在韓被爆者「被爆者援護法訴訟」
相次ぐ控訴に断固抗議!
大阪に続き、長崎地裁での敗訴も受け入れず




 1月8日坂口厚生労働大臣は、先月26日に長崎地裁で下された、在韓被爆者・李康寧(イ・ガンニョン)さんに韓国帰国後も被爆者援護法を適用し続けるよう命じた判決を不服として、福岡高裁に控訴しました。私たちが支援する郭貴勲さん裁判に続いてまたしても控訴です。二度も続けて敗訴しながら、誤りを認めず裁判を引き延ばし、在韓被爆者への被爆者援護法適用をかたくなに拒否し続けることは、紛れもなく犯罪そのものです。政府・厚生労働省を私たちは許すことができません。強い憤りをもって抗議します。

屁理屈にしがみつき、在外被爆者が死に絶えるのをひたすら待つ厚生労働省

 長崎地裁の判決は、「援護法には国家補償的配慮があり、国籍を問わず援護対象としている」「在外被爆者だけが不利になる解釈はすべきでない。日本から出ても手帳は有効」と、大阪地裁判決と同様、在外被爆者を排除する厚生労働省の援護法運用を明確に批判・否定し、政府に李さんの韓国帰国以後の健康管理手当の未払い分を支給するよう命じています。法を正しく理解すれば当然の結論です。しかし坂口厚労相と厚生労働省は二度も続けて敗訴したことの重みを真摯に受け止める姿勢が全くなく、「原爆医療と切り離して健康管理手当だけを支給するのは制度の趣旨になじまない」などと、判決で否定された屁理屈にしがみついて恥じない異常さです。目的意識的に在韓・在外被爆者への差別と抑圧を一層強め、彼らがみな死に絶えるのをひたすら待っているとしか考えられません。

郭貴勲さん裁判の控訴審での勝利が決定的に重要、次回の結審阻止を

 大阪高裁の郭貴勲さん裁判控訴審での勝利がますます重要になってきました。坂口大臣は、「三月ごろ(大阪)高裁判決が出ると聞いているので、その結果も十分に見て、在外被爆者問題を本格的にどうするか、桜の花が咲くころまでには決定しなければならない」と表明。大阪高裁での郭さん裁判控訴審が早期結審し、自分たちが逆転勝訴することに期待をかけています。そしてそれを受けて先月発表した新たな「援護策」=在外被爆者切り捨て強化策を実行に移し、在外被爆者問題に幕引きをしてしまいたいのでしょう。この厚生労働省の幕引きを許さないために、郭貴勲さん控訴審の裁判長による次回結審の強行を、断固として阻止しなければなりません。
 そのためには傍聴席への大量参加が決定的に重要です。裁判官に圧力をかけ、容易には結審させない力を法廷内で作り上げましょう。郭さん弁護団が求める証人尋問を実現させ、審理を徹底させましょう。皆さんの傍聴参加、よろしくお願いします。

【裁判傍聴日程】
2/5(火) 郭貴勲さん控訴審 第三回口頭弁論 PM4:00− 202号大法廷
2/14(木) 李在錫さん 第二回口頭弁論 PM4:30− 806号法廷
     (こちらも郭貴勲さん裁判同様、よろしくお願いします)
郭貴勲さん・李在錫さんの裁判を支える会



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