2001年8月27日(月) ロッテホテル36階にて

<死刑廃止世界大会準備 韓・日・台湾相談会>

1 参加者紹介
2 経過報告:李弁護士より
 ストラスブールで世界大会が開かれた。7/21に菊田が韓国死刑廃止競技会に手紙を出した。第2回世界大会をアジアで開かれることを約束した。この大会の指導者として金大中氏に依頼したい、という内容。8月末に3ヶ国で大会を開催することはどうかという提案があった。8/12に死刑廃止汎宗教連合と死刑廃止運動協議会が会合を持って、どう対応するかの議論をした。本日のロットホテルでの開催について日本側に提案した。8/17、金大統領に日本の意見を書いた手紙を送付した。8/21に台湾代表が参加するという連絡が来た。こうした経過で、本日の会合が実現した。

3 挨拶:国会議員 鄭大哲氏(民主党最高委員)
 2001年4月のAIの発表によると存置は87、廃止は108ヶ国。年々死刑廃止国が増えている。韓国でも弁護士・宗教者・国会議員を中心に活発に運動が展開されている。99年に死刑廃止法案が国会に提出された。法制司法委員会で議論されたが、会期末に自動的に議論は終わった。96年に韓国の憲法裁判所が合憲の決定をくだした。時代的状況が変わればかわらざるを得ないと言う付言を呈した。2001年はその時期ではないかと思う。3議員で271名中140名の署名を受けた。目標は160〜170名の賛同を得て、まもなく国会に提出する予定である。それが実現すれば死刑廃止法案は実現したとも同然だと思っている。大変革命的なことだと思っている。これからの将来を見ると、大変なことがあると思う法制委員会の7割は保守派で、反対意見だ。今韓国の世論は半数以上が賛成だ。戦略としては、法制委員会で彼らの半数以上が賛成する場合は、公聴会で国民の間で討論し、理解を深め、マスコミにも取り上げてもらい、この法案を通したいと思っている。今年か来年に死刑を定めている法律から死刑制度を死刑にしたいと思っています。死刑廃止については、私たちよりも宗教人の方たちの支援によって実現したいとおもっており、感謝している。2003年死刑廃止世界大会が広島で開催されることに歓迎したい。これがアジアの死刑廃止のけじめになり、アジアが人権国家の後進国であるという汚名を解消したいと思います。ありがとう。

4 日本:安田
 原稿あり。

5 台湾:林美  弁護士 
 原稿あり

6 韓国:
 大変うれしく思います。この集いは意義深いものです。国家・文化を乗り越えてこのような集いを持つことは意義深い。韓国の制度につては十分ご存じだとは思いますが、死刑が未だに存続しています。憲法にも保障されている人間が人間らしく生きるためには、現時点で廃止されなければならないと思っています。廃止すると問題があると言いますが、とりあえず廃止をして、その後に問題の対処について研究していくべきだと思います。
 具体的に汎宗教連合として申し上げたいと思います。8連合団体が昨年末から協議して、今日の状況について検討しています。具体的には国会の大会議場で力を合わせてやっていこうという決定をしました。死刑廃止のためのサイレントデモをチョゲサ寺からミョンドンまでやりました。チョン先生がおっしゃいましたが、署名を集めるために毎週二回国会に行っています。私はカトリックですが、もちろん教長に連絡しており、その祈りの結果として今日がある。個人としてイタリアに留学しており、人権の問題についてイタリアの教会。イギリス、イタリアのマスコミにも働きかけ、国連にも書面を提出しています。これからの問題については、パンフなどで広報活動をともにやりたいと提案します。盛り上げるための法律が提案された後に、文化的行事(音楽・演劇)を計画している。共同で地方にも周り、広報・文化活動をやっていきたいと思っています。司法法務委員会、大統領にも面談し意見を進言したいと思っています。このことを宗教団体で協力して実現し、韓国で死刑廃止を実現し、アジア・世界に広がることを期待しています。

3 菊田
 たびたび訪韓し、死刑廃止協議会・宗教者の大会にも参加させていただき、光栄に思っています。今、通訳をしてくださっているのは私の明治大学での教え子で、名誉に思っています。
 死刑廃止の状況は大変進展している。欧州ではほとんどの国が廃止している。6月末にストラスブルグで第一回死刑廃止大会が開かれた。私も数名と参加した。資料をお配りしている。(通信とパンフ)この大会の開催理由は省略します。ただ、欧州評議会それ自体はオブザーバー国があり、アメリカ・カナダ・日本・アメリカ・メキシコ・バチカンです。その中で日本とアメリカが存置しており、今回はその2カ国をターゲットにしている。韓国は子のオブザーバー国にはいるために働きかけていると聞いている。今回の大会にも政府が参加している。現在オブザーバー国を含め、全ての国が停止・廃止していなければな欄という条件があります。この大会で、アジアと日本の死刑廃止についてスピーチする機会を得ました。先ほどのご報告者のお話と違っている店があるので申し上げます。日米の存置を徹底的に批判するという大会でした。アジアの状況を述べたとで、第2回世界大会は日本で開く用意があると申し上げました。議長のミシェル・トーブ氏はそれを承諾し、今後役員と検討するというものでした。そのときに、2003年に広島はどうかという話があったことは事実です。ただし、それが決定されたわけではありません。日本の仲間と議論した結果、韓国・台湾・日本のアジアで開くという合意を得ました。それには理由があり、台湾では2004年までにモラトリアムをするという法務大臣の声明がありました。韓国ではこれほど急に死刑廃止に向かうとは思っていなかった。急速に法案が通ろうとしています。この時期に特にアジア・とくに韓国を中心に開くことがもっとも望ましいのではないかと思うようになったわけです。本日予定されている最後の宣言で、アジアで死刑廃止大会を、そしてできればソウルで開くという宣言を採択してもらえたらと思っています。(笑い)その宣言をいただければ、私は直ちにトーブ氏にそれを伝えたいと思っています。ただ、韓国の法案を見ても代替刑・終身刑を中心とするものです。これは私がかねがね申し上げていたことで、この点について敬意を表したいと思います。やはり死刑は悪であるとか、正義に反するというのは聞こえはいいが、欧州では当たり前です。しかし、アジアでは被害者問題・世論を常に目を向けなければならないと思っている。そういう意味で、死刑廃止が一部の人たちのものではなく、国民のものになるためには、死刑を廃止して終身刑、それは限りなく死刑に近いものにすることで、国民の合意を得たいと思っています。そういう意味でも、韓国の法案は立派なもので、なんとしても通したいと思っています。

韓相範:アジア大会と世界対価の2つのことが混じっている。両方とも韓国開催の流れになっている。しかし、今日は懇談会であり、私としてはアジアの各国の同数の委員による準備委員会を設立し、協議するのはどうかと思っている。韓国は来年選挙が2回あり、大統領も忙しくなる。世界大会の組織委員長は可能だが、アジア大会は難しいのではないかと思っている。

菊田:世界大会の2年後に開くというのは決まっている。2003年にアジアで開きたいと言うことを希望している。ソウルではなく、アジアで開きたいということを決めて、それをトーブ氏に早く伝えたいという意味です。
 
李弁護士:補足的に、どうしてアジアの開催が要求されるのかと言うことについて言うと、欧州からすればアメリカとアジアがターゲットになっているが、アメリカは半々だ。アメリカがいいのか、アジアがいいのか意見が分かれていると思う。できれば早くアジアでの開催を決めた方が具体的な日程を考える上でもいいのではないかと言うこと。

チャヨンソル:どこでやるかの前に、綿密な検討をもっと加えた方がいいのではないか。例えば先進国と後進国どちらがいいのか。台湾と中国(大量殺人)を考えると、台湾の方がいい蕩意見もあるし、リードしている日本、理念がいい韓国がいいという意見がある。いずれにしても、真摯な論議が必要だと思う。

菊田:私はくどいようだが、アジアで開くことを決めることはできないか。

韓:それを組織委員会で決めることはどうか。

真寛:日本の提案を前提に議論をしているが、そういうことではなく韓国は韓国の立場を整理してはどうか。政界・学会・宗教界の雰囲気がとてもいい。そういう面で、今年中にアジア大会を開催し、その後に世界大会まで持っていくかどうか、議論をしてその後に他の大会については議論をしてはどうか。

 コーヒーブレイク(11:50〜)
12:20〜開始
 韓国側の暫定的な結論を。

安田:知っている情報をお話ししたいと思います。国際会議の第一回の組織委員会の状況についてです。トーブ氏を中心に組織委員会もたれ、欧州評議会が全面的に協力し、議場も提供した。第2回も開きたいという希望ももっていた。しかし、現在継続した委員会活動は現在存在しない。よって、2回大会のためには私たちが一から委員会を組織しなければならず、それには1回と同様に、公の機関・アムネスティと協力していかなければならない。題意会の大会の精神を承継し、かつ一から作り上げていくという大変な作業が必要になるかと思います。他方、アジア大会は93年の7月に東京で開きました。その主体は現在も生きています。そして今日の会議に結びついています。アジア大会と世界大会は規模・質ともに大きく違うと私は理解しています。ただ、93年のアジア大会を終えて、みなさんと別れるときに是非次には韓国でやりたいといい、現在もその希望は持っています。アジア退化の成功の延長上に世界大会が可能になるだろうと私は理解しています。

李弁護士:韓国側の結論ですが、とりあえずアジア第一回を韓国で開催し、その後の世界大会はアジアのどこの国でやるかは決めていないが、アジアで開催するという前提で、第一回組織委員会が解散したと言うことなので、その組織委員会の構成を提案すると言うことです。
 踏み込んだ形の次期についてです。11月の中旬ソウルでの用意があるということです。2ヶ月しかありませんが、文化祭もあって、複雑なこともあるが、文化行事とあわせてやる。世界大会につては、アジアでやることについては同意する。但し、国と組織委員会の構成についてはアジア大会までは議論を止めて、それ以後は各国からの小委員会を構成して進め始めたらどうか。アジア大会までの時間がないので、委員会の組織を同時並行で進めるのはむずかしい。
 本日合意書を作るのはどうか。
 世界会議にも組織委員会が必要で、その前に会議が必要ですね。アジア会議のためにも組織委員会が必要です。そのための連絡会・委員会が必要ではないか。両方の準備委員会を作ったらどうか。

菊田:アジア会議の準備はお任せするとして、とりあえずアジアでやるということを決めて下さい。

12:40〜食事
宣言の検討:安田案

13:15〜 大島議員挨拶
 韓国語で自己紹介。挨拶に先立って、日本の国会議員を代表して、小泉総理が靖国神社に参拝したことをお詫びします。また、韓国のクリスチャン議員連盟からいただいた抗議声明は、土井たか子議員と官房長官に提出したことを報告します。
 死刑制度に関しては、日本は今最悪の国会での状況になっています。それは、衆議院・参議院の二院制で、選挙が今年と去年の2回行われましたが、720名中70名と減っていることです。また、政治家が治安が悪くなっている中で、親が子供を虐待死させたり、子供同士で殺人を行うなど凶悪犯罪が増える中で、国民世論は死刑廃止に否定できな議論が高まっています。このような中で、毎年6名ないし5名、昨年は3名と死刑の執行が行われています。また、死刑判決も増えてきています。私自身も死刑を執行された直後の痛いと対面し、荼毘に付し、告別式を行いました。国会議員になる前から日本で死刑廃止運動に取り組んできました。日本の政治はアメリカを向き、経済も総理もアメリカの言いなりで、隣の韓国・台湾、アジアの国々を軽視する総理を選びました。このような中で、日本で死刑廃止を政治的また、民衆レベルで実現するのは非常に時間がかかると思っています。結論からすれば、韓国で死刑廃止法案がとおり、事実上アジアで死刑廃止に向けてリーダーシップがとれる国であることを本日聞き、大変力強く思っています。韓国の死刑廃止を願う多くの皆さんと私たちが共に取り組んで、アジアで第2回世界大会を行うことで、アジアが21世紀に人権を配慮した国になることを、死刑廃止を通して実現していきたいと思います。今日はありがとうございました。

 合意書は宣言文の形で発表することで、今日の会議は終えたいと思います。発言を希望される方はどうぞ。
 
韓:韓国において人権教授として有名です。
 李弁護士によって、韓国の死刑廃止運動を見つめてきたが、誰も振り向かず、見返りもないことに感心してきた。お金も知識もない人が殺されてしまうことも死刑の問題点です。一方で、韓国の戦争をはじめとし、政治的な意味での司法殺人の歴史もある。その視点も忘れずに死刑廃止の議論をしていきたいと思っています。

車先生:刑法学会で死刑の問題を取り上げた有名な刑法学者
 存廃の理論が出つくしているが、しかし最近は理念的なことに強く影響されているのではないか。アメリカのテロ・反体制運動などについての死刑につて考えるべきではないか。ブッシュは共和党だが、彼自身はアメリカの中で一番死刑執行が多かった週の州知事だった。アメリカでは黒人に犯罪の血が混じっている、日本にも韓国人に同じようなことを言った歴史があった。アメリカでは執行の80%が黒人への執行である。死刑制度は黒人のための政策ではないか。多種の人種の国では難しい民族意識があり、廃止が難しいのではないか。支配・被支配の関係も影響する。国ごとの特殊な状況が影響する。日本や韓国など人種の対立がない国では帰って実現が可能なのではないか。

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