ボストンからニューヨークまで−−−−−−−−−−
アメリカの反戦運動、民主・共和党両大会に向けイラク反戦と占領即時終結を訴える
−−次の焦点は8月29日、ブッシュ指名共和党大会−−



民主党大会が行われたフリートセンター前を通るデモ(7/25)

フェンスとネットに囲まれた「抗議スペース」
 7月26日〜29日の民主党大会の前から期間中にかけて、ボストンでは、様々な反戦行動が持たれた。ケリーと民主党指導部はイラク戦争批判を抑え、議員たちの発言からもイラク戦争批判が激減する異様な民主党大会となった。しかし、大会の外では、数千人の市民がこれを批判し、イラク反戦と占領の即時終結を訴えた。
*民主党内でのケリー反対集会や、クシニッチ議員による反戦演説なども行われたが、これらは全体としては抑え込まれた。
 クシニッチ議員の行動については、きくちゆみさんのメールがamlなどで紹介されています。「クシニッチのケリー支持について」(aml 40543)http://www1.jca.apc.org/aml/200407/40543.html

 米ANSWER連合は、「戦争マシーンの双子の両党に抗議を」(PROTEST THE TWIN PARTIES OF THE WAR MACHINE)という声明を発表し、民主党のジョン・ケリーもイラク占領政策の継続を主張していることを批判した。自立した反戦運動の形成を強調し、7月25日のデモ行進と8月29日の抗議行動などを呼びかけた。
* 寺尾さんによる翻訳 [aml 40361] [Fwd: A.N.S.W.E.R.行動計画 A.N.S.W.E.R. Action Plan] http://www1.jca.apc.org/aml/200407/40361.html

 NION, United for Peace, Veterans for Peace, Peaceful Tomorrow など多くの諸団体も、民主党、共和党両党の大会に向けた抗議行動に取り組んでいる。

 ANSWERなどからなる「民主党大会に抗議する連合」(the Coalition to Protest the DNC)が準備した7月25日のフリート・センターのデモには、数千人が参加した。抗議行動は、ボストン市と連邦裁判所により1000人ほどしか収容できない、二重フェンスと頭上においかぶさるネットに囲まれた「抗議場所」に制限され、FBIと地元警察による大会前からの活動家への嫌がらせと弾圧により行動は分散させられた。しかし、組織的あるいは非組織的な、小グループの多様な新しい形態の行動が行われた。
* [aml 40490] Fw: [ANSWER]ボストンでの民主党全国大会へのデモに参加をhttp://www1.jca.apc.org/aml/200407/40490.html
* “Boston Incubates Decentralized Resistance” (The Boston Independent Media Center)
http://boston.indymedia.org/feature/display/25386/index.php

 特に、イラク民衆の犠牲者と米兵の死、アブグレイブやグアンタナモにおける拷問、非人道的な拘留者の扱いを批判するいくつものパフォーマンスが目を引いた。今回の抗議行動が制限されたことへの抗議と、米国内での民主主義抑圧への抗議と結びつけて、これらの行動は行われた。

グアンタナモやアブグレイブなどイラク人やアフガン人に対する抑圧に対する抗議と、今回の抗議行動への不当な制限を含め国内での弾圧強化への抗議を兼ねたパフォーマンス。
「Save Our Civil Liberties」
http://www.saveourcivilliberties.org/en/index.shtml
バックベイ地域での反戦展示。イラクで死んだ米兵の数907足の靴。イラク人犠牲者数に相当する16000足の靴の山も作られた。

 退役軍人の反戦組織VETERANS FOR PEACE(http://www.veteransforpeace.org)は、民主党大会に先立つ7月22−25日にボストン市内のエマーソン大学で行った年次大会の間に、一般参加の反戦諸行事を行い、25日の共同行動にも参加した。諸行事の間のスピーチは、ケリーが現在とっている曖昧な態度を批判し、彼がベトナムから帰還し、反戦演説を行ったときのような勇気を示して、もっと進歩的な政策をとるよう要求するものだった。
* 報告参照 http://www.veteransforpeace.org/National_2004_072604.htm

 9.11犠牲者の遺族らの団体は、7月28日ボストンから、8月29日に共和党大会が開かれるニューヨーク市まで、400キロの徒歩の旅を開始した。「戦争で死んだ無名の市民たち」と刻まれた1400ポンド(約640Kg)の花崗岩の石碑を牽いての旅。10数人ずつで数日ずつ交代しながら歩く。「平和な明日をつくる9.11家族の会(September 11th Families For Peaceful Tomorrows)」が計画した行動。共和党大会に到着したら、アーリントン墓地に、市民の戦争犠牲者の記念碑を建てるよう議員に働きかける。反戦の強力なメッセージだ。この“StoneWalk”の詳細な日程は、Peaceful TomorrowのWebサイトに掲載されている(http://www.stonewalk.org/pt/stonewalk.htm)。
  
ボストンからニューヨーク市まで、1400ポンドの石碑を牽いて歩く

 7月23日〜25日、ボストン社会フォーラムが、マサチューセッツ大学ボストン校で開かれた。月39億ドルにも上るイラク戦費と、それが蝕む社会を告発し、戦争によらない社会が可能なこと(another world is possible)を訴えた。


 これらの反戦諸行動は、ブッシュ大統領指名が行われる8月29日の共和党大会に対する抗議行動につながるものとして取り組まれている。多くの諸グループが、この日に向けて行動を呼びかけ、準備している。

2004年8月2日
アメリカの戦争拡大と日本の有事法制に反対する署名事務局




*このページの写真は、"The Boston Independent media center"(http://boston.indymedia.org/)、
および"Common Dreams News Center"(http://www.commondreams.org/)からのものです。