対応に憤りを感じます、新聞報道も非常に少ないものでしたが、被害はとても大きいようですね、正しい正直な報道が必要であると思います。
となりの会館でも講演会などないでしょうか?(50代 女性)


■ 自衛隊派兵について思うこと

◎ 絶対反対、日本は唯一の被爆国でありながらアメリカに加担しているのは何故かその理由について詳しく知り、憲法9条を守り抜くことが大切。(70代 女性)
◎ 仕方ないのでは(安保で守ってもらってるから)。(50代 女性)
◎ 日本戦前の東条英樹の***この責任を小泉が***とるのでしょうか? 米英の戦争によって引き起こされた今の現状に日本国として加担するものであり、現平和憲法のもとでイラク自衛隊の派遣はまったく許せないものであり、戦後初めて大きく戦争への道に踏み出した歴史的な出来事だと思います。日本の方向性に対してきっちりとした世論の声を起こしていきましょう。(60代 女性)
◎ 絶対反対です。(60代 女性)
◎ 反対。自衛隊の中から反対は起こらないのかと思う、日本が悪い方向に進んでいる事が心配(60代 男性)
◎ もちろん反対です。(30代 男性)
◎ きっと自衛官も無事に終わるとは思えません。(60代 女性)
◎ 今では良いか(正しい)悪いかわかりませんが行かれた以上、あちらでの活躍と皆様の無事に帰ってこられるのを祈っています。(70代 女性)
◎ 人道的支援には大いに賛成である。しかし、国内における意志統一はもっと行うべきと思う。現在の政治家は自身の保全のために方針を決めているように思う。(70代 男性)
◎ 全ての国家において兵を動かす者が政治家であることが問題なのかもしれません。日本が大国の流れに真っ向から立ち向かう力を持っていないという事実は曲げられないもので、自衛隊の派遣の有無や米国への手を貸すかどうかということを小国の首相ごときが独自に決めるだけの能力と判断力を持ってるとは思えません。日本という国が戦争に参加するとどうかではなく、戦争をするかどうか(起こしてはならないものですが)が問題だと思います。国連レベルでの働きかけが必要になると思います。(20代 男性)
◎ 反対!(40代 男性)
◎ 憲法に違反していると思う。自衛隊を派遣するならちゃんと憲法を変えてから行かないといけないと思う。(10代 男性)
◎ くそのくそがきれいなはずがない。(10代 男性)
◎ ついにここまで来てしまったかという思いです。反戦平和の運動も大変なところに来てしまったなと思います。(50代 男性)
◎ 復興支援といいながらアメリカ兵を輸送する、それは戦争支援なのでは?! 復興支援するのなら、まずアメリカに、米兵はイラクから出て行けと言うべきだ。(20代 女性)
◎ 自衛隊がイラクの人々を傷つける前にイラクから撤退する方向へ行かないものでしょうか? 小泉政権が早めに倒れない事には何も良い方向へは進まないんでしょうね。(30代 女性)
◎ 人道支援という触れ込みで、イラク入りしているはずなのに防衛庁は機密事項だからと報道規制をしました、情報公開が当たり前の今の時代に防衛庁にとって都合の悪いことがあるから隠すのでしょう。戦前の情勢とそっくりな今の状況を国民はもっと真剣に受け止め考えるべきです。(40代 女性)
◎ 自衛隊そのものが違法であるのにそれを外国にまでもっていってまで戦争に参加したいのかと思う。それよりも医療チームやボランティアなどを多く派遣するべき。(40代 女性)
◎ 自衛隊派兵については大反対である、しかし今の日本の経済状態などから見るとアメリカに反対出来ない状態である(金)、このまま日本がどうなって行くのかますます不安である。日本はヒロシマ、ナガサキという大失敗があり、アメリカにはベトナムという同じことがあったと思う、しかし人間は失敗を忘れたころに何回も何回も繰り返してしまう。(40代 男性)
◎ とうとう派兵されてしまったと無力感におそわれています。新聞報道によれば今は好意的に受け入れられているとの事で、行ってしまったからには現地の役に立つことを少しでもやってきてほしい、例えば医療面や生活の基盤を補修するなど・・・又、雇用が期待されているとのことで、その方向で日本は出来る事をすべきだと思います。自衛隊が米の援助しかできないなら早く引き上げてほしいと思います。(50代 女性)


■ 感想ノートから

◎ 1/24(土)晴れ
イラク戦争に日本も参加するなんて,情けない気持ちでいっぱいです。
自衛隊がサマワに行って現地の人を雇えば、その人達が巻き添えになるのではと心配です。
やっぱり、戦争は嫌! (29歳 男性)

◎ 1/25(日)
堺でのこのようなパネル展(写真展)に参加させていただいたのは初めてです。チラシをもらって私自身、中東の事や世界で起こっている紛争のことなどまだまだ若くて知らない出来事がたくさんあり、良い機会なので来させていただきました。
弟も祖母も誘ったのですが、あまり関心がないようでした。でも、私たち日本人は世界最初の被爆国の国民として、どこの国の人よりも戦争には反対し、憎まなければ(戦争や紛争を)ならないと思います。それは私たちのたくさんの祖先が広島と長崎に落とされた原爆のために犠牲となったからです。
特に、今の10代、20代の若い世代こそこのような世界の出来事に目を向けなければならないはずです。今日ここに来てまた色んな意味で勉強をさせていただきました。将来はきっと中東諸国が良くなるよう中東の子供たちやすべての人が平和に暮らせるよう、何らかの形でお役に立てる人になりたい、そう願っています。(19歳 女子)