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(10.4.28 New!)

政権交代と死刑廃止

死刑廃止の戦略を考える

日時:2010年4月29日(木・休)午後2時〜
参加費:500円
場所:文京区民センター2A(文京区本郷4-15-14/地下鉄「春日」駅そば)
参加費 :1000円(25歳以下無料)
発言:国会議員から/鈴木宗男議員(ほか交渉中)
解説:名張高裁差し戻し決定の意味するもの(河井匡秀弁護士)
報告:ジュネーブでの世界死刑廃止大会(2010.2.24〜26/参加者より)
報告:中国大使館への抗議行動(アムネスティ・インターナショナル日本支部)
講談:外かんだ 織鏡
◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆以下続々企画中◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆
6月12日(土)午後6時〜
東京しごとセンター(飯田橋)
DVD「赦し」日本語版 完成記念試写会
ここに、愛する家族をすべて殺され、
喪失の痛みと絶望の中で、
一日一日を生き延びる遺族たちの鮮烈な物語がある......
韓国で話題をよんだ番組の日本語版を
竹下景子さんのナレーションで送る!

挨 拶 竹下景子さん(予定) 日本語版ナレーション
   コ・ジョンウォンさん 殺人事件被害者遺族、映画の主人公
   イ・ヨンウ神父
   コン・ジヨンさん 作家、『私たちの幸せな時間』原作者
   パク・ビョンシクさん 東国大学教授
   チョウ・ウクフィ監督 『赦し』の監督

死刑廃止国際条約の批准を求めるFORUM90
〒107-0052 東京港区赤坂2-14-13 港合同法律事務所気付
TEL.03-3585-2331 FAX.03-3585-2330
郵便振替口座:00180-1-80456 フォーラム90
主催・問合せ ■死刑廃止国際条約の批准を求めるFORUM90

(09.9.15 New!)

世界死刑廃止デー企画

響かせあおう 死刑廃止の声 2009

「裁判官の証言 誤判は避けられない!」

日時:2009年10月10日(土)午後1時開演(12時30分開場)
場所:新宿区四谷区民ホール(東京)
予約 :不要
参加費 :1000円(25歳以下無料)
内容 :
1報告:「政権交代」と死刑廃止への道
2死刑囚の表現をめぐって【大道寺幸子基金の発表とシンポジウム】
3裁判官の証言 誤判は避けられない!

主 催 :死刑廃止国際条約の批准を求めるフォーラム90

死刑廃止世界連盟(WCADP・2002 年設立)は10 月10 日を世界死刑廃止デーと定め、世界各地で死刑廃止に向けたさまざまな取り組みがなされるよう呼びかけています。私たちは今年も死刑制度に疑問を持つ人々が共に集い、死刑に直面している人々に思いをよせるひと時を企画しました。ぜひ、ご参加ください。

(09.7.28 New!/09.8.3 抗議集会案内追加)

死刑執行抗議集会

日時・8月8日(土)14時から
場所・文京区男女平等センター 文京区本郷4-8-3 TEL03-3814-6159

7月28日の3名の死刑執行抗議集会を行います。
ぜひご参加下さい。

8月8日(土)
午後2時から4時45分まで
文京区男女平等センター
  文京区本郷4-8-3 03-3814-6159 地下鉄本郷3丁目から5分
  地図は こちらです

安田好弘(フォーラム90、弁護士)
青木 理(ジャーナリスト・最近、講談社から『絞首刑』を上梓)
保坂展人(衆議院議員、死刑廃止議連事務局長)
執行された方の関係者

会場費・500円
主催・死刑廃止国際条約の批准を求めるフォーラム90  03-3585-2331
   (社)アムネスティ・インターナショナル日本
   「死刑を止めよう」宗教者ネットワーク
   死刑に異議あり!キャンペーン

→ご案内のビラはこちらから(PDF 32KB)

抗 議 声 明

 森英介法務大臣が、本日(7月28日)、陳徳通さん(41歳:東京拘置所)山地悠紀夫さん(25歳:大阪拘置所)、前上博さん(40歳:大阪拘置所)の死刑を執行したことに対し、強く抗議する。

 今回の執行は、政権交代を前にして、今後の執行が困難になることを危惧して、駆け込み的に執行を行ったものであり、同時に、裁判員裁判実施を前にして、裁判員の死刑制度に対する疑念を強引に消し去ろうとするものであって、極めて政治的な色彩の強い恣意的な執行である。しかも、衆議院の解散・総選挙という、国会の監視・監督の全くない中での執行であり、また、退任を約1ヶ月後に控え、法務大臣としての責任を負うことのない時期における執行であって、極めて無責任というほかなく、厳しく非難されなければならない。

 とりわけ、昨年の10月の執行にあっては、無実の久間三千年さんを、その無実の訴えを聞かずして無理矢理に死刑を執行するという大きな過ちを犯したにもかかわらず、その反省もせず、本年1月に続いて3度目の死刑執行を行うというのは、死刑に対する最後の歯止めとならなければならないとする法務大臣の法的責任の放棄であり、職権の濫用というほかない。

 2006年12月25日の長勢元法務大臣の死刑執行に始まり、鳩山、保岡の各法務大臣へと続く連続的な大量の死刑の執行は、わずか2年7ヶ月の間に、11回、合計35名にのぼり、森英介法務大臣だけでも、在任10ヶ月の間に合計3回、9名の執行を行っており、過去30年間に類例がなく、死刑廃止に向かう国際的なすう勢に完全に逆行するものであって、強く非難されなければならない。

 国家・個人を問わず、人の命を尊重し、如何なる理由があろうとも人の命を奪ってはならないことは、人類共通の倫理であり、民主主義の基本的な理念である。そして、それ故に、すでに世界の3分の2以上の国と地域が死刑を廃止しているし、国連は一昨年と昨年12月の2回にわたりすべての死刑存置国に対して死刑執行の停止を求めたのであり、これに応えて死刑存置国は死刑の執行を減少させてきたのである。

 昨年10月ジュネーブで開かれた国際人権(自由権)規約委員会において、日本の死刑制度について審査が行われ、死刑廃止を求める厳しい批判がなされた。日本政府は、この批判に謙虚に耳を傾け、死刑の廃止に向けてスタートを切るべきであったにもかかわらず、これにあえて逆らい、死刑の執行を強行したことは、国際的にも許されない。

 陳徳通さんは、日本語が不自由なために、裁判においても、十分な審理が受けられず、その結果、強盗殺人の実行行為者が誰かなど、判決には不自然・不合理な点が多々あるだけでなく、恩赦の出願も行っており、今後再審を行いたい希望も持っていたし、せめて家族と面会をさせてほしいと訴えていた。精神病にも罹患していた。

 山地悠紀夫さんと前上博さんは、いずれも控訴取り下げで確定しており、三審まで裁判を受ける権利を保障されておらず、また事件の背景をなす生育環境や人格特性について十分に審理が尽くされておらず、さらにその責任能力についても疑問があり、死刑の量刑が正しかったか否か大いに問題がある。

 以上のほか、法的に何らの義務がないにもかかわらず、死刑の執行を強いられている拘置所職員の苦痛にも心を致すべきである。

 私たちは、死刑の廃止を願う多くの人たちとともに、また、森英介法務大臣に処刑された陳さん、山地さん、前上さんに代わり、そして、この間連続的に死刑を執行させられている拘置所の職員に代わって、森英介法務大臣に対し、強く抗議する。

2009年7月28日

死刑廃止国際条約の批准を求めるフォーラム90

(09.6.11 New!)

被害者は死刑を望むのか

韓国の被害者遺族を迎えて日本の裁判員制度を考える

昨年12月から被害者の法廷参加も始まり、被害者遺族は死刑を求めるのが当然 という風潮が報道を通して流されています。しかしそれは本当でしょうか。被 害者遺族で加害者と交流を持つ人はいないのでしょうか。憎み続けることから 何かが生まれるのでしょうか。加害者を死刑にすることで遺族はいやされるの でしょうか。加害者を赦すと言い大きな反響を巻き起こしたコ・ジョンファン さんを韓国から招き、講演をしていただき、死刑廃止へ向かう韓国での動き を、パク・ビョンシク東国大学教授に話していただきます。そして日本の被害 者運動を担うお二方、及びこの問題を追い続ける映像作家・坂上香さんとシン ポジウムを行います。裁判員制度はさらなる重罰化を招かないか。ともに考え たいと思います。

日時・6月20日(土)1時30分開始
会場・文京区民センター3A会議室
都営地下鉄春日A2出口0分 03-3814-6731
会場費・500円
講演・韓国の死刑をめぐる動き パク・ビョンシク
私はなぜ加害者を赦したのか コ・ジョンウォン
シンポ 韓国の被害者とパク・ビョンシクさんを囲んで
 片山徒有さん、原田正治さん、坂上香さん

韓国の死刑はどうなっているのか
韓国では、1997年12月に23人もの死刑が執行されてから現在まで死刑の執行は 停止されています。3度にわたり「死刑制度廃止特別法案」が国会に上程さ れ、05年2月には法制司法委員会で初めて審議入りしました。その後、廃案と なったものの、07年10月には「死刑廃止国家宣布式」、同年12月には「実質的 死刑廃止国記念式典」がソウルで開催されました。

コ・ジョンウォン(高貞元)さん
 2003年10月9日、コ・ジョンウォンさんの母、妻、成人した息子の3人が殺 された。翌年7月、ユ・ヨンチョル(柳永哲)が逮捕され、21人もの連続殺人 が明らかになり韓国を震撼させる。コさんはその日から何年間も遺族として深 い傷を抱え辛い年月を過ごす。事件は彼の家族と生きる喜びを奪い、彼は死を も願う。
 しかしある時、コさんはユに対して赦す気持ちになる。その時からコさんは 新たに生きるようになった。07年10月には死刑廃止国家宣布式にゲストとして 出席、アメリカのジャニー・オブ・ホープにも参加、加害者・被害者たちとの 交流を深める。そしてコさんは裁判官へユの減刑を求める嘆願をし、ユとの交 流を始める。コさんは赦しと和解の道程を歩み始めたのだ。

パク・ビョンシク(朴秉植)さん
 韓国の東国大学法学部教授。明治大学で長期にわたって刑事政策を研究。韓 国での死刑廃止運動をになう。古くからのフォーラム90のメンバーである。
片山徒有(かたやまただあり)さん
 97年11月に息子の隼(しゅん)君を交通事故で亡くした被害者遺族。現在は 多くの少年院や刑務所などで更生教育にも関わっている。あひる一会(あひる のいちえ)、被害者と司法を考える会 代表
 著書に『犯罪被害者支援は何をめざすのか』(現代人文社)、『隼まで届け 7通の手紙』(河出書房新社)がある。

原田正治(はらだまさはる)さん
 1983年1月、弟を保険金目的で殺される。加害者に対する怒りや憎しみを抱 きながらも、「加害者の命を奪うことでは被害者は救われない」と死刑廃止を 主張。現在Ocean─被害者と加害者の出会いを考える会代表。
 著書に『弟を殺した彼と、僕。』(ポプラ社)がある。

坂上香(さかがみかおり)さん
 映像ジャーナリスト、津田塾大学准教授。
 死刑問題・被害者問題を扱った作品に「ジャーニー・オブ・ホープ─死刑囚 家族と被害者遺族の2週間」96年NHK BS-1、「ライファーズ─終身刑を超え て」など多数ある。著書に『癒しと和解への旅─犯罪被害者と死刑囚の家族た ち』(岩波書店)、編著に『アミティ・「脱暴力」への挑戦』(日本評論社) などがある。

(08.9.27 New!)

"地球が決めた死刑廃止"

「死刑廃止国際条約の批准を求めるフォーラム90」

△▽△ 賛同人になってください △▽△

1989年12月15日第44回国連総会で、国際人権B規約第2選択議定書いわゆる「死刑廃止国際条約」が採択され、1991年7月11日に発効しました。そこでは、死刑が人間の尊厳を否定するものであって直ちに廃止されなければならないこと、そして死刑の廃止が人の生命を擁護するうえで大きな前進であることを確認し、条約の批准国に対して死刑廃止のためにあらゆる措置を講ずることを義務づけています。さらに国連加盟各国に対しては速やかに死刑を廃止することを求めています。しかし、日本政府は、この条約に反対し、条約が採択される直前である89年11月10日に一人の死刑囚を処刑しました。
そこで私たちは、日本で一日も早く死刑が廃止されることを願い、死刑廃止に向けてさまざまな運動を展開することを目的として、世代や政治的立場、思想信条、性別を超えて、死刑廃止だけで緩やかにつながる結合体として、広く国会議員、弁護士、学者、宗教者などを含む市民が集まって「死刑廃止フォーラム90」を結成しました。現在全国約4000人の仲間とともに活動しています。
全国規模の集会「死刑廃止フォーラム」として、90年12月 団藤重光氏の講演他、92年3月フランスの元法務大臣バダンテール氏の講演他、93年7月アジア・フォーラムを日比谷公会堂において行なってきました。95年12月に4回目のフォーラム、97年2月に死刑存廃論の合意点を目指したシンポジウム、2003年11月には「死刑執行に終止符を! 死刑廃止を願う市民集会」を開催しました。また、大阪、福岡、名古屋、広島、仙台、松山、長野、徳島などの全国各地で同様の集会や街頭パレード、死刑執行に対する抗議行動といった死刑廃止の世論の顕在化と死刑廃止に向けた環境づくりを行なってきました。そして、2001年6月には、元冤罪死刑囚の免田栄さん、犯罪被害者家族の原田正治さんをはじめとした訪欧団がヨーロッパ各地で日本の死刑制度の実態を訴えたのち、第1回世界死刑廃止会議に出席し、欧州評議会議員会議でスピーチを行ないました。同年11月には韓国ソウルで開催された第2回アジア・フォーラムに参加し、アジア各地の方々と交流を深め、国際的な連帯の絆を確かなものにしました。第3回アジア・フォーラムも、台湾で開催される予定です。
 この間、国連人権規約委員会は93年と98年に日本政府に対して死刑廃止への措置をとるよう勧告し、国連人権委員会は97年以降「死刑廃止を求める決議」を採択しつづけています。
 また、欧州評議会議員会議は、2001年6月に、欧州評議会が死刑廃止を明確にうちだす前にオブザーバー参加を認めた死刑存置国の日本とアメリカ合衆国に対して2003年1月までに進展がみられない場合はオブザーバー資格を見直すと勧告しました。2003年10月には、日本政府に速やかな死刑執行停止の実施や確定死刑囚の処遇の改善などを求めるとともに、死刑廃止に向けた日本の政治家およびNGOによる運動を支援するという決議を採択しています。
 アジアでも大きな動きがみられます。戦乱から和平に向けてカンボジア、東チモールは、死刑制度を廃止しました。韓国では、金大中氏が大統領に就任した97年以降死刑は執行されず、2001年10月「死刑廃止特別法案」が国会に上程され、現在継続審議中です。また、台湾では陳水扁前総統の「人権立国」を掲げた、死刑廃止路線を馬英九総統も受け継ぎ、死刑の執行は行われていません。
 日本国内でも、死刑廃止を求める声は着実に高まっています。94年に超党派の議員で結成された「死刑廃止を推進する議員連盟」は、2002年5月に「司法人権セミナー・死刑廃止」を欧州評議会議員会議と共催しました。そして、死刑廃止実現の足がかりとするための「重無期刑の創設及び死刑制度調査会の設置等に関する法律案」を作成し、議員立法として国会に上程しようとしています。また日本弁護士連合会は、死刑の執行の際に執行停止を求める会長声明を出し、死刑執行停止法の制定を提唱してきましたが、2004年10月には人権擁護大会において「21世紀日本に死刑は必要か」というシンポジウムを開催しました。いずれも具体的な一歩を踏み出したものといえるでしょう。
しかし、日本政府は、死刑制度を堅持しようとしています。1993年3月26日大阪と仙台で3人の死刑が執行され、1989年11月10日以降行刑史上初の3年4カ月にわたり執行が行なわれなかった状態にピリオドが打たれました。その後、2008年9月11日までに73名もの死刑執行が行なわれました。死刑確定者も、本日現在で103名となり、大量処刑がいつあっても不思議ではない状況になりました。
 私たちはいままで以上に死刑廃止の声を大きくし、死刑廃止に向けて多様な運動を展開していきたいと考えています。
 つきましては、私たちの運動をご理解いただき、賛同人として死刑廃止の実現に向けてともに活動していただきますよう、お願い申し上げる次第です。
 私たちのこうした活動は、すべてカンパでまかなってきました。発足当初は廃止をもじって814円以上のカンパをお願いしましたが、より多くの賛同カンパを寄せていただければ幸いと存じます。賛同人のみなさまには、年に4、5回、「FORUM90ニュース」をお送りして、最新の情報をお届けいたします。
2008年9月18日
<呼びかけ団体>
 アムネスティ・インターナショナル日本、死刑執行停止連絡会議、全国犯罪非 行協議会、死刑を考える弁護士の会
<呼びかけ人>
 団藤重光(元最高裁判事)、土屋公献(元日弁連会長)、免田栄(元冤罪死刑囚)、 イーデス・ハンソン(アムネスティ元日本支部長)、奥平康弘(憲法学者)、加 賀乙彦(作家)、瀬戸内寂聴(作家)

  死刑廃止国際条約の批准を求めるフォーラム90実行委員会
   連絡先  港合同法律事務所気付 tel:03ー3585-2331,fax:03ー3585-2330
ホームページ http://www.jca.apc.org/stop-shikei/index.html

賛同人になっていただける方は、ここをクリックしてください(メーラが起動します)

(08.9.12 New!)

死刑執行抗議集会

日時・9月20日(土)18時30分から
場所・日本キリスト教会館4階会議室
主催・フォーラム90
   アムネスティインターナショナル日本
   「死刑を止めよう」宗教者ネットワーク
   死刑廃止に向けて死刑執行の即時停止を求めるキャンペーン
発言・執行された方の関係者など

抗 議 声 明

 本日(9月11日)、萬谷義幸さん(68歳:大阪拘置所)、山本峰照さん (68歳:大阪拘置所)、平野勇さん(61歳:東京拘置所)に死刑が執行されたことに対し、強く抗議する。

 保岡興治法務大臣は、就任後わずか1ヶ月しか経過していないにもかかわらず死刑を執行した。過去、法務大臣はいずれも2ヶ月以上経過してから死刑の執行をしており、このような短期間で死刑を執行した法務大臣は存在しない。これは、記録を十分に精査し慎重の上にも慎重を期して死刑執行を行うという過去の慣例さえも踏みにじるものであって、暴挙というほかない。

 また福田総理大臣の辞任表明に伴い三週間後には失職することが明らかであるにもかかわらず死刑執行を行ったものであって、無責任というほかない。今回の執行は、もっぱら死刑執行をしない法務大臣を作らないため、また解散総選挙を控えて執行できるうちに執行してしまおうとするいわゆる駆け込み執行であって、政治的にも道義的にもおよそ許されるものではない。

 人の命を尊重し、如何なる理由があろうとも人の命を奪ってはならないことは、人類共通の倫理規範であり、民主主義の原理・原則である。そして、それ故に、すでに世界の3分の2以上の国と地域が死刑を廃止している。また、国連をはじめとする国際機関は、死刑を存置する国に死刑の執行を停止する等死刑廃止に向けて努力するよう求め、死刑存置国はこれに応じていずれも死刑の執行を減少させつつある。
 しかし、唯一日本だけが、これを意図的に真っ向から踏みにじり、もっぱら死刑を拡大させている。10年前に比べ3倍以上にも激増し続ける死刑判決、本年だけでも4回目合計13名に対する大量執行は過去30年以上もなかったことであって、歴史を逆転させるものにほかならず、強く非難されなければならない。
 日本では、いわゆる凶悪犯罪と言われるものは減少の一途をたどっている。死刑判決と死刑の執行の激増を正当化する理由はどこにも存在しない。

 萬谷義幸さんは、無期懲役判決を受け、仮釈放中に起こした事件で、被害者は1名だった。仮釈放中の保護が十分であったか問われなければならない。また、過去2回、本人申請で再審請求を行っており、2回目の請求が今年7月24日に棄却され、現在第3次請求の準備中だった。

 山本峰照さんは、確定から2年4ヶ月しかたっておらず、極めて短期間の死刑執行である。しかも、裁判も拙速で行われ、一審は、起訴後4ヶ月余りの間に、公判前整理手続と連続する4回の公判で死刑となっており、本人に防御を準備するに十分な機会が保障されていなかったことは明白である。死刑事件で公判前整理手続が初めて行われた事件であって、拙速な裁判はこれに原因しており、その犠牲者と言っても決して過言ではない。その後、本人が控訴を取り下げて確定しており、三審まで裁判を受ける権利を保障されていない。

 平野勇さんは、確定から2年であり、山本さんと同じく拙速な死刑執行である。係争中は放火と殺意を否認している。

 死刑の執行を強いられている拘置所職員の苦痛にも心を致すべきである。

 私たちは、死刑の廃止を願う多くの人たちとともに、また、保岡興治法務大臣に処刑された3名の死刑確定者に代わり、そして、この間連続的に死刑を執行させられている拘置所の職員に代わって、保岡興治法務大臣に対し、強く抗議する。

2008年9月11日

死刑廃止国際条約の批准を求めるフォーラム90

(08.6.17 New!)

抗 議 声 明

 本日(6月17日)、宮崎勤さん(45歳:東京拘置所)、陸田真志さん(37歳:東京拘置所)、山崎義雄さん(73歳:大阪拘置所)に死刑が執行されたことに対し、強く抗議する。

 鳩山邦夫法務大臣は、今回の執行で、7ヶ月間に連続して4回、合計13名の死刑の執行を行った。このような連続的にして多数の執行は、過去になかったことであり、死刑に対して常に謙抑的であった日本の刑事司法の歴史に真っ向から反するものである。

 また、今回はG8司法・内務大臣会議の最終日である6月13日〔金〕に死刑執行命令書にサインをしたことになり、アメリカを除く死刑制度を廃止した国々から、執行に対して非難されない時期を選んでの、政治的な執行でもある。

 宮崎勤さんは、26歳の時の事件であり、確定からまだ2年5ヶ月しかたっておらず、精神科の治療を受けており、再審請求の準備をはじめていたところだった。昨年から、多くの弁護士に再審請求の弁護人になってほしい旨の手紙を出し続けており、拘置所もそれを周知していたにもかかわらず、執行を強行したものであって、再審請求をする権利を奪うものである。

 陸田真志さんは、25歳のときの事件であり、確定から2年8ヶ月しかたっておらず、恩赦や弁護人の弁護を受ける機会の保障を欠く執行である。

 山崎義雄さんは、確定から3年5ヶ月であるが、一審は無期懲役であり二審で逆転死刑判決を受けた事件であり、死刑判決の妥当性について大いに疑問のあるケースである。

 鳩山法務大臣の連続的にして大量の死刑執行は、死刑執行を好んで行っているとしかいいようがなく、職責に名を借りた「無差別大量殺人」というほかない。鳩山法務大臣の常軌を逸した異常な執行は、人の命を軽んじる風潮を蔓延させ、社会を荒廃させ、犯罪を誘発し、犯罪を助長・拡大させており、日本社会をミスリードする極めて危険な行為である。

 私たちは、死刑廃止を願う多くの人たちとともに、鳩山法務大臣に処刑された13名の死刑確定者に代わり、また、連続的に死刑を執行させられている拘置所の職員に代わって、鳩山法務大臣に対し、強く抗議するとともに、これ以上の執行をしないよう、強く要求する。

2008年6月17日

死刑廃止国際条約の批准を求めるフォーラム90

(08.5.23 New!)

■6月21日市民集会

死刑はどうなる?

被害者参加制度と裁判員制度

6月21日(土)
午後1時(開場)
午後1時30分(開演)
文京区民センター3A
都営地下鉄三田線・大江戸線:春日駅A2出口徒歩0分
丸ノ内線・南北線:後楽園駅徒歩5分
JR:水道橋駅東口徒歩10分
参加費:800円

◆裁判員制度とともに導入される被害者参加制度の実態を示す演劇的試み
 監督演出:山際永三
 出演:劇団・駄菓子屋の皆さん(石田哲也・後藤竜馬・鈴木結沙・中西台次)ほか

◆パネル・ディスカッション
 石塚伸一/竹田昌弘/生田暉雄/安田好弘

来年5月から始まるとされる裁判員制度。並行して進められている刑事裁判への被害者参加。厳罰・極刑が求められたとき、裁判員はどう応えられるだろうか。市民が否応なく死刑に直面させられる日が迫っている。

(08.5.14 New!)

2008.5.21

裁判員制度まであと1年!

「死刑判決全員一致制及び終身刑導入」法案を考えるシンポジウム

ご出席のお願い

裁判員として選ばれた市民は死刑判決に積極的にかかわらなければいけない? 無期懲役と死刑の量刑のギャップはどうする?
裁判員制度と量刑問題を正面からとらえなおす機会です。

「死刑判決全員一致制と終身刑導入法案を考える」実行委員会
2008.5.21 Wed. 6.30pm - 8.30pm @星稜会館

シンポジウムご参加のお願い
来年5月21日から裁判員制度が始まります。山口県光市事件の広島高裁差戻審をめぐる過熱報道も冷めやらぬ今、死刑存廃を巡る議論が今までにない勢いで活発になされるようになってきました。そんななか、裁判員として選ばれた市民が死刑判決に積極的にかかわらざるを得ない状況に直面していることを憂慮する国会議員によって、裁判員制度における死刑判決全員一致制の導入を検討する動きが出てきています。
一方、無期懲役と死刑の量刑のギャップを懸念する世論が長らくあったことはご存じの通りです。
そこで、今国会で上程が予定されている法案にもとづいて、各界でご活躍の著名人の方々をお招きし、裁判員制度と死刑判決、終身刑を考えるシンポジウムを下記の通り企画しました。
ご多用中のことと存じますが、もはや市民にとって対岸の火事ではなくなりつつある裁判員制度と量刑問題を正面からとらえなおすこの機会に、ご参加ください。

■日時 2008年5月21日(水)
    午後6時開場 6時半開会 8時半閉会予定

■場所 星稜会館ホール
    東京都千代田区永田町2−16−2 電話 03−3581−5650
    地下鉄永田町駅下車6番出口徒歩3分
    地下鉄国会議事堂前駅(溜池山王駅)下車5番出口徒歩5分
    地下鉄赤坂見附駅下車徒歩6分

■プログラム
1. 開会の辞
2. 法案趣旨説明(保坂展人衆議院議員)
3. 出席議員挨拶
4. シンポジウム
* 森達也(作家、映画監督)
* 大谷昭宏(ジャーナリスト)
* 田中優子(法政大学社会学部教授、江戸時代研究者)
* 四ノ宮啓(弁護士、早稲田大学法科大学院教授) 
* 倉田雅年(衆議院議員、弁護士)  ※未定
5. 閉会の辞(西嶋勝彦弁護士)

■主催     「死刑判決全員一致制及び終身刑導入法案を考える」実行委員会
    電話03−3585−5331
    国会内連絡先 衆議院内線7320 保坂展人事務所
    連絡先:港合同法律事務所  03−3585−2331

(08.4.11 New!)

昨4月10日、鳩山法相によって4人の死刑確定者が執行されました。
私たちは、連続的になされる死刑執行に抗議する集会を持ちます。
4月19日(土)午後4時から日本キリスト教会館
発言者は安田好弘弁護士、執行された方の関係者などです。
執行された岡下香さんの作品も展示します。


 なおこの日、同じ場所で2時から4時まで石塚伸一龍谷大教授を招いて「死刑と裁判員制度」という学習会を設定しています。こちらにもご参加ください。

抗 議 声 明

 本日(4月10日)、中元勝義さん(大阪拘置所)、中村正春さん(大阪拘置所)、坂本正人さん(東京拘置所)、秋永(旧姓岡下)香さん(東京拘置所)に死刑が執行されたことに対し、強く抗議する。

 鳩山邦夫法務大臣は、今回の執行で、就任してわずか4ヶ月の間に連続して3回、合計10名の死刑の執行を行っており、まさに法務大臣就任時の「ベルトコンベアー式の大量執行」の実行である。これは、死刑の執行は慎重な上にも慎重でなければならないという法の趣旨を真っ向から踏みにじり、死刑の執行を好んで行っているとしか言いようがなく、法務大臣の職責に名を借りた大量殺人行為と言っても決して過言ではない。鳩山法務大臣は、まさに死刑執行法務大臣であって、死刑執行のコレクターと凝せられる危険な人物である。

 中元勝義さんは、4回の再審請求を行い、無実を訴え続けており、また中村正春さんは、重度の人格障害と鑑定されており、いずれも有罪判決に疑問の残るケースである。坂本正人さんと秋永香さんは、ともに一審が無期懲役であり、本当に死刑の量刑が正しかったか大いに疑問が残るケースである。特に、坂本さんは二審の死刑判決に対して上告せず、最高裁の判断を得ないままの執行であり、また秋永さんは恩赦の出願を弁護士に依頼した矢先の執行であって、権利の保護に著しく欠ける執行である。

 鳩山法務大臣の異常な大量執行は、生命の大切さを尊重する考えを喪失させ、社会を荒廃させ、犯罪を助長させる。鳩山法務大臣の行為は、死刑廃止という世界の趨勢に真っ向から反し、死刑執行の停止を求める国連総会の決議や国際機関の勧告にも反するばかりか、日本の国際的信用を著しく失墜させるものであって、とうてい許されない。

 私たちは、死刑廃止を願う多くの人たちとともに、鳩山法務大臣に処刑された10名の死刑確定者に代わり、また、連続的に死刑を執行させられている拘置所の職員に代わって、鳩山法務大臣に対し、強く抗議するとともに、これ以上の執行をしないよう、強く要求する。

2008年4月10日

死刑廃止国際条約の批准を求めるフォーラム90

(08.2.19 New!/08.2.20追加)

辺見庸講演会

辺見庸講演会
「死刑と日常」−−闇の声あるいは想像の射程について
2008年4月5日(土)午後1時半開場 2時開演
場所:九段会館大ホール
地下鉄 東西線・都営新宿線・半蔵門線九段下駅(4番出口)から徒歩1分
入場料 1500円
主催:死刑廃止条約の批准を求めるフォーラム90実行委員会

「辺見庸講演会申し込み方法」
 ご希望の方は、お名前(ふりがな)・電話番号・希望枚数をメール (stop-shikei@jca.apc.org ここをクリックするとメーラが起動します) にてお願いします。チケットは、当日受付カウンターにて引き替えることになります。その際に、お名前とあらかじめうかがっていた電話番号を告げてください。

→集会のポスターです(クリック!)

死刑と日常
 ーー闇の声あるいは想像の射程について

すべての殺された者たちの魂を心から悼まなくてはならない。「国家」によって殺された者たちの魂をも、ひとしく心から悼まなければならない。なにげない日々の泡にかくされた、相次ぐ「国家の殺人」を、いますぐにやめさせなくてはならない。なにより、私たちの〈暗黙の了解〉と〈暗黙の委託〉を、たったいまやめなければならない。遠い闇の声に、じっと耳を澄まさなければならない。

辺見庸

(08.2.5 New!)

2・11 死刑執行に抗議する集会へ

 2月1日、鳩山邦夫法相は3人の死刑の執行を断行しました。昨年の12月の執行から2月たたない間の施行でした。また一昨年12月の長瀬法相の執行から15ヶ月で16人が執行されています。法務省はさらに執行を加速化させ、死刑執行を常態化させようとしています。
 こうした事態にどう立ち向かうのかという論議を含めて、死刑執行抗議の集会を持ちたいと思います。
日時・2月11日(月)午後5時から7時まで
場所・日本キリスト教会館4階会議室
お話・安田好弘、岩井信ほか
主催・フォーラム90、アムネスティインターナショナル、宗教者ネット

(08.2.1 New!)

抗 議 声 明

 本日(2月1日)、持田孝さん(東京拘置所)、松原正彦さん(大阪拘置所)、名古圭志さん(福岡拘置所)への死刑が執行されたことに対し、強く抗議する。

 鳩山邦夫法務大臣は、前回12月7日の3人への死刑執行から、わずか2ヶ月も経たないうちに就任以来2回目の執行を強行した。
 就任時に鳩山法相は、死刑執行のあり方について見直す考えを示し、「勉強会」を持つなどしてきたと伝えられるが、それが、執行の責任を誰も負わない「自動的」な執行への道を切り開くものにすぎなかったことが今や明らかとなった。鳩山法相は自らが執行への「ベルトコンベア」をフル回転させているのだ。
 昨年12月18日には国連総会において「死刑執行停止決議」が104ヵ国の賛成によって採択されたばかりである。死刑存置国に対して「死刑の廃止を視野に入れて、執行の停止を確立すること」を求めるこの歴史的な決議に見られる世界の流れに、日本は全く逆行している。決議に反対した54ヵ国の中でも実際に執行を行っているのはさらに少数である。この16年間にわたって死刑執行のない年を作らず、それどころか、死刑判決数、死刑確定者数、死刑執行数のすべてを急増させている日本は、もはや「死刑大国」と化しつつある。今こそ、なぜ世界の多くで死刑制度の廃止が求められてきたのかを、謙虚に受け止め、直ちに死刑執行の停止に踏み切るべきときである。

 「情報公開」の波に押されるようにして、法務省は前回の執行から、執行された方の氏名を発表するようになり、それとともに「事件の概要」を公表しているが、それは死刑確定判決をなぞっただけのものであり、処刑された人たちの裁判にどのような問題点があったか、その身心の状態はどうであったか、等の、執行にあたってもっとも配慮されなければならない情報は隠蔽されている。

 持田孝さんは一審では無期懲役判決だった人だ。松原正彦さんは再審請求が昨年10月に棄却されたばかりだった。名古圭志さんは控訴を取下げて死刑判決が確定してしまった人だ。死刑という極刑を求めての検察官控訴というものが果して許されるのか。死刑事件での再審の門が1986年の島田事件以来、全く閉ざされているのは、現在の再審システムに問題があるのではないか。昨年5月には、死刑事件についての「必要的上訴制度」の欠如の問題が国連拷問禁止委員会から日本政府に対して指摘されているところではないか。
 法務省は、これらの問題をどう考えているのかを明らかにするとともに、なぜ、3名の死刑を執行しなければならなかったのか、一人一人について理由を明らかにすべきであるし、執行が本当に適正に行われたか否か、残酷に行われていないか、その手続のすべてについて事実を明らかにすべきである。
 こうした問題点を全く無視して強行される死刑の執行は、すでに「ベルトコンベア」化されているといえる。この機械を止めよう。

 死刑は、残虐な刑罰であり、民主主義の理念に真っ向から反するものである。死刑には犯罪抑止効果がないばかりか、かえって、社会の倫理観を荒廃させる。死刑に必ず冤罪があることは、免田事件、財田川事件、松山事件、島田事件の再審無罪で証明されたところである。死刑は直ちに廃止されなければならない。

 われわれは、日本政府および法務省並びに法務大臣に対し、今回の死刑執行に強く抗議するとともに、直ちに以下の施策を実施するよう求める。

1 死刑の執行を停止し、死刑廃止に向けて努力すること。
2 死刑に関する情報を公開すること。
3 死刑確定囚に対する処遇を抜本的に改善すること。
4 犯罪被害者に対する物心両面にわたる援助を拡充すること。

 また、最高裁判所並びに全国の裁判所に対して直ちに死刑の濫用を止め、死刑判決を差し控えるよう強く求める。
 さらに、昨年の「被収容者等処遇法」施行以降も、死刑確定囚の外部との交流はいまだに制限が厳しく、全く孤立の状態にいる死刑囚は数多い。各施設が「死刑に直面する者の権利」を保障することを求める。
 そして根拠なき「体感不安」を煽るかのようなマスコミの事件報道について、裁判員制度の導入が予定されている今日であればなおさら、被疑者・被告人たちが予断によって裁かれることのないよう、配慮されることを求める。

2008年2月1日

死刑廃止国際条約の批准を求めるフォーラム90

(07.12.10 New!)

鳩山邦夫法相による死刑執行に抗議する集会

12月16日(日)午後6時から
日本キリスト教会館4階会議室(早稲田)
発言は安田好弘、保坂展人、免田栄(予定)
ほか執行された方と交流のあった方をお招きする予定です。(フォーラム90)

抗 議 声 明

 本日、藤間静波さん(東京拘置所)、池本登さん(大阪拘置所)、府川博樹さん(東京拘置所)に死刑が執行されたことに対し、強く抗議する。

 今回の執行から、執行された方の氏名と事件の概要などを公表しているが、その内容は法務省にとって都合の良いものに限定されており、問題点については、何も触れていない。
 藤間静波さんは本人が控訴を取り下げたが、弁護人が責任能力に問題があると判断し、異議申立をして、控訴審が再開された稀有な事案である。執行直前まで交流していた支援者の情報によれば、精神的に極めて不安定であり、刑訴法479条第1項の「死刑の言渡を受けた者が心神喪失の状態に在るときは、法務大臣の命令によって執行を停止する」に抵触している疑いのある執行である。また、池本登さんは、一審は無期懲役であり、検察官控訴によって死刑に逆転したケースであって、検察官控訴自体その適法性につき疑いがある。特に、池本さんは、最後まで事実について争っており、死刑確定後も弁護人の弁護を受ける権利を保障されないまま、自力で再審を行っていたものであって、権利の保障に著しく欠けるものである。府川博樹さんは、自ら上告を取り下げており、最後まで審理が尽くされていない状態で執行されており、必要的上訴の保障を欠いたままの執行である。法務省は、これらの情報について明らかにするとともに、なぜ、本日、彼ら3名の死刑を執行しなければならなかったのか、その一人一人について理由を明らかにすべきであるし、執行が本当に適正に行われたか否か、残酷に行われていないか、その手続のすべてについて事実を明らかにすべきである。
 今回の執行は、上記の問題点をあえて無視して執行を強行するという、まさに、鳩山邦夫法務大臣の「ベルトコンベアー」発言を実行したものにほかならない。

 国連第3委員会で決議された「死刑執行停止決議」が、今月10日頃には正式に国連総会で採択される矢先に、3名もの死刑執行を強行したことは、暴挙としか言いようがない。日本政府は、国連に対して、一方では北朝鮮拉致被害者の問題を人権侵害と提起していながら、一方では国連の流れに反して、人権侵害の最たるものである死刑執行を強行するというダブルスタンダードを行っていて、偏頗というほかない。

 更に、最近の常軌を逸した厳罰化の流れの中で、03年までは年間2〜7人だった死刑確定者が04年は14人、05年は11人、06年は20人、本年はすでに22人と激増し、確定者が110人という異常な状態で、確定者の人数を減らす目的のために執行を急ぐ行為は、確定判決の増加を更に加速させようとするものであって、極めて政治的に行われた死刑執行であり、ひたすら、死刑大国を目指すものと言わざるを得ない。

 死刑は、残虐な刑罰であり、民主主義の理念に真っ向から反するものである。死刑には犯罪抑止効果がないばかりか、かえって、社会の倫理観を荒廃させる。死刑に必ず冤罪があることは、免田事件、財田川事件、松山事件、島田事件の再審無罪で証明されたところである。死刑は直ちに廃止されなければならない。

 死刑廃止は国際的な潮流であり、すでに世界の3分の2以上の国と地域で死刑は廃止されている。日本は、国連や欧州連合など国際社会から強く死刑廃止を求められている。今回の死刑執行はおよそ許されるべきものではない。

 われわれは、日本政府および法務省並びに法務大臣に対し、今回の死刑執行に強く抗議するとともに、直ちに以下の施策を実施するよう求める。

1 死刑の執行を停止し、死刑廃止に向けて努力すること。
2 死刑に関する情報を公開すること。
3 死刑確定囚に対する処遇を抜本的に改善すること。
4 犯罪被害者に対する物心両面にわたる援助を拡充すること。

 また、最高裁判所並びに全国の裁判所に対して直ちに死刑の濫用を止め、死刑判決を差し控えるよう強く求める。

2007年12月7日

死刑廃止国際条約の批准を求めるフォーラム90

(07.8.23 New!)

抗 議 声 明

  本日、竹澤一二三さん(東京拘置所)、瀬川光三さん(名古屋拘置所)、岩本義雄さん(東京拘置所)に死刑が執行されたことに対し、強く抗議する。

 竹澤一二三さんは上告をせずに確定しており、岩本義雄さんは控訴を取り下げており、最後まで審理が尽くされていない状態で執行された。瀬川光三さんは近年、弁護人や家族、支援者との交流を一切絶たれていた。
 長勢甚遠法務大臣は、昨年12月25日に4名もの大量処刑を行ってからわずか4カ月後の今年4月に更に3名の死刑執行をし、今回の3名で、在任中合計10名の執行を行ったことになる。1977年以降、大量処刑を行っている法務大臣でも、最高7名であり、このような短期間に、多人数の執行を行った法相は存在しない。これは、法務大臣による独断的な刑事政策の改悪であると断じざるを得ない。
 また、8月27日には内閣改造、国会開会後はすでに長勢氏は法務大臣ではない可能性が大であり、執行の責任を追及されることを免れようとして、この時期を選んで行ったものに他ならず、姑息と言うほかない。
 また、最近の常軌を逸した厳罰化の流れの中で、03年までは年間2〜7人だった死刑確定者が04年は14人、05年は11人、06年は20人、本年はすでに17人と激増し、確定者が107人を超えていた異常な状態で、確定者の人数を減らす目的のために執行を急ぐ行為は、確定判決の増加を更に加速させようとするものであって、極めて政治的に行われた死刑執行である。

 死刑は、残虐な刑罰であり、民主主義の理念に真っ向から反するものである。死刑には犯罪抑止効果がないばかりか、かえって、社会の倫理観を荒廃させる。死刑に必ず冤罪があることは、免田事件、財田川事件、松山事件、島田事件の再審無罪で証明されたところである。死刑は直ちに廃止されなければならない。

 死刑廃止は国際的な潮流であり、すでに世界の3分の2以上の国と地域で死刑は廃止されている。日本は、国連や欧州連合など国際社会から強く死刑廃止を求められている。今回の死刑執行はおよそ許されるべきものではない。
 今回の死刑執行は安倍内閣において3回目であり、国家が人を殺す国など「美しい国」であるはずがなく、更に安倍内閣が掲げる再チャレンジという政策にも真っ向から反するものであって、その欺瞞性に強く抗議する。

 われわれは、日本政府および法務省並びに法務大臣に対し、今回の死刑執行に強く抗議するとともに、直ちに以下の施策を実施するよう求める。

1 死刑の執行を停止し、死刑廃止に向けて努力すること。
2 死刑に関する情報を公開すること。
3 死刑確定囚に対する処遇を抜本的に改善すること。
4 犯罪被害者に対する物心両面にわたる援助を拡充すること。

 また、最高裁判所並びに全国の裁判所に対して直ちに死刑の濫用を止め、死刑判決 を差し控えるよう強く求める。

2007年8月23日

死刑廃止国際条約の批准を求めるフォーラム90

(8.24追記)死刑執行への抗議集会は、9月2日(日)午後3時から東京拘置所横の万葉公園にて開催されます。

(07.7.31 New!)

世界死刑廃止デー企画

響かせあおう 死刑廃止の声 2007

10月13日(土)江東区総合区民センター公会堂
午後2時開場・2時30分開演/入場料1000円

死刑廃止世界連盟(WCADP・2002年設立)は10月10日を世界死刑廃止デーと定め、世界各地で死刑廃止に向けたさまざまな取り組みがなされるよう呼びかけています。第5回目の世界死刑廃止デーを迎えて、私たちは今年も死刑制度に疑問を持つ人々が共に集い、死刑に直面している人々に思いをよせるひと時を企画しました。ぜひ、ご参加ください。

program(予定)
1 報告:死刑廃止への取り組み 世界と日本
今、マスコミでは、加害者に対し厳罰、極刑を求める声がさかんに報道されていますが、それは犯罪被害者が求めていることの真意でしょうか。死刑判決が乱発され、死刑確定者が増加している中で、異例の国会会期中の死刑執行にまで踏み込んだ日本の状況を検証し、国連・拷問禁止委員会から出された勧告や、大きく変わりつつある死刑囚処遇の問題について報告します。

2 死刑囚の表現をめぐって【大道寺幸子基金の発表とシンポジウム】
選考委員:池田浩士・加賀乙彦・川村湊・北川フラム・坂上香・太田昌国
2004年に亡くなられた死刑囚の母、大道寺幸子さんが残された基金により始められた死刑囚の作品募集(文芸作品、絵画、イラスト等)に寄せられた作品を展示・紹介しながら、選考委員のみなさんに語っていただきます。※当日は都合により出席できない委員の方もいますがご了承ください。

3 鼎談:権力が死刑を求める理由(仮題)
  佐藤優/鈴木宗男/安田好弘
外務省官僚(現在起訴休職中)の佐藤優さんは獄中体験を経て死刑制度に疑問を持ったことを折々に記されています。国会議員の鈴木宗男さんは、フォーラム90発足当時から賛同人になってくれた方です。それは与党議員(当時)としてはきわめて稀なことでした。権力機構の中枢を熟知するお二人に安田弁護士を交え、東京拘置所体験トリオが、世界の潮流に反してでも死刑大国に向かおうとしているかのような日本の権力のホンネを探ります。

主催・問合せ
死刑廃止国際条約の批准を求めるFORUM90
〒107-0052 東京港区赤坂2-14-13 港合同法律事務所気付
TEL.03-3585-2331 FAX.03-3585-2330
郵便振替口座:00180-1-80456 フォーラム90

▼江東区総合区民センター
東京都江東区大島4-5-1 電話03-3637-2261
地下鉄:都営新宿線「西大島駅」A4出口そば
JR:「亀戸駅」下車徒歩15分
都バス:「西大島駅」下車そば

(07.6.11 New!)

東京拘置所への抗議及び要請書

東京拘置所所長殿

 東京拘置所は昨年12月25日に2名の、そして本年4月27日には1名の死刑囚に対する死刑執行を行いました。
 日本の死刑制度に疑問を持ち、執行の即時停止を求めてきた私たちは、東京拘置所の新しい処刑場が使われぬまま歴史の遺跡となることを望んでいましたが、たてつづけに新刑場は使われてしまいました。
 このかん処刑された人たちは、高齢であったり、自分では歩行もできないほど病んでおられたり、あるいは、近く再審請求を出すところでした。こうした状況については、その処遇を担ってきた拘置所所長以下、現場の職員の皆さんが一番ご存知だったはずです。本来、執行を控えられるべき人たちに対してなされた死刑執行に強く抗議します。
 昨年執行された一人の方は「職員を責めないでください。その分法相に抗議をお願い致します」との遺書を残されました。たしかに、多数の死刑囚を収容する職員のご苦労は大きいものがあるでしょう。そして、「処刑するために生きさせる」という矛盾に満ちた処遇のあり方に日々悩まれていることと思います。しかし、私たちは問わずにいられません。こうした人たちへの執行を止めることはできなかったのか、と。
 実際、戦後の一時期、日本で死刑廃止をもっとも強く訴えていたのは刑務官の方たちでした。死刑はおかしい、死刑は担いたくない!という、まさに現場からの良心の叫びが国会にも届いていたのです。
 死刑確定者が増大していると言われます。法務大臣やマスコミはだから執行が必要だと言わんばかりです。しかし執行が繰り返されるほど、死刑判決はますます増え、死刑確定者もまた増えていくでしょう。
 死刑確定者を減らしたいなら、恩赦や再審の道をもっと広げることから検討してください。減刑又は刑の執行の免除を求める恩赦の上申は拘置所長の権限でもあります。再審の準備のために処遇上も配慮すべきことがたくさんあります。そして何よりも、現場から、死刑の執行に反対の声をあげていただきたいと思います。
 また、監獄法の改正を待つまでもなく実施可能だったはずの死刑確定者の外部交通や再審準備の諸権利は所内規則の強化により奪われ続けてきました。そのような死刑囚処遇の実態は国際人権機関からも重ねて批判されていました。本年5月18日にも国連・拷問禁止委員会からその問題が強く指摘されたばかりです。6月1日から新法の施行により、死刑確定者を含む未決拘禁者の処遇が大きく変わると聞きます。それが死刑囚たちやその家族・友人らに真に「改善」と実感できるような運用がなされることを合わせて要望するものです。

2007年6月2日
   死刑と厳罰化に反対する6月共同行動参加者一同


実行委員会:死刑廃止国際条約の批准を求めるフォーラム90/(社)アムネスティ・インターナショナル日本/監獄人権センター(CPR)/「死刑を止めよう」宗教者ネットワーク/東京拘置所のそばで死刑について考える会/ほか(個人)
賛同団体:あおぞらの会(獄中の林眞須美さんを支え無実を求めるものの連絡会)/イエズス会社会司牧センター/宇治川正さん救援会議/うみの会(Tシャツ訴訟原告団)/冤罪『甲山事件』を考える会(富山)/救援連絡センター/拘禁者ネットワーク委員会=麦の会/在日アジア労働者と共に闘う会/山谷争議団・反失業闘争実行委員会/山谷労働者福祉会館/ジャマルさんを支援する会/死刑廃止国際条約の批准を求める四国フォーラム/死刑廃止・タンポポの会/死刑廃止フォーラムinおおさか/死刑廃止連絡会みやぎ/死刑をやめろ! かたつむりの会/柴田法律事務所労働争議団/渋谷・野宿者の生活と居住権をかちとる自由連合/人権と報道・連絡会/西部地区労働者共闘会議/全国「精神病」者集団/全国犯罪・非行協議会/対都行動を闘う全都野宿労働者実行委員会/大道寺将司くんと社会をつなぐ交流誌 キタコブシ/中部地区労働者交流会/統一獄中者組合/とやま死刑廃止会議/日本キリスト教団北松戸教会/東アジア反日武装戦線への死刑重刑攻撃とたたかう支援連絡会議/ハンドインハンド岡山/福岡地区合同労働組合/北部労働者共同闘争会議/三崎事件・荒井政男さん救援会/無実のゴビンダさんを支える会/ムミアの死刑執行停止を求める市民の会/連帯労働者組合(2007年5月30日現在)
連絡先:死刑廃止国際条約の批准を求めるフォーラム90/東京都港区赤坂2-14-13 港合同法律事務所気付

(07.5.31 New!)

どれだけ処刑を続けたら
監獄がからっぽになるというのか?

主催・死刑と厳罰化に反対する6月共同行動
連絡先:フォーラム90/東京都港区赤坂2-14-13 港合同法律事務所気付
/TEL:03-3585-2331

6月2日(土曜)午後2時〜 綾瀬プルミエ第2洋室(綾瀬駅西口徒歩3分)
Stop!死刑執行東京集会
*発言:安田好弘(弁護士)「死刑執行の問題性」
石塚伸一(龍谷大学教授)「新・監獄法で死刑囚処遇はどう変わるべきか」ほか
*参加費:500円
*集会後、東京拘置所に向けて執行抗議・執行するな!のデモを予定しています。

6月16日(土曜)午後2時〜 サンシップ富山(富山県福祉会館)604号室
Stop!死刑執行富山集会
*発言・原田正治さんほか
*集会後、地元出身・長勢甚遠法務大臣への執行抗議・執行するな!のデモを予定しています。

 長勢甚遠法務大臣は、昨年12月25日の4名の死刑囚への「クリスマス執行」に続き、4月27日に3名の死刑囚への執行を強行しました。
 長勢大臣はその任期中に10名を執行しようとしていると伝えられます。私たちはこのかんの執行に抗議するとともに、更なる執行を絶対にやめるよう求めるものです。
 昨年の「クリスマス執行」の際には、死刑確定者が100人に迫ろうとしていることへの法務省の危機感があるといわれていました。しかし、4人もの執行を強行しながら、死刑確定判決が相次ぐことにより、本年2月には100人をあっさり越えてしまいました。4月の執行時に102人となっていた死刑確定者は、3人を処刑したことで99人になりましたが、5月にはまた100人になりました。
 死刑を執行すればするほど、死刑囚は増えていくかのようです。
 死刑囚だけではありません。無期囚も増大しています。日本の刑事施設は過剰収容にあえいでいます。
 これまでであれば死刑は控えられてきた事件についても死刑が適用されているように、有期刑だったろう人にも無期刑が適用され、微罪であっても実刑が科せられるようになっているのです。
 このかん、政府・法務省はあらゆる領域において厳罰化を押し進めています。それを求める「世論」があるというのです。しかし「凶悪犯罪」が別に増加しているわけではありません。それは、マスコミ報道によって作られた「体感不安」なるものでしかなく、様々な思いや要望を持っているはずの犯罪被害者に対しても、ただ厳罰化によって応えようとしてきた結果です。
 それを背景として、死刑判決が乱発され、無期懲役囚への仮釈放もほとんど認められることがなくなっています。日本は、死刑大国、監獄国家への道をひた走っています。
 4月27日の執行は、ゴールデンウィークの前日という時期を見計らいつつ、異例の国会会期中の執行に踏み込んだものでした。国会開会中の執行は、1993年3月26日に後藤田正晴元法相が執行を再開した以降では、2000年11月30日にもありましたが、それも閉会を翌日に控えていた日のことでした。今回は、執行が行われているまさにその時にも、衆議院法務委員会では、大臣出席のもと、問題の多い更生保護法案が強行採決されていたのです。
 反対の声を無視し、力にものをいわせる政治がはびこっています。国会開会中の死刑執行は、国会運営のみならず、社会の隅々で少数者が抹殺されているこの国の醜い姿を如実に示しました。
 厳罰の頂点である死刑は、人権の根幹たる生命を奪う残虐な刑罰であり、国家による「殺人」に他なりません。死刑には犯罪抑止効果がないばかりか、かえって、社会の倫理観を荒廃させます。そして死刑事件にも必ず冤罪があることが、過去の免田事件、財田川事件、松山事件、島田事件の再審無罪で証明されています。国際的にも死刑を採用しない国、地域は広がっており、死刑のない社会は当り前になっています。
執行を実際に行っている国はもはやごく少数(2006年では25か国)なのです。日本の社会にとりわけ死刑が必要な理由はありません。
 私たちは厳罰化と死刑制度に反対し、死刑執行の即時停止を求めます。

(07.5.6 New!)

緊急の呼びかけ
5月13日(日)夜、執行抗議集会へ

 長勢甚遠法務大臣は、昨年12月25日の4名の死刑囚への「クリスマス執行」に続き、4月27日に3名の死刑囚への執行を強行しました。
  今回の執行は、ゴールデンウィークの前日という時期を見計らってもいますが、異例の国会会期中の執行に踏み込んだものでした。執行が行われているまさにその時にも、衆議院法務委員会では、大臣出席のもと、問題の多い更生保護法案が強行採決されていたのでした。
  長勢大臣は「クリスマス執行」後、「世論は支持した」と自信を深め、任期中に10人を処刑しようと、更なる執行を謀っていると伝えられます。反対の声を無視し、力にものをいわせる政治がはびこっています。国会会期中の死刑執行は、国会運営のみならず、社会の隅々で少数者が抹殺されているこの国の醜い姿を如実に示したものです。
★☆★
  このかん、政府・法務省はあらゆる領域において厳罰化を押し進めてきました。それを求める「世論」があるというのです。「凶悪犯罪」が別に増加しているわけでもなく、そこにあるのはマスコミ報道によって作られた「体感不安」なるものでしかありません。様々な思いや要望を持っているはずの犯罪被害者に対しても、ただ厳罰化によって応えようとしています。
  それを背景として、死刑判決が乱発され、無期懲役囚への仮釈放もほとんど認められなくなり、微罪であっても実刑を科されるようになっています。日本は、死刑大国、監獄国家への道をひた走っているといえましょう。
★☆★
  私たちは、死刑制度に反対し、死刑執行の即時停止を求めて、活動してきました。その思いが徹底的に踏みにじられた今、改めて、いっそう多くの仲間たちと出会い、共に闘っていかなければならないと痛感しています。
★☆★ 
  5月13日(日曜)夜6時〜文京区民センター2A会議室(東京都文京区本郷4-15-4/都営地下鉄春日駅)にて、今回の執行への抗議集会を持ちます。
  また、今国会会期末、長勢大臣退任前の駆け込み執行を阻止すべく、6月2日(土曜)午後2時〜には、綾瀬プルミエ会議室で集会を持ち、執行現場である東京拘置所に対するデモを予定しています。さらに6月16日(土曜)には長勢大臣の地元である富山市内において執行抗議、更なる執行阻止行動を企画しています。
★☆★
  これらの行動を、厳罰化に抗し、死刑の執行即時停止を求める多くの個人・団体との共同の取り組みとして実現していきたいと思います。
  5月13日、執行抗議集会の席上で、改めてその呼びかけを行なうと共に、その具体化のための討論も行ないたいと考えています。緊急のことではありますが、心ある方々の参加をお待ちする次第です。

 呼びかけ団体
  (社)アムネスティ・インターナショナル日本/死刑廃止条約の批准を求めるフォーラム90/「死刑を止めよう」宗教者ネットワーク/東京拘置所のそばで死刑について考える会
  連絡先
  フォーラム90/東京都港区赤坂2-14-13 港合同法律事務所気付/TEL:03-3585-2331

(07.4.27 New!)

抗議声明

 本日、名田幸作さん(大阪拘置所)、小田義勝さん(福岡拘置所)、田中政弘さん(東京拘置所)に死刑が執行されたことに対し、強く抗議する。

 名田幸作さんは死刑確定後恩赦を5回、再審請求を4回申し立てており、最後の恩赦請求が本年4月17日に不相当となり、弁護人に再審請求の準備をする旨の手紙を出した直後の執行だった。小田義勝さんは一審での死刑判決直後に控訴を取り下げて確定しており、最後まで審理が尽くされていない状態で執行された。田中政弘さんは再審請求が本年2月10日に棄却され、4月18日付で弁護人に発信した手紙には「すでに恩赦請求書ができており、あとは日付を入れて5月21日くらいに提出予定」だと記載されており、提出直前に執行されたことになる。
長勢甚遠法務大臣は、昨年12月25日に4名もの大量処刑を行ってからわずか4カ月で更に3名の死刑執行をしたことになり、1993年3月の死刑執行再開以降、在任中に複数回死刑執行を行っている法務大臣でも、このような短期間に多数の執行を行った法相は存在しない。過去6年は一度に1〜2名の執行であり、およそ許されるものではない。
また、国会開会中の執行は、1993年3月26日の後藤田正晴元法相が執行した時以降、閉会を翌日に控えた2000年11月30日に行われて以来のことである。しかし、開会中とはいえ、ゴールデンウィーク前日であり、死刑執行に関する国会での議論ができない時を選んでいることに違はいなく、いずれも正面から議論をすることを避けた時期を、あえて選んでいるといわざるを得ない。
また、最近の常軌を逸した厳罰化の流れの中で、03年までは年間2〜7人だった死刑確定者が04年は14人、05年は11人、06年は20人、本年はすでに10人と激増し、確定者が100人を超えていた異常な状態で、確定者の人数を減らす目的のために執行を急ぐ行為は、確定判決の増加を更に加速させようとするものであって、不当であり、極めて政治的に行われた死刑執行である。

 死刑は、残虐な刑罰であり、民主主義の理念に真っ向から反するものである。死刑には犯罪抑止効果がないばかりか、かえって、社会の倫理観を荒廃させる。死刑に必ず冤罪があることは、免田事件、財田川事件、松山事件、島田事件の再審無罪で証明されたところである。死刑は直ちに廃止されなければならない。

 死刑廃止は国際的な潮流であり、すでに世界の3分の2以上の国と地域で死刑は廃止されている。日本は、国連や欧州連合など国際社会から強く死刑廃止を求められている。今回の死刑執行はおよそ許されるべきものではない。

今回の死刑執行は安倍内閣において2回目であり、国家が人を殺す国など「美しい国」であるはずがなく、更に安倍内閣が掲げる再チャレンジという政策にも真っ向から反するものであって、その欺瞞性に強く抗議する。

 われわれは、日本政府および法務省並びに法務大臣に対し、今回の死刑執行に強く抗議するとともに、直ちに以下の施策を実施するよう求める。

1 死刑の執行を停止し、死刑廃止に向けて努力すること。
2 死刑に関する情報を公開すること。
3 死刑確定囚に対する処遇を抜本的に改善すること。
4 犯罪被害者に対する物心両面にわたる援助を拡充すること。

2007年4月27日

死刑廃止国際条約の批准を求める
フォーラム90

(07.3.6 New!)

第3回死刑廃止世界大会 最終宣言

2007年2月1日から3日間、パリで開催された第3回世界死刑廃止大会での宣言を紹介します。

(07.2.20 New!)

死刑確定判決の乱発に抗議する

死刑廃止国際条約の批准を求めるフォーラム90

 本日、最高裁で篠沢一男さんの上告が棄却され、近く死刑確定者が100人に達するという報に接して、強く抗議するとともに、日本政府に対し早急に死刑廃止に向けた施策を講じるよう求めます。
  死刑確定囚は1980年には26人でした。90年には46人で91年以降2003年に至るまで50人台で推移してきました。しかし、04年68人、05年78人、06年94人(それぞれ12月末付けでの人数)というように、急激に増加しています。昨年12月25日に長勢甚遠法相が歩行もままならない車椅子の高齢者を含む4人の死刑を執行してからたった2ヵ月の間に6人もの人に死刑が確定しようとしています。確定死刑囚のこの激しい増加は異常としかいいようがありません。
  この増加はけっして凶悪犯罪が増えたからではありません。昨年の『犯罪白書』によると殺人は1.9%、強盗は17.9%前年比で減っているのです。凶悪犯罪が増加しているというマスメディアの扇情的な報道によって体感治安が悪化しているだけのことです。メディアが被害者遺族の声を増幅させるに伴い、被疑者への社会的な報復感情が司法の場を覆い、司法自体が率先して死刑を求め始めています。「疑わしきは被告人の利益に」という無罪推定の原則は踏みにじられていますし、事件当時少年だった人や、初犯であったり、被害者が一名の場合にも死刑判決が出されるといったように、これまでの死刑の適用基準が大きく引き下げられています。
 1月末に法制審議会刑事法部会が被害者参加制度の要綱案をまとめましたが、そこでは法廷で被害者が証人尋問や、被疑者への尋問を行なうことや、意見としての論告・求刑まで認めています。もしこの要綱案を取り入れた形での刑事訴訟法などの改正案が成立すると、法廷は法によってではなく感情で人を裁く復讐劇の場と化し、死刑判決はさらに増えることが予想されます。これは刑事裁判の完全なる死にほかなりません。これが法治国家のやることでしょうか。
 確定死刑囚の中には、一度再審開始が決定されながらも、検察の抗告で昨年末に再審開始決定が取り消された奥西勝さんをはじめ無実を主張する死刑囚が多数いることも忘れてはならないことです。一審は無期懲役でありながら高裁で逆転死刑判決を受けた人は12人に上ります。また70歳以上の人が11人はおり、精神に障害をもった人も少なくありません。控訴や上告を自ら取り下げ死刑を確定させるなど、裁判で十分な審理がなされていない人も多数います。彼らを処刑することは死刑に直面する人に十分な権利を保障する国際基準や国連決議の勧告に反するものです。
  確定死刑囚が増加したのは、重罰化が進んだことと、死刑囚に対して法務省が処刑できない個別の理由があったからです。しかし、死刑囚が100人に達したという理由で早急に多数を処刑するというのはきわめて政治的な判断であり、暴論以外のなにものでもありません。数を減らすために隠密裏に執行するというような愚行・暴挙は絶対に阻止しなくてはなりません。むしろ、今こそ死刑に関する情報を公開し、広く議論をまきおこすことが求められているのです。
  死刑制度を存置する国々が多いアジア地域でも、昨年のフィリピンにつづき本年1月にはキルギスが死刑を廃止し、韓国では9年間死刑の執行がなされていません。フランスでは2月末に憲法に「何人たりとも決して死刑にはならない」という条項が書き加えられます。
 ところがこの国では100人もの人間に国家によって死が宣告され、処刑されようとしているのです。「矯正不能」と裁判官が決めた人々の屍の上に「美しい国」なるものが築けるはずがありません。外に仮想敵国を作り、内に人身御供を求めるやり方こそが、いっそう殺伐とした時代を作り、犯罪が生み出され、死刑判決を増加させてしまうのです。

 私たちは昨年12月の執行の時に法務大臣に求めたのと同様に、再度、以下の施策の実施を強く求めます。
1 死刑の執行を停止し、死刑廃止に向けて努力すること
2 死刑に関する情報を公開すること
3 死刑確定囚に対する処遇を抜本的に改善すること
4 犯罪被害者に対する物心両面にわたる援助を拡充すること

 2007年2月20日

(06.12.30 New!)

東京拘置所の新實智光氏から以下のようなメッセージが届きましたので掲載します。

親愛なるフォーラム90の皆様へ。

つつがなく、ご健康で、軽快で、力強く、安穏ですか?
死刑囚表現展のパンフ落手。ありがとうございます。
年内に執行がないことを祈ります。

2006年12月19日 東拘 新実 智光

(同氏からの年賀状はこちら)

(06.12.25 New!)

死刑執行抗議声明

 本日、秋山芳光さん、藤波芳夫さん、福岡道雄さん、日高広明さんに死刑が執行されたことに対し、強く抗議する。

 日高広明さんは控訴せず一審で確定しており、三審まで裁判を受けておらず、十分な審理がなされていない。秋山芳光さん、藤波芳夫さんは部分冤罪を訴え、再審請求を行っていたが、いずれも本年1月に棄却され、次の再審の準備中であった。
死刑確定から約20年の秋山さんは77歳、藤波さんは75歳という高齢で執行された。これらは、高齢者に対する死刑の執行を禁止し、死刑に直面させられている人に十分な権利保障を求める国際基準に反するものであって、強く抗議する。
また、過去6年は一度に1〜2名の死刑執行であったにもかかわらず、今回は4名という多数の執行であり、1人の法相が一度に4名の死刑執行を行ったのは97年8月の松浦功法相以来である。これは杉浦前法相が命令書に署名しなかったため昨年9月以降死刑執行が行われていなかったことを真っ向から否定するかのような行為であって、およそ許されるものではない。また、最近の常軌を逸した厳罰化の流れの中で、03年までは年間2〜7人だった死刑確定者が04年は14人、05年は11人、本年はすでに19人と激増し、確定者は100人に達しようとしている異常な状態を更に加速させようとするものであって不当である。さらに、今回の死刑執行は、国会閉会中で、しかも26日の名張毒葡萄酒再審請求事件の異議審決定の前日という日をあえて選んで行ったものであり、極めて政治的に行われた死刑執行である。

 死刑は、残虐な刑罰であり、民主主義の理念に真っ向から反するものである。死刑には犯罪抑止効果がないばかりか、かえって、社会の倫理観を荒廃させる。死刑に必ず冤罪があることは、免田事件、財田川事件、松山事件、島田事件の再審無罪で証明されたところである。死刑は直ちに廃止されなければならない。

 死刑廃止は国際的な潮流であり、すでに世界の3分の2以上の国と地域で死刑は廃止されている。日本は、国連や欧州連合など国際社会から強く死刑廃止を求められている。今回の死刑執行はおよそ許されるべきものではない。

死刑は安倍内閣の再チャレンジという政策にも真っ向から反するものであり、今日の執行は安倍内閣の欺瞞性を暴露したものである。

 われわれは、日本政府および法務省並びに法務大臣に対し、今回の死刑執行に強く抗議するとともに、直ちに以下の施策を実施するよう求める。

1 死刑の執行を停止し、死刑廃止に向けて努力すること。
2 死刑に関する情報を公開すること。
3 死刑確定囚に対する処遇を抜本的に改善すること。
4 犯罪被害者に対する物心両面にわたる援助を拡充すること。

2006年12月25日

死刑廃止国際条約の批准を求めるフォーラム90

 

(06.11.19 New!)

法相富山現地集会への参加を

日時・11月23日(木)

12時から1時まで、富山駅前でビラまき、
1時半から記者会見(記者会見後の集会参加の市民も同席します)


場所 富山自遊館神通の間
記者会見後、市民集会を開催します。

発言者・安田好弘(死刑廃止フォーラム、弁護士)、富山県内からの発言ほか

長勢法相に死刑執行をしないように求める富山現地集会への参加を

死刑廃止国際条約の批准を求めるFORUM90

 杉浦正健元法相は約1年の在任期間中、死刑の執行を行いませんでした。今年9月、法務省から執行起案書が提出されたにもかかわらず、自分の信念を曲げずに執行命令書に判を押さなかったのです。
  長勢甚遠新法相は就任早々の記者会見で、「死刑執行は大変重い問題だが、法治国家では確定した裁判の執行は厳正に行われるべきだ。法の規定に沿って判断していきたい」と述べ、死刑執行への意志を表明しています。
  法務省は、1993年の後藤田正晴法相による死刑執行再開以降、毎年必ず死刑を執行することで死刑制度の存続を図ってきました。3年4ヶ月の執行ゼロの教訓から、毎年必ず複数名の死刑執行を国会休会期に行うのを慣例としてきています。つまり今年12月後半に、法務省は死刑執行を目論んでいるのです。
  死刑をめぐる状況は悪化の一途をたどっています。凶悪事件キャンペーンが展開され、重罰化が横行し、2年前には50人台だった確定死刑囚は11月5日現在95人にまで増えています。地裁段階では死刑判決は1人だった奈良川・木曽川事件では、昨年高裁が事件当時少年だった3人に死刑判決を、今年の光市事件最高裁判決では事件当時の少年に死刑判決を求めた差戻判決を、そして奈良幼女殺人事件では被害者1人のケースで地裁が死刑判決を出すなど、これまでの裁判の常識を越えて死刑判決が乱発されています。その背景には被害者遺族による復讐感情をマスコミが増幅していることもあります。「殺せ、殺せ」という憎悪が、一点に集中しているのです。
  こうした国家が人を殺す権利を持つ、罪に対して矯正ではなく報復で応える、という風潮は、教育基本法を改悪し、共謀罪を新設しようとする、そして戦争国家化を歩む政治の流れと軌を一にするものです。この流れを止めるためにも、私たちは2006年を死刑執行ゼロにせねばならないと思っています。
  執行ゼロの年が続けば死刑不要の風潮が出てくるものです。お隣の韓国では、死刑制度は残っていますが、もう10年近く執行がなされていません。30人近い女性を殺したいわゆる「凶悪事件」が起きても、死刑執行によってそれを清算するという道は取りませんでした。そして死刑廃止法案が国会に上程されています。
  私たち、フォーラム90は、これまでも選挙区から出た法相に対しては、地元の方に法相が死刑に対してどういう姿勢で臨んでいるかをアピールし、法相に執行をしないように要請行動を続けてきました。ぜひこの集会に賛同し、参加してくださいますようにお願いします。

 

(06.9.8 New! )

響かせ合おう 死刑廃止の声 2006へ

 フォーラム90では昨年に引き続き「世界死刑廃止デー企画 響かせあおう 死刑廃 止の声 2006」を開催します。
 今年9月1日までに9人の上告が棄却され死刑確定囚は89人になっています。フォ ーラムで把握しているだけでも最高裁で口頭弁論が入っている方、あるいは近々予定 されている方が6人おり、年内に確定死刑囚が90人を超えそうです。5年前は54人だ ったことを考えるとこの急激な増加は異常としかいえません。昨年10月の木曽川・長 良川事件で名古屋高裁は、一審死刑1名無期2名判決を破棄し、被告の少年3名全員 に死刑判決を出しましたが、この背景には極刑を望む被害者遺族の意見陳述とマスメ ディアの報道を受けて重罰化に走る裁判所の姿がありました。また光市の最高裁判決 も、被害者遺族の報復感情と死刑をあおるマスコミに流され、事実を審理しようとは せずに、死刑を求める差戻判決を出しています。
 社会総体がリンチを求める時代になっています。このことは言うまでもなく、日本 経済の破綻、戦後体制の終焉と戦争国家化が背景にあります。行き場のない焦燥感の はけ口が、殺せの大合唱に集約され、マスメディアはそれを煽り増幅させ、死刑を求 める殺伐とした空気をさらに蔓延させています。こうした時代が続く限り、市民の参 加を謳い文句とした裁判員制度下の拙速裁判ではさらに死刑判決が増えるのは明らか でしょう。
 しかしフィリピンでの死刑廃止、台湾での刑法の全面改正による死刑廃止への歩 み、韓国での10年間の執行ゼロという実質的死刑廃止国化などアジア諸国の死刑廃止 への動きは着実に進んでいます。
 フォーラム90ではこうしたなかで、ますます死刑廃止の声を挙げ続けなければなら ないと思います。
 
 「世界死刑廃止デー企画 響かせ合おう 死刑廃止の声2006」では、「死刑廃止へ の動き 世界と日本」、続いて第2回目の大道寺幸子基金表現展に応募された死刑囚 の表現作品から優秀作品を発表し、選考委員(加賀乙彦、池田浩士、川村湊、北川フ ラム、坂上香、太田昌国)のシンポジウムを行い、応募作品の展示も行います。今年 は美術作品をめぐって話し合っていただきます。また女性真打第一号であり、さまざ ま社会的活動を続けておられる古今亭菊千代さんによる落語など豊富なプログラムを 準備しています。
 ぜひ参加して、共に死刑廃止への道を歩みましょう。
 会場は文京区立不忍通りふれあい館ホール(地下鉄千代田線根津下車2分)、10月 7日1時開演です。

なお以下の集会にもご参加下さい。
9月9日(土)午後2時から
 「テレビがあおる事件報道と死刑」
  講師・山際永三
  会場・水道橋 千代田ボランティアセンター
  共催・監獄人権センター
  資料代・500円

(06.7.14 New! )

お知らせ

いまこの国は確定死刑囚が87人にもなるという異常な状況です。
20年前は24人(86年12月末)10年前は51人、5年前は54人でした。
マスメディアは被害者遺族の復讐感情を煽り、それに乗る形で死刑を求める殺伐とし た世論が組織されています。それにどう立ち向かうかを考え実践するために、私たち フォーラム90では以下の集会を準備しています
ぜひご参加下さい。(フォーラム90)

7月15日(土)午後2時から
・マスコミが作る「凶悪事件」――映像メディアをとおして考える死刑
  講師・坂上香
  会場・水道橋 千代田ボランティアセンター
  共催・監獄人権センター
  資料代・500円

8月5日(土)午後2時から
 「裁判員制度化における死刑事件の効果的弁護を探る」日弁連模擬裁判の報告
  講師・新谷桂弁護士、舟木友比古弁護士、河合匡秀弁護士(予定)
  会場・水道橋 千代田ボランティアセンター
  共催・監獄人権センター
  資料代・500円

9月9日(土)午後2時から
 「テレビがあおる事件報道と死刑」
  講師・山際永三
  会場・水道橋 千代田ボランティアセンター
  共催・監獄人権センター
  資料代・500円

10月7日(土)1時開会
 世界死刑廃止デー企画 響かせ合おう 死刑廃止の声2006
 会場・文京区立不忍通りふれあい館ホール(千代田線根津下車2分)
 出演・古今亭菊千代
    大道寺幸子基金死刑囚の表現展選考委員ほか
 詳細未定

(06.2.13 New! )

3月4日 岡崎市での集会のご案内(PDF)

法相の「死刑執行命令書署名拒否」発言に賛同し支援する岡崎集会(PDF:412K)
 ↑上記をクリックすると、集会のご案内チラシがダウンロードできます。

(05.9.16)

抗 議 声 明


 政府および法務省は、本日大阪拘置所で北川晋さんに対し、死刑を執行した。

 今回の執行も過去の執行と同じく、選挙後の国会閉会中の空白期間を狙い、かつ南野知恵子法相の在任期間が残りわずかで、退任を目前にして行ったものであり、あきらかに死刑執行に対する議論をさせないための政治的な意図のもとに行われた執行である。
 さらに、今まで複数人数を複数箇所で執行してきたが、今回は1名のみの執行を断行したことは、なにがなんでもすべての法務大臣に1度は執行をさせるという、法務当局の極めて強い意思表示であり、それは明白に政治的な意図に基づく蛮行と言わざるを得ない。

 死刑は、残虐にして残酷であり、民主主義の理念に真っ向から反するものである。死刑には犯罪抑止効果がないばかりか、かえって、社会の倫理観を荒廃させる。死刑に必ずえん罪の危険があることは、名張事件や北方事件で改めて証明されたところである。死刑は直ちに廃止されなければならない。

 死刑廃止は国際的な潮流であり、すでに全世界の3分の2以上の国と地域で死刑は廃止されている。日本は、国際社会から強く死刑廃止を求められている。今回の死刑執行はおよそ許されるべきものではない。

 われわれは、日本政府および法務省並びに法務大臣に対し、今回の死刑執行に強く抗議するとともに、直ちに以下の施策を実施するよう求める。

1 死刑の執行を停止し、死刑廃止に向けて努力すること。
2 死刑に関する情報を公開すること。
3 死刑確定囚に対する処遇を抜本的に改善すること。
4 犯罪被害者に対する物心両面にわたる援助を拡充すること。


2005年9月16日

       死刑廃止国際条約の批准を求めるフォーラム90


抗議集会

 9月24日(土)
 出席予定
 保坂議員連盟事務局長・小河原優之弁護士・寺中誠(アムネスティ)
 安田弁護士ほか。
 場所・日本キリスト教会館・早稲田奉仕園(50人ホール)(地下鉄早稲田駅下車5分)
 時間・午後2時半 開場
 会場費500円

(05.9.8)

世界死刑廃止デー特別企画

響かせあおう 死刑廃止の声


10月8日(土)ドイツ文化会館/OAGホール
午後1時開場・1時30分開演/入場料1800円

ドイツ文化会館/OAGホール
東京都港区赤坂7-5-56
 電話03-3582-7744
地下鉄青山一丁目駅4番出口より赤坂見附方面へ

死刑廃止世界連盟(WCADP・2002年設立)は10月10日を世界死刑廃止デーと定め、世界各地で死刑廃止に向けたさまざまな取り組みがなされるよう呼びかけています。第3回目の世界死刑廃止デーを迎えて、私たちは、死刑を存置するこの日本の地で、死刑制度に疑問を持つ人々が共に集い、死刑に直面している人々に思いをよせるひと時を企画しました。ぜひ、ご参加ください。

(...more info!)

(集会の賛同人募集中!)

(05.6.25 New! 05.7.6更新)

◎7月2日(土)午後2時から
◎会場・文京シビックセンター・ホール
◎ Ways of Death
【死刑への道--アメリカと日本】
2003年製作 上映時間50分 カナダ
・Macumba International プロダクション
・製作:Robert Cornellier, Patricio Henriquez, Raymonde Provencher
・監督・脚本:Patrico Henriquez
・2004年スペインCadiz国際ドキュメンタリー映画祭人権賞受賞
2004年モルドバCRONOGRAF映画祭監督特別賞受賞

☆☆第二回チャリティ星空寄席&フォルクローレコンサート☆☆
・・ペルーの働く子どもたちへ・・
☆日時 7月30日(土)13:00開場 13:30開演
☆会場 スペース遊プラネタリウムホール(北とぴあ6F)
東京都北区王子1-11-1・TEL03-3913-0161
(JR王子駅北口、東京メトロ南北線王子駅徒歩1分)
☆共催 アムネスティインターナショナル日本/東京シューレ/NATSOP基金
☆出演 落語 春風亭華柳(江戸古典落語)
フォルクローレ 木下尊惇(ギター・チャンゴ・ボーカル)
橋本 仁(ケーナ・シーク)
☆参加費 2,500円(カンパ込み)

(05.4.19 New!)

死刑廃止を推進する議員連盟協賛
2005年フォーラムシンポ第二回
死刑廃止の実現はなるのか
韓国の挑戦
・・三度目の法案提出・・
報告 柳寅泰議員(交渉中)
朴秉植教授(竜仁大学)

 時:2005年6月04日(13時30〜
 所:東京都文京区文京区民センター2A
 交通:東京メトロ・後楽園:都営地下鉄・春日
参加費:500円+資料代

日弁連・死刑執行停止に関する公聴会

日時 5月28日(土) 10:30〜17:30(予定)
場所 弁護士会館2階クレオA/千代田区霞が関1-1-3
       (地下鉄霞ヶ関駅B1-b出口直結)
定員 先着200名 参加費無料・予約不要
◆映画「デッドマン・ウォーキング」上映
10:30開場/10:45開演 (上映時間128分)
◆公聴会
13:00開場/13:30開演/17:00終了予定
(1) 基調報告
「死刑執行停止を求める日弁連の活動と死刑執行停止法案」
(2) 基調講演「アメリカにおける死刑執行停止運動」
 講師:シスター・ヘレン・プレジャン氏(通訳あり)
(3) 特別発言「死刑執行停止〜ヨーロッパからのメッセージ」
 発言者:アルベルト・クワトルッチ氏
 (聖エジディオ共同体事務局長)
(4) 市民公聴会〜死刑執行停止・私の意見
土井たか子氏(元衆議院議長、死刑廃止議員連盟顧問)
高橋 哲哉氏(東京大学大学院教授(哲学者))
雨森 慶為氏(「死刑を止めよう」宗教者ネットワーク世話人)
土本 武司氏(帝京大学教授、元検察官)

(04.12.17 New! 04.12.23更新)
しばらくぶりの更新です。

2005年フォーラムシンポ第一回
死刑と無期の量刑基準に関する調査研究報告

死刑と無期のはざ間で

・・検察量刑基準を斬る・・

報告 村上満宏弁護士(愛知弁護士会)

 時:2005年1月15日(14時00〜
 所:東京都文京区文京シビックセンター5階
 交通:東京メトロ・後楽園:都営地下鉄・春日
参加費:500円+資料代

  • 南野法相に抗議・要請のハガキ・手紙・FAX集中してください
    就任記者会見にはじまり、国会での答弁や東京拘置所(死刑場)見学後に、何度も何度も「死刑を執行する」と発言しています。起案があがってくれば執行しかねません。
    極めて危険です、執行するな!のハガキなどを集中してください。
    はがきの文面例はこちらです。
  • 法務省前ニュースを掲載しました。
  • フォーラムニュースVol.80を掲載しました。

(04.9.14 New! 04.9.14更新)

●抗 議 声 明



 政府および法務省は、本日大阪拘置所の宅間守さん、福岡拘置所の嶋崎末男さんに対し、死刑を執行した。

 今回の執行も過去の執行同様、国会閉会中を狙い、かつ野沢太三法相の在任期間が残りわずかになり、引退を目前にして行ったものであり、あきらかに死刑執行に対する議論をさせないための政治的な意図のもとに行われた執行である。さらに、超党派で構成される死刑廃止を推進する議員連盟は、「終身刑及び死刑制度調査会設置等に関する法案」を、次期国会に提出するばかりの状態であり、国会や国民的議論を待つことなく年に最低一度は死刑の執行を行うという、法務当局の極めて強い意思表示であるといえる。
 今回執行された宅間守さんは、事件発生からわずか3年であり、しかも弁護人控訴後、本人が取り下げてから1年に満たないケースであり、異様な早さの執行である。これは、時間の経過につれ事件の詳細や心境が本人から明らかにされる可能性すらもうばったものであり、被害者の遺族への冒涜とも言えるあり得ない執行であった。また、嶋崎末男さんについては、一審は無期懲役であり、事件に関しては実行犯でもなく量刑について争いがある。

 われわれは、日本政府および法務省並びに法務大臣に対し、今回の死刑執行に強く抗議するとともに、直ちに以下の施策を実施するよう求める。

1 死刑の執行を停止し、死刑廃止に向けて努力すること。
2 死刑に関する情報を公開すること。
3 死刑確定囚に対する処遇を抜本的に改善すること。
4 犯罪被害者に対する物心両面にわたる援助を拡充すること。
以 上

2004年9月14日
 
死刑廃止国際条約の批准を求めるフォーラム90


(04.10.19更新)
死刑執行停止法の制定、死刑制度に関する情報の公開及び
死刑問題調査会の設置を求める決議


 死刑が法定刑として規定されている罪に直面している者に対し、そうでない 罪の事件で付与される保護に加えて、特別な保護が与えられるべきことは国連 総会決議で強く要求されているところである。しかし、わが国の刑事司法制度 は、捜査段階、公判段階、刑の確定後、執行段階のいずれにおいても、十分な 弁護権、防禦権が保障されておらず、国際人権基準に大きく違反している状態 にある。4つの死刑確定事件における再審無罪に見られるとおり、死刑判決の 誤判が明らかとなっているが、死刑事件についての誤判防止のための制度改革 も全くなされていない。死刑と無期の量刑についても、最高裁、高裁、地裁に おいて判断の分かれる事例が相次ぎ、死刑判決への信頼が揺らいでいる。これ らの重大な問題点について抜本的な改善がなされない限り、少なくとも死刑の 執行は許されない状況にある。
 死刑制度そのものについて見れば、死刑を廃止したヨーロッパ諸国をはじめ 世界の6割の国と地域が死刑を法律上あるいは事実上廃止し、死刑廃止は国際 的な潮流となっており、この流れは、アジアにも及んでいる。かかる状況下に おいて、わが国においても死刑制度の存廃について、早急に広範な議論を行う 必要がある。
 よって、当連合会は、日本政府及び国会に対し、以下の施策を実行すること を求める。
1 死刑確定者に対する死刑の執行を停止する旨の時限立法(死刑執行停止法) を制定すること。
2 死刑執行の基準、手続、方法など死刑制度に関する情報を広く公開するこ と。
3 死刑制度の問題点の改善と死刑制度の存廃について国民的な議論を行うた め、検討機関として、衆参両院に死刑問題に関する調査会を設置すること。
 当連合会は、国会議員、マスコミ、市民各層に働きかけ、死刑制度の存廃に ついて広範な議論を行うことを提起する。また、当連合会は、過去の死刑確定 事件についての実証的な検証を行い、死刑に直面している者が、手続のあらゆ る段階において弁護士の適切にして十分な援助を受けることができるよう、死 刑に直面する者の刑事弁護実務のあり方についての検討に直ちに取り組む決意 である。

 以上のとおり決議する。
     2004(平成16)年10月8日     日本弁護士連合会


《法務省前ニュース》 No.89より抜粋

●死刑執行してしまった野沢前法務大臣
 9月14日法務省・野沢前法務大臣は、大阪拘置所の宅間守さんと、福岡拘 置所の嶋崎末男さんを処刑しました。これより1週間前の9月7日、私たちフ ォーラム90はアムネスティ・インターナショナルの仲間とともに、前法相と 直接面会し「任期中死刑の執行をしないよう」強く要請してきたところでした。 この時、野沢氏は「日本の裁判は一審、二審、三審と手を尽くし議論をした上・・・ 、決まっている方がいるわけで厳正に対処したい」と発言しました。
 報道の通り今回執行された宅間さんは精神障害が疑われていました。事件か らわずか3年、確定からわずか1年でした。また嶋崎さんの一審判決は無期で、 再審の準備中でした。糖尿病を患い、片方の目は失明、もう片方も危ない状態 で再審請求は果たせませんでした。これらの裁判についていったいどの様に「 手を尽くした」のか、64名の確定死刑囚の中からどのような手続で2人を選 んだのか。法務省及び野沢氏はこのことを説明する責任があります。

●日弁連人権擁護大会で死刑について議論
 10月7〜8日、日本弁護士連合会は宮崎市で第47回人権擁護大会を開催 しました。日弁連の人権大会の歴史はじまって以来、初めて死刑についての分 科会が設けられました。3分科会の中では死刑に関する分科会が最も盛況で、 800人を超える人が参加しました。会場には招待された高校生約200人や、 宮崎大学、鹿児島大学の学生も参加していました。日弁連は全弁護士の強制加 入団体でもあり死刑廃止についてのコンセンサスは得にくいのですが、シンポ ジウムの内容は日本の死刑制度を告発するもの、ヨーロッパ・韓国・台湾から 見た日本の死刑制度、アメリカの存置州で進んでいる裁判見直し制度(モラト リアムプロジェクト)の紹介、日本の検察が使っている死刑量刑基準への具体 的反論となる、永山差し戻し判決以降のすべての死刑・無期事件の検討報告な ど多岐に渡り、死刑廃止を事実として訴えていくものとなっていました。
 ことに印象的であったのは、(いわゆる)先進国の中で死刑が存置されてい るのは日本とアメリカだけであるという言い方がされてきましたが、アメリカ ではイリノイ州に始まった事件の見直しが具体的な死刑廃止への力として十分 に機能し得るであろうこと、台湾と韓国ではここ数年のうちに廃止が実現でき る見通しが立っていることなどを確認できたことでした。頑なに執行し続けて いるのはひとり日本政府だけです。

●今度の大臣は助産婦さん
 新法務大臣は南野知恵子氏、この方も参議院出身です。かつては内閣ナンバ ー2といわれていた法務大臣ポストがすっかり閑職になってしまった感じがし ます。いずれにしても法務省が扱いやすい人物には間違いないようで、死刑に ついても「法に従うべきだ」と発言しています。
 ところがこの方の前の職業は助産婦さんです。日本では保健婦さんや看護婦 さんとともに職能団体が出来ていて、日本看護協会の役員出身です。かつては 命を生み出す手伝いをし、また命を守ることを使命としてきた人が、あのお歳 で「命を奪う」ことを具体的に命令する立場になるのですから、なんとも奇妙 奇天烈な巡り合わせです。これまでの生き方を踏襲する道は一つだけ、死刑執 行命令書へのサインを拒否することだけだと思うのですが。