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「フェンスの中は戦争状態」−"有事"の沖縄
2001年10月7日 中條佐和子




 米同時多発テロ直後、即、在沖米軍基地が動いた。在日米軍基地が動いた。即応部隊として前方展開する米軍がその存在を誇示した。今回の事件によって、沖縄の人々は「軍事基地の大きさと重さを実感し、現実的な危機感を覚えた。」そして、日々、"有事の沖縄"を意識せざるをえなくなっている。
 テロ直後すぐに在沖米軍は最厳戒態勢をとった。基地を完全封鎖し、ライフル銃を持った兵士がフェンス内で警備し、草むらにも潜んで基地外に向けて銃口を構え、フェンス沿いに人を寄せ付けない。情報統制をし、原潜や艦船の動きを報道機関には知らせず、在沖米軍の動きを漏らさないようにしている。司令官は兵士たちに「9/11より生活は劇的に変化した」と臨戦態勢に入っていること、戦時生活に慣れることを訴えた。
 事件から1週間も経たないうちに、嘉手納基地のF15戦闘機はトルコに出発、沖縄に400人いるといわれるグリンベレーの大半も出動した。キャンプ・ハンセンやキャンプ・シュワブでは軍用車両、ヘリなどの一斉点検・整備を実施。特殊訓練も激化している。F15と空中給油機はアラスカまで飛行しながらの訓練、普天間ではテロを想定した訓練、キャンプ・ハンセン内では都市型訓練施設で実戦さながらの訓練、空軍の特殊作戦部隊が伊江島でパラシュート訓練、レッドビーチでは上陸訓練など次々に行っている。嘉手納基地には様々な軍用機が集結。キティーホークの艦載機、ハリアーや特殊作戦機、EP3E電子情報収集機、C5Bギャラクシーなどの輸送機などがひっきりなしに飛来し、飛び立っている。
 第3海兵遠征軍(MEU)の兵士たちが長期遠征に備えた装備袋を携えているという情報があったり、「海兵隊の表だった動きはない」「朝鮮有事に備えて待機状態」「通常訓練に出動」というコメントがあったり、今のところ海兵隊の動きははっきりしない。湾岸戦争の時、海兵隊は8000人が出動した。今回はそれを上回る1万2000人の派遣も予想されているが、実際にはいつ、どのように動くのだろうか。ホワイトビーチには強襲揚陸艦、揚陸艦が入港した。米軍が借りているオーストラリアの民間フェリーも早々に(予想外に早く驚いた)やってきた。強襲揚陸艦は佐世保基地でミサイルや砲弾を積み込み、高速フェリーは那覇軍港でAH1攻撃ヘリ、UH1ヘリなどを積み、それぞれホワイトビーチに立ち寄って出港した。これらの船は通常1000〜2000人の海兵隊員を乗せて出動する。今回の出港は「通常訓練」にとどまるのであろうか。
 今、まさに「フェンスの中は戦争状態」だ。この緊張感の中で新たな事件・事故が起きる危険性は大きい。沖縄から遠い所で戦争が起こっても、米軍基地が集中していることからどうしても沖縄まで"有事"状態に巻き込まれる。人々の生活も大きな影響を受ける。
 私たちは、改めて在日米軍の75%が沖縄に集中している現実とその意味、沖縄島の20%を基地が占める現実とその意味を考えなければならない。"有事"の沖縄はどうなるのか、その実態から、在沖米軍基地の危険性を訴え、在沖米軍基地撤去、移設・新設反対の声を高めていきたいと思う。



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