[投稿] (交野市民 Oさんより)
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(大阪府)交野市長に
「イラクへの自衛隊派兵反対」の意見表明を求める要求書
市民が提出
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昨年末の12/26に、交野市長に対して「イラクへの自衛隊派兵反対」の(対政府)意見表明を求める要求書が、市民数名(約1週間で集めた40〜50人ほど)の署名を添えて、市民(主婦)3名(内1名は無所属の女性市議)から提出されました。

それに対し、1/8付けの市長名の回答書が市の人権政策室から郵送されてきましたが、回答内容は、ほとんどが戦争一般に反対なことで、(二度の世界大戦の反省に立つなど)イラク戦争に関する部分は、

@ 国連決議に基づいた?「人道支援」の必要性
A 国による「特別措置法」の成立「派遣基本計画」の決定の事実
B 「自衛隊のイラク派遣」に対し、世論の合意形成を得た慎重な対応を望む(だれに)

などで、あとは、「非暴力」・・・「平和的解決」・・・「平和と人権」を守るまちを築いていく所存です、などと、今回のイラク戦争への自衛隊の派遣については触れられずに、結ばれています。

要望書の内容は、隣接する枚方市の「平和都市ひらかたを考える市民の会」が中心になり、枚方市長に対して提出した市長の意見表明を求める要望書と、ほぼ同じ内容(12月末に約280名の署名を添えて枚方市に提出されたが、今のところ回答はない模様)で、

@ イラクは戦地であること
A イラクに自衛隊を派遣すれば、「殺し、殺される事態となる」こと
B 派遣地の「サマワ」周辺は大量の劣化ウラン弾が使用されており、
被曝による白血病や遺伝的影響があるであろうこと
C 憲法は、紛争解決の手段として武力行使を認めていないし、
「イラク特措法」ですら、自衛隊の「戦地」への派遣は認めていないこと
D 非核平和都市(交野市の場合、非核、共生、非暴力の「平和と人権」を守る都市)
を宣言しているから、市はイラク戦争反対の立場に立ち、市長が反対の旨の意見表明をしてほしいこと。
E 市長に「派遣中止」の意見表明と必要な措置(関係機関への意見表明)を要望。

の内容です。

回答は「自衛隊のイラク派遣」に対し「世論の合意形成を得た慎重な対応を望む(だれに?)」という非常に不十分なものであり、また、要望内容の肝心な部分である『市長に「派遣中止」の意見表明と必要な措置(関係機関への意見表明)を要望』に対して、何も回答していません。

そこで、13日、交野市に対し、市民(主婦)3名で再度、回答を求めに行きました。

なお、交野市長に対する要望書を提出することになったいきさつは、枚方市民中心の「子育て・教育 メ−リング・リスト」(会員は保護者、教員等)の中で、「枚方市長に対する要望書」への署名の協力を求めるメ−ルが流れ、メ−リング・リスト内の「交野市」(枚方市に隣接)の主婦から、交野市長に対しても、要望したいというメ−ルがあったためで、2人ともが知り合いであった女性市議の協力を得て、急遽、今回の要望書提出となったわけです。迅速な回答ではありますが、回答内容はお粗末です。しかし、自衛隊派遣反対の為に、何かアクションを起こしたいと考える人たちが、数多く存在することを示すいい例ではないかとも思われます。

以下、要望書と回答書、および再度の要望書の全文と、交野市市議会議員のHPのアドレスです。参考にしてください。


HPアドレス------------------------
http://www.h4.dion.ne.jp/~midori7/
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12/26付要望書−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−

        要    望    書

 日々のご奮闘に敬意を表します。
 ご存じのように、12月9日、政府はイラクへの自衛隊派遣について、「基本計画」を決定しました。
 しかしながら、イラクの状況は日を追うごとに深刻化し、外務省の職員お二人が殺害されるという痛ましい事件が起こってしまいました。連日、双方に死者、負傷者が続出しています。米軍司令官は、今後さらに戦闘が激しくなるだろうとすら語っています。
 現在のイラクは、明らかに「戦地」です。
今、イラクに自衛隊を派遣すれば、英米などの占領軍の一員として攻撃される対象となり、また、反撃して、殺し、殺される事態となることは明らかです。日本国内においても、暴力の連鎖が危惧される事態になるでしょう。
 ましてや、派遣予定地とされる「サマワ」周辺は、米軍が大量の劣化ウラン弾を使用したことが明らかになっています。確実にウランの放射線に被爆し白血病などの「湾岸戦争症候群」と、被爆による遺伝的影響にも苦しむこととなります。
 もとより、日本国憲法は「国際紛争の解決の手段として」武力行使を認めていませんし、派遣の根拠である「イラク復興支援特措法」ですら、自衛隊を戦地に派遣することは認めていません。
 自衛隊のイラク派遣は決して行なうべきではありません。
非核平和都市宣言をしておられる交野市でも、是非、イラク戦争反対の立場に立ち、市長が反対の旨の意見表明を行っていただきたく、「自衛隊のイラク派遣を行うべきではない」旨の見解を公表し、首相、防衛庁長官ほか、関係責任者に対して申し入れていただきたいと、この要望書を差し上げる次第です。

全国各地の地方自治体議会でも、次々と反対の意見書採択が行われています。元自衛隊幹部であった首長や議員さんが、その先頭に立っておられる例もあります。
 自治体は、住民の平和と安全、生活を守るためのもっとも重要な位置にあります。
 是非とも、市長が明確に「派遣中止」の意見表明と必要な措置を執られるよう要望します。

回答を下記住所氏名の者にお知らせくださいますよう重ねてお願い申し上げます。

                               2003年12月 26日  交野市長 中田 仁公 様


      住所
      氏名
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1/8付回答書−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−

               回 答 書

 戦争は、最大の人権侵害であり、人類破滅への環境破壊です。ひとたび戦争がおこれば、双方の国民、特に子供を始めとする非戦闘員が大きな犠牲者となることに憤りを感じます。戦争は、暴力で問題を解決しようとするものであり、断じて許されるものではありません。
 交野市では、人類に多大な被害と影響を与えた二度にわたる世界大戦への反省と、恒久的な世界平和への願いを込め、市民の総意で「平和と人権を守る都市宣言」を行いました。核兵器を持たない、戦争のない、平和で安心して暮らせる社会を築いていきたい。これは、わたしを含め全ての交野市民の平和への強い意思表示です。
 国連決議に基づいた医療・教育・水道などの人道支援を行うこと、国際社会の一員として我が国が貢献すべき役割であると考えます。
 国においては、イラク復興支援特別措置法が成立し、自衛隊イラク派遣基本計画が決定されました。
しかしながら、自衛隊のイラク派遣については、世論の合意形成を得て慎重に対応していただきたいとと考えます。
 平和な暮らしの実現を願うものとして、わたしはイラク戦争を含むあらゆる戦争について、なんとしても戦争は避けなければならないとの思いです。非暴力の手段で、平和的解決が図られるよう強く望みます。今後とも、交野市民が願う「平和と人権」を守るまちを築いてまいる所存です。


平成16年1月8日
                      交野市長   中 田 仁 公
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1/13日付の再度の要望書−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−

        要    望    書


 この度は、年末・年始のご多忙の中、早速、私共が昨年12月26日に提出しました要望書に対してご回答をいただき、誠にありがとうございました。
 しかしながら、いただきました解答書でございますが、私共がご回答をお願いしました趣旨は、「市長が明確に『派遣中止』の意見表明と必要な措置を執られるよう要望いたします。」であり、失礼ながら、これに対する言及がなされてはないのではないかと存じます。
つきましては、上記趣旨に対するご返答をいただきたく、再度の回答を是非、お願い申しあげます。


いただきました回答では、「国連決議に基づいた医療・教育・水道などの人道支援を行うこと、国際社会の一員として我が国が貢献すべき役割である」とありますが、これは、国連の同意なく、アメリカ・イギリスによって開始された今回のイラク戦争に対して、戦闘員の派遣を意味するとは考えられません。
回答書には、「イラク復興支援特別措置法が成立し、自衛隊イラク派遣基本計画が決定した」との事実を述べておられますが、私共の要望書に述べております通り、「日本国憲法は『国際紛争の解決の手段として』武力行使を認めていない」し、また、「『イラク復興支援特別措置法』でも、自衛隊を戦地に派遣することは認めていない。」ことは、ご存知のことと存じます。
「自衛隊をイラクへ派遣するための世論の合意形成」に対して、ではなく、自衛隊のイラクへの派遣に対して、「慎重に対応する」ことを、関係省庁・政府に求める旨の意見表明をしていただくことが、私共の提出しておりました「要望書」の趣旨であります。
回答書でも述べておられます通り、「核兵器を持たない、戦争のない、平和で安心して暮らせる社会を築いていきたいとの交野市民の平和への強い意思表示」として、「市民の総意で『平和と人権を守る都市宣言』を行な」っている交野市におかれましては、
要望書でも述べておりますように「占領軍の一員として攻撃される対象となり、また、反撃して、殺し、殺される事態となること」や「米軍が大量の劣化ウラン弾を使用したことが明らかになって」いる「派遣予定地『サマワ』周辺で、(自衛隊員が)放射線に被爆し、白血病」「などや、被爆による遺伝的影響にも苦しむこと」は、是非とも避けなければなりません。
このことを重く受け止めていただき、市長みずから、「イラク戦争を含むあらゆる戦争について、なんとしても戦争は避けなければならない」との立場に立っていただき、是非、このたびのイラクへの自衛隊派遣につきましても「『派遣中止』の意見表明と(関係省庁への送付並びに市民への意見の公表など)必要な措置を執られるよう要望いたし」、「交野市民が願う『平和と人権』を守るまちを築いて」行っていただけることを切望しております。


2003年 1月13日

交野市長 中田 仁公 様