駐韓米軍による女子中学生ひき殺し事件を糾弾する!
−−韓米地位協定の抜本的改定を求める韓国の運動に連帯しよう−−

○米軍は韓国政府に裁判権を早急に委譲し、責任者を拘束処罰しろ。
○米軍と韓国政府は共同真相調査団を構成し、真相を究明しろ。
○ブッシュ米大統領は遺族と韓国国民に公開謝罪しろ。
○事故の責任部隊、キャンプハウス訓練場を閉鎖しろ。
○不平等な韓米駐屯軍地位協定(SOFA)を全面的に改正しろ。

写真は韓統連HPより。
駐韓米軍による女子中学生轢殺事件に関する詳しい情報が韓統連HPに掲載されています。
http://www.korea-htr.com/chuo/japanese/index-cj.html


1.95年の沖縄を彷彿とさせる事件
 6月13日、韓国京幾道で米軍装甲車が女子中学生2人をひき殺した。米軍に対する抗議行動は徐々に広まり、2人の「49日」にあたる7月31日は、韓国全土で抗議集会、追悼集会が催された。韓国国防部スポークスマンが「反米感情が憂慮される水準に達した」と危機感をもつほど、韓国内でアメリカと駐韓米軍に対する怒りが爆発している。
 今の韓国は、95年の沖縄を思い起こさせる。米兵による暴行事件が、50年間基地の重圧と被害に耐えに耐えてきた県民感情に火をつけ、“島ぐるみ闘争”へと発展した。沖縄の怒りは日本「本土」にも飛び火した。地位協定の抜本的改定と基地撤去を要求し、土地の強制収用を事実上阻止し、日米両政府を震え上がらせた。韓国の2人の少女の死は、米軍の圧制下で苦しんでいた人々や反基地で闘ってきた人々、SOFAを問題にしてきた人々、人権を訴えてきた人々、そして少女と同じ世代の若者たちをひとつにした。SOFA(駐韓米軍地位協定)の抜本的改定を勝ちとるための全国的な闘いが始まった。この闘いに熱いエールを送りたい。SOFAはもちろん、日米地位協定の抜本的改定のためにも、韓国の闘いに連帯したい。


2.背景にはブッシュ政権の戦争拡大政策がある。
 韓国では、昨年の「9・11」以降、ブッシュ政権が「テロとの戦い」を開始する中で在韓米軍の緊急体制が続き、更に北朝鮮(朝鮮民主主義人民共和国)を「悪の枢軸」と決め付け打倒すべき敵と宣言して以来、非常に緊迫した状況が続いている。軍事演習も頻繁になっている。
 沖縄も同じ状況だ。ごく最近も久米島北方で操業していた漁船に、米軍ヘリが低空で接近、制限・禁止水域外の漁船を威嚇した。威嚇は、7月下旬を通じて起こった。同じ7月下旬に名護市数久田で、キャンプ・シュワブ演習場からの機関銃被弾事件が起こった直後である。これは実弾演習の流れ弾だった。一歩間違えば農作業の民間人を死傷させる大惨事につながってもおかしくはなかった。
 韓国と沖縄−−激しくなっている軍事演習と米軍犯罪の増大。この根は同じものである。アフガニスタンに対する侵略戦争。フィリピンに対する軍事介入。インドネシアにも介入しようとしている。そして次はイラクだ。ブッシュの戦争拡大こそがこれら頻発する事件の元凶である。


3.起こるべくして起こった事件。
 事件は京幾道揚州郡の一般道で起こった。京幾道議政府市のキャンプ・ハウズに駐留する第2師団工兵隊所属の装甲車が、対抗車線を走ってきた装甲車との接触を避けようと測道に乗り上げ、2人の少女を押しつぶした。数十トンもある装甲車にひかれた2人は即死、身元の判別がつかないほど無惨な殺され方だった。 
 当時米軍は戦術評価のための訓練を揚州郡で実施していた。1つの部隊が北から南へ進撃し、他の部隊は南から北に防御する訓練を行っていた。事件が起こった56番道路では2つの部隊が移動していた。少女をひき殺した工兵大隊は7台で進行し、反対車線には装甲車5台で構成された大隊が向かってきていた。米軍は時速40〜50km(推測)で走行しながら車線幅よりも広い装甲車で狭い道路を無理に交差しようとし、米軍車両同士の衝突を避けるために少女たちが通行していた草むらにはみ出たのである。

 事件は偶発的なものではなく、起こるべくして起こった。議政府市周辺は米軍基地が密集し、地域一帯が訓練地域になっている。人々が通行する一般道を軍用車両が日々行き交っている。今回の事故地でも1週間に2、3回は訓練や移動のために装甲車が行き来する。米軍基地がある地域では軍事作戦中の米軍車両による事故が多発し、米軍による交通事故は年間100件を越えている。人々が米軍車両を「走る凶器」と恐れるほど事故は悪質で被害甚大なものが多い。最近でも戦車が乗用車に乗り上げて9人が重軽傷を負ったり、今回の事故現場近くのガソリンスタンドに装甲車が突っ込んで給油機を破壊したりと民間人を巻き込んだ事故が相次いでいる。
 一般道で訓練、演習が日々行われているということがまず驚きである。基地とその周辺地域は常に「戦場」であり、地域住民の生活と生命は脅かされ続けている。今回もそうであったが、訓練・演習の日程や内容が地域住民に知らされない事の方が多く、人々の生活の中に武装した米軍が突然入り込んでくる。「戦場」と人々の日常生活に境界線が全くない。
 2人の少女の死の責任は全て米軍にある。通学路ともなっている一般道を「戦場」に見立て巨大な装甲車が交差するような軍事演習そのものが許し難い。遺族たちは、2人の命よりも装甲車を守ることを優先した米兵に対して「事実上故意的な殺人行為」であると責任を追及している。同時に、第2師団長や司令官に対しても2台の装甲車がすれ違うなど到底無理な場所で交差を試みた作戦上の指揮体系をも問題にし、この事件を単純な運転兵士の「個人的過失」にせず、米軍全体の責任を追及しようとしている。


4.米軍犯罪を生み出す根源としてのSOFA。
 米軍に特権を与え、米軍犯罪を助長しているのが、SOFA(駐韓米軍地位協定)である。「この死は、韓米両国が作ったSOFAを武器とした制度的な殺人行為によるものである(駐韓米軍犯罪根絶運動本部、国民行動、2000年2月)」ことは、今回の事件でも言える。
 米軍兵士、軍属、家族に対する刑事裁判権はアメリカが持っている。特に公務中の犯罪に関する裁判権の第1次的権利はアメリカが握り、事実上、韓国側が捜査することも裁くこともできない。公務中であったかどうかは、将校が「公務証明書」を発効すればそれで決まりで、韓国側がその決定を覆すことはできない。人を殺した兵士であっても「公務中」の一言で誰からも罪を問われない。捜査についても米軍が米兵を調べる、加害者が加害者を調査するのである。いくらでも言い逃れができる。歪曲された調査結果や証拠不十分などで目の前にいる犯罪者を見逃してしまっている。韓国側が刑事裁判権を行使した率は年間5〜6%だけである。昨年は425件の犯罪に対して26件のみ。400人以上の犯罪者が放置されたことになる。なんとか裁判にまで持ち込んだとして、被害者に対する賠償金を払わせるところまでいったとしても、その賠償金は犯罪者本人が全額払うのではなく、25%は韓国政府が払うことになっている。責任の所在が曖昧な場合は韓国政府とアメリカ政府で50%ずつ払うことになっている。SOFAは犯罪を犯した米兵を救済するためにあるようなものである。だから、韓国では、米兵たちはやりたい放題できる。


5.どさくさ紛れに犯人を出国させ幕引きを狙う米軍。
 事件直後、米軍は単独で調査をした。一般の人々を近づけず、韓国警察が到着する前に現場を片付けた。警察は辛うじて写真を撮って多少の資料を集めただけで、事件にかかわった運転手や兵士らに事情聴取することもできなかった。翌日予定していた韓米合同調査は米軍の都合で実施せず、その代わりに米軍は単独の調査報告を一方的に遺族らに押しつけて終わらせてしまった。米軍は、今回の事件は偶発的に生じた悲劇的事件であることを強調し、遺族に対して「弔意を表する」という言葉のみで済ませようとした。
 米軍のつじつまが合わない調査報告、謝罪にならない「公式謝罪」に対して、遺族の怒りは強く、6月27日に装甲車を運転していた兵長と第2師団長の少将など米軍6名をソウル地検に業務上過失致死で告訴した。6名の出国禁止も検察に要請した。さらに「向かい側から来た米軍車両との危険性が生じるや、自らの装備と人命被害を防ぐために、中学生たちをみてもその方向に車両を寄せたのではないか」と今回の事件を殺人事件と断定し、遺族と市民団体が米軍も加えた真相調査団の結成を要請した。
 一度は責任を否認した米軍だが、殺人事件として激しく追及され始めてから態度を急変させた。6月28日には「運転兵を含めた指揮系統の責任者まで捜査を進行」「捜査結果にしたがって法的処理を計画」と発表した。米軍の責任も一応認めた。その後、7月3日、電撃的に運転兵と統制兵を米軍軍事裁判所に過失致死嫌疑で起訴する一方、遺族によって告訴されていた兵長や師団長を早々に密かに出国させた。これらは全て韓国国民によって裁かれないようにするための方策である。ワールドカップ中にうやむやにしてしまおうとした米軍の苦肉の策である。


6.事件を糾弾する全国民的な反米運動が爆発。
 米軍の態度に遺族は憤激した。韓国の人々は怒りを爆発させた。2人の少女の死は、「明日の我が身」である。悲しみにくれる遺族の姿は、これまで泣き寝入りをしてきた自分自身の姿でもある。真相究明、韓国政府への裁判権の委譲、ブッシュ大統領の公式謝罪、SOFAの全面改正、キャンプ・ハウズの閉鎖を求めた運動が急速に広がっている。下記の日誌を見るだけで、7月に爆発的に拡大と高揚を見せた様子が分かる。
 7月初旬から始めた真相究明を求めた署名は、わずか10日で10万に集まった。汎国民大会は、500人、1000人、1500人、3000人と回数を重ねるにつれて参加人数が増えている。議政府市周辺で始まった抗議行動は、全国に広がり、全国闘争として取り組まれている。汎国民対策委員会が「殺人米軍の韓国法廷処罰市民特別捜査隊」を発足させたうえに、運転兵に懸賞金500万ウォンかけて公開捜査を開始している。真相を国民全てに公開しようと努力している。徐々にだが事件を起こした部隊が駐留するキャンプ・ハウズの閉鎖要求だけではなく、駐韓米軍の撤収要求も高まっている。運動はまだまだ拡大しそうだ。


6月13日 事件が発生。
7月 1日 真相究明要求署名運動開始。
議政府駅広場で無期限テント籠城開始。
7月 3日 軍事裁判への起訴に対して1000人近くが即座に議政府市で抗議集会を開く。
全羅南道の霊光、釜山、大邱でも集会。
7月 4日 議政府市第2師団前で第3次汎国民大会開催。300人以上が参加。
7月 7日 40の市民団体が議政府市で殺人蛮行糾弾集会を開催。1500人参加。
全国20カ所で同時に糾弾集会開催。
7月14日 第4次汎国民大会に3000人が参加。
汎国民対策委員会、17日に青少年行動の日、20日市民行動の日、25日教師行動の日、31日「49日」と連続行動を提起。
7月15日 汎国民対策委員会が「殺人米軍の韓国法廷処罰市民特別捜査隊」を発足させることを決定。10万名の署名用紙を米大使館に手渡すことを決定。
7月16日 市民特別捜査隊、運転兵に懸賞金500万ウォンかけて公開捜査開始。
汎国民対策委員会、100万署名運動を開始。
7月17日 紙飛行機で米軍基地に抗議行動。青少年の追慕示威行動600人。10代の少年、少女がインターネットや募金活動などの運動に参加。
7月24日 米国の韓国人学生も署名活動など抗議行動開始。
7月25日 ソウルで追慕祭。
7月26日 国会議員が米軍に裁判権放棄を要請。
7月27日 第5次汎国民大会に1000人が参加
7月29日
  〜31日
毎日交替でひとりデモ。
7月31日 「49日」全国で追慕祭が開催される。徳寿宮前では6000人参加。
8月 3日 全国集中追慕祭


7.運動と世論に押されて韓国政府が裁判権の委譲を要求する事態に。
 公務中の犯罪については、これまでアメリカが第1次的裁判権を放棄した例は1度もない。韓国側から放棄を要請した例もない。しかし、今回の事件では、韓国内の抗議行動に押されて、韓国政府は初めて裁判権の放棄をアメリカ軍に要請した(7/10)。公務中の犯罪についての放棄要請は、日米地位協定からしても画期的なことである。
 韓国政府の要請に対して、米軍がどのような態度をとるのかが次の焦点になっている。SOFAにも韓国側がアメリカに対して裁判権の第1次的権利の放棄を要請することができると書かれてはいるが、その要請に対してアメリカは「好意的考慮」だけすればよいことになっている。米軍としては、「好意的考慮」をして「長々と時間をとって検討した結果」要請を断るつもりである。7月10日の韓国政府からの要請に対し、米軍は翌日に「先例をつくることはできない」と裁判権放棄を非公式に拒否している。7月29日に韓米合同で声明を発表するつもりであったが、運動の勢いが強くできなかった。裁判権についての態度表明の期限は8月7日(14日延長も可能なので最終は8月21日)。今、米軍はいつ断るかタイミングを見計らっている。


8.韓米地位協定と日米地位協定−−日韓の反基地運動の共通の課題。
 韓国の運動本部は、公務中の事件で米軍が裁判権を放棄した事例を日本で探し当てた。1957年、群馬県で訓練中に銃で主婦を殺害するという事件について米軍は裁判権を放棄した。この事件を見つけだしたことで「公務執行中発生した事件に対して裁判権を放棄した先例をつくることはできないという米側の主張は説得力を失った」と、具体的事例を突きつけてさらに裁判権放棄を米軍に迫っていくつもりである。韓日連帯のひとつのあり方だ。在日の方は、駐日米大使館で抗議行動を行ったり、ブッシュ大統領宛に抗議メールを送ったりと連帯運動を始めている。
 95年、沖縄で少女暴行事件が起こった時、沖縄の運動に韓国は共感をよせ連帯行動に取り組んだ。公開審理には韓国から40数名が参加し、土地の強制収用や、地位協定の問題点を互いに検討しあうなど、SOFAの改定運動の流れをつくった。今回は、私たちが、韓国の闘争に連帯し、韓米協定、日米地位協定の改定にせまっていきたい。
 95年から沖縄で始まった“島ぐるみ闘争”は2年間続いたが、地位協定に関しては日米両政府によって「運用改善」で済まされてしまった。「運用改善」では米軍の「好意的配慮」次第になってしまい、何一つ問題解決されない。昨年沖縄で起こった連続放火事件でも逮捕状がでてから犯人の引き渡しまでに4日間もかかった。一つの事件が起こるたびに膨大なエネルギーを使って、米軍の「好意的配慮」を引き出さなければならないなど許し難いことだ。SOFAは「運用改善」で終わらせてはならない。人を殺しても罪を問わず、さらなる殺人を呼び起こすようなSOFAは抜本的に改定、もしくは破棄しなければならない。SOFAも日米地位協定も抱える課題は同じである。SOFAの改定は日米地位協定にも大きな影響を与える。反対に日米地位協定の改定もSOFAの改定と韓国の運動に寄与することができる。韓日の運動の連帯した力でともに改定を勝ちとりたい。 


9.ブッシュには抗議を!韓国の運動へは激励を!
 日本でも、米女子中学生をひき殺した米兵を韓国法廷で裁こうという合い言葉を下に、在日の方々を中心に連帯する組織「米軍装甲車による女子中学生殺人事件日本地域対策委員会」(韓統連、韓青、民主女性会、学生協、韓国人権国際センター)が結成された。要求は以下の5点である。
 ○米軍は韓国政府に裁判権を早急に委譲し、責任者を拘束処罰しろ。
 ○米軍と韓国政府は共同真相調査団を構成し、真相を究明しろ。
 ○ブッシュ米大統領は遺族と韓国国民に公開謝罪しろ。
 ○事故の責任部隊、キャンプハウス訓練場を閉鎖しろ。
 ○不平等な韓米駐屯軍地位協定(SOFA)を全面的に改正しろ。

 そして同委員会はブッシュへの抗議と韓国の運動への激励を呼びかけている。私たちもこのアピールに精一杯応えていきたい。

○ブッシュ大統領への抗議。
 メール・アドレス president@whitehouse.gov

○韓国の汎国民対策委員会への激励。
 汎国民対策委員会のホームページアドレス http://www.antimigun.org/main.php


2002年8月4日
敗戦50周年を問う教職員の会
中條佐和子



駐韓米軍が裁判権委譲を拒否
−−更に闘いを強化する市民団体−−

 8月7日、駐韓米軍が公式に裁判権放棄を拒否した。韓国民が注視する中、裁判権放棄期限の今日、放棄拒否を韓国法務省に通達した。私たちは、殺人者の裁判権を韓国政府に渡さなかった米軍を断固糾弾する。

 裁判権を放棄しなかった理由は、日本をはじめアメリカと地位協定を結んでいる国々に飛び火することを恐れたからだ。「アメリカと韓国、日本、その他NATO同盟諸国間で締結された地位協定で、公務執行中の事件に対する裁判権を決して諦めたことはない(在韓米軍法務室長)。」演習中、訓練中、もちろん実際の戦闘中、アメリカ軍兵士は数え切れないほどの犯罪を犯している。発射訓練の流れ弾で火災を起こしたり、畑に弾が飛び込んだり、戦闘機やヘリから燃料タンクや防備物を住宅街周辺に落としたり、基地から有害物質を垂れ流したり、枚挙しきれないほどのことをやっている。それについていちいち損害賠償を求められたり、兵士の罪を問われたりしたら、訓練も演習も、そして戦闘もできなくなる。だから公務中の事件・事故については決して裁判権を放棄しようとはしない。今回、「韓国内の世論が荒れたとしても韓国政府に裁判権を渡すような前例をつくると他の駐屯国にも影響を及ぼすようになる(連合ニュース)」ことを恐れて、委譲を拒否したのだ。

 米軍と話し合ったのだろうか、韓国国防省が、「再発防止策」を同時に発表した。事件が起こった道路で1.5km区間に1.5mの歩道を造る。該当道路11.5kmを4車線に拡張する。それらを04年から800億ウォン(80億円)かけてするという。「訓練で国民が不便を感じるのなら、安全にできる訓練の保障は韓米連合防衛体制維持に必須である(国防省)」そうだ。これもおかしな話だ。被害を受けたのは韓国民であるのに、何故韓国政府が費用を出して、米軍が演習をしやすいようにしてやらなければならないのだろうか。この構図は、日本とアメリカ軍との関係と全く同じである。
 もう一つ、韓米で話し合われているのは、在韓米軍の犯罪が発生したら即座に韓国警察の現場調査を行えるようにすることである。初動調査で韓米協力して行うというのである。当然のことを必死に宣伝している。

 だが、これらの「次善策」でもちろん韓国の人々は黙っていない。韓米両政府は「反発が激しくなり国内世論がもっと悪くなることを甘受し」たのだが、事態はまさにその通りになっている。アメリカ軍の裁判権委譲拒否発表と共に、市民団体は強く反発している。「国民の非難世論が降り注いでいるときに裁判権放棄要求を無視したことに怒りを禁じ得ない」と抗議の声は高まっている。裁判権放棄期限は必要に応じてさらに14日延長できる。「第2次裁判権放棄時限の来る21日まで運動をする」とさらに集中した取り組みを行っていく。 
 韓国の裁判権委譲問題、SOFA改定問題は、アメリカ軍にとっては、日本の問題でもあることがはっきりした。微力ながら韓国の人々と共に私たちも、米軍を追及したいと思う。

2002年8月7日
敗戦50周年を問う教職員の会
中條佐和子