アフリカの水あたり
アフリカの水を飲んだ者は再びアフリカへ帰る」という諺があります。 このコーナーは、アフリカの水を飲んで、ついでに水あたりまでしてしまった人たちによるアフリカこだわりのリレーエッセイです。

−日本にやってきたマリの人たちの"日本のお母さん"になりたい―
木村智都子
 “きむさん”こと木村智都子さん。 代々木上原事務所時代、ご近所のよしみで事務所に遊びに来たのが そもそもの(サヘルの森とのお付き合いの)きっかけ。 マリ人の友人も多く、情報通だが、実はまだ一度もマリを訪れたことがないのだそう。本当?
 人それぞれにあこがれの国や、行ってみたい場所がありますよね。私はアフリカ。 なかでもマリ共和国。マリの歴史と自然、なんといっても“人”が大好きだ。 いつか友人の家を訪ねたいし、ニジェール川の夕日をながめ、ジェンネの市にも行きたい。 どうしてこんなにアフリカが好きになったのか?

 私は、スポーツ界や音楽界で活躍するアフリカ系の人々にあこがれていた。 あの身体能力の高さ、美声とリズム感!すっかり魅せられていた。 そんな彼らの発言や行動をもっと理解したいと思い、いろいろな本を読むようになった。

 元来歴史好きの私は、彼らのルーツをたずねてアフリカにたどり着いた。 地図を眺めていると、シエラレオネという国名が目にとまった。 当時大リーガーのルーベン・シエラ選手のファンだったから。(なんとミーハーな!)

 そこから目を上げると、どうにも不自然な国境線をもつマリ共和国があった。 なんと覚えやすく、親しみやすい国名なんだろう。 こうして西アフリカに興味をもつようになった。 このあたりの歴史がまた面白い。すっかりはまってしまった。

 1994年に、テレビのドキュメンタリー番組で 在日マリ人ミュージシャンのママドゥ・ドゥンビアさんを見た。 驚いた。まさか日本にマリの人が住んでいるなんて考えもしなかったから。 恥ずかしながらマリについては「世界最貧国のひとつ」くらいしか知らなかった。 自分の無知と偏見を深く反省した。 アフリカの現在をもっと知らなくてはと痛感した。 そこからアフリカで活動するNGOにも関わるようになった。
 幸運にもよきマリ人の友人・知人にも恵まれた。彼らは控えめでシャイで礼儀正しい。 穏やかで暖かく、本当に思いやりがある。感謝し、お礼をすることを欠かさない。 メンタリティーが日本人ととても近いと感じる。

 そんな親切な友人たちへの感謝をこめて、私はこれから日本でマリ共和国のすばらしさ、 豊かさ、美しさを紹介していくつもりだ。 そうすることで、自分もマリという国をもっと知ることができると思うから。

 よくアフリカは遠い国だといわれる。でも私たちは、 アフリカのタコやイカやマツタケを食べている。 アフリカの資源を利用した製品を使用している(例えば、携帯電話)。 日々アフリカと接しているのだ。 私たちの生活が、何らかの形で彼らの生活に影響を及ぼしているのではないか。 思いをはせてみてほしい。

 10月には、マリ国立民族バレエ団を日本に招聘する。 多くの人に、マリの伝統的なダンスや演奏を楽しんでもらいたいし、体感してもらいたい。

 でもちょっとその前に。サッカーワールドカップを楽しみたい。 1月から2月にかけてマリで行われたアフリカネーションズカップで優勝したカメルーンもやってくる。 得点王に輝いたエムボマ選手は日本でもプレーしていたので、お馴染みでしょう。 ワールドカップでもアフリカ旋風を巻き起こしてくれることを心から祈っている。(KAIRA)

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