1月20日、ブッシュ再就任に反対し、
全米、世界各地でイラク戦争反対行動



ペンシルベニア通りの歩道での抗議

観覧席での抗議(写真は上下ともANSWERサイトより)

就任パレードを抗議で迎える(REUTERS/Joe Giza)
COMMON DREAM News Center より

REUTERS/Shannon Stapleton
Yahoo! News photo より
 ブッシュの2期目スタートの1月20日、ワシントンDCでは大統領就任式典とパレードが行われた。これには4000万ドルという巨額の費用を投じられた。CNNのレポーターが「民主主義の未成熟な国では、激しく戦った陣営が一緒に祝っているのを不思議に思うかもしれません」と述べたように、式典にはクリントンや、民主党候補のケリーも参加し、民主党も一緒になってブッシュ政権の2期目のスタートを盛大に祝った。
 ブッシュはその就任演説で、「全世界に自由を拡大する」と、「自由」という空虚な言葉を40回以上も繰り返し、“帝国主義十字軍”、すなわち侵略戦争と軍事覇権のグローバルな拡大を高らかに宣言した。これは先のライスの議会公聴会で主張されたキューバ、北朝鮮、イランなど6カ国を指す「圧制の拠点」と同じものである。
 しかし、この「自由」の式典は、式典費用とは別にさらに2000万ドルの警備費用をかけ、警察や軍要員ら1万3千人を動員する「史上最大の警備態勢」(リッジ国土安全保障長官)の下で行われた。パレードの通る道は移動式フェンスで完全に封鎖され、検問所で検査を受けなければ入れないという異常な超厳戒態勢の中で行われたのである。

 一方、この就任式典に対抗して、全米各地、世界各地で反ブッシュ、イラク戦争反対の様々な形態の抗議行動が行われた。
 ワシントンDCには、ブッシュとイラク戦争に反対する数万人の人々が抗議のために集まった。就任パレードのルートに面したジョン・マーシャル公園では、ANSWERが呼びかけた集会に1万人以上が集まり、集会後パレードの観覧席と、通り道の両側の歩道で、「イラクはブッシュのベトナムだ。米軍を即時撤退せよ」などと書かれた横断幕やプラカードを掲げた。別の数千人が検問所の前で、スローガンをあげ横断幕やプラカードを掲げて抗議した。(検問で検査が行われ、固いプラカードは持ち込めないなど制限されたので、樹脂製のプラカードなどを準備してきた限られた数の参加者だけが入れた。) ANSWERによれば、大統領就任パレードの観覧席に反戦デモが入ったのは初めてのことである。また別の報道では、各所で散発的なデモ行進が行われた。
 各国のメディアは、米国内に反ブッシュ、イラク戦争反対の大きな世論が存在することを少なからず報じた。ANSWER連合をはじめ、米反戦運動の戦術と動員が大きな成果をあげたと言える。

 マルコムXパークでは、DAWN(DC Anti War Network)の呼びかけた集会に3000人以上が参加し、抗議行動の一部として、就任式までにイラク戦争での米兵死者1366人を告発する、棺が並べられるなど、種々の形態での反対行動が持たれた。


※ ANSWER連合のサイトに報告が掲載されている。 http://www.internationalanswer.org/
 寺尾光身さんによる翻訳を下に転載。
※ DC Indeymedia には、コショー・スプレーを使用するなど、抗議行動への厳しい弾圧の様子がレポートされている。http://dc.indymedia.org/feature/display/115584
※ ZNet http://www.zmag.org/content/showarticle.cfm?SectionID=1&ItemID=7075


 また、サンフランシスコ、ロサンゼルス、シアトル、オースチン、ニューオーリンズ等、全米各地でもブッシュ就任反対、イラク戦争反対の行動が持たれた。


サンフランシスコの抗議行動
Bay Indymedia にサンフランシスコ各地での行動の報告がある。 http://www.indybay.org/


ロサンゼルス、ウェストウッドの就任反対デモ
La Indymedia より http://www.la.indymedia.org/news/2005/01/121476.php

※ 次のサイトにアトランタ他、各地の行動の写真や報告がある。
COMMON DREAM News Center http://www.commondreams.org/headlines05/0121-03.htm
         http://www.commondreams.org/headlines05/0121-02.htm
         http://www.commondreams.org/headlines05/0120-09.htm
NION http://www.notinourname.net/archive/20jan05-reports.htm


 さらに、フィリピン、韓国、日本、ニュージーランド、ドイツなど世界各地でも、米国の運動に連帯して、反ブッシュ、イラク戦争反対の行動が持たれた。
 東京では、WORLD PEACE NOWの呼びかけた集会に150人が参加し、米軍と自衛隊の即時撤退を訴えた。
※ WORLDPEACE NOW http://www.worldpeacenow.jp/
 声明 「もう戦争はやめよう。米軍はイラクからただちに撤退を」 http://give-peace-a-chance.jp/118/050120seimei.html

    
1/20 フィリピンの抗議行動 REUTERS/Romeo Ranoco


ソウル (AFP/Jung Yeon-Je)
  
東京 (AP Photo/Junji Kurokawa)
COMMON DREAM News Center より


 米反戦団体ANSWER連合は、次の行動を3月19日のイラク開戦2周年に、全世界の連帯行動として行うことを呼びかけている。日本のWORLD PEACE NOWもこれに呼応して、連帯行動を提起している。全国各地で、連帯行動の準備を開始しよう。




A.N.S.W.E.R.最新情報
2005年1月21日(金)

1万を超える反戦デモ参加者、大統領就任パレードルート沿い、ペンシルベニア通り3番街と4番街間のA.N.S.W.E.R.用の場所に集合

1月20日の行動についての、ANSWERの報告を、寺尾さんが翻訳しておられます。以下に転載させて頂きます。
−−−−−−−−−−−−(以下転載)−−−−

A.N.S.W.E.R.最新情報
2005年1月21日(金)

1万を超える反戦デモ参加者、大統領就任パレードルート沿い、ペンシルベニア通り3番街と4番街間のA.N.S.W.E.R.用の場所に集合

更に数千名のデモ参加者、大統領護衛官検問所で足止め

ここ数週間全国から極めて多数の支持が寄せられた結果、今日の大統領就任パレード沿道でのA.N.S.W.E.R.の反戦大衆動員が成功したのだ。この動員の模様が、Cスパン2チャンネルで4時間25分にわたって放映された。(訳注:Cスパン、C-Span=Cable Satellite Public Affairs Network、ケーブルサテライト広報ネットワーク◆米国の非営利ケーブルテレビ局。1979年設立。議会中継などを放送。◆【URL】 http://www.c-span.org/ [英辞郎による])

全国から集まった1万人を超えるデモ参加者がワシントンDCのジョン・マーシャル公園をいっぱいにし、ジョージ・ブッシュの大統領就任行事に向け強力な反戦のメッセージを送った。3番街と4番街の間、公園沿いの歩道をデモ隊が占有した。パレードルートを大統領の車列が進み始めて先ず最初にブッシュの目に入ったのは、歩道沿いに10列になり、反戦団体の仮設観覧スタンドに立つ反戦デモ参加者の人波だった。

スタンドのてっぺんには「イラクはブッシュのベトナムだ、兵士を故国に今すぐ連れ戻せ」と書かれた巨大な横断幕が掲げられていた。パレードルートにじかに沿って反戦運動が大衆デモのための仮設スタンド、ステージ、音響システムを設置できたことは、大統領就任行事の歴史始まって以来のことだ。

さらに数千人のデモ参加者がA.N.S.W.E.R.の参集場所に行き着き、プラカードをとりあげペンシルベニア通りの3番街から7番街の間の両側に並ぶことができた。

パレードルートは反ブッシュのデモ参加者でいっぱいになったが、抗議に参加する何千人もの人びとが大統領護衛官検問所で前進を阻まれ、A.N.S.W.E.R.の集合位置に入ることを許されなかった。3番街とCストリートの交差点北の検問所(A.N.S.W.E.R.の集合場所に一番近い検問所)では1ブロック半を埋め尽くす人びとが押し戻された。他の検問所でも同じような光景が繰り広げられていた。どの検問所でも、人波は自然発生的にデモとなり、声を上げ、横断幕を掲げた。

就任パレードルート沿道に大勢が参集して抗議するための場所を希望通りとはいかないまでも獲得できたのは、1年にも及ぶ政治的法的闘争の結果であった。市民正義のための連携と全米法律家ギルドの顧問弁護士たちが、決定的な役割を果たした訴訟を提起した。この件に関しては後に最新情報で報告する。

発言者は以下の通りである:ジョージア選出女性下院議員シンシア・マッキニー;元米司法長官ラムゼー・クラーク;ニコラス・バーグの父マイケル・バーグ(訳注:ニコラス・バーグは04年5月バグダッドで斬首死体として発見された);A.N.S.W.E.R.連合全国コーディネーターのブライアン・ベッカー;全米黒人農民同盟のジョン・ボイド;AFSCME地方委員会7017委員長ブレンダ・ストックリー(訳注:AFSCME=American Federation of State, County and MunicipalEmployees、米国州・郡・市職員同盟);全米法律家ギルドのレズビアン/ゲイ/バイセクシャル/トランスジェンダー委員会委員長ザック・ウルフ;メキシコ連帯ネットワークのマクリナ・カルデナス;DC保健医療連合ベネッサ・ディクソン;イラクで殺された1米兵の母であるスー・ナイデラー;イラクで殺された国家警備隊隊員シャーウッド・ベイカーの母セレステ・ザッパラ;キューバ5人組の釈放を求める全米委員会のナタリー・リジ(Nathlie Hrizi)その他。集会議長はA.N.S.W.E.R.青年学生オルグのペータ・リンゼイとユージン・パーヤーが務めた。

1月20日の反戦抗議集会は他に全米の諸都市、サンフランシスコ、ロサンジェルス、シアトル、オースチン、ニューオーリンズ、アルバカーキ、アトランタ、フェニックス、その他で催された。また、韓国、ドイツ、日本、オーストラリア、プエルトリコでもデモがあった。

今日のワシントンDCでの集まりでは、30都市の組織者が登壇し、アメリカの「ショックと畏怖」というイラク侵略の開始2周年にあたる2005年3月19日に、各地でデモを組織する計画であることを表明した。

3月19日イラク侵略「ショックと畏怖」2周年世界共同行動日はアメリカのA.N.S.W.E.R.連合を始め全世界の反戦運動団体の呼びかけで行われるが、賛同するには次のURLをクリックされたい。
<http://www.pephost.org/site/R?i=8tUdauHvklW72suC2Mm5YQ..>
ワシントンDC、サンフランシスコ、ロサンジェルス、その他全米の諸都市、全世界の諸都市で、3月19日に反戦行動がある。

以上報告した重要な諸行動に成功を収めることができたのは、ひとえに反戦運動を支援しようとしてくださる皆さんの絶えざる支援があったからです。この運動を支持してくださる皆さんの暖かいカンパなしには、我われは行動できなかったし、これからも行動できないでしょう。下のURLをクリックすれば、安全なサーバーを通してカンパができますし、小切手でのカンパの仕方も書かれています。
<http://www.pephost.org/site/R?i=uTz-LRERwIy72suC2Mm5YQ..>

A.N.S.W.E.R.連合
Act Now to Stop War & End Racism(戦争をとめ、人種差別をやめるために今行動を)
ホームページ: http://www.ANSWERcoalition.org
メールアドレス: info at internationalanswer.org
ワシントンDC全米事務所:Tel/+1-202-544-3389
ニューヨーク市:Tel/+1-212-533-0417
ロサンジェルス:Tel/+1-323-464-1636
サンフランシスコ:Tel/+1-415-821-6545
マスコミ取材用:Tel/+1-202-544-3389

〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜

翻訳:寺尾光身