本年度現地活動計画 −トミニアンとその周辺−

 本年度から会の活動として取り組むことになった、トミニアン周辺について少し書いてみましょう。 ご存知のようにマリ北部のトンブクトゥからグンダム、ファギビンヌにかけての地域は、 すでに砂漠化が進んでしまった地域です。
 それに対し、トミニアンの位置するマリ中南部のモプチからセグーにかけての地域は、 静かに、しかしかなりのスピードで砂漠化が進みつつある所で、 結果としての砂漠状態が目に見えてくるのもごく近い将来です。
(アクションE 小島通雅)


○トミニアンの位置
 モプチやセグーは年間通して水の流れるニジェール川沿いですが、 それから少し東に寄ったサン、トミニアン、バンカスといった所は、 ブルキナファソとの国境に沿った、より乾いた地域といえます。 穀類のソルガムを中心に定住して農業を営んでいる人達と、 牛の遊牧で移動しているプルの人達が住んでいる地域です。

トミニアン位置図  バンカス周辺は一部丘陵、山岳ですが、全体的には平坦な所、大きな河川はなく、 物資の集散や行政の中心となっているような街が、 その周辺には3〜7q程度の間隔で農村が散在しています。 ここブルキナファソ沿いは、古くからボボ族を中心にキリスト教の普及が進んでおり、 かなりの村がそうしたキリスト教系の村 (子豚が家の周囲をニワトリに混じって走り回っている)のようです。

 トミニアンは、県(サークル)の中心ですからお役所、オゼフォレ(水資源・森林局)、 学校、キャンプモン(簡易宿泊施設)等もある街ですが、市(マルシェ)は週に一度開かれるだけ、 小さな商店、修理屋、飲食屋台等は全て合わせても10軒程度でしょうか。

 平坦地に広がった、閑散とした街。ここ自身もブルキナへ抜ける主要道路沿いですが、 30q程戻った国道沿いにサンという何でもある大きな都会があるせいでしょうか。 キリスト教関係の教会や学校、職業訓練所、大きな研修農園のようなものもあります。


○トミニアン周辺の暮し
 主食はソルガムやミレット、トウモロコシ等を粉にして湯がいた、 トウ(ソバガキ状のもの)で、これをちぎって、乾燥した魚、 ニワトリ等をベースにしたソースにつけて食べます。

 このソースに余り野菜は入れない、それに代わるのが自生する樹木等の新芽、緑葉、種実等で、 フレッシュあるいは乾燥したものが広く市(マルシェ)でも取引されているようです。 これが香辛料としてだけでなく、野菜に代わるビタミン源としても役立っていると考えられます。 ちなみに同じようなソースは、 ニジェール河沿いから入ってくるコメを炊いたものにもかけて食べます。

 野菜の栽培は若干の村で行われている様ですが、自家用、村内消費程度でしょうか。 平坦でロバ、馬車が使えるのは良いのですが、 国道沿いのより条件の良い所からのトラック運搬を考えると、 それで生計というのはなかなか難しいかも知れません。


○サヘルの森のアプローチ
 本来はかなり樹林で覆われていてもおかしくないような気象条件の所ですが、 古くからの耕作や薪採り等の伐採で、裸地化し表土が飛ばされ、荒廃地化している所も散見されます。 特に市街地の周辺には多いようです。

 大きな樹木の散在する下で作物をつくる、 伝統的なアグロフォレストリーが続けられている所は少なくなり、 農耕による地力の衰えを回復する為に二次林として置いてある所や、 村と村の間にある薪炭等の採集林も、面積的に少なくなり、植生的にも貧弱化しています。

 ここ何年か行政からの指導、薦めもあって、多くの村で植林に手がつけられ始めています。 多くは村の中心部近くに、四角に囲ってユーカリを200〜300本植えるというようなものです。 しかし、人数はごく限られていますが、アカシアセネガルの樹脂生産を目指して植え始めている者、 乾燥に強い果樹苗を増やしている者、 自分がなりわいとしている国道沿いでの薪炭販売を長く続けられるよう植林に取り組み始めた者などもいます。 彼らと共に歩み始める、これがサヘルの森がとろうとしているアプローチです。


○森と生きる為のワークショップ
 トミニアン周辺ではキリスト教系NGOのASWINEと協力して植林ワークショップを開催。 実践的なワークショップを通じて、岩石地帯での植林法、雨水の有効利用法、 長根苗の利用などサヘルの森がこれまでの活動で培った植林技法の共有を計ります。


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