炭焼報告(2002/11-2003/01)

炭焼技術

1)炭ドラム缶窯

(1)ティンテールの状況

トンブクトゥの東25キロに位置するティンテール村は、サヘルの森が支援を始めて15年が経過し、責任者のハッタイとも旧知の仲といえる。ここでの植林は、ニジェール河の氾濫原を利用してユーカリの植林区を作っている。その広さは7〜8ヘクタールほどの広さがあり、現在でも新規植林をつづけ、その植林区は拡張され続けている。

この植林区は、日干しレンガの建物の梁材として1本5000CFで販売され、ハッタイを長にその収益で植林が進められてきた。しかし、最近、その販売量が減ってきており、さらに価格も1b500CFと半分になってしまっている。

ここでの森の管理は、梁材を収穫(伐採)した後、古株からヒコバエ(シュート)を伸ばし、数年後に再度、梁材の収穫を行なうもので、収穫までの期間で細いヒコバエを細い建材や薪として販売している。特に、ハッタイの植林区で目に付くのは、枝先の細い枝も集められて、焚き付け用の薪として販売をしていることが上げられる。

落枝も薪として集められているため、林内はきれいに片付けられ、美林として維持されている。

林産物を無駄なく利用し、それを生活の糧としてさらに植林を続けてゆくスタイルは、遊牧民と言うより「林業家」といえる。そこで、林産物の更なる有効利用として炭焼を取り入れることは、この植林区の経営基盤をより安定したものになると考えられる。


ハッタイのユーカリ林


ハッタイのユーカリ林


集められた薪の山


集められた薪の山

(2)窯作りの問題

今回の炭焼は、ティンナイシャで炭焼をする計画であったことから、ティンテールでの炭焼は補足的なもので、炭窯作りを含めて4日間であった為、限られた時間で手に入る資材が第一条件となった。日干しレンガで居住する村や町では補修用の日干しレンガがストックされているが、砂の中でテント(ブグー)を住居としている村では、1〜2棟のタガシャント(日干しレンガの建物)があっても予備の日干しレンガのストックは手に入らない。

ティンテールも、後者の村で日干しレンガのスットクは手に入らない。

現場で日干しレンガを作る場合、水と粘土が条件となり、また、レンガの完成後、長距離の輸送が難しいため、できるだけ近くで作成する。家を建てる場合、粘土をロバで水をドラム缶などに詰めて運びその場所で日干しレンガを作り、乾かして使用している。

炭窯の場合も、100ヶ程の日干しレンガ(ティンナイシャ様)が必要になるが、その場で日干しレンガを作ることが望ましい。しかし、レンガの乾燥まで含めると日干しレンガの作成には1週間ほどの時間が必要になる。

ティンテールでは、日本で試験したドラム缶での炭焼となった。

直径10cmの鉄管を持っていたので、これを煙突として、ドラム缶をタガネで切断し、蓋の一部を切り取り、焚き口とした。また、焚き口にはセメントブロックを積んで作った。

作業は、約3時間で窯を完成させられた。


ドラム缶窯


窯焚き


窯焚き


窯出し

(3)製炭(カマダキ)

ここでの炭材はユーカリを使用した。プロソピスに比べ刺が無く、材も真直ぐで扱いやすく、炭焼作業のことだけ言えば、効率的な作業が進められる。特にハッタイのユーカリ林では、更新林の無駄なヒコバエ(シュート)が刈り取られ、すでに集められ整理されていることもあり、炭材を切り出す手間が無く、短時間での炭焼を可能にした。

集められた炭材を70cmに切りそろえて、ドラム缶窯に詰める。

炭材を煙道の上に並べるため、短めの炭材を枕木として横に渡し、その上に炭剤を並べた。

炭材間の隙間をなくすため、最後の数本の炭材は狭い隙間にたたき込んで、ぎちぎちの状態につめる。

ドラム缶の蓋を閉めて、焚き口をセメントブロックで作り、蓋や焚き口の隙間を粘土で塞いで炭窯の準備を終える。

ドラム缶の保温の意味で、1/3ほど土に埋められているため、焚き口も掘り下げてある為、焚き口での薪の燃焼に手間を取り、さらにすぐに焚き口がオキや燃えさしでつまり、窯内部へ熱が入らずに、窯の温度上昇がうまく行かない状態が続く、1回目の製炭は12時間を要したが、炭材の2/3ほどの炭が出来、残り1/3は生木の状態だった。

2回目はさらに焚き口を掘り下げ、大きなスペースを作り、カマダキが順調に進むように改良する。6時間の製炭時間で炭材の80%が完璧な炭となったが、残り20%はではタール分が残り、煙の出る炭となってしまった。これらの不完全な炭は窯の底部であり、ドラム缶窯の場合、日干しレンガの窯に比べて保温が悪く、炭化の最後(窯の底部)で温度が下がり、炭化の最後の段階でタール分の分解がうまく行かなかったと思われる。