新聞記事(1〜3月)から−
   マリへ行った日本人、日本へ来たマリ人

松浦晃一郎ユネスコ事務局長

 昨年十一月末、このところ親しくしているコナレ大統領の招待により、サハラ砂漠隣接国の「教育に関するサミット」に出席するためマリを訪れた。

(中略)

 コナレ大統領は九二年に民主的な大統領選挙で選ばれ、以来、長い軍事政権のもとで疲弊したマリの再建に力を入れている。  そのマリにおいて西アフリカの誇る三大帝国が続いていたことはあまり知られていない。

(中略)

 これらの帝国の中で、一番栄華を誇ったのはマリ帝国であり、北アフリカと西アフリカを結ぶ拠点のティンボクツー (編者注:トンブクトゥの英語名)は非常に栄えた町である。同市はユネスコの世界遺産として登録されている。 十四世紀の半ばにティンボクツーを訪れた世界的探検家イブンバツータはティンボクツーでは書物が飛ぶように売れていると書いている。

 今回マリ国立博物館でティンボクツーの秘宝展が開かれており、マリ、ソンガイ両帝国時代の書物(アラビア語)を展示していた。(後略)

2001/1/22付け日本経済新聞夕刊「あすへの話題」より抜粋

アマドゥ・トゥマニ・トゥーレ
マリ前人民救済暫定委員会議長

 一九九〇年代はアフリカにとり希望に満ちた十年だった。失敗もあるが多くの国で民主化が始まり、人々に多くの希望をもたらした。

 今アフリカで最大の問題はマラリアでもエイズでもなく紛争だ。十八カ国が直接・間接的に紛争に巻き込まれており、 開発のため紛争の予防と解決が急務となっている。

(中略)

 アフリカでは武器を製造できる設備はほとんどない。武器の大部分が欧州諸国、特に西側諸国から流入し、 ダイヤモンドなどの資源が資金源となっている。 国連などの国際機関はアフリカで流通している武器の流入経路やだれがどのように購入したのか調査する必要がある。 資源で得た資金は開発のためでなく武器購入に充てられているが、平和は紛争ではなく開発を通してのみ実現できる。(後略)

外務省と日本国際問題研究所共催のシンポジュウム
「アフリカにおける紛争と平和共存の文化」での講演録から抜粋
2001/2/25付け日本経済新聞より


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