[速報]
 5月12日、有事3法案の廃案を求める署名提出・請願行動
 修正協議ではなく廃案に
      3455名分の署名を提出し、提出署名は総計20086名に。

 5月12日、署名事務局は、有事法制の廃案を求める署名提出・請願と議員への要請活動を行いました。この行動は「テロ特措法・海外派兵は違憲市民訴訟の会」がよびかけたもので、行動には20名近くが参加し「武力攻撃事態特別委員会」の委員の議員事務所に対する説得活動と衆参全議員事務所に対する有事法制反対の要請・資料配付を行いました。
 要請活動後の交流会には、テロ特措法違憲訴訟の原告でもあり武力攻撃事態特別委員会の委員もある今川正美議員が駆けつけ、有事法案を巡る緊迫した事態と、法案の危険性を訴えました。




●議員要請活動で署名事務局が配布した要請文
国会議員の皆さまに強く訴えます!
アメリカの先制攻撃に加担・協力する戦争法=有事3法案を廃案にしてください!アメリカのイラク軍事占領と植民地支配への支援・協力を中止して下さい!

1.憲法違反の有事法制の修正協議に反対します。
 戦争を前提とした有事法制は、戦争放棄をうたった日本国憲法に違反しており、そのような法案の国会審議や協議そのものが違憲の疑いがあります。憲法のどこにも有事法制の根拠となる条文はありません。有事法制は憲法の精神、すなわち「平和主義」「国民主権」「基本的人権の尊重」の3原則全体に違反しており、戦争法を承認した上での「国民保護」「基本的人権の保障」「国会承認」などは、まやかしの、争点そらしの議論でしかありません。私たちは、与党修正案はもちろん民主党修正案にも強く反対します。有事法案を即時廃案にするよう要求します。

2.北朝鮮への先制攻撃に道を開く有事法制に反対します。
 与野党とも「北朝鮮(朝鮮民主主義人民共和国)の脅威」を前提に議論を進めています。しかし、アジアでの脅威は北朝鮮ではなくアメリカでありその戦争政策に加担しようとする日本の動きです。米のイラク戦争での圧倒的勝利が北朝鮮に対して大きな脅威を生み出したことは間違いありません。在日・在韓米軍基地の存在に加えて、日本で戦争準備態勢を実際に整備する有事法制の議論が進んでいることはさらなる恫喝を加えるものです。94年の米による対北朝鮮戦争の一触即発の危機を免れたのは、有事法制がなかったからです。「備えあれば憂いなし」どころか、有事法制が戦争の敷居を低くし危機を高めることになります。恫喝外交ではなく平和外交を進めるよう要求します。

3.国際法に違反する有事法制に反対します。
 ブッシュ大統領は「先制攻撃戦略」を明言しイラクへの戦争を行いました。これは、アメリカの戦争政策の大転換でり、ジュネーブ条約や国連憲章など、無法な戦争を禁止した国際法にあからさまに違反しています。有事法制は「武力攻撃事態」に加え「予測事態」なる概念を採用し、アメリカの先制攻撃戦略に追随・協力しようというものです。「国家総動員態勢」で日本全体を巻き込もうというものです。アメリカがイラクに対して「大量破壊兵器の保有疑惑」「核開発疑惑」をもって攻撃に踏み切ったように、「疑惑」や「予測」だけで人為的に脅威を作り出し武力攻撃をする事が可能となります。これは専守防衛にも反することです。国際法に違反し、先制攻撃を煽る有事法制に反対します。

4.「戦後復興法」策定をはじめ米によるイラク占領への一切の協力に反対します。
 イラク戦争ではおびただしい数の民間人、そして兵員が殺され、クラスター爆弾、バンカーバスター、ナパーム弾など非人道兵器がたたき込まれ、放射能兵器=劣化ウラン弾さえ使用されました。その被害は将来の影響も含め想像を絶するものです。このむごたらしい戦争を日本が支持しさらに戦後処理と占領統治のためのORHAに要員を派遣していることは恥ずべきことです。ORHAは米国防省の直轄機関であり、日本の要員派遣は米の戦争と植民地支配に直接手を貸すことです。「イラク戦後復興法」、自衛隊、自衛官派遣、ODAなど財政支出その他一切の占領政策への協力に反対します。

5.有事法制を廃案にし、平和憲法を掲げ、平和外交を進めるよう要求します。
 有事法制が成立することは、日本で戦争準備態勢を構築していくという非常に危険なメッセージを与えることになります。朝鮮半島で戦争が起これば、半島全体が火の海になり大量の犠牲者と被害で出るのは間違いありません。アメリカのこれ以上の無法な戦争をストップさせるためにも、有事法制を廃案にし、平和憲法を掲げ平和外交を進めるよう要求します。


2003年5月12日
アメリカの戦争拡大と日本の有事法制に反対する署名事務局
〒580-0023 大阪府松原市南新町 3-3-28阪南中央病院労働組合気付
http://www.jca.apc.org/stopUSwar/ e-mail: stopuswar@jca.apc.org FAX 072-331-1919




2003.5.12

私たちは、戦争準備を否定し、平和憲法を守り、世界に尽くします!
有事法案、個人情報保護法の成立に反対する共同アピール

連絡先:テロ特措法・海外派兵は違憲市民訴訟の会
代表 尾形 憲


明らかな憲法違反 

民主党・自由党が有事法制対案を出したことで、修正協議がまとまれば、5月中旬にも衆議院本会議採決と報道されています。私たちは、有事立法の制定には反対であり、今後の修正協議でどのようにとりまとめられようと、廃案を求めます。衆議院を通過した個人情報保護法も、報道・言論規制法であり、廃案を求めます。

武力攻撃事態法は、日本に武力攻撃が実際にあった場合のみならず、「予測されるに至った段階」において、ブッシュ政権の「先制攻撃戦略」と一体になって、自衛隊が展開を行い、それが在外公館や在外日本企業も含めて「日本への武力攻撃事態」に発展すれば、他国に攻め入っていくことを可能にし、国や自治体、報道・医療など公共機関、国民にまで戦争協力を強制する法律です。過去の戦争で失った数千万人の犠牲の代償として制定した戦後憲法の、前文の平和的生存権や9条「武力行使の放棄」に全く背反することは言うまでもありません。ここに本法案の最大の問題点がありますが、この点では、民主党代案は、与党案と本質的に同じです。修正協議の報道で、この点の指摘がないのも問題です。

ブッシュ・ドクトリンの「先制攻撃戦略」の恐ろしさは、「イラク戦争」に如実に示されました。「次は北朝鮮」と一部マスコミが書きたてる中、武力攻撃事態法などを成立させるならば、ブッシュ政権が次の戦争を開始したときに、自衛隊がすでに成立している新安保ガイドラインや周辺事態法と一体になって、米軍の先制攻撃とともに最前線に立ち戦闘行為を行うことになってしまいます。国民にこのことがどれほど知らされているでしょうか?

「北朝鮮は怖い」とか、「攻められたときの守りが必要」という考えから、有事法制必要論を主張する意見がありますが、金正日政権を武力で転覆したとして、どれほど犠牲を生じ、その後どうなるか、真剣に考えるべきです。それでは「拉致家族問題の解決」も不可能となります。むしろ、圧倒的な軍事力配備や「先制攻撃」論で北朝鮮に圧力を加えている米やそれを支持する日本の北朝鮮敵視政策、それを煽る一部のマスコミ報道こそが問題にされなければなりません。「独裁者フセイン」「大量破壊兵器」などの報道に、イラク戦争容認の世論形成の側面があったことを想起するべきです。政府は憲法に沿って、もっと外交努力を重ね核や拉致問題の平和的解決 に徹すべきです。

廃案しかありません

 報道では、民主党代案は「国会の関与を強める」としていますが、決してそうではありません。武力攻撃事態法は、内閣だけで「対処基本方針」を決定し、自衛隊を展開させ、地方公共団体や公共機関にも「公示」することとなっており、国会関与は「原則事後承認」に近いものになっています。民主党修正案は「国会の議決で終了」を提起しているにすぎませんし、基本法でも「原則事前承認」を言いながら、「できない場合は事後でよい」としているのですから、原則にさえなっていません。さらに民主党代案は、基本的人権保障を強めていると主張していますが、武力攻撃事態法を概ね受け入れ、自衛隊法の改正についてはそのまま受け入れています。自衛隊法の改正では、物資保管命令・業務従事命令の諸規定が定められ、公用令書交付手続き、保障措置なども定めらることになっており、保管命令違反には、6ケ月以下の懲役または30万円以下の罰金という罰則がつけられることになっています。これで、どうして「思想・良心の自由が絶対的に保障される」というのでしょうか。

民主主義の放棄です

個人情報保護法が成立すれば、政治家・官僚・資本家の汚職や腐敗をジャーナリズムが暴露することへの規制がなされ、労働組合、市民団体、NPO、サークルなども、個人名簿をデータベースに持っていれば「個人情報取り扱い業者」とされ、主務大臣の「報告の徴収」「助言」「勧告及び命令」の対象となります。自由な活動は不可能となります。こうした状況のなかで、民主党代案が「報道・表現の自由の不可侵」を唱っても、いかほどの規制力があるというのでしょうか。

国民保護法制は、名前と違って県や市町村、国民を戦争に協力させ、統制する法案ですが、民主党案が、「国民保護法制」が基本的人権の侵害を次々もたらすことに言及せずに、「法の施行期日」を「国民保護法制の整備のとき」とするのは、国民生活をすみずみまで統制する諸立法の成立を加速するだけです。

以上、ごく簡単に、民主党代案も含めて、武力攻撃事態法修正案など有事3法案の問題を指摘しました。与党案も、民主党案も、自由党提案も実質的な違いはありません。

今、民主党と与党3党の間でなされている「修正協議」は談合に他なりません。有事法制の問題をどれほど国民に知らせたでしょうか?公聴会さえ開くことなく、肝心なことを知らせないまま、このような談合で、世界と国民の将来を左右する重大法案を成立させるならば、もはや、議会は民主主義の砦であることを放棄するものです。

有事法制を成立させてしまえば、私たちは、否応なく加害者となり、そして被害者にもさせられます。どう字句を変えようと、有事法制、個人情報保護法は、ともに廃案にする以外、平和と自由、人権は守れません。国会議員の皆さんには、この法案を廃案にするため行動されることを強く要請いたします。


呼びかけ・賛同人(順不同、5月11日現在)

青木一政(ピース・ニュース)、東 幸一郎(平和大学埼玉教室代表)、石垣敏夫 (埼玉県平和資料館を考える会)、尾形 憲 (テロ特措法・海外派兵は違憲市民訴訟の会原告団長)、江上正(市民じゃーなる)、遠藤冨寿(とめよう戦争への道!埼玉県連絡会代表、牧師)、大川原啓子、折原美智子(主婦)、小木曾茂子(新潟県)、川岸恵子(久喜市)、栗原規昭、斎藤紀代美(子どもの人権・埼玉ネット)、四宮由美子、進藤敬子(有事立法に反対する久喜市民の会)、鈴木高智(ピース・ニュース)、千田恵子(子どもの人権埼玉ネット)、田中初義(熊谷地区労熊谷ユニオン)、津田道夫(評論家・有事立法に反対する久喜市民の会)、二田譲(埼玉高教組)、野原久恵(久喜市)、野村みどり(教師)、林量淑(埼玉大学)、坂東かずよし(とめよう戦争への道!埼玉県連絡会)、日高有為子(草加市)、細井明美(VAWW−NETジャパン)、真野京子(大阪府)、三輪隆、向井雪子(埼玉県)、諸永政司、山縣昌彦(テロ特措法・海外派兵は違憲市民訴訟の会)、吉田正弘(アメリカの戦争拡大と日本の有事法制に反対する署名事務局)




2002年5月12日

  国会議員各位
テロ特措法・海外派兵は違憲市民訴訟の会
同原告団一同  代表  尾形 憲 

テロ特措法の延長に反対し、有事関連法案を廃案にすることを要請します

 
要 請 項 目
1 時限立法であるテロ対策特措法の2年間の延長に反対することを要請します。
2 私達が提訴したテロ対策特措法の違憲確認等の市民訴訟を支持してください。
3 米国の「先制攻撃戦略」に追随し、全面的に参戦する有事関連法案を廃案にすることを要請します。
私たちの主張
 (アフガニスタン攻撃への日本の加担) 小泉首相はテロ特措法案に関連し「多少の犠牲は仕方がない」と言っていましたが、アフガニスタンでは、ニューヨークでの9・11の犠牲者約2800人を上回る子どもなど非戦闘員が米軍の爆撃によって無残に殺されています。クラスター爆弾とか、デイジーカッターという非人道的な大量殺人兵器が使われています。米軍の報復爆撃は国際法違反であり、人殺しだと理解しています。従って海上自衛隊の燃料補給は武力行使と不可分であり違憲は明白で、またテロ根絶どころか、暴力とテロの連鎖を拡散させるものだと思っています。
 (イラク攻撃にも加担した日本) 艦船用燃料の提供を開始した平成13年12月2日以降現在までの間に、米軍の艦艇を中心に艦船用燃料を223回、約30万1千キロリットルの艦船用燃料を提供し、概算値にしてその総額は約113億円となっています。戦闘が行われている中、戦争支援の自衛隊海外派兵は、今回が初めてです。米空母キティホーク空母機動部隊司令官が、「同機動部隊が海上自衛隊から間接的に洋上で燃料補給を受けた」と発言したことは、イラク攻撃にも加担したことを口外したものです。
 (テロ特措法の違憲性) テロ特措法は自衛権の範囲を逸脱していることは明らかであります。2001年10月5 日国会で小泉首相は「法律的な一貫性、明確性を問われれば答弁に窮してしまう。そこにはすきまがある」と発言しました。つまりテロ特措法は憲法9条に抵触することを認めたのです。
 (ジュネーブ条約等の国際法の遵守)  紛争当事国が無防備地域を攻撃することは禁止(第59条)され、戦争犯罪と見なされます(第85条)。これらはジュネーブ条約第一追加付属議定書の内容です。アフガニスタン攻撃もイラク攻撃も、「国際慣習法」としての同条約に明確に違反します。また、有事関連法案では戦争非協力は罰せられることになっていますが、これは憲法違反の基本的人権の侵害であり、また一般民間人の保護を最優先した同条約にも違反するものです。
 (市民違憲訴訟の請求の要旨)
1 テロ特措法が日本国憲法に違反し無効であることを確認する。
2 テロ特措法第4条に基づく基本計画(平成14年5月17日閣議決定)を取り消す。
3 被告防衛庁長官はインド洋、アラビア海、ペルシャ湾に派遣展開中の自衛隊艦船を日本国に帰還させなければならない。
 (これまでの裁判の経緯)
○ 原告253名をもってさいたま地裁へ提訴(2002年7月11日)
○ 口頭弁論3回(2002年10月30日、同年12月25日、2003年3月26日(結審))
○ 裁判官忌避申立て(2003年4月21日、同却下2003年5月2日)
○ 判決予定日(2003年6月25日)