[速報]「慰安婦」問題の真の解決を求め、550人が参加
関西フォーラム
「慰安婦」決議に応え 今こそ真の解決を!
 〜被害者に名誉と尊厳を−−戦時性暴力の根絶のために〜

 8月10日大阪のドーンセンターで、関西フォーラム「『慰安婦』決議に応え 今こそ真の解決を!〜被害者に名誉と尊厳を−−戦時性暴力の根絶のために〜」が行われた。会場には参加者が続々とつめかけ、550人に膨れあがった。被害者の深刻な証言や欧米の活動家の熱い思いに聞き入った。
 集会は、ろうそくの明かりの中で金学順さんをはじめ無念の中で亡くなった「慰安婦」被害者の写真が正面に大きく映し出され、石川逸子さんの追悼詩「砕かれた花たちへのレクイエム」が朗読されて始まった。
 事務局長の繁村和寿子さんは、被害者たちへの思いと解決に向けた意志が伝わる、心を打つあいさつを行った。

ピラール・フロレンダさん(左)とレチェルダ・エクストレマドゥーラさん(中央)
 フィリピン人被害者のピラール・フロレンダ・フリアスさんは、42年、両親の留守中に日本兵にナイフを突きつけられてレイプされ、昼は洗濯や労働を強いられ夜は兵士の相手をし続けるという過酷な「慰安婦」体験を語った。「自分に何が起こっているのかわからなかった」という言葉が、少女が突然自由を奪われ「慰安婦」にさせられるという恐怖と無念さを現していた。ピラールさんが創作した歌「慰安婦の人生」も心に響く。
 フィリピンの「慰安婦」被害者支援NGOリラ・ピリピナのレチェルダ・エクストレマドゥーラさんは、現地での地道な活動について報告した。
 残念ながら予定されていた海外議員の来日はかなわなかったが、尾立源幸参院議員(民主)、午後からは辻本清美衆院議員(社民)、政府への意見書を採択した宝塚市議会の北野さと子議員(民主)らの発言があった。会場から、立法化にむけたエールが送られた。


アナベル・パクさんとキャサリン・バラクロウさんのシンポジウム
 午後の部はシンポジウムで、事務局の方清子さんの司会で、米決議採択へ導く運動を組織した米の市民活動家アナベル・パクさんとEU決議を実現したアムネスティ・インターナショナルのキャサリン・バラクロウさんの活動の報告を行った。アナベル・パクさんは、米決議を問題にする上で最重要人物をあげるならば安倍元首相だと語り、それがアメリカの草の根運動を広げたことを報告した。キャサリン・バラクロウさんは、困難な中で勝ち取られた米議会決議への敬意を表した。彼女も、現在の戦時性暴力を根絶するという観点からも、「慰安婦」問題を徹底して問題にし、真の解決を迫らなければならないと語った。会場からの質問も相次いだ。
関西フォーラムは最後に、政府への決議文を採択した。「国家の法的責任を認め、被害者に対して公式謝罪を行うこと」「立法による真相究明と国家補償を早急に実現すること」「日本軍『慰安婦』問題を、歴史教科書に記述すること」を要求している。
 締めくくりに、行動提起として、法制化をもとめるなどの署名活動、地方議会での「慰安婦」問題解決のための決議採択運動、そして11月24日に予定されている、第9回日本軍「慰安婦」問題アジア連帯会議:公開集会への参加などが呼びかけられた。このフォーラムは、これまでの「慰安婦」問題の解決を求める運動の集約点であると共に、あらたな出発点となった。


2008年8月12日
アメリカの戦争拡大と日本の有事法制に反対する署名事務局