2001年11月2日
社会民主党
社民党は、国政の最重要課題として万全の「雇用対策」を断行します。このために、雇用保険特別会計の枠にとらわれない、一般会計からの積極的な財政出動を図ります。
日々の営みと働き方を大切にする雇用対策を提起します。
最悪水準を更新する完全失業率を見ても(9月は7、8月の5.0%から5.3%へとさらに悪化)、現下の最優先課題は、積極的な雇用創出による、雇用不安 → 消費減退 → 更なる不況という悪循環を断ち切り、「先の見える安心社会」をつくることにあります。このためにこそ、政策と財政は総動員されるべきです。
深刻の度を増す雇用情勢に的確に対処しうる中身が求められていた政府の「総合雇用対策」(9月20日)でしたが、出来具合は、相変わらずの迫力不足で、“小出し”の感をいなめないものになりました。
政府の対策はもう少し早く実施されていればといった“周回遅れ”の色彩が濃いものが多く盛り込まれています。
例えば、やっと日の目をみることになった失業給付にかかわる訓練延長給付〈注〉の積極的適用は、失業者が「自らを安売り」しなくても再就職を果たすために欠かせない能力開発やスキルアップとの両立を図るものです。社民党は、その必要性を98年段階から強く求めてきました。該当者すべてが適用対象となるために不可欠な財政措置および指導陣・受入れ施設の迅速な整備などについて、政府の取り組みを監視していきます。同時に、受け入れ態勢の準備不足をもって、対象者が排除されることがないよう特例措置等を講じます。
〈注〉 最長適用者は、失業給付分の330日間に加え、訓練延長給付分の2年分がオンされる。
社民党は、「ミクロの生活権(安心できる生活)」保障の積み上げこそがマクロの景気回復を果たすための“牽引車”たりうるとの立場から、国民の生活再建に直結する施策の推進に全力で取り組みます。とりわけ、政府の後追いの雇用政策で痛みを強いられてきた人々に的確に対処でき、「費用対効果」も追求しうるピンポイント(焦点を絞った)の施策の実現を図ります。
小泉流「構造改革」の方策は、企業のリストラ策を後押しし、正規雇用労働者を非正規雇用労働者へ置き換えていく傾向をますます強めさせています。その大きな要因は、「同一価値労働・同一賃金」を含むすべての権利と労働条件の均等待遇原則がいまだ確立していないために、同じ仕事を安上がりの労働・人件費でまかない、不況を理由にした解雇・雇止めを安易にするなど、企業の「社会的責任」放棄を許しているからです。
パート・派遣・臨時等の「非正規雇用」であることを理由とした差別的取扱いすなわち劣悪な労働条件や無権利は当たり前とする現状は、何としても打破し、「雇用形態による差別」をなくさなければなりません。そのためにも、「均等待遇原則」の実現を目指します。
そして、労働者本位のワークシェアリングの実現を進め、雇用創出を図って深刻な失業状況を改善します。ワークシェアリングに積極的に取り組む企業には助成措置等の公的支援を行いつつ、実績をあげた企業の取り組み内容・実績の紹介など、推進体制の整備に邁進します。具体的には、ワークシェアリングを行って新たに雇用される労働者は、非正規雇用に置き換えるのではなく、正規雇用労働者として雇用されるものとします。その際、社会保険料・福利厚生費等の事業主の負担増加分については、当分の間、公的支援を行って、事業主負担を実質的に軽減します。
まず、パート・派遣・臨時等の「非正規雇用」労働者の権利保障と労働条件の改善を実現するために、「同一価値労働・同一賃金原則」の確立を目指します。そして、パート労働者に対する賃金・福利厚生等について「比例の原則」の適用を進めます。また、ライフスタイルに合わせたパート労働とフルタイム労働との「双方向転換制度」の定着を図ります。
さらに、「非正規雇用」労働者の「正社員化ポジティブ・アクション」を積極的に導入し、優遇税制の適用や助成措置、実績をあげた企業の取り組み内容・実績の紹介、表彰など、を進めます。
不況を理由にしてリストラを強行する企業の下で、安易な解雇、配転・出向、賃金等の切り下げ等により、労働者とその家族は、生活を根底から崩される可能性にさらされ続けています。
安心して生涯設計ができる働き方を実現するために、権利保障と労働条件の確保を図り、雇用を守るために、明確な要件と手続き等を定めます。さらに、その人の各ライフステージにおいて、またライフスタイルによる自己決定に基づき、フルタイム・パートタイムの働き方を選択可能にする双方向の転換制度を普及させる措置を盛り込みます。あわせて、紛争解決促進のための方策も含めた、雇用継続保障に係る法制度(「雇用継続保障法」)の整備を図ります。
働く人が主体的に取り組む能力開発について十分な支援を行うため、無利子の「能力開発ローン制度」を創設します。また、中高年の適職選択を支援するため、インターン雇用制度を導入します。
「労働者が変化に適応して雇用され、雇用され続けうるため」に不可欠な能力開発プログラムの策定、能力開発体制の抜本拡充等を図ります。生活の安定の確保と十分な教育訓練の受講が可能となる制度の拡充・整備を進めます。
一般会計からの積極的な財政出動を前提に、倒産・廃業に追い込まれた自営業者などに対する教育・訓練支援を行います。
未払賃金立替払い制度の支給上限額の引き上げや、労働債権の保全を確実にするための「基金制度」創設、倒産法制における労働債権の優先順位の引き上げなどに取り組みます。
(1)内職等の従事者および建築職人等の手間請け従事者に対する「倒産時の見舞金制度」の創設 (2)日雇労働者の失業手当などにかかわる受給要件の緩和 (3)「ホームレス・ホーム」(仮称)の整備および入所者に対する能力開発・職業訓練等をはじめとする再就職に向けた十分な支援措置─など、見過ごされがちな施策にも光をあてます。
深刻化する雇用収縮に対応するためには、公的関与(責任)による雇用機会の創出が積極的に図られなくてはなりません。社民党は、「安心」と「未来への先行投資」の一環として、引き続き、次の重要課題の達成に取り組みます。
福祉型の新たな経済産業構造への大転換と併せ、福祉ヒューマンパワーを積極的に養成し、市民のNPOなどとも連携して、健全で活力ある高齢社会を創造していくことが「時代の要請」ともなっています。
身分保障と雇用機会という車の両輪を確固たるものにし、ホームヘルパーの100万人雇用創出など、以下の課題に積極的に取り組みます。
社民党は、福祉ヒューマンパワーの身分保障を確立し、雇用機会を確保します。俸給表策定など必要十分な所得保障を含む待遇改善を早急に進め、安定したサービスの提供と福祉水準を維持しうる身分保障を確立します。また福祉人材センター等の拡充、人件費助成や負担軽減措置、絶対的に不足している福祉関係施設の新増設などによって、就労の場を創出・確保します。
高齢者・障害者介護の基本であるホームヘルパー(99年度約17万人)をさらに養成し、「寝たきり=寝かせきりゼロ」を実現するため、2010年までに100万人の雇用を創出します。また、各種研修など専門的技術・知識修得のための積極的な支援を実施します。
乳幼児、病児、障害児など保育を必要とするすべての子どもが受け入れられるよう保育所の新設・拡充を行い、必要な保育士や給食調理員などの雇用を確保します。当面、15万人ともいわれる待機児童を解消するため必要な保育士2.5万人の雇用を緊急に確保します。また、学童保育を拡充し、指導員の身分保障・労働条件の確立と雇用の創出を図ります。さらに、「地方版エンゼルプラン」の策定を地方自治体に義務づけ、地域によって偏りのある、子育て支援に必要な人材等の基盤整備を強力に進めます。
コメディカル・スタッフ(医療における医師以外の医療関係職員)や福祉施設で働く寮母、介護・看護職員、介護保険制度の成否の鍵をにぎっている介護福祉士、ケアマネージャーなど、医療や介護分野における多様な人材と十分な雇用機会を確保します。また、すべての自治体に対し、数値目標を盛り込んだ障害者計画の策定を義務づけるとともに、PSW(精神科ソーシャルワーカー)などの拡充を進めます。
教育は「未来への先行投資」です。日本の将来を担う子どもたちには人間性あふれる環境の下で学習できる機会が保障されるべきです。また、そのような教育の場でこそ雇用が創出される必要があります。子どもたちの学習ニーズにきめ細かく応えるとともに、いじめや「不登校」などの子どもをめぐる問題の解消を図るため、30人以下学級の早期実現を喫緊の課題とし、小・中学校教員の積極採用を進めます(10年間で19万人強)。
最近では集中豪雨がおきると、必ず洪水や土砂崩れなどによる被害が発生します。これは間伐などによる森林整備が不十分なためです。政府の調査では、山崩れを起こしやすい山地災害危険区数は、全国で22万2000地区もあります。自然の生態系を守り、森林のもつ様々な機能を発揮させ、国土の保全や環境の保全を図るためには森林整備をいっそう推進する必要があります。この立場から、山地崩壊や土石流、洪水などの自然災害を防止するための間伐の実施、住環境の改善のための都市近郊の里山林の保全・整備・造成などに取り組む林業労働者の雇用創出を図ります。
環境関連分野の雇用創出を図るため、リサイクル業、廃棄物処理業、環境情報提供事業、自然エネルギー等にかかわる新規産業創出へ向けた支援、例えばエコタウン事業(地方自治体への助成制度)などをはじめとするあらゆる支援を拡充します。またごみマップ作成等の環境保全活動を通じて雇用を創出するとともに、NPO等民間団体による環境保全活動に対して助成を行い、全体で20万人規模の雇用増大を図ります。
自然生態系の保全につながる環境保全型農業、平坦地の有機農業、多面的機能を発揮する森林の育成や整備事業、資源保全型漁業にそれぞれ直接支払制度、所得補償制度を導入し、安定した農林水産業経営が可能となり、若者が就労できる環境を作ることを通して、第一次産業の雇用拡大を図ります。
新宿歌舞伎町の雑居ビル火災を受けて、小規模雑居ビルの安全性の確保が大きな問題となりました。立入検査や周期的な事後点検、改善指導を含む違反是正措置を強化するため、消防職員の充足率(全国ベースで76.5%)の向上に取り組むとともに〈注〉、緊急対応として新たに「消防・防災支援要員」を確保します。
〈注〉 充足率76.5%段階の現員数15万人強→完全充足のためには5万人強の増員が必要に
狂牛病、食品添加物、残留農薬、遺伝子組み換え食品、ダイオキシン、環境ホルモン等による食品汚染から消費者を守り、生産者との信頼・共同関係を確立するために、国の検査制度を補完するものとして生活協同組合や消費者団体による検査活動を応援します。生協や消費者団体の検査には助成金を交付し、検査に関わる部門の雇用を拡大します。
消費生活センターは、今年4月からの消費者契約法の施行を受け、裁判所を利用する前段階の解決・処理機能としての大きな役割を果たすことになります。しかし、センターで業務に従事する消費生活相談員の待遇は、その専門性等からしても低く、不安定な身分に置かれているのが現状といえます。相談員の担う役割の重要性などを踏まえ、自治体の正規職員並みの待遇改善や、養成・研修を拡充することを前提に、消費生活相談員の大幅増員に取り組みます。
これまで数次にわたって打ち出されてきた政府の雇用対策ですが、雇用失業情勢は深刻の度を増すばかりです。実体のない530万人というような雇用創出案ではなく、実際にハローワーク(公共職業安定所)に申し込まれている求職と求人のマッチングを図るための体制・機能強化〈注〉こそが、何より求められる理由でもあります。当面は、労働者・国民、事業主の要望等に迅速に対応していくため、職業紹介部門の倍増(1.3万人→2.6万人)から着手し、随時、労働基準行政、雇用均等行政の抜本拡充を進めます。
〈注〉 直近の数値としては(9月)、ハローワークを訪れる求職者数は254万人強。一方、安定所が保有する求人数は145万人弱。このギャップ解消が最優先される必要がある。
この観点に立つならば、求職者の希望事項や疑問等に親身に答えていくための職業紹介体制(窓口)の充実強化はもとより、マッチング機能の強化には詳細な事業所情報の把握と提供は欠かせない。見過ごされがちだが、求人や事業者に関する情報収集および求人開拓を十分に行える体制整備は喫緊の課題だ。
女性がいきいき働ける環境をつくることは、男性も働きやすくなり、社会に活力を蘇らせます。人、とくに女性に着目して、その可能性を引き出すシステムづくりと充実こそが経済活性化のための特効薬です。この明確な目的意識に基づき「女性版ニューディール」政策(革新的経済活性・再生政策)を積極的に展開します。
改正均等法施行以降(98、99年にわたる段階施行)、法律上は、募集・採用・配置・昇進など雇用の全ステージにおいて女性差別が禁止されることになりました。しかし、例えば、所定内給与額の比較でいえば女性は男性の65%程度に依然とどまっているという現状が存在します。このような巧妙に仕組まれた男性優位の社会システムを全面的に組み替え、雇用分野から風穴をあけます。
社民党は、人間らしい生活と働き方の前提として93年段階から、育児および介護休業制度の導入にとどまらず、他党に先駆けて看護休暇制度の創設による「三本柱」体制の整備を提起してきました。
取得期間の柔軟化や休業前所得保障水準の60%への引き上げなど、現行の育児・介護休業制度の拡充を進めるとともに、その抜本改革を図る観点から、
「家族的責任と仕事の両立を確保する法律」の制定に取り組みます。
政府の公約であった「1990年代前半の出来るだけ早い時期に年間総実労働時間1800時間の達成」を実現するための施策〈注(1)〉に積極的に取り組みます。「1週44時間」という「特例措置」〈注(2)〉が適用されている事業場についても、早急に、業種・規模にかかわらず「1週40時間」の法定労働時間の適用対象とします。
同時に、子育て・介護などの「家族的責任」を有する労働者の時間外・休日労働、深夜労働の実効ある規制(ペナルティー税制、割増し賃金率の引き上げ等の検討)や、フレックスタイム制の普及などを進めます。
これらの時短促進策を通じて、ドイツ、フランス〈注(3)〉などの時短先進国のように、総実労働時間の短縮が「家族的責任と仕事の両立確保」と雇用増に直結する社会づくり(社会・経済構造の改革)を断行します。
〈注(1)〉 実績をあげた事業主に関しては、各種助成金・給付金の増額や労働保険にかかわる負 担軽減措置等を行う。
〈注(2)〉 9人以下の商業、映画・演劇業(ただし、映画の製作は除く)、保健衛生業、接客娯楽業 については、今年4月から、それまでの46時間から44時間になった。
〈注(3)〉 フランスは、「時短でも賃下げなし」を基本に、10%の時短で4.2%の雇用増大という、新たな雇用創出につなげる成果をあげている。
職場における性差別をなくすため、現行の男女雇用機会均等法を男女雇用平等法に組み替えて、間接差別の禁止を盛り込み、その定着化を進めます。
「認可保育所」の整備・拡充、低年齢児の受け入れの拡大、保育士や指導員の待遇改善と雇用確保、財政支援の拡大等によって、保育所の入所待機を一掃し、家族的責任と仕事の両立を可能にします。
さらに、育児に悩む親や多様な保育を求める人を応援する地域密着型の小規模託児施設や地域子育て支援センター等に対する支援策を推進し、自治体やNPO・NGOが連携した地域での子育て支援体制を整備します。
家族的責任と仕事の両立を実効あるものとするため、今後、雇用創出が期待される医療、介護、食事などの生命や暮らしに密着した分野を中心に、職住近接の仕事づくりに取り組みます。とりわけ、ホームヘルパー等の身分保障と雇用機会を確保するとともに、生活支援や配食サービス、福祉タクシーの活用をはじめとする個別輸送サービス〈注〉など、地域でニーズの高い福祉分野における創業・運営を積極的に支援します。
〈注〉 スペシャル・トランスポート・サービス(STS)
「アファーマティブ」(積極的、先導的な)政策の一環として、女性起業家などに対する積極的な支援策を講じます。例えば、融資総額の一定割合を女性起業家向けとするなど、女性優先融資枠の設定を銀行等に求めます。
就職の潜在的な意思がありながらフリーターにとどまっている若者に対し、教員や企業のOB、あるいはNPO組織のリーダーなどをアドバイザーとして大量に委嘱し、マンツーマンで、職業意識の啓発から実際の就職に至るまでのきめ細かなサポートを全国的に展開します。
政府は緊急地域雇用特別交付金の延長を決めましたが、福祉・環境分野はもとより、例えば、次のような明確な目的意識を持った抜本的拡充を図る必要があります。
(1)夜間・休日も含めたIT学習の受講機会の十分な保障を行っていくために欠かせない多彩な指導陣の確保 (2)「社会参加型」学習などの拡充やエコスクール(自然と環境について親も子も学ぶことができる体験学校)の設置等に不可欠な「指導員」の創設─なども積極的に進め、フリーターや中高年離職者等の雇用促進につなげます。
学卒未就職者やフリーターの適職選択を支援するため、有給の「インターン雇用制度」を創設します。採用したベンチャー企業や中小企業事業主に対する手厚い助成措置も講じます。とりわけ第1次、第2次産業への積極的な適用を図ります。また、大学・高校在学中のインターンシップ制度の充実にも取り組みます。
今年度末には666兆円にも達する見込みの借金まみれの財政下、あまりお金をかけずにできる施策は知恵、工夫の見せどころでもあります。
一旦離職した者の円滑な再就職や学卒者の安心就職を実現するため、インターネットを通じた雇用情報提供網の迅速な整備を社民党は従来から提起してきました。この観点から、政府が8月から開始した「しごと情報ネット」〈注〉の完備に取り組みます。
また、再就職支援情報に限らず、インターネットを活用した多様なサービスを積極的に提供していく観点からは、労働基準法や男女雇用機会均等法などの労働者保護ルール、能力開発・保育─などの諸情報を一覧できるサイトの構築・整備を進めます。
〈注〉 しごと情報ネットの利点は、インターネットで求人情報を収集しようとしても、どこに自分の求める仕事があるか分からず手間ひまがかかり、また、どの情報が信頼できるのか不安をぬぐい難い中で、(1)全国の官民の求人情報を入手するためのワンストップ・サービスが可能となること (2)情報提供体制や苦情処理体制が整っている機関に安心してアプローチできること─など。しかし、現時点で同ネットに求人が登録されている公共職業安定所は83カ所分にすぎない(安定所の総数は約500カ所)。全安定所の求人情報のカバーは焦眉の急といえる。
国民本位のサービス提供のあり方を追求します。
ハローワークが今後担うべき役割として、これまでの雇用情報の提供や職業紹介、能力開発支援等に止まることなく、労働者の適切なキャリア形成支援の観点に立った様々なサービスを一カ所で受けられるようにするための「ワンストップ・キャリアセンター」機能を新たに持たせることにします。このため、キャリア・カウンセラーをはじめ、就職支援のアドバイザーを配置します。
同時に、心理的なケアを行うカウンセラーも配置します。また、失業者等の生活再建に向けたきめ細かな施策の一環として、住宅ローンや奨学金など総合的なアドバイスができる相談窓口も関係省庁の協力を得て行います。
事業者向け助成金や給付金は、その種類に応じ、ハローワークと他の所管機関に分かれるという「縦割りのサービス提供体制」になっています。利用者本位の立場から、この見直しに取り組みます。手始めとして、ハローワークに事業者向けの施策に関する総合相談窓口を開設し、すべての助成金や給付金の情報を提供するなどの施策を整備します。
地域における産業のニーズ(求人のニーズ)と求職者のニーズの調査および能力開発を進めるため、都道府県、経済団体、業界団体と労働団体、NPOなどで協議会をつくります。同時に、求職者・求人者(企業)それぞれのニーズにきめ細かく応えていく観点から、国と地方自治体との協力・連携体制を整備するなど、実効ある雇用創出に向けた取り組みを進めます。
自立した地域づくり、地域に密着し労働者の主体的な仕事起こしを支援できる仕組みとして、「ワーカーズ・コープ法」(協同労働による協同組合法)の制定を進めます。 具体的には、雇用関係のない働き方として、働く者が出資し、管理もする、例えば生産・サービス分野でのワーカーズ・コープなど「協同労働組織」に対し、EU諸国並みの体系的な法制や支援措置を整備します。
雇用吸収力を本来的に有するのは収益企業であり、失業者の積極的な採用企業に対する優遇税制の創設は、もっとも実際的で、時宜にかなったものです。失業者を常用労働者として一定以上(50%以上又は25%以上かつ20人以上)の水準で雇い入れた事業主に対して、法人税等の軽減・免除措置を講じます。雇用創出の可能性が高いベンチャー企業などに、使い勝手がよい内容とします。
地域のヒト、モノ、技術を引き出す「もう一つの地域振興」を進め、地域から元気と安心を創ります。また、リストラなどによる家計急変にも的確に対処します。
自立をめざす地域の「元気」「やる気」を支援するため、中低所得者層、女性、中小ビジネス・ベンチャー企業などへの公正な融資を金融機関に義務づけ、「地域全体の需要」に応えていくことを目的とする日本版「地域再投資法」を導入します。
民事再生法の中にある民事再生手続きの「住宅貸付債権の特例」制度〈注〉の拡大運用を図ります。
失業期間中の住宅ローンの支払いが困難な場合、一時的に凍結等ができる制度をつくります(公的な機関が肩代わりし、再就職後に支払う)。また、リストラなどによって収入が大きく減少した人を対象に政府保証による住宅ローン返済条件の緩和(借入期間の延長)に取り組みます。
〈注〉 民事再生手続きの制度化(01年4月から)により、「給与者再生」と「住宅貸付債権の特例」がスタートしたが、自己破産以前に生活の建て直しをしてもらおうというもの。実際には裁判所の判断が必要。手続きを簡単にしないと活用しにくいといわれている。
保護者の倒産・失業・破産などによる家計急変に対応するために講じられた無利子の「第一種奨学金緊急採用」枠〈注〉の拡充に早急に取り組みます。また、 不況による中退などの増加状況に対応するため、教育ローンの拡充や学生向け「生活費無利子ローン制度」をつくります。
〈注〉 01年度予算で用意された採用枠は1万人