全世界で拡大するアフガン侵略反対の運動
2001/10/13


   ワシントンDC、NYと全米、パキスタンと南アジア諸国、パレスチナ、イラクと中東全域、インドネシアと東南アジア諸国、韓国、欧州、南米、オーストラリアからアフリカまで−−−文字通り全世界で米のアフガン侵略開始に対する抗議行動が広がっています。連日のように世界各地で集会やデモンストレーションが繰り広げられ、その勢いは強まる一方です。9月11日以降、全世界で少なくとも35万人が参加して200以上もの反戦行動が行われたと伝えられています(恐らく今ではこれは大幅な過少評価)。
   一方では、侵略国である米・英とNATO諸国、事実上参戦している日本・韓国・オーストラリアなどの先進国中心の反戦・反人種差別運動があり、他方それとは別に、パキスタン、パレスチナ、イラクその他の中東とアジア諸国のムスリム人民が中心となった激しい反米闘争が沸き起こっているのです。
   米の4大ネットワークをはじめ米欧日のマスメディアは、このような世界的な状況をまじめに報道しているとはとても言えません。CNNなどはまるで米軍放送のようです。APやロイターなどで流れる記事や欧州の一部メディアが断片的な報道をしています。反グローバリズム系のネットワークからはかなり情報が得られますが、それも先進国中心で彼らの網に引っかかるものだけです。重要なものでも伝えられていない動きが相当あるのは間違いないでしょう。とくに途上国の状況は言葉の壁もあり詳細をつかむのが困難です。今後もできる限り内外の運動の状況をお伝えしていきたいと思います。


■  ブッシュの「開戦宣言」と同時に全米で抗議行動

   米では7日、ブッシュによる空爆開始宣言の直後から全米各地で抗議行動が始まりました。ニューヨークでは10000人もの人々が「アフガンから手を引け!」「空爆をやめろ!」「Salaam,shalom,peace!」などと声を上げてデモ行進しました。ワシントンDCでは少なくとも100人以上がホワイトハウス前の広場に集まり、「今すぐ空爆をやめろ!」「ブッシュよ、われわれは平和を望んでいる!中東から手を引け!」「戦争のためでなく貧者のためにお金を!」などを掲げて集まりました(この多くは地元の高校生や大学生)。ベトナム以来の反戦運動の伝統をもつサンフランシスコ周辺でも約5000人が集まり、抗議の声を上げています(ここでも地元の3大学から多くの学生が参加)。
   その後9日までの2日間だけで少なくとも数千人が、上記3都市(圏)の他、バークレイ、オークランド、パロアルト、ロスアンゼルスなど西海岸をはじめ、ボストン、シアトル、シカゴ、プリンストン、クリーブランド、アトランタ、ヒューストン、デンバー、サンディエゴなど全米の多くの都市で抗議行動に参加したと伝えられています。
   学生と若者が各地で運動の先頭に立っています。7日には9月20日に続いて恐らく2回目の学生による統一行動が行われた模様です。9月29日のワシントン行動を見ても、大学によっては3ケタの人数の動員を行っています。
   多くの行動は、広範な層を基盤とする新しい反戦・反人種差別連合体International A.N.S.W.E.R.を中心に、各地の反戦、反人種差別、その他の草の根の諸運動団体が呼びかけ組織したものです。この中には9月11日以降に新たに生まれたものも数多いといわれます。ニューヨークでは、最近、新しいニューヨーカーの団体「New York Not in Our Name」が結成され、活発な活動を開始しました。その一方、これまでの動きを見る限り、組織労働者の大規模な反戦行動への参加はまだ行われていないようです。これは今後の焦点の一つでしょう。


■  欧州でも大規模抗議行動

  欧州でも抗議行動が広がっています。10日、マドリードでは左派諸団体の約2000人が「No to NATO, bases out」などのスローガンの下、抗議行動を行いました。パリでも11日、左翼諸組織が「No to terrorism, No to vengeance, Yes to Justice」、「No to war, Yes to Peace」などを掲げて抗議デモを行っています。米帝国主義への最大の加担者であるイギリスでも、9月末からロンドンなど各地で反対運動が強まっています。イタリアでは9月末、米での大行動に合わせてナポリで3万人、ローマで左派の主導の下10万人(!)の大行動が行われました。

■  全世界でムスリムの人々の怒りが爆発

    パキスタンとパレスチナをはじめ、インドネシア、インド、エジプトなどムスリムの地域では、連日激しい反米デモの嵐が巻き起こっています。
    パキスタンでは、連日クエッタ、ペシャワル、カラチなどを中心に全土で米に対する隷属を糾弾するムスリム人民による数万人規模の抗議行動が行われ、政府の治安部隊と激しい衝突を繰り返しています。さらに、 イラン、インド、トルコ、インドネシア、マレーシア等の各国でもムスリムたちの激しいデモンストレーションが巻き起こっています。エジプトでは9日、2万もの学生が「イスラムに対する戦争」に反対して各地で抗議行動を行いました。
   イスラエルの攻撃にさらされて来たパレスチナの人々は、アラファト議長の抑制にも関わらず、西岸とガザ地区の各地で連日反米抗議行動を起こしています。12日には西岸のナブルス、ラマラなどで数千人規模のデモンストレーションが行われました。「ビンラーデン、ビンラーデン!」「ブッシュはテロリストの父親だ!」


■  10月27日は国際統一行動の日

   13・14日の週末は、世界各地で抗議行動が行われると予想されます。また、10月27日は米International A.N.S.W.E.R.などの呼びかけで、Internationally Coordinated Day of Action against Racism and Warが設定され、各地で大規模な行動が予定されています。
   これら今後の動きについても、随時広く知らせて行きたいと思います。自衛隊の参戦に反対する署名運動をさらに強め、世界的な運動に連帯していきましょう。





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