サヘルの森・ココを変えたい

現地スタッフ “雇用”問題
◆パートナーであり続けるために
 きっかけは、ムブナの現地スタッフから「正規の雇用契約、社会保険加入」などの要望が出されたことでした。

 彼らは、サヘルの森(当時はサヘルの会)のスタート当初から一緒にプロジェクトをすすめてきたメンバーです。 民族、部族が複雑に入り組むマリ国内でも最底辺に置かれている彼らにとって、 共に働く日本人の存在は、活動を続けていく上で社会的に必要な後ろ盾でもあったのです。

 日本人の長期派遣が見込めないことで彼らが活動の将来に不安を感じ、 目に見えるステイタス(形)という保証を求めてきたことは、必然ともいえます。

 民族紛争終結後、マリ国内の情勢も刻々と変わりつつあります。 時流に合わせて彼らの労働環境を整備し、組織体制を整えよう、との意見も当然ありました。

 しかし、私たちが一番こだわったのは、「スタッフとして正規に彼らを雇用し生活を保証することが、目ざすゴールなのか」ということです。 定期的な現金支給はいつしか給料となり、意識するしないにかかわらずお互いを「雇う」「雇われる」の関係として捉えるようになっていました。

 数ヶ月にわたる議論を経て私たちは、これからも対等なパートナーとして彼らの自立を支援していくために、 プロジェクトの方向性、現地スタッフとの関係を一度全て見直そうとの結論に至りました。

 今回の坂場・森の派遣により現地スタッフとの話し合いが持たれ、 プロジェクトは一時中断、新たな活動の展開に向け、話し合いを続けていきます。
助成金という問題
◆独自の財源で再出発!
 ここ数年、日本人スタッフの安定したリクルートができず、消化しきなかった助成金を返却することが何度か繰り返されました。

 一方、助成金で埋めることの難しいプロジェクト経費・渡航経費の一部分や国内管理費、 日本人スタッフ経費なども、会費・寄付収入の漸減で収支が悪化、定期預金を取り崩しながらの運営がつづいてきました。

 これらの反省から、会員の皆さんからの会費や寄付を基本にプロジェクト資金計画を建て直し、 身の丈にあった活動の展開を考えていきます。

 管理費の部分は極力切り詰め、東京事務所も縮小し、 事務局はボランティアベースの原点に立ち返って、活動を継続していきます。
後継者を育てる
◆現地の経験をみんなのものに
 以上の2つの問題はどちらも、長期に派遣する日本人スタッフを確保できなかったことから生じています。

 サヘルの森が活動する現地は物理的な遠さに加え、厳しい気候、複雑な民族・部族問題など、いくつもの困難を抱えています。

 現地スタッフの技術的な成長に日本人新人スタッフがついていけないという問題もありました。

 現地に入れば東京との連絡手段もありません。スタッフにはこれまで、厳しい自己判断・自己責任能力が要求されてきました。 逆に、現場での活動がスタッフ個人の試行錯誤に委ねられてきた結果、現地で得られた経験の共有が十分にできませんでした。

 問題解決は簡単ではありませんが、多くの会員の参加と活動の共有を促す姿勢と、しくみ作りが求められています。

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