[シリーズその1:リコール国民投票とベネズエラ革命]
8月15日にリコール国民投票:受けて立つベネズエラ大統領チャベス−−一番危険なのは米の介入・干渉

「私はその挑戦を受け入れる」("I accept the challenge"
チャベス大統領 6月4日国営テレビでの演説)



 私たちは、ラテン・アメリカの小さな国ベネズエラで進行中の独特な反米・反帝、反寡頭制の人民革命に注目してきた。若手将校出身のチャベス大統領が推進する「ボリーバル革命」というものである。ブッシュ・アメリカの介入・干渉と闘い、社会主義キューバと結び付きながら、世界中で戦争と反動と反革命の嵐が吹く下で、驚嘆すべき柔軟性と大胆さを見せながら、奇跡的な生命力を持って前進している。
[番組紹介]NHK・BSプライムタイム(11月22日)「チャベス政権 クーデターの裏側」

 ベネズエラは世界第5位の石油輸出国、ベネズエラにとって最大の輸出先が米国である。何よりも米国はこれまで、自分の「裏庭」にあるベネズエラの石油資源をまるで自分の所有物であるかのように略奪してきた。折しもイラク情勢の悪化と石油価格の高騰の中で、ブッシュ政権は執拗にベネズエラに介入し、何としてもチャベス大統領を殺害するか追放し、ベネズエラの石油を強奪しようと躍起になっている。
米国はベネズエラから手を引け!HANDS OFF VENEZUELA!

 新しい脅威、新しい挑戦に立ち向かうベネズエラ革命の最新状況について新シリーズを始める。第1回目の今回は、リコール国民投票をめぐるチャベス政権と米・野党側の熾烈な闘いを概観した。以降、「ボリーバル革命」の具体化、例えば無料診療所の大量設置をはじめとする医療事業、識字教育の普及をはじめとする教育事業、貧しい農民への土地の分配を中心とする土地改革などを順次紹介していきたい。

2004年6月10日
アメリカの戦争拡大と日本の有事法制に反対する署名事務局




■8月15日に国民投票を実施することが正式に発表される。−−リコール国民投票で勝負に出た反対派、受けて立つチャベス大統領。
 米国と反対派がチャベス打倒の目下の焦点にしているのが、昨夏来反対派が進めてきたリコール国民投票である。署名集めは昨年12月に行われ、反対派は340万票を獲得したと豪語した。しかし今年3月2日、国家選挙委員会(CNE)は、不正署名と疑わしい署名を除いた180万票しか無条件では認められないとの裁定を下した。同じ筆跡による多量の署名や、偽の身分証明書の使用、企業ぐるみの署名など、ありとあらゆる手段を使った不正が発覚したからである。その後争いは最高裁へ移った。最高裁選挙法廷は、CNEによって除外されたもののうち約80万人分を有効とする決定を下したが、その後3月23日に最高裁長官イワン・リンコンと最高裁憲法法廷はその決定を無効とした。そしてその後、不備のある署名の数とその再確認をめぐって約2ヶ月の間、綱引きが行われてきたのである。

 結局、この決着をつけるために、5月27日から30日まで、不備のある署名120万人分についての補正作業が行われた。署名した者は出向いていって、自分の署名の有効性を確認することもできるし、また取り消すこともできた。この作業の間、両派の間の小競り合いはあったものの、大きな混乱はなかった。この結果、有権者の20%(243万6083人)をわずかに上回る245万1821人の署名が有効とされ、大統領リコールの国民投票を実施する条件をクリアすることとなった。−−その日すかさずチャベス大統領は国営テレビで演説した。「私はその挑戦を受けて立つ」("I accept the challenge") と。
 そして6月8日、選挙管理委員会に当たる国家選挙委員会(CNE)は国民投票を8月15日に行うと正式に発表した。反対派の連合体「民主主義調整委員会」もこの決定を受け入れることを表明した。
※「Venezuela's Chavez Unfazed by Recall Vote」Jun 4, AP http://news.yahoo.com/news?tmpl=story&u=/ap/20040604/ap_on_re_la_am_ca/venezuela_recall_8

 8月15日のリコール国民投票は、チャベス大統領の「任期の半分プラス1年」を終える今年8月19日よりも前ということになる。憲法の規定では、「任期の半分プラス1年」を終えるまでにリコールが成立すれば、大統領選挙のやり直しとなる。それ以降であれば、たとえ、チャベスが敗北しても、副大統領ランヘルが2007年1月のチャベスの任期終了まで大統領職を務めることになる。もちろん野党側は8月19日より前の実施、具体的には8月8日を要求した。
 これに対してチャベスは、8月19日以降に固執するのではなく、あえて8月19日以前の15日を決断した。チャベス大統領は、姑息な手段で逃げるのではなく、正々堂々と正面から野党勢力の挑戦に受けて立つ決意をしたのである。内心慌てているのは反対派であろう。反対派は、「チャベスは国民投票を受け入れない独裁者だ」「姑息に8月19日以降に引き延ばし負けても腹心の副大統領に権力をたらい回しするつもり」等々、誹謗中傷を繰り返してきたからである。
※「Venezuela's Presidential Recall Vote to be Held August 15」Jun 08, 2004
http://www.venezuelanalysis.com/news.php?newsno=1287

 実は8月15日決定の裏には、もう一つの闘いがあった。国家選挙委員会の副議長エセクエル・サモラは、「国民投票の日付がカギである」としてこう語った。「高官達は当初、8月8日の実施を示したが、チャベス政権が8月15日にするよう求めた。その期間の差は新しい自動投票システムを導入するのに必要だからだ。」「自動投票システムは、反対派の不正手段とインチキを防ぐためのものだ」と彼は言う。これに対して反対派は、8月8日で、なおかつ手作業でカウントするよう求めた。反対派が「手作業」を求めるということは、自ら不正を働くと主張しているようなものである。結局、サモラは、「今回の国民投票を自動投票システムで行う」と表明した。
※「Venezuelan President to Face Recall Vote」Jun 9 AP http://news.yahoo.com/news?tmpl=story&u=/ap/20040609/ap_on_re_la_am_ca/venezuela_recall_9


■反対派の「ピュロスの勝利」。自信を持って進むチャベス政権。
 言うまでもなく国民投票の実施は野党勢力にとっての「勝利」である。しかし勝負の残り半分がまだある。人民大衆の票をめぐる獲得合戦である。実際にチャベスを罷免し大統領の座から引きずり降ろすには幾つか条件がある。野党側のハードルはまだまだ高い。
 まず第一に、大統領として選ばれた時に獲得した数を上回るだけの投票数、すなわち375万票をたった1日で獲得しなければならない。ところが彼らが集めたのは245万票に過ぎない。仮に不正行為をやって獲得した分を含めたとしても、彼らが昨年12月に豪語した340万票なのだ。それも脅しや札束を最大限駆使して4日間かかって獲得したものである。
※ちなみに2000年のメガ選挙でも、反対派の集票力は二百数十万票、つまり今回のリコール要求署名245万票程度がせいぜいであった。

 第二に、国民投票にはチャベス支持者も投票する。罷免に賛成する者の数が罷免に反対する者、つまりチャベスの留任を望む票を上回らなければならない。チャベス政権は全力を挙げて375万票を、否それ以上の数を集めるだろう。彼は6月10日早朝、「少なくとも500万票を勝ち取り、リコールの試みを打ち負かすだろう」と演説した。
※チャベスが国民投票受け入れを決めて以降、反対派はしきりに「チャベスが敗北したとき云々」「罷免された者が再び選挙に出るのはおかしい」「独裁者チャベスは必ず不正を働く」「権力に固執して国民投票をぶち壊す」等々、ありとあらゆる罵詈雑言を吐いている。これは勝ち目がないことを言っているだけなのだが、同時に、「チャベスは共産主義者と同じ独裁者」と西側の政治家やメディアに吹き込むことで、仮にチャベスが勝ってもそれは「不正によるものだ」「不正国民投票だ」とでっち上げる魂胆からでもある。私たちは、こうした反対派のウソ・デタラメを垂れ流す米欧の企業メディア、日本のNHKや企業メディアの間違った報道を見抜く力を持たねばならない。

 世論調査によればチャベスの人気は40〜51%の間で上下している。今年の経済成長率は10.3%の伸びを示している。皮肉な巡り合わせだが、イラクでの占領支配の泥沼化が一つの要因となっている石油価格の上昇が、石油産出国であるベネズエラの経済成長にとって有利に働いている。今や石油公社を特権的支配層や米系メジャーの手から奪取したチャベス政権は、石油収入を人民大衆に再分配する一大事業に乗り出している。このチャベス・プロジェクトには、無料医療の拡大、教育制度の拡充等々があり、圧倒的多数の貧困層の間でチャベスの人気をいっそう高めているのだ。明らかに勢いはチャベスの側にある。
※「Venezuela Leader to Face Recall Referendum」Jun 03, 2004
http://www.venezuelanalysis.com/news.php?newsno=1285

 リコール国民投票の制度が憲法に盛り込まれたのは、そもそもチャベス自身の提案によるものであった。チャベスは、かねてから、反対派に、クーデターや暗殺などの暴力的な手段ではなく、憲法の土俵の上で勝負をするように呼びかけてきた。したがって、国民投票が実施されることは、チャベスの呼びかけが功を奏したことでもあり、また、これに勝利することによって、ベネズエラ革命の正当性を一層高める絶好の機会ともなる。
 チャベスは、リコール国民投票が成立したことは、反対派にとって「ピュロスの勝利」になるかもしれないと述べた。(「ピュロスの勝利」とは、損害が大きく、得るものが少ない勝利のことである。古代ギリシャのエペイロスの王ピュロスはBC280年 ヘラクレアの戦い、BC279年 アスクルムの戦いで、ローマ、カルタゴ軍に対して勝利を収めたが、多大な犠牲を払った。)


■一番危険なのは米の介入・干渉。反米・反寡頭制を前に出しベネズエラ人民大衆の再結束・再強化をはかる「ボリーバル革命運動」。
 しかし、リコール国民投票はチャベス政権にとっても決定的な勝負所、政治決戦である。野党勢力とブッシュ政権は、メディアと札束で一大攻勢をかけてくるだろう。チャベスを支持する者の中には、この署名収集過程で多くの不正が行われたことに危機感を抱き、国民投票の場でも、米国に支援された反チャベス派による同様の不正が行われるのではという懸念を抱く者もいる。
 国民投票は間違いなく両派の動員合戦になる。軍事挑発の危険もある。特に野党側の敗北が明らかになった時、反革命勢力は再び武力衝突を画策し、情勢の不安定化を図るだろう。現にごく最近も、野党勢力の一部が米の後押しを受けコロンビア軍の傭兵を使ってクーデター未遂事件を引き起こしたが、政府側に摘発された事実がある。
※「チャベス政権、コロンビア準軍事組織を摘発。米国が裏で糸を引くクーデターを未然に阻止」(署名事務局)

 最も危険なのは米政府の介入・干渉である。実際、かつてニカラグア革命のサンディニスタ政権は選挙で敗北する形をとったのだが、その背後には米国の執拗な選挙への干渉が存在した。敗北すれば、反革命の嵐が荒れ狂うだろう。流血の事態も予想される。最低限の生活を保証され始めた貧困な労働者や農民達は再びどん底にたたき落とされるだろう。「中南米の左傾化」は再び逆転する危険が出てくる。ラテン・アメリカの進歩的革命的過程の前進にとっても、ラテン・アメリカの民衆全体にとっても、「ボリーバル革命」は絶対とん挫させてはならないものなのだ。

 チャベス支持派の中では、不正や疑わしい署名の再確認作業をもっと引き延ばすべきだという意見、国民投票を8月19日以降にすべきだという意見などがあったという。だが、チャベスは反対派の挑戦を真正面から受けて立つ選択を行った。なぜなら、敵の攻撃を逆手にとって反転攻勢に打って出れるからであり、政治的主導権を握ることができるからである。
 いずれにしても、貧困にあえいできた下層労働者や貧農の大衆が権力を掌握し社会の大変革をなし遂げようとするときに、米国政府や米系多国籍企業と結び付いた富裕層、かつての支配層、現にまだかなりの経済的政治的力を温存している階層が必死になって巻き返しを図ろうとするのは自明である。旧い特権を掘り崩し旧い支配層の富を人民の側に取り戻す「ボリーバル革命」という新しい人民革命を推進する限り、革命と反革命の対決を避けて通ることはできないのである。

 客観的にはチャベス有利と見られる国民投票ではあるが油断は禁物だ。チャベスは国民投票での勝利に向けて態勢強化に乗り出した。これまでに行われてきたような不正や干渉を防ぐために、チャベス支持者は自らの組織をより強固なものとしようとしている。チャベスを支持する諸政党の指導者の連合体であった「コマンド・アヤクーチョ」は、今回の署名収集や補正の過程でそうした不正を十分阻止できず、反対派議員39人をリコール国民投票にかけようとしたのに、そのうちの9人しか達成できなかった。そのことでチャベス派人民から批判を受け、「コマンド・アヤクーチョ」は解散させられた。その代わりに「コマンド・マイサンタ」という新たな支持組織が作られた。さらに、選挙を監視する草の根的な組織が登場してきている。

 ベネズエラの革命過程は、その独特で不可欠な柱:人民主権(popular sovereignty)の上に発展してきた。「参加型民主主義」、つまり人民が権力を持っている、人民が権力を行使する、人民こそが主人公という考えに基づいて、人民大衆を政治過程に積極的に引き入れ、そのことを通じて米の介入と干渉に反撃し、特権的な旧支配層のクーデターや妨害をひとつひとつ跳ね返してきた。2002年4月のクーデターの逆転による国軍の掌握、2002年末〜2003年初の石油産業を中心とする反革命ゼネストに対する勝利で石油公社を掌握したこと。等々。
 チャベス政権は、今回のリコール国民投票を、ボリーバル革命過程を新たに前進させるチャンスにしようとしている。8月15日の国民投票に向けて、ボリーバルの人民運動は、大衆の政治への参加をいっそう促し、人民主権、人民民主主義をさらに徹底させ、チャベスの大衆的基盤をいっそう拡大し強化するものとなるであろう。
※「Venezuela's Referendum and the Consolidation of "The Process"*」Jun 09, 2004
http://www.venezuelanalysis.com/articles.php?artno=1192

2004年6月10日
アメリカの戦争拡大と日本の有事法制に反対する署名事務局



翻訳
ベネズエラのチャベスと支持者は、大衆行動でリコール国民投票に備える
2004年6月7日
byマルチン・サンチェス
Venezuelanaliysis.com
「Venezuela’s Chavez and Supporters Get Ready for Recall Referendum with Mass Rally」Jun 07, 2004
http://www.venezuelanalysis.com/news.php?newsno=1286


6月6日、日曜日のカラカス。リコールに直面した大統領を支持する人々の大衆集会。

 カラカス、ベネズエラ、6月7日−−ベネズエラの大統領ウーゴ・チャベスの支持者が日曜日のカラカスの通りを埋め尽くした。さながら、論争を巻き起こしているこの南米の指導者のリコール国民投票に対する備えを開始するかのように。

 チャベス派の人々は、首都の三つの地区から行進を開始し、繁華街のボリーバル通りに集まっていった。その場所で、大統領は、来るべき国民投票において反対派を打ち負かすことを誓う演説をした。

 先週、ベネズエラの国家選挙委員会(CNE)は、大統領の反対派がリコール国民投票を要求するのに必要な署名数を少し上回る署名を集めたという決定を下した。

 先週の火曜日、チャベスは、リコール国民投票を求める国家選挙委員会(CNE)の予備的集計結果を受け入れたと国民に語った。米州機構とカーター・センターから派遣された国際的な監視団は、民主的な権利行使に関して、全てのベネズエラ人を祝福した。


「二ヶ月後に、私たちはベネズエラの未来のための闘争を闘い抜くために彼ら[反対派]と対峙するだろう。」と、大統領は集会の演説で述べた。

 チャベスも、反対派が彼を追放するのに民主主義的かつ憲法に則ったやり方を発見したことで、喜びの言葉を述べた。チャベスを「カストロ型共産主義的」独裁者と非難してきた反対派は、2002年のクーデターでも、2002年末から2003年始めにかけてのロックアウト・ストライキ、石油産業のサボタージュでも、他のいくつかのストライキでも、力ずくで彼を権力の座から追放しようとする試みを成功させることはなかった。

「多数者の意志が打ち勝ってきた。独裁もなければ、内戦も、外国が介入することも、街が混乱することもないだろう。参加型民主主義の道が開かれているからだ。」と大統領は述べ、国民投票を、彼が断固導こうとしている民主主義革命運動の勝利と名付けた。

 チャベスは、反対派が最低20%の登録された支持票を集めるのは不可能だと考えたことはないと述べた。ベネズエラでは約1200万人の有権者が登録されている。「彼らが集めた2,451,000票では、私を政府から蹴り出すことはできない。」と彼は述べた。選挙で選ばれた公務員のリコールを国民に保障した憲法によれば、リコールのための国民投票は、その公務員が選ばれたときに獲得した以上の票を獲得する必要がある。チャベスは2000年の選挙で、3,750,000票を得て勝利した。大統領の支持者もまた国民投票で投票する。彼らの票が反対派の票を上回れば、大統領はその職に留まることが可能となる。


チャベスとその支持者達は、来るリコール国民投票で、反対派をうち負かすことを誓った。

 リコール国民投票は、新しい憲法に定められた権利である。それは、ウーゴ・チャベス大統領がその地位についた最初の年に、選挙で選ばれた憲法制定議会によって起草された新憲法のおかげでベネズエラ国民が獲得したものである。チャベスは、国民投票の制度が、彼自身によって憲法制定議会に提案されたものであることを、彼の支持者たちに思い起こさせた。

「二ヶ月後に、私たちはベネズエラの未来のための闘争を闘い抜くために彼ら[反対派]と対峙するだろう。」と大統領は述べた。

 米政府は、この左翼的な大統領を追放しようとするキャンペーンを率いてきたものとして、今一度言及された。「私たちがみんな知っているように、この闘いはベネズエラ一国の枠をはるかに超えている。なぜなら、ベネズエラの反対派の背後には米政府がいるからだ。ジョージ・W・ブッシュ氏こそが真の煽動者であり、私たちを責め立てる運動の背後で力をふるっているのである。」と彼は述べた。

 予想通り、チャベスは、「コマンド・アヤクーチョ」を解散させた。これは、彼を支持する諸政党の政治指導者の連合体であり、大統領のリコールに反対し、反対派の立法議員のリコールのために努力していた。大統領の支持者たちは、署名の収集と再確認作業の間、偽造された身分証明書を使って反対派が犯したにちがいない不正行為を、この連合体が中止させるのに失敗したということで非難した。「コマンド・アヤクーチョ」は、「コマンド・マイサンタ」に取って代わられた。この名称は、19世紀のベネズエラにおける反乱や闘いを率いた反逆の闘士であったチャベスの曾祖父に敬意を表したものである。チャベスはこの新しい連合体の先頭に立つであろう。


チャベスの支持者が街の様々なセクションを行進する。

 チャベスを支持する草の根のグループは、リコールに対して彼が勝利するよう手助けのできる自分たち自身の選挙連合を実行しようと計画している。彼らは自分たちの任務として、投票を記録し、反対派の不正行為を見抜くこうとしている。

 チャベスおよび9人の反対派に対するリコール国民投票は8月の最初の第二週のうちに行われるであろう。

 チャベス反対派は、この土曜日に、国民投票要求を祝って行進し、最終期限である8月19日の以前である8月8日に国民投票を実施するよう要求した。その期限以後は、もしチャベスがリコールされたとしても副大統領が大統領を引き受けることになる。もし8月19日−−彼の任期の半分プラス1年−−以前にリコールされたら、チャベスは辞任し1ヶ月以内に選挙を行わねばならない。


チャベス反対派は土曜日(6月5日)にカラカスで行進した。(訳者注:上記のチャベス支持者のデモ行進と人数や勢いを比較することができる。明らかにチャベスの勢いの方が増していることが分かる)