基地の問題を女性の視点でとらえている。生活者の視点から考えてきた。その結果、「軍隊・基地というのは構造的暴力である」と位置づけている。 米兵による女性への暴行事件は後を絶たない。あちらこちらで沖縄の、特に女性たちが基地によって抱えている問題を訴えてきた。その時に海兵隊にいて、今は平和運動をされているダグラス・ラミさんと出会い、軍隊の内部の様子を聞いた。ダグラス・ラミさんの話によると、軍隊というのは人を殺すのが仕事であり、普通の人間では人を殺すことができないので、人を殺せるように教育されるという。そのキーポイントが女性を蔑視すること。相手を人間ではないと思うことができるのは、そこに差別を介在させること。その一番のポイントは女性差別だという。訓練のあらゆる場面で女性を差別する、女性の尊厳を傷つける。人間に等級があることを体にしみこませる。それが完成したら、海兵隊員として戦場に送り込まれるという。ベトナム戦争中、ベトナム人を「ベトコン」と差別した。ベトナム人を殺したら耳を切り取って、ネックレスにしてぶら下げていた。相手を人間と思わないから、そういうことが平気にできたという。アレン・ネルソンさんも「ベトコン」を人間だとは思わなかったという。「ベトコン」を追っていった時に、洞穴で女性が赤ちゃんをまさに産み落とそうとしていた。赤ちゃんを女性から手渡され、へその緒を女性がかみ切った。赤ちゃんを抱いた時に初めて「ベトコン」も自分たちと同じ人間なのだと気づいた。それ以来、戦えなくなり、退役した。彼らの話を聞いて、女性差別が戦争につながることを知った。 私たちはアメリカの軍隊だけを問題にしているわけではない。日本軍がアジアで何をしてきたかも追及している。アジアで日本軍がした残虐な行為、沖縄で日本軍がしたことを考えると、軍隊とは構造的暴力であると思う。米軍が一番最初に上陸した慶良間の渡嘉敷島で生まれたが、そこでは「集団自決」がでたくさんの人が亡くなった。日本軍が中国や「満州」でしたきたことを自分たちもされると言われ、捕虜になるよりは死んだ方がいいと「集団自決」が起こった。生き残ったおじいさん、おばあさんに聞くと、米兵に汚されまいと「愛する者ほど確実に殺したい」と思ったそうだ。母も「集団自決」の生き残りだが、その時は「死ぬよりも生き残る方が怖かった」という。軍隊を前にしたとき、生き残る方が怖いという。軍隊は決して住民を守らない。守るどころか、住民に対して恐怖をあたえるものだった。 サンフランシスコの海員組合と交流をしたことがある。ここは唯一ベトナム戦争に反対した組合だ。この労組はアメリカは経済のために戦争をしているという。武器を開発して作り続け、地域紛争に首を突っ込んで武器を使う。兵器を売る。またアメリカの国益を守るためにも戦争をする。戦争は経済でもあるのだ。 基地というものは環境汚染の元凶でもある。サンフランシスコの元陸軍基地を見学に行った。17年間、年間80億円かけて環境浄化作戦が行っている。近くの海の魚を食べてはいけないという。どれほど汚染されているのか。恩納村でも通信基地跡でPCBが検出されて問題になっている。基地は自然までもレイプする。基地は人間に対しても、環境に対しても暴力をふるう。 武器があるから戦争が起こる。基地があるから戦争がやってくる。軍隊も基地もなくしていきたいと思う。 2002年4月29日 アメリカの戦争拡大と日本の有事法制に反対する署名運動交流集会
源啓美さん(基地・軍隊を許さない行動する女たちの会)のお話より (文責:中條) |
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