6/24 堺市議会で「有事関連三法案」の慎重審議を求める意見書採択


 6月24日、堺市議会本会議において、「有事関連三法案の慎重審議を求める意見書」が全会一致で採択されました。これまで全国各地の地方議会で有事法案に反対する意見書や決議、慎重審議を求める意見書などが採択されてきましたが、ついに堺市においても採択されました。
 私たち「戦争法案(有事法制)に反対する堺市民ネット」は、有事法案に反対する意見書の採択を堺市議会に求める署名運動に取り組み、堺市議会・市会議員や堺市への働きかけを行ってきました。24日堺市議会で採択されたこの意見書は、署名に賛同してくださった市民や法案に怒りと不安をよせる多くの市民の行動と重いが市議会を動かすに至ったものに他なりません。
 意見書は、「慎重審議」を求めるものであり、法案に真っ向から反対するものにならなかったことは残念ですが、「・・・関係する自治体の意見聴取や十分な説明機会が必要であり、国民の理解のうえに議論が行われる必要がある」とし、「戦時・戦争状態を引き起こさない政治の基本的役割にそった議論が必要である」として、問答無用の「強行採決」や現在のようなまともな政府答弁も行われないよな状況での審議続行に抗議する意味で大きな意味を持つものと考えます。
 しかし、木原堺市長は、6月初旬の市議会で「万一の不測の事態に備え態勢を整備しておくことは重要であり、私は有事法制を整備する必要があると考えております」との答弁を行っています。私たちからの、有事法制整備の必要性を強調し、法案の「慎重審議」について市長自ら積極的に働きかけて欲しいとの申し入れに対しても、「今後とも審議の推移を注意深く見守っていく」と国会まかせ、近畿市長会まかせの無責任な対応を変えていません。私たちは、市長や市当局に対する取り組みを継続していきたいと考えています。
 今後とも各地での取り組みを継続し、有事法案を廃案に追い込んでいきましょう。

戦争法案(有事法制)に反対する堺市民ネット  井前弘幸


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「有事関連三法案」の慎重審議を求める意見書

 政府提案の「武力攻撃事態法案」、「自衛隊法改正案」、「安全保障会議設置法改正案」の有事関連三法案国会で審議されている。
 これらの法案は地方自治体と住民の生活に深く関わる内容を含んでいるだけに、その扱いは慎重を期さなければならない重要な案件である。
 地方自治体は、地方自治法に定められた責務である「住民の生命と財産を守る」ため、安心できる暮らしの保障や災害等の緊急事態への対応のための施策を進め、日夜住民サービスの向上とともに、警察・消防等の業務に真摯に取り組んでいる。
 伝えられる「有事」の判定や、その際の対応にあっては、テロ行為や不審船問題のような社会的事件と大震災などの自然災害の区別を明確にしなければならないし、なにより戦時・戦争状態を引き起こさない政治の基本的役割にそった議論が必要である。
 また、これらの法整備が、地方自治体及び住民の基本的人権に抵触し、自治体職員や民間人の企業活動に深く関わらざるを得ないことから、国会審議とその前後を通じて、関係する自治体の意見聴取や十分な説明機会が必要であり、国民の理解のうえに議論が行われる必要がある。ついては、有事法制法案の審議に当たっては、冷静且つ慎重な審議を求めるものである。
 以上、地方自治法第99条の規定により意見書を提出する。

平成14年6月24日
堺 市 議 会