|
ケーズ砂丘での植林が続くムブナ村に広がる
ハンマさん達が育てた緑と村の女性たちが育てた緑と |
|
|
ファギビンヌ湖南岸にあるムブナ村においてサヘルの森は、1989年末に最初の苗畑を開設して以来、
民族紛争の影響で中断せざるを得なかった1994年からの3年間をはさんで、10年近く植林活動を続けてきました。
初期の主に旧湖底に植林していた時期を経て、1998年11月には「砂丘での植林」という新しい段階へ移り、
村の南に広がるケーズ砂丘東部において植林を進めてきました。 今回はムブナ村にどのようにして緑が広がり、どこまで広がったのか、 本誌上初公開のムブナ村の森林概況図も合わせてご紹介します。 | ||||||||||||||||||||||||||||||||||
|
砂が押し寄せる村、ムブナ ムブナ村(行政上は市)は南岸のほぼ真ん中に位置するソンガイ族の村です。 昔はその辺り一帯で採れたアラビアゴムの集散地として栄えていましたが、 今では人々は旧湖底での井戸水を利用した野菜栽培や雨に頼ったヒエ、キビ、 トウモロコシなどの穀物栽培とヤギなど家畜の飼育で生活をしています。 村の人々の住む地域は小高い砂丘の上にあります。 そこから北を望むと真下に干上がった旧湖底が横たわり、その中に西から東へ長く突き出た砂丘が見えます。 村の南側に目を転じるともっと大きい砂丘(ケーズ砂丘)が東西に広がっており、 村は四方から吹く風が運んでくる砂に絶えず脅かされています。 市街地の一番外側には砂で半分埋もれかけた廃屋が並んでいます(*1)。 ケーズ砂丘には日干しレンガ造りの家の跡も見られ、 長い歴史の中で村が幾度か砂に埋もれたことが容易に想像されます。 80年代末、対岸のティンナイシャ村で活動していたサヘルの森に水資源森林局から 協力依頼のあったのも砂丘固定のための植林でした。
*1 短期派遣で、この3月にムブナ村を訪れた北岡能隆さんの話では、
現在、これらの廃屋の修復ラッシュが起きているそうです。
村での新しい動きとして経過に注目したいと思います。
森林概況図はムブナをクリック(要:Adobe Acrobat) | ||||||||||||||||||||||||||||||||||
|
おばさんジャルダン(菜園)への苗木支援、木の効用が認められ、数年後に急増 苗畑を開設した当時、旧湖底には僅かに散在するトルシャ(潅木)の間に村の女性たちが作った、 季節的に使われる小さな菜園(親しみを込めて当時の日本人スタッフは「おばさんジャルダン」と呼んでいました) が10カ所ほどあるだけでした。 砂丘固定への協力について村との話し合いがうまくいかなかった時、 サヘルの森が目をつけたのが、この元気な女性たちでした。 菜園に植えた木が大きくなれば、その木陰が野菜苗を暑さから守ります。 樹種によっては土壌を肥沃にする効果もあります。 いわゆる農業と林業を組み合わせたアグロフォレストリーをめざして、女性たちへ苗木の配布を始めました。 希望者に3本、5本渡すというほそぼそとしたものでしたが、数年後、植えた木が大きくなると、 枝が菜園の柵や家畜の飼料にもなるという効用が村の人々にも理解されるようになり、 菜園を作って植樹する女性たちが急増しました。 彼女たちは毎朝、丘の上の家から汚れた食器と鍋釜、洗濯物を持って井戸のある旧湖底に下りてきて、 洗濯物が乾くのを待つ間、菜園のタマネギやトウガラシに水やりをします。 そして育った野菜を市場で売って収入を得ています。 今ではおおよそ100カ所、丘の上の村から北側の砂丘へ行く時に、 ジャルダン群を通り抜ける道を探すのに一苦労するくらいにまで増え、 あちこちに大きく育った木を見ることができます。柵や薪のために伐られる天然の木も減りました。 一方、このジャルダン群の西側にユーカリ林で囲まれた、 一つひとつがずっと大きい菜園がいくつか見られます。 これは活動初期に配布した苗木を植えた村人が、 出来上がった林を自分たちの植林活動の実績として他の団体から井戸掘りの援助を受け作った菜園です。 先の植林によってできたプロソピスやアカシア等の林を伐開した後に、セメント井戸を掘ってもらい、 その周りに小さな菜園を設け、さらにそれを囲うようにユーカリを植えたものです。 こちらは女性グループによって共同管理されています。 | ||||||||||||||||||||||||||||||||||
|
ハンマさんたち(マリ人スタッフ)の努力で完成しつつある村の防砂林 おばさんジャルダンへの苗木の配布や自宅周辺への植樹を希望する人及び近隣の村々への苗木の配布のほか、 サヘルの森自身も植林を行っています。 クーデター後の民族紛争の余波を受けてハンマさん達がムブナ村へ移住した 91年頃に植林した場所は今では密生した林となっています。 日本人となかなか連絡がとれない状況が続く中、 プロジェクトを放り出さずにハンマさん達がコツコツ植え続けてくれた結果が、 今見られる白い砂に囲まれた村ムブナに広がる森林です。 それは大きく分けて、旧湖底の北の砂丘に沿った帯状部分と、 同じく旧湖底の東側のケーズ砂丘に接している部分、 そして植林地として一番新しい、ケーズ砂丘の東部分の3つに分けることができます。 近頃は村の指導者から「街のすぐ外側の砂丘は自分たちの手で植林するから、サヘルの森は植えなくていい」という、 積極的な声も挙がっているようです。 これがうまくいけば、残すところはケーズ砂丘の西側のみ、 それでムブナ村の防砂林は完成です。 サヘルの森では現在実施中の植林がこのまま順調に進めば、西側の植林に着手する予定です。 | ||||||||||||||||||||||||||||||||||
****ムブナ村での活動・年表****
|
| Back |
NPO法人 サヘルの森 194-0013 東京都町田市原町田1-2-3 アーベイン平本403 (株)エコプラン内 Tel:042-721-1601 Fax:042-721-1704 |