米大統領選を目前======
ブッシュ再選阻止! 10/17を中心に米欧各地で反戦運動
◎百万労働者行進−−労働運動と反戦運動の結合を目指す。
◎移民労働者の行進−−反戦運動と反人種差別運動、移民労働者の権利擁護運動の結合を目指す。
◎欧州社会フォーラム−−反ブッシュ・反戦運動と反グローバリズム運動、反資本主義運動の結合を模索。


■ワシントンでは−−−−−−
 10月17日、ワシントンDCのリンカーンメモリアルには、数万人の労働者や反戦運動市民が集まり、軍事費の大幅削減や雇用創出などのスローガンを掲げ反戦の意思をアピールした。
 国際港湾倉庫労組(ILWU)ローカル10などの呼びかけで、反戦運動と労働運動の結合を目指して取り組まれた「百万労働者行進(Million Worker March)」は、AFL-CIOの不支持決定により、目標とした規模のものとはならず行進も行われなかった。
 AFL-CIOは百万労働者行進に反対した理由として「労働運動の努力をジョージ・W・ブッシュを解任させることに充てることが重要」「全労働運動の努力を選挙にフォーカスする」ことを挙げている。おそらく本音のところでは、この不参加決定にAFL-CICのイラク反戦に対する曖昧な態度が出ているものと思われる。
 しかし今回のワシントン行動は、イラク侵略を強行したブッシュ再選阻止を目指し、労働運動が率先して反戦を掲げて行動する意義と要求を明確にし、労働運動と平和運動の連帯・結合を追求しようとした先駆的な試み、新たな出発点として非常に重要な意味を持ったのではないだろうか。
※野田隆三郎さん、寺尾光身さんが翻訳し紹介されている「Why Are We Marching? (なぜわれわれは行進するのか)」などの記事を参照(「10・17ワシントン百万人労働者行進に向かうバスに乗れ」)。


sf.indymedia.orgより
"MWM: A Spirited Event"と題するビデオ映像が次のページに掲載されています。
http://homepage.mac.com/bhughes2/iMovieTheater110.html

    
dc.indymedia.orgより

■ロサンゼルスでは−−−−−−
 また、この前日10月16には、ロサンゼルスの東部とダウンタウンの2箇所で、移民労働者の権利を要求する行進と集会が行われた。ブッシュ政権の戦争政策と一体のものとして強まる移民労働者への抑圧と人権蹂躙、人種差別主義と民主的権利の剥奪に反対し、移民に市民の権利を保障することを要求して、数千人の移民労働者が行進した。


■ロンドンでは−−−−−−−
 一方ロンドンでは、欧州社会フォーラムが10月15日から17日にかけて開催され、最終日の10月17日には、数万人の反戦デモ行進と、多様な自主的な諸行動が行われた。
 フォーラムでは、「もうひとつの世界は可能だ」をテーマに、反戦とグローバリゼーション反対、民主主義と人権、社会正義、そして新自由主義反対ないしは反資本主義運動の国境を越えた結びつきの強化と発展をめぐって議論が交わされた。


ストップ戦争連合」サイトより

   
indymedia.org.ukより


■米国では11/3−13、来年1/20にも反戦行動を計画−−−−−−
 米国内では、11月2日の大統領選挙後も、イラク戦争反対、米軍の即時撤退の声を上げようと反戦行動が準備されている。UFPJ(United for Peace and Justice) は、11月3日〜11日に「選挙後もイラクにスポットライトを当てよう」(After the Election, Put the Spotlight on Iraq)行動を計画している。そしてその初日である大統領選挙翌日の11月3日に、もし再びフロリダや激戦州でブッシュ陣営の不正が明らかになった時には、即刻「2000年選挙のフロリダの再現を許すな!」を合い言葉に、「選挙泥棒をストップするための行動の誓い」(Pledge of Action to Stop A Stolen Election)行動に立ち上がろうと呼びかけている。
 インターナショナルANSWER連合は、来年1月20日のワシントン行動を準備している。




百万労働者行進についての18日付けワシントンポスト紙の記事の翻訳を、野田隆三郎さんが紹介しておられます。以下に転載させていただきます。(10/27 署名事務局)

(以下、 [aml 41530] 「百万労働者行進に関する18日付けワシントンポスト紙の記事」
http://www1.jca.apc.org/aml/200410/41530.htmlより転載)
-------------------------

 やや遅くなりましたが、10・17ワシントン百万労働者行進を伝える
18日付けワシントンポスト紙の記事の翻訳をお届けします。
 原文は
 http://www.antiwar4themillionworkermarch.org/washingtonpost.htm
にあります。 
 重複お許しください。 (転送転載歓迎)
                         野田隆三郎
・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・

 労働組合員が仕事、給付金を求めて行動

マニー フェルナンデスとデビッド ナカムラ ワシントンポスト論説委員
2004年10月18日


 国中の労働組合員が昨日、百万労働者行進と命名された集会のためにリンカーン記念館の階段のもとに集まった。参加者は予想より少なかったが、労働者の権利を求めて情熱的な訴えを行った。

 殺害された市民権指導者マーチン・ルーサーキングJr.牧師が1963年有名な“I Have a Dream”演説を行ったのと同じ場所に立つことによって様々の業種の労働者は、自分たちの闘いを彼と結びつけ、キング師の社会的、経済的平等のヴィジョンは当時以上に現実からほど遠い夢のままだと言った。

 オークランドのクレーン操縦者、国際港湾倉庫労働組合第10支部のリーダー、そして昨日の集会の中心的組織者であるクレアランス トーマス(57歳)は“アメリカの勤労者の大多数はうまく行っていない、仕事は在外化、外注化、民営化され、若者は将来にますます希望を持てなくなっている。“と述べた。

 何千人もが、より多くの仕事、全般的医療、そしてイラク戦争の終結を求めて、10月の寒い午後、記念館のもとリフレクティング プール(訳者注 固有名詞)に沿って立ち並んだ。しかし自由に歩きまわれ、また芝生の拡がりも見えるなか、昼下がりの参加者は組織者達がナショナル パーク サービスに許可申請した10万人をはるかに下回るように見えた。

 当局は参加者を1万そこそこと見積もり、組織者は1万から1万5千と言った。

 百万労働者行進というタイトルは1995年の百万人行進のイメージを呼び起こすためのものであり、参加者数を反映するものではないと組織者は言った。彼らは、当局がおよそ30台のバスから乗客を降ろすのを妨げ、ケネディ記念スタディアムに向かわせたため多くの人が参加を遅らされ、あるいは参加できなかったことに不平をもらしつつも、参加人数には失望していないと述べた。U.Sパーク警察官と特別行政府警察官はバスが方向転換されたことは知らなかったと述べた。

 抗議と関連小行進は大部分、平和的に行われた。パーク警察の報道官のスコット・フィアによれば逮捕されたのは、ベトナム退役軍人記念館近くの特定地区でデモした罪(微罪)を問われた女性ひとりだけであった。

 参加者のなかには郵便労働者、港湾労働者、スクールバス運転手、教師百貨店員、そして鉄道補修員などが含まれていた。彼らは選挙の日を目前に、勤労者の直面する社会的、経済的、政治的困難を明らかにするため、車、バス、飛行機でワシントンにやってきたと言った。

 カンサスシティーの食品工場の生産労働者であるロニー・ホワイトは誇らしげに黒の貨物労働者組合Local 838のジャケットを着て、リフレクティングプールの上の階段に立ち“われわれは変化を必要としている。われわれは海外ではなく、ここで仕事が必要なのだ” と言った。

 仕事の海外への外注の停止は集会の多くの目標の一つに過ぎなかった。労働者たちはすべてのアメリカ人に対するゆりかごから墓場にいたる医療保証、全国的な生活可能賃金、愛国者法の廃止、公立学校への財政援助拡大、そして自由な大量輸送等(以上は彼らの22の要求項目をいくつか)を要求した。

 反戦気分も強烈であった。労働者たちは、戦争に払われる何十億ドルもの金は四苦八苦している学校や共同社会に必要だと言い、この国を不正なイラク戦争に駆り立てたとしてブッシュ政権を批判した。
 長年の鉄道労働者であり××労働組合のメンバーであるマーク・バウバー(51歳)は“われわれは派兵ではなく、雇用を必要としている”(We need to employ, not to deploy) と述べた。

 マディソンの地域短期大学の教師であるスティーブ・バーンズ(43歳)は自分の声を聞いてもらうため、また自筆のボードを見てもらうためバンで14時間かけてワシントンにやってきた。彼のボードにはフェルトペンで“金儲けの医療をやめよ”と書かれていた。彼は数学教師としての医療給付を受け取っておらず、伝染病のための1200ドルの病院からの請求書をいまなお払っていると言った。彼は“われわれの医療制度は崩壊の危機にあるが、両候補とも真の改革を望んでいない"と述べた。

 組織者は超党派的な抗議を計画したが、演説者や集会参加者は臆することなくブッシュ大統領不信任を表明した。

 記念館階段の御影石の演壇から前司法長官ラムゼイ・クラークが戦争犯罪によるブッシュ弾劾を求めた。聴衆のなかの活動家が反ブッシュのステッカーとボードを掲げ、そのうち最も目だったバナーの一つは“ブッシュ政権が9・11を仕組んだ”と書かれたものだった。

 集会参加者数は、1991年8月の労働運動最後のワシントン示威行動、つまりブッシュの父親、当時のジョージ・H.W.ブッシュ大統領を含む政治的リーダーが労働者に背を向けたことを非難する“連帯の日”集会においてモールを埋め尽くした25万人には遠く及ばなかった。

 集会は全米最大の労働組合連合のAFL-CIOの支援を受けた。しかしAFL-CIOの指導者たちは、大統領選投票への動員に力を注ぐと言って、昨日の集会への公式賛同と動員を拒否した。そしてこの決定はいくつかの主要労働組合でおうむ返しに繰り返された。

 集会組織者は、350万人の労働者を代表する労働組合がデモを支持したとし、AFL-CIOの決定が参加者数にひびいたと述べたが、彼らの低予算の集会が、大部分、一般平労働組合員の努力で実現したことへの誇りを表明した。

 労働組合員だけではなかった。およそ100人の抗議者が11時の“無政府主義者行進”に参加した。メリーランド大学の20歳の学生、ダニエル・ホールは一連の学生とともに、“学生と労働者は連帯する”と書かれたバナーを持ってその行進に参加した。彼は行進が人々に労働者について、またなぜ事がうまく行かないのかを考えさせることを望む、それは不平等な仕組みのせいだと言った。

 午後遅く、キングの息子、マルチン・ルーサーキング三世や他の市民権指導者、労働組合指導者の演説のあと、2,3百人がリンカーン記念館から15番街のワシントンホテルまで、地区ホテル労働者を支持して行進した。

 いくつかのワシントンの主要なホテルの交渉者と3800人のホテル従業員を代表する組合は新たな契約で行き詰っている。抗議者たちは警察が見守るなか、ホテルのドアの外で歌をうたった。3人のホテル従業員が3階の窓から身を乗り出して群集を見下ろし支持の手を振っていた。

・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・
 翻訳者 野田隆三郎

(注  訳文中、××とあるのは訳者がつけたものです)