新テロ特措法案の閣議決定、衆院提出に断固抗議する!
「対テロ戦争」加担反対の世論と運動をさらに強めよう!

 政府は10月17日夜、インド洋での海上自衛隊による給油活動を継続するための「新テロ特措法案」を閣議決定し、衆議院に提出した。アメリカの無法な侵略戦争に加担する戦争協力法案の強行提出に私たちは断固抗議する。
 この間の国会論戦などでも、海上自衛隊が行った給油によって米空母艦載機からアフガニスタンに対する激しい爆撃が行われ多数の人民を殺りくしたこと、事実上の戦争行為である臨検を通過船舶に対して11000回以上も行っていること、イラク戦争開戦時に攻撃を行った駆逐艦や米空母、沖縄海兵隊をイラクに送り込んだ揚陸艦などに補給し、給油燃料がイラク戦争に「転用」されたこと、「補給艦」への給油がイラク戦争への「流用」を拡大したことなどが次々と暴露されている。さらに、政府が誇示する海上阻止行動の成果なるものが、イラクの自由作戦の一環として行われた可能性をも浮上している。そもそも新法案が対象とする「テロ」とは何か、「テロリスト」とは誰かさえ明らかになっていない。
 政府はこれらの点について一切まともな答弁をしないまま、「アメリカから、転用はないと確認している」などとしらを切り、閣議決定強行に及んだのである。しかも新法案は、現行法にある国会承認を削除し、インド洋からペルシャ湾での活動を認めるなど、米の軍事行動への加担を歯止めの利かないものにする危険性をもっている。
 米軍の「不朽の自由作戦」と「イラクの自由作戦」は不可分のものとして遂行されている。作戦を遂行する米中央軍第5艦隊は、インド洋からアラビア海、ペルシャ湾、紅海、オマーン湾、アフリカの角におよぶ広大な地域の軍事作戦を担っており、インド洋であろうとアラビア海であろうと米艦船への給油を行うことは、これらアメリカの軍事作戦に対して白紙委任することに他ならない。それは、集団的自衛権の行使であり、重大な憲法違反である。日本政府は、中東の「石油利権」を確保するために、シーレーンでの米の軍事行動と軍事的プレゼンスに関与し続けなければならないと考えているのだ。
 しかし、衆参のねじれ国会という状況のもとで、野党からの批判だけでなく、与党内部からも臨時国会延長と衆院再議決の強硬姿勢に対して異論が噴出している。福田政権は、新法案の可決・成立の展望を全く描けないでいる。新法案が、インド洋での給油の継続問題にと止まらず、福田政権と自民党支配を掘り崩すための大きな契機となる可能性がある。
 そのためには世論の動向と運動の力が決定的に重要である。新テロ特措法反対、給油継続反対、「対テロ戦争」加担反対の声を強め、福田政権と対決していこう。

2007年10月18日
アメリカの戦争拡大と日本の有事法制に反対する署名事務局