10月国際死刑廃止デーに死刑囚の表現展を!

死刑廃止のための大道寺幸子基金運営会

 昨年5月12日に死刑廃止を訴え続けた大道寺幸子さんが亡くなり、その遺産を元に 「死刑廃止のための大道寺幸子基金」が発足しました。基金は今後10年間、確定死刑 囚の再審請求への補助金、死刑囚の表現展の開催と優秀作品の表彰のために使われま す。
 基金では全死刑囚に再審請求のための補助金の要請、死刑囚の表現展への応募を呼 びかけました。7月末が今年度の締切ですが、すでに補助金の申し込みや、表現展へ の応募作品が寄せられています。
 私たちは、毎年国際死刑廃止デーの10月10日前後に、寄せられた小説、自伝、エッ セイ、評論、詩歌、絵画、まんが、その他、あらゆる分野の未発表でオリジナルな表 現作品を展示し、優秀作品の顕彰と選考委員(池田浩士・太田昌国・加賀乙彦・川村 湊・北川フラム・坂上香さん)による選考経過の発表、シンポジウムなどを行う予定 です。
 またこの基金の集会は基金だけの集会ではなく、フォーラム90ほかの市民団体と共 催する大規模な死刑廃止集会のなかの一環として開催する予定で準備をしています。  今年の集会は10月8日(土)に、会場は赤坂のドイツ文化会館OAGホールを確保 しました。
 死刑囚の方でまだ表現作品を応募しておられない方も、ぜひ作品をお送りください。
 フォーラム・ニュース78号で基金の主旨について掲載しましたが、募集要項のみ再 掲します。ぜひふるって応募してください。

1、再審請求への補助金
募集要項
(1)補助金は、下記住所まで、本人または関係者の方がお申し込み下さい。
(2)申し込みは毎年7月末とします。
(3)なお補助金は弁護人もしくは弁護人になろうとする人(恩赦代理人を含む)に お渡しします。
(4)補助金は、確定死刑囚1人に対して、1回限りとさせていただきます。
(5)優先順位は、緊急性・必要性を考慮し当方で考えさせていただきます。
(6)今回選定されなかった人も、次回に再応募できます。
(7)告知は速やかに申請者に行います。

2、死刑囚(未決を含む)表現展と優秀作品の表彰
募集要項
(1)死刑囚(確定囚、未決囚を問わない)による作品を公募します。
(2)公募する作品は、小説、自伝、エッセイ、評論、詩歌、絵画、まんが、その 他、あらゆる分野の未発表でオリジナルな表現作品です。
(3)締めきりは毎年7月末、基金が依頼した選考委員によって優秀作品を選定し、 優秀作品に賞金5万円を贈呈します。
(4)応募作品は10月10日の国際死刑廃止デー前後に展示を予定しています。作品の 著作権は制作者が、所有権は基金が持ち、これらの作品を死刑廃止運動に役立てるた めに使います。
(5)選考委員:池田浩士・太田昌国・加賀乙彦・川村湊・北川フラム・坂上香  なお第1回締め切りは2005年7月末日で、以後毎年行います。
送り先 東京都港区赤坂2-14-13港合同法律事務所 大道寺幸子基金運営会
 封筒表に「表現展応募作品」もしくは「再審請求補助金」と明記してください。

死刑日録
1月13日 東京高裁(須田賢裁判長)は本庄市の保険金殺人事件の八木茂被告にたい し、被告側控訴を棄却、死刑判決
1月24日 中国遼寧省の遼陽市中級人民法廷は、福岡一家4人殺害事件の楊寧被告に 死刑、王亮被告に無期懲役判決
1月25日 最高裁第3小法廷(上田豊三裁判長)は宮城・香川での連続保険金殺人事 件の山崎義雄被告に上告棄却判決。高松高裁の無期懲役判決を破棄して死刑判決をだ した高松地裁判決が確定
1月24日 最高裁第1小法廷(才口千晴裁判長)は間中博巳被告に上告棄却、死刑判決
2月19日 内閣府「基本的法制度に関する世論調査」発表
2月21日 千葉地裁(土屋靖之裁判長)は放火4人焼死事件の高尾康司被告に死刑判決
3月3日 最高裁第1小法廷(泉徳治裁判長)は岡下香被告に上告棄却判決。東京地 裁の無期懲役判決を破棄して死刑判決をだした東京高裁判決が確定
3月28日 前橋地裁(久我泰博裁判長)は03年1月の前橋市内での乱射事件で小日向 将人被告に死刑判決
3月28日 韓国、国家人権委員会は韓国政府に死刑制度廃止を勧告することで意見が まとまる
3月29日 東京高裁(田尾健二裁判長)は三島市での短大生焼殺事件の服部純也被告 に、静岡地裁沼津支部の無期懲役判決を破棄、死刑判決
4月5日 名古屋高裁(小出(金へんに亨)一裁判長)は名張毒ぶどう酒事件の奥西 勝死刑囚の再審開始を決定
4月7日 最高裁第1小法廷(島田仁郎裁判長)はオウム事件の宮前(旧姓岡崎)一 明被告に上告棄却、死刑判決

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