145回-参-予算委員会-19号 1999/07/19 平成十一年七月十九日(月曜日)    午前十時開会     ─────────────    委員の異動  七月十六日     辞任         補欠選任      阿南 一成君     加納 時男君      脇  雅史君     佐々木知子君      渡辺 孝男君     高野 博師君      宮本 岳志君     池田 幹幸君      菅川 健二君     山崎  力君  七月十九日     辞任         補欠選任      市川 一朗君     山下 善彦君      斉藤 滋宣君     森下 博之君      森山  裕君     岸  宏一君      福山 哲郎君     円 より子君      松 あきら君     浜田卓二郎君      小泉 親司君     小池  晃君     ─────────────   出席者は左のとおり。     委員長         竹山  裕君     理 事                 鴻池 祥肇君                 長谷川道郎君                 林  芳正君                 矢野 哲朗君                 今井  澄君                 平田 健二君                 山下 栄一君                 笠井  亮君                 大渕 絹子君     委 員                 市川 一朗君                 岩井 國臣君                 大野つや子君                 岡  利定君                 加納 時男君                 狩野  安君                 金田 勝年君                 岸  宏一君                 佐々木知子君                 斉藤 滋宣君                 常田 享詳君                 溝手 顕正君                 森下 博之君                 山下 善彦君                 依田 智治君                 吉村剛太郎君                 海野  徹君                 江田 五月君                 小川 敏夫君                 郡司  彰君                 内藤 正光君                 広中和歌子君                 円 より子君                 簗瀬  進君                 加藤 修一君                 高野 博師君                 浜田卓二郎君                 池田 幹幸君                 小池  晃君                 須藤美也子君                日下部禧代子君                 照屋 寛徳君                 入澤  肇君                 月原 茂皓君                 奥村 展三君                 山崎  力君                 西川きよし君    国務大臣        内閣総理大臣   小渕 恵三君        法務大臣     陣内 孝雄君        外務大臣     高村 正彦君        大蔵大臣     宮澤 喜一君        文部大臣        国務大臣        (科学技術庁長        官)       有馬 朗人君        厚生大臣     宮下 創平君        農林水産大臣   中川 昭一君        通商産業大臣   与謝野 馨君        運輸大臣        国務大臣        (北海道開発庁        長官)      川崎 二郎君        郵政大臣     野田 聖子君        労働大臣     甘利  明君        建設大臣        国務大臣        (国土庁長官)  関谷 勝嗣君        自治大臣        国務大臣        (国家公安委員        会委員長)    野田  毅君        国務大臣        (内閣官房長官)        (沖縄開発庁長        官)       野中 広務君        国務大臣        (金融再生委員        会委員長)    柳沢 伯夫君        国務大臣        (総務庁長官)  太田 誠一君        国務大臣        (防衛庁長官)  野呂田芳成君        国務大臣        (経済企画庁長        官)       堺屋 太一君        国務大臣        (環境庁長官)  真鍋 賢二君    政府委員        内閣審議官        兼中央省庁等改        革推進本部事務        局長       河野  昭君        内閣官房内閣内        政審議室長        兼内閣総理大臣        官房内政審議室        長        竹島 一彦君        内閣法制局長官  大森 政輔君        内閣法制局第一        部長       秋山  收君        人事院総裁    中島 忠能君        警察庁長官官房        長        野田  健君        金融監督庁長官  日野 正晴君        総務庁長官官房        審議官      久山 慎一君        総務庁人事局長  中川 良一君        総務庁行政管理        局長       瀧上 信光君        防衛庁長官官房        長        守屋 武昌君        防衛庁防衛局長  佐藤  謙君        防衛庁運用局長  柳澤 協二君        防衛庁装備局長  及川 耕造君        経済企画庁調整        局長       河出 英治君        経済企画庁国民        生活局長     金子 孝文君        経済企画庁調査        局長       新保 生二君        科学技術庁科学        技術政策局長   青江  茂君        科学技術庁研究        開発局長     池田  要君        科学技術庁原子        力安全局長    間宮  馨君        環境庁長官官房        長        太田 義武君        環境庁企画調整        局長       岡田 康彦君        環境庁大気保全        局長       廣瀬  省君        環境庁水質保全        局長       遠藤 保雄君        法務大臣官房司        法法制調査部長        兼内閣審議官   房村 精一君        法務省刑事局長  松尾 邦弘君        法務省人権擁護        局長       横山 匡輝君        外務大臣官房長  浦部 和好君        外務省アジア局        長        阿南 惟茂君        外務省経済局長  大島正太郎君        外務省条約局長  東郷 和彦君        大蔵大臣官房長  林  正和君        大蔵大臣官房総        務審議官     原口 恒和君        大蔵省主計局長  武藤 敏郎君        大蔵省主税局長  尾原 榮夫君        大蔵省金融企画        局長       福田  誠君        文部大臣官房長  小野 元之君        文部省生涯学習        局長       富岡 賢治君        文部省初等中等        教育局長     御手洗 康君        文部省教育助成        局長       矢野 重典君        文部省高等教育        局長       佐々木正峰君        文部省学術国際        局長       工藤 智規君        厚生大臣官房総        務審議官     真野  章君        厚生省生活衛生        局長       小野 昭雄君        厚生省社会・援        護局長      炭谷  茂君        厚生省老人保健        福祉局長     近藤純五郎君        厚生省児童家庭        局長       横田 吉男君        厚生省年金局長  矢野 朝水君        社会保険庁次長  宮島  彰君        農林水産技術会        議事務局長    三輪睿太郎君        通商産業省通商        政策局長     今野 秀洋君        通商産業省産業        政策局長     江崎  格君        通商産業省環境        立地局長     太田信一郎君        通商産業省機械        情報産業局長   広瀬 勝貞君        資源エネルギー        庁長官      稲川 泰弘君        中小企業庁長官  鴇田 勝彦君        海上保安庁長官  荒井 正吾君        郵政大臣官房長  松井  浩君        郵政省通信政策        局長       有村 正意君        労働大臣官房長  野寺 康幸君        労働大臣官房政        策調査部長    坂本 哲也君        労働省女性局長  藤井 龍子君        労働省職業安定        局長       渡邊  信君        労働省職業能力        開発局長     日比  徹君        建設大臣官房長  小川 忠男君        建設大臣官房総        務審議官     林  桂一君        建設省建設経済        局長       風岡 典之君        建設省河川局長  竹村公太郎君        自治省行政局長        兼内閣審議官   鈴木 正明君        自治省行政局選        挙部長      片木  淳君        自治省財政局長  二橋 正弘君    最高裁判所長官代理者        最高裁判所事務        総局民事局長        兼最高裁判所事        務総局行政局長  千葉 勝美君    事務局側        常任委員会専門        員        宍戸  洋君     ─────────────   本日の会議に付した案件 ○平成十一年度一般会計補正予算(第1号)(内  閣提出、衆議院送付) ○平成十一年度特別会計補正予算(特第1号)(  内閣提出、衆議院送付)     ───────────── <0001>=委員長(竹山裕君)= ただいまから予算委員会を開会いたします。  平成十一年度一般会計補正予算(第1号)、平成十一年度特別会計補正予算(特第1号)、以上二案を一括して議題とし、前回に引き続き、質疑を行います。長谷川道郎君。 <0002>=長谷川道郎君= おはようございます。自由民主党の長谷川道郎でございます。  本予算案に関連いたしまして、冒頭、少子化対策についてお伺いいたしたいと存じますが、その前に一点、総理に御感想というかお考えを承りたいと存じます。  七月十六日の本委員会の質疑におきまして、総理は北欧の例を挙げられまして、少子化対策について極めて示唆に富んだ御答弁がございました。私自身、以前から不思議だなと思っておったことがございますので、この点、一点お伺いをいたしたいと存じます。  七月十三日、代表質問におきまして、我が党の中曽根議員が、若い人が子育てに積極的な意味や価値を見出せなくなったという基本的な問題を十分検討し、分析しなければならないというくだりがございました。人は子孫を残したい、子供に幸せになってもらいたいというのは、極めて自然な考えであると思うんです。なぜ人間がそう考えるかと言われても、それは人間のDNAがそういうふうにプログラムをされていると言うしか言いようがないと思うのでありますが、どうも最近、日本には新しい人類が出現したのではないかというような感じがいたします。  総理府の少子化意識調査によれば、結婚しても子供は要らない、子供が欲しくないという回答が三十歳以下の男性では一三%、女性に至っては二〇%の女性がそういうふうに考えていらっしゃる。同様のNHKの調査におきましても、今の生活が充実をしているから子供は要らない。言ってみれば、うがったというか悪く言えば、今の自分たちの生活のためには子供が邪魔になるということではないかと思うのであります。  もちろん、子供を産むか産まないかは、かかって個人的な問題であります。私も三人の娘がおりますが、私は子供を溺愛いたしております。子供が要らない、欲しくないというのは、私にとっては理解できないわけでありますが、そういう皆さんのお考えはお考えとして、私の世代ではどうも理解ができないわけであります。  少子化対策の質疑に先立ちまして、日本人のDNAが変わったのかどうかわかりませんが、特に若い女性に子供が欲しくない、子供が要らないという考えが多くなっている。これについて、御答弁というよりは総理の御感想、文部大臣も御感想がございましたら、ぜひ承りたいと存じます。 <0003>=国務大臣(小渕恵三君)= 子孫を残すということは、人類のある意味では生存の本能かもしれませんが、現下、日本におきまして非常に少子化が進んでおるという、原因は申すまでもありませんが、子供さんを産まない、こういう現象がますます大きくなってきております。  原因をたどればいろいろあるんでしょうけれども、昔のように、当然結婚して子供をもうけて子孫を残して、そしてまたそれを慈しみ、またそうした子供も親を敬い、そしてそうしたサイクルの中で、おのおのの人生もそうでありますが、国自体もそうした人口構成の中で存立してくるというパターンだったと思いますけれども、今御指摘のように、最近、若い夫婦の間で子供が大変生まれてこないという状況は、そういう人たちが、みずからの生活を楽しむという風潮もさることながら、やはり子供さんが生まれて、その後の子供の成長の中で、社会的風潮の中でいろいろ悲劇やその他がたくさん示されて、家庭内暴力とかいろいろのことが起こってきているということで悪い面が非常に強調されるものですから、なればあえて子供さんを産まなくてもよろしいというような風潮もできているんではないかなという気がいたしております。  先般も御答弁の中で北欧の例を申し上げましたけれども、やはり生活が非常に安定してきて、そして若い時代でなくてむしろ三十代、四十代に子供さんが生まれ、そしてそのことを通じて本当の意味での幸せというものをつかみ取ろうという風潮が、あの社会保障制度が完備されていると言われる北欧に出てきておるというようなことを考えますと、日本としても、やはり世の中をそういうふうな安定的な姿に持っていくことが、政府としてはそういう姿にするためのあらゆる努力を講ずることでございますけれども、同時に若い人たちにも、みずからの生活を追求するということと同時に、本当の意味の幸せというものは、先ほど申し上げたような北欧の例みたいな形で、やはり望んで子供さんが生まれてくるようなお気持ちを持てるようになることが望ましいのではないか、こう考える次第でございます。 <0004>=国務大臣(有馬朗人君)= 子供たちを安心して育てるという環境をつくり出すことが一番大切だと思っております。  一つは、男女共同参画時代がいよいよ実現しておりまして、特にお母さんたちが安心して子育てができるような環境ということが重要だと思っています。例えば、保育所の充実であるとか幼稚園の充実というふうなことが極めて喫緊の課題かと思っております。そして、若者が家庭や子育てに希望や夢を持てる、そういう環境を整備していかなければならないと思っているわけであります。特に、子供たちの教育にあずかっております文部省として最も重要な課題は、そういうふうに若者が安心して子供を育てる環境を整備していくことだと思っております。  具体的には、例えば親が安心して子育てに取り組めるように、乳幼児や小中学校等の子供たちを持っているすべての親に対しまして、参考になるような家庭教育手帳であるとかノートを配付するという努力をさせていただいている次第でございます。  それから、もう一つ重要なことというのは、やはり地域社会全体が子供たちに対して愛情を持って見守って育てていくという環境をつくっていくことであろうかと思っている次第でございます。そういう意味でも、社会教育において子育ての意義や楽しさを啓発するリーフレットを作成いたしまして、成人式などの機会を活用して、これから親となる若い男女に配付することといたしております。  こういうふうに、大いに文部省といたしましても、親が安心して子育てができるようなことを検討しているところでございます。  そして、もう一つ重要なことは、何といっても教育に余り費用がかからないようにしていかなければならない。そのためには、さらに奨学金を促進するというふうなことを考えているところでございます。 <0005>=長谷川道郎君= 総理、文部大臣、大変ありがとうございました。  それでは、本補正予算関連の少子化対策事業についてお伺いをいたします。  厚生大臣、少子化は、もちろん私が申し上げるまでもなく社会的、経済的に極めてドラスチックな変化をこれから日本に及ぼす大変重要な問題でございます。先ほど申し上げましたように、子供を産むか産まないかは、それはもちろんかかって個人的な問題でありますが、人口政策、社会政策という意味では極めて緊急的な国家的な課題であるわけでございます。  よくアンケートを見ますと、子供は何人欲しいか、私は二人欲しい、三人欲しいと。若い御夫婦に子供が何人欲しいかというふうなアンケートが出ますと、大概二人、三人と答える。平均理想子供数が三・一人だそうであります。子供を産みたい数が三・一人でありますにもかかわらず、実際生まれてくる出生率が一・三九人。このギャップは何か。これも申し上げるまでもなく、今、総理、文部大臣から御答弁がありましたいろいろ社会的な影響、問題がある。子供が三人欲しいのに、実際は一人しか産まない。それが社会的な原因であるとすれば、それはかかって政治的な責任というか政治的な問題だと思うわけであります。  まず、厚生大臣、第一問といたしまして、本補正予算で雇用・就業機会創出のため少子化対策事業として二千億円を計上いたしました。この特例交付金の政策的な意図並びに期待するところは何であるかをお伺いいたします。 <0006>=国務大臣(宮下創平君)= 今回補正で計上いたしております特例交付金は、一つは、少子化対策の呼び水といたしまして保育所の待機児童の解消を図るということ。そして、市町村等がその創意工夫を生かして地域における少子化対策に取り組めるようにしたいという市町村の自由な発想を尊重した対応をしたいということ。それから三番目は、今回の補正全体がそうでございますが、雇用・就業機会の創出に資することを目的としたものでございます。  私どもとしては、この特例交付金によりまして、今までエンゼルプランをつくりましたり、あるいはその中で緊急保育対策等五カ年計画によって施策の推進を図ってまいりましたが、こうした効果と相まちまして、待機児童の解消に資するなど、地域におきまして子育てをしやすい環境整備が一層図られるとともに、雇用・就業機会も創出されるものというように考えて御審議をお願いしているところでございます。 <0007>=長谷川道郎君= 今、厚生大臣の御答弁にもございましたが、地方の自由な発想、いわば国の押しつけにならない地方の極めて独創的ないろいろなアイデアを出していただくということであります。それについて、厚生省が幾つかその事業の例示として挙げていらっしゃいます。この例示の文書は後で今井理事がお配りになるそうでありますので、委員の皆さん、今井理事の御質問のときに御参照いただきたいと思うのであります。  この例示によりますと、地方がこの予算で執行する事業が、少子化対策キャンペーン、幼児教育シンポジウム、作文コンクール、家族運動会という例示がございます。別にこれで作文コンクールや運動会をどんどんやりましょうということではもちろんないわけでありますが、私は、二十項目の例示がございますが、予算の執行、特にこういう緊急対策の場合は集中、大量というのが一つの条件になると思うんです。ちょっとオプションが広過ぎるのではないかと思うのでありますが、もちろん地方の独自性は重要なことでありますが、もうちょっと政策的に的を絞るべきではないかと思いますので、厚生省でこの例示のような各事業、一定のガイドラインを設定されるおつもりはございませんでしょうか、お伺いいたします。 <0008>=国務大臣(宮下創平君)= ただいま申しましたように、今回の特例交付金というのは、市町村がみずから知恵を出していただくということで、その創意工夫を生かして少子化対策に取り組むということが目的でございます。  今お尋ねの二十項目につきましては、これは例示として資料として提出させていただいておりますけれども、私どもとしては、本制度の執行に当たりまして作成する要綱で、委員の今おっしゃられるような制度の基本的な考え方あるいは制度の趣旨から交付対象としない事業など、本制度の大枠とともに典型的な事例等についてお示しをする予定でございます。例えば、この中では個人に金銭を支給するようなことはもちろん含まれておりません。  そこで、私どもとしては、補正予算が成立後速やかに全国会議を開催いたしまして、本事業の趣旨や内容の徹底を図るということと、それから市町村の取り組みの参考となる少子化問題全般にわたります情報提供等も行っていきたいと思っておりまして、この特例交付金が私どもの意図しているような方向で適切、有効に活用されることを期待しているわけでございます。 <0009>=長谷川道郎君= 総花的なことも必要な場合もあるかもわかりませんが、今回はあくまでも緊急的、臨時的な措置ということでありますので、冒頭申し上げましたように、ぜひある程度的を絞ったガイドラインというのが必要なんじゃないかなというふうな感じがいたします。(資料配付)  今、お配りいただいた資料をごらんいただけるとおわかりになると思うんですが、この例示を別紙で二十項目つくられた方は非常に善意あふれる方だと思うんでありますが、民間では恐らくこういう企画書は通用しないと思うんです。私のささやかな知識でも、補正予算というのは緊急的、臨時的に執行しようというものでありますので、緊急的、臨時的な補正予算が作文コンクールだとか運動会というのはちょっと納得できないわけであります。厚生大臣は今介護保険で大変御活躍でございますので余り大きな声では申し上げませんが、小さな声で申し上げまして、次の質問に移らさせていただきます。  次は、児童手当の問題であります。  今、国会内でも少子化対策議員連盟、また各党でも少子化対策のいろいろなプランを検討中でございますが、一つには児童手当の問題が話題になっております。現在、第一子には五千円、第二子には五千円、第三子には一万円の児童手当が支給されているわけであります。  国が子育ての金銭的な面をサポートしようということであれば、それは五千円でも一万円でも意味があるかとは思うのでありますが、政策として、少子化対策という面での効果という点は非常に薄いのではないかと思うんです。例えば、子供を産めば五千円もらえる、五千円もらえるからもう一人子供をつくろうかしらという方は恐らく日本じゅうにどなたもいらっしゃらないと思うんです。そういう意味では、少子化対策のインセンティブとしては、先ほど申し上げた財政的に、金銭的に援助しようということではいいかもわかりませんが、政策としてのインセンティブというのは私は極めて疑わしい。  もう一点、私は民間の出身でありますが、この児童手当というのは、本則でいいますと七〇%が事業者の負担、国が二割、地方が一割、児童手当制度というのは七割が民間の拠出にあるわけです。品のない言葉で言えば、人のふんどしで相撲をとるというような感じがいたすわけでありますが、児童手当制度の政策的な効果はどういうところにありますか。厚生大臣にまずお伺いいたします。 <0010>=国務大臣(宮下創平君)= この児童手当につきましては、現行の制度は、第一子、第二子に五千円、第三子以降に一万円を月に支給するということになっておりまして、対象児童としてはゼロ歳児から三歳未満ということで、約二百五十万人の児童に支給されております。  この制度は、四十七年に創設されておりますけれども、子育てを行う家庭の生活の安定ということが一つでございますし、それから児童の健全な育成及び資質の向上を目的として、義務教育修了前の第三子以降を対象として四十七年につくられましたが、その後対象をどんどん制限してまいりまして、就学前になり、さらに三歳児以下にするということで手当額も倍増する、このような経過をたどってきております。  なお、今御指摘のように、国の支出分が割合に少なくて、企業の負担を求めております。これは特別会計で収受してそれを支出しておりますが、こうした制度がございますので、私どもとしては、この児童手当制度の政策効果は、全く一つの政策だけで本当に少子化対策がいいということはございませんけれども、かなりな効果を示しているものと私どもは思っておりますが、なお今後検討する課題だというように存じております。 <0011>=長谷川道郎君= ただいまの御答弁の最後に、今後検討というお話がございました。申し上げましたように、少子化対策のインセンティブとしては、五千円、五千円、一万円というのは金額的には極めて些少ではないかと私は思うんです。  例えば、外国では、第一子には支給しないが第二子から支給するという国、フランスやヨーロッパ諸国ではそういう国がございます。単に金額をふやすというだけではなくて、やっぱりそういう支給制度そのものを今後考え直さなければならないと思うのでありますが、その点について、先ほど今後検討する余地があるとおっしゃいましたが、私も全くそのとおりだと思いますし、もしも検討するとしたらどういう点を検討されるのか。 <0012>=国務大臣(宮下創平君)= この点につきましては、諸外国の例も引用なさいましたが、諸外国では賃金体系がある程度の水準でフラット化しておるというような事情もございます。我が国の場合は、年功序列的な賃金体系になっておるというような点もございまして、所得税で扶養控除をどうするかという問題と非常に関係しておりまして、いろいろの見解はございますけれども、私どもとしては、公党間でこの検討会も約束をされておりますので、税のあり方を含めまして今後その改善について検討すべきものというように理解をしております。 <0013>=長谷川道郎君= 次に、私どもよく地元で、保育所の問題で一番多く伺う御要請の事項の中で、保育料が高過ぎるというお話がございます。厚生省にちょっとお伺いしますが、議論のデータとして第四分類、第五分類の推定所得と保育料はどのぐらいになりますか。ちょっとお教えいただけますか。 <0014>=国務大臣(宮下創平君)= この保育料の徴収基準額の表でございますが、十分類を七分類にいたしてございます。そのうちの第四階層と第五階層についてのお尋ねでございますが、推定年収四百三十一万円で三歳未満と三歳児以上とに分けられておりまして、第四階層では三歳未満児は三万円、それから三歳児以上は二万七千円ということになっております。それから第五階層は、推定年収が五百七十三万円でございまして、三歳未満児は四万四千五百円、それから三歳児以上は四万一千五百円ということになっております。 <0015>=長谷川道郎君= 今お話がございましたように、第四分類で年収四百三十一万円、月額保育料負担が、今の例えばの話でありますが、第一子、第二子合計で五万七千円、月収三十数万円の家庭で五万七千円の保育料負担、それから第五分類でも、私の計算では四十四万五千円の月収でありますが、保育料が八万円云々と、極めて急な傾斜になっております。これはほかに地方ではそれぞれ手当てをしているということでありますし、また児童福祉法改正の国会決議も絡む問題でありますが、いかにもこの傾斜が極めて厳しい。  本来、所得政策というのは年金制度や生活保護や税制で所得制度を考えるべきで、保育所の保育料で所得政策をお考えいただくというのはいささか納得ができないと思うのでありますが、今後この極めて過重な傾斜について是正される御意向はおありかどうか、お伺いいたします。 <0016>=国務大臣(宮下創平君)= お尋ねの第四階層、第五階層については数字でお示しいたしましたが、十段階から七段階にするということは、そういう今御主張のような御趣旨で緩和していこうというあらわれであると私どもは理解しております。  それからもう一つは、子供二人が両方とも保育所を利用されている場合は、一方の子供にかかわる保育料は半減する、しかも第三子以降は九割を減ずるというようなことによりまして、たくさん子供をお持ちの方々の負担はなるべく少なくして少子化対策に資するようにしておるということでございます。 <0017>=長谷川道郎君= 今、厚生大臣からお話しありましたように、さっき申し上げましたのは本則の話で、今ほかに別途いろいろ手当てされていらっしゃるわけでありますが、それにしてもかなり傾斜が厳しいというのが実情でございます。ぜひ今後御検討をいただきたいということをお願い申し上げまして、次の質問に移らせていただきます。  先般のガイドラインの質疑の中で幾つかの問題が積み残しになっております。一番大きな問題は船舶検査の問題だと思うのでありますが、船舶検査がペンディングになっている状況について、防衛庁長官、いかがお考えでございますか。 <0018>=国務大臣(野呂田芳成君)= 委員御承知のとおり、政府としては船舶検査活動についてガイドラインの実効性を高めるためにぜひ必要であるという考えのもとで法案に盛り込んだところでありますけれども、この問題につきましては、法案の修正協議の際に三会派間でぎりぎりまで協議された結果、最終的には協議が調わないで今国会中にも別途立法措置をとるという前提で削除されたところでございます。  私としましても、この船舶検査活動はぜひ必要なものと考えますので、できるだけ早く三会派間での協議が調いまして新たな立法措置が講じられることを強く期待している次第でございます。 <0019>=長谷川道郎君= お話しのように、今各党協議の場に移っておりますので防衛庁としては御発言しにくいと思うのでありますが、極めて重要なガイドラインの三本の柱のうちの一本でございますので、このままというわけにはまいらないと思います。今後ともひとつぜひ積極的にお取り組みをいただきたい。  同様な問題で、海上警備行動の法制度充実という問題がございました。三月二十四日、我が国で初めて自衛隊法八十二条による海上警備行動が発令されました。その結果、いろんな面で、例えば装備の問題、ROEの問題等で大変大きな問題が幾つか浮かび上がってまいりました。  あのときはたまたま自衛隊による極めて適切というか、ある意味では自衛隊による先制攻撃というか、結果的には極めていい対応であったわけであります。いい対応というのは、たまたま執行命令が出るときに自衛艦が訓練のために出撃を整えておった、第六航空団のF15が訓練のために飛行しておったら、たまたまその下が問題の海域であったというふうな、極めてうまいぐあいの対応をしていただいたわけであります。しかし、この次もそういうふうにうまいぐあいに対応するというわけにはいかないと思うんです。  海上警備行動の幾つかの問題点が浮かび上がってきたことにつきまして、海上警備行動の今後の充実という点につきまして、防衛庁は現在どのように御検討されていらっしゃるか、お伺いいたします。 <0020>=国務大臣(野呂田芳成君)= 海上警備行動のあり方につきましては、さまざまな御議論が出ているわけでありまして、例えばせっかく相手の船に乗り込んでも、警職法の準用で自衛隊が活動するわけでございますが、行政警察権しかなくて司法警察権がないという前提で相手方を逮捕することが不可能であるとか、あるいは武器を使うことはできても、相手に危害を与えるという点では正当防衛か緊急避難等の場合にしか危害を加えられない、こういうことになりますので、いろいろな不十分さがあることは事実であります。  しかしながら、そういうことでそれらの問題は検討課題の一つであるというふうには考えられますけれども、まず政府としては現行の法制度のもとで最善の努力を払うのが至当であるというふうに考えまして、先般、内閣において取りまとめた不審船事案に対する教訓、反省の事項が整理された次第でございます。  こういう事態に基づいて、私どもも今、現行法で自衛隊としてはどういう行動がとれるかということを詳細に検討を加えておりまして、何とか先般よりはうまい対処の仕方をやらなきゃいかぬ、こういうふうに考えております。  御承知のとおり、海上警備の問題は、まず第一義的には海上保安庁の問題でありまして、私ども自衛隊が出動する場合は、海上保安庁では対応が不可能であるか、あるいは著しく困難な場合に限定されておるわけでありますから、そして内閣総理大臣の承認を得て行うということになっておりますから、この制度を尊重しながら海上保安庁と密接に連携をして不審船事案に適切に対処してまいりたい、こう考えておる次第でございます。 <0021>=長谷川道郎君= 海上警備行動の問題につきましては、内閣の承認の手続の問題、それから今お話のございました警察権の問題、ROEの問題、海保との問題、たくさんの問題がそのまま積み残しになっております。  例えば、きょう現在、もう一遍同じような事件が起きれば、また現場の自衛隊の皆さんひとつよろしくお願いしますということになると思うのでありますが、長官、今お話のございましたように、問題点はもちろん整理されているわけでありますので、ぜひ積極的なお取り組みをお願い申し上げたい。  なお、同様のことでありますが、有事法制についてでございますが、ガイドラインの審議に際しまして一つだけはっきりしたのは、日本の国内の法制が極めて不十分である。本来であれば、国内法制を整えた後に初めてガイドラインであり、初めてACSAであるはずなのが逆転をしておったということであります。今回のガイドラインの成立によって周辺で米軍との共同行動ができるようになったわけでありますが、国内で米軍と共同行動するということは今のところ法制上できないというおかしな現実にあるわけです。  危機が起こらなければ何もできないが、危機が起これば一発で解決してしまうということでは、これも相済まないわけです。かつては有事法制のユと言っただけでもハチの巣をつついたような大騒ぎになったわけでありますが、最近は有事法制というのが極めて冷静に語られるようになってきたのは非常にいいことであると思うんです。  自衛隊による災害出動ももちろん大切なことでありますが、日本にとって最大の災害は外国からの侵略であるわけです。それを未然に防ぐ抑止力の機能を万全にするためにも、国内法制、まあ有事法制と言うかどうかわかりませんが、国内の法制を整えることが私は納税者に対して責任を果たすことであると思うのであります。  防衛庁長官、これもちょっとお答えになりづらい問題かもわかりませんが、国内法制の整備について研究をしていらっしゃるようでございますが、その状況についてまずお伺いいたします。 <0022>=国務大臣(野呂田芳成君)= 今、長谷川委員から御指摘ございましたとおり、防衛出動の発令をいたしましても、国内法の整備が行われていないのでなかなか十分に防衛出動の任務を果たせないという点があります。  例えば現行法では、よく指摘されますとおり、海岸に相手が上陸しようとしているわけで、海岸に簡単な陣地を構築しようとしても、海岸法や自然公園法等の制約で許可をとるのに数週間かかるという制約がございます。また、簡単な指揮所をつくろうと思っても基準法でやはり数週間の許可が必要だということになります。そういうことで、防衛出動がなされても動かないという様相がございます。また、防衛出動がなされても米軍とのかかわり合いはどうなるのかという問題もありまして、そういうことの整備が必要だということは皆様が御承知のとおりであります。  私どもは昭和五十二年から二十二年間この問題について研究してまいりましたが、あくまでも政府の立場としては研究であって立法の準備じゃないという制約がございますので、もう既に二十二年間やっているわけで、私がこの国会で既に一貫して答弁しておりますことは、できるならば立法化が望ましいということを答弁してまいった次第でございます。  一方、総理がこの問題に対して終始一貫申し上げておられますことは、現実に法制化を図ることは高度の政治判断にかかわる問題であり、今直ちに法制化することは考えているわけではないが、政府としては、有事法制は重要な問題と認識しており、国会における御論議、国民世論の動向を踏まえて適切に対処してまいりたい、こういう御答弁を総理は終始一貫して申し上げているところでありまして、私どももこの総理の御答弁の方向に従って対処してまいりたい、こう考えておるところであります。 <0023>=長谷川道郎君= 今、総理の御答弁の引用がございまして、防衛庁長官もしばしばお答えになっていらっしゃいますが、立法が望ましいという今お話もございました。しかし、中には研究であり立法じゃないというお話がございますが、研究はするけれども立法はしないんだったらば、聞きようによっては国内法制は要らないというふうに聞き取れないこともないわけであります。  先ほど申し上げましたように、さきの不審船事案でも自衛隊が極めて前へ前へと行動していただいたおかげでああいうことになったわけでありますが、これは現場任せのシビリアンコントロールで、現場の皆さんよろしくお願いしますということであればシビリアンコントロールにならない。また、いざとなれば超法規でやればいいやというようなことではこれも相済まないわけであります。  ぜひ、今の防衛庁長官のお話にもございましたようなことでお取り組みをいただきたいというふうに思うわけであります。  次に、経企庁長官にお伺いいたしますが、先般の新聞報道によりますと、経企庁ではGDP統計の方式を変更するというお話がございました。これについてちょっと御説明をお願い申し上げます。 <0024>=国務大臣(堺屋太一君)= 御指摘のGDP統計の新方式の採用でございますが、一九九三年に国際連合において定められた国民統計計算の新たな体系、これを93SNAと呼んでおりますが、これを我が国においても来年の十月を目途に採用したいと考えております。  この新しい93SNAへの移行の内容といたしましては、基本的に、経済のソフト化、金融市場の進展、グローバリゼーションの進展など、経済構造のソフト化、大きな変化に対して対応するような国民経済計算の計算方法でございます。  かなり専門的な部分を含んでおりますので、もしさらに詳しいことが必要でございましたら政府委員に答弁させます。 <0025>=政府委員(新保生二君)= 内容は大臣から今御説明があったとおりでございますが、特にGDPへの影響の大きい変更について申し上げますと、例えば無形固定資産という概念を導入したという点でございます。例えば、コンピューターのソフトウエア等、これも無形固定資産として総固定資本形成の中に入れ込むということになります。この部分が投資の金額が膨らむという形になります。  それからもう一つは、政府の行っております公共投資で道路、ダムをつくった場合、これは補修等必要な経費がかかるわけですけれども、新たに減価償却費を統計でもちゃんと把握するということになりまして、この部分がまた政府消費の金額を膨らませるという形で、全体としてGDPは若干、三%弱ぐらい大きくなるという形の影響が出てくるかと思います。 <0026>=長谷川道郎君= では、事務方にお伺いいたしますが、先ほど大臣の御答弁で明年十月から導入というお話でございました。しかし、導入するとしたらFY、会計年度主義ではないかと思うのであります。なぜ十月なのか。  もう一点、公共事業の償却を政府消費として計上するというお話でありますが、私は企業会計しかわかりませんが、企業会計の減価償却の考え方というのは、減価償却をしますと償却資産が減るわけです。そして、その減った減価償却分を損金算入して経費から落とす。ということは、企業にとって再投資を準備するという意味での減価償却なわけでありますが、その企業会計上の考え方と国の会計法上の考え方というのは違うんでしょうか。ちょっとお伺いします。 <0027>=政府委員(新保生二君)= まず、導入時期の点でございますが、鋭意作業を行いまして、十二年の十月末を目途に公表する予定でございます。この際には、名目値、実質値とも平成二年から平成十年までの統計を新たな概念で公表するというふうに考えております。  それから、政府の減価償却の点でございますが、これは政府関係が持っておる資産、ダムとかあるいは道路等の資産につきましても当然に年々減価償却費が要るわけでございます。この部分は今までのところはGDP概念に捕捉されていませんでしたが、これも政府支出の一部である、費用であるというふうに考えて政府支出の金額をその分だけ膨らませるということでございます。 <0028>=長谷川道郎君= この計算方式ではGDPが実質的に三%はねるのだそうでありますが、それで公約を達成すると言うつもりはもちろん全然ないでしょうけれども、新聞発表では極めて小さな記事でしかなかったのですが、しかし大きな問題だと思いますので、ぜひ今後もうちょっと御説明をいただければと思います。 <0029>=国務大臣(堺屋太一君)= 先ほど政府委員が申しましたように、これを発表するときには平成二年にさかのぼって同じ方式のものを発表し、それから旧方式のものを両方発表いたしますから、伸び率の計算とかいうのは前年との対比で修正して見ることができますから、方式が変わりましても、それが今言っております経済の伸び率とかそういうことには関係ございません。 <0030>=長谷川道郎君= それでは最後に、建設大臣にお伺いいたします。  先般も広島で災害が起こりました。私の地元新潟県もほぼ毎年災害が繰り返されている。災害の現場に行きますと、毎年ほぼ、毎年というか何年か置きに起こる災害がほぼ同じ場所で起きています。特に河川の災害は、例えばヘアピンになったヘアピンの一番その突端で毎回同じ災害が起きる。市町村の担当者の皆さんに、こんな小さい川だったらショートカットをするのは簡単だから、ショートカットをしたらどうですかと申し上げると、よく市町村の担当者の皆さんは、いや、災害復旧というのは原形復旧が原則で余計なことをすると建設省にしかられるんですよということを言うんです。そんなことはないことは私もわかっているんです。わかっていますが、ただ市町村にすれば、原形復旧さえしておけば、とりあえず面倒な設計もないから、用地の問題もないわけです。しかし、同じ場所で同じ災害が繰り返されるということは、これは一回目はいいが、二回目以降は人災ということになるわけです。  災害復旧について、原形復旧ではなくて改良復旧を原則とするというような、改良復旧が原則であり、原形復旧は特殊であるという考え方に切りかえないとまずいのではないかと思うのでありますが、最近の災害復旧の考え方、新しい考え方を含めて大臣の御答弁を承ります。 <0031>=国務大臣(関谷勝嗣君)= 時間が終わっておりますので、急いで早口で答弁をさせていただきたいと思います。  先生おっしゃるとおりでございまして、今までは原形の復旧が基本で、基本といいましょうか、もうそれ以上はできなかった。なぜかといいますと、上流でかさ上げをしますと水がそれだけ一度に今度は下流に流れるものでございますから、下流がまた越水をしてしまうというようなことで、今までは、おっしゃるようにおかしいと言えばおかしいのでございますが、もとの状態に復旧するというようなことでございましたが、今やそういうようなばかげたことはできないわけでございまして、越水させない原形復旧という新しい制度改正を行っておりますので、今後はそういうようなことは起こりません。  それともう一つは、そういうようなことで、この河川災害復旧等関連緊急事業、略して復緊事業と言っておりますけれども、先生御承知のように、上流と下流も同時に重点的に予算配分をしてそういうところを指定してやっていくということでございますから、おっしゃられますように先般あったところでまた越水が起こるなんということは今後はありませんので、よろしくお願いいたしたいと思います。 <0032>=長谷川道郎君= 終わります。 <0033>=委員長(竹山裕君)= 以上で長谷川道郎君の質疑は終了いたしました。(拍手)     ───────────── <0034>=委員長(竹山裕君)= 次に、今井澄君の質疑を行います。今井澄君。 <0035>=今井澄君= 民主党・新緑風会の今井澄でございます。  本予算委員会が開催されたのが先週の金曜日、十六日でしたが、この十六日以降さまざまなことが起こりました。一つは九九年度の経済白書が閣議了承されて発表されたことでありますし、また厚生省の方からは九八年の国民生活基礎調査が発表されました。また、民間では朝日新聞社の社会保障制度についての世論調査も発表されております。もう一つ、介護保険制度についての厚生大臣の答弁をめぐっての自民、自由両党間での何かあつれきが起こっているようであります。さらにもう一つ、堺屋長官が補正予算審議のこのさなかに、昨日ですか、公共事業を中心とした五兆円規模の第二次補正予算に言及をされた。  実にいろいろなことがこの週末は起こるわけでありまして、私の方も、そういうことですから、質疑書を木曜日までに準備してやったわけですけれども、多少変更のあることについてはぜひ御理解いただきたいし、質疑通告とちょっと違ったことについても誠実に御答弁いただきたいと思います。  さて、週末から土日にかけて次々といろいろな新しいことが発表されたり起こったりしているわけですが、この中で、特に経済白書をめぐったいろんな論評があります。リスクをとれということが国民一人一人に求められているということについて、本当はここのことを少しやりたいんですが、時間の関係もありましてちょっとそこに踏み込めないんです。  実際問題として、現在、経済の再建というのは大変急がれているわけですし、それから少子高齢社会対策のあり方についても緊急に何とかしなければならないわけでありまして、いずれにしても、経済白書が提案するような方向をとるにしろとらないにしろ、セーフティーネットの構築というのが喫緊の課題であるということはすべての人々が言っていることであります。特にその中で、失業の不安の問題、老後の不安、こういったことを解消することが経済対策としても極めて重要であるということも各論調共通しているところであります。そんな意味で、本補正予算、予算委員会を開いてやっているのは、そういう一つのセーフティーネットをどうつくるかということが中心的な課題ではないかと思っておるわけです。  その前に、最初に総理それから厚生大臣にお尋ねしたいんですが、どうも年金制度の方の安定化について先送りされつつある。それから、医療の改革は全くまだ枠がどうなるのかわからない。国民には来年と約束したわけですが、これがわからない。それから、介護保険制度についても今またわからなくなってきている。こういう将来への不安をますますかき立てるようなことが消費をさらに冷え込ませるおそれがあるし、今景気は若干よくなってきているようですが、これは楽観を許さないと思います。どのようにして国民に安心を与えようとしているのか、まず総理、お答えいただきたいと思いますが、いかがですか。あるいは厚生大臣がお先に答弁されますか。どちらでも結構です。 <0036>=国務大臣(小渕恵三君)= 御指摘のように、少子高齢化が大変急速に進んでおる中で、国民が安心のできる社会を築くために、国民に信頼をされ、将来にわたって安定的に運営できる社会保障制度を構築していくことは極めて重要であると認識をいたしております。とりわけ、高齢化の進展に伴いまして給付の増大が見込まれる中で、社会保障制度を、国民の新たなニーズにも的確に対応しつつ、経済との調和がとれ、将来世代の負担を過重なものにならないようにしていくことが必要である、このような考え方に立って、制度の効率化、合理化等を図るため、社会保障制度全体の構造改革に取り組んでおるところでございます。  今後、介護保険制度の円滑な実施を図るとともに、目下の課題である年金制度改革、医療制度の抜本的改革などに引き続き取り組んでまいりたいと考えております。  詳細な点につきましては、厚生大臣から御答弁をさせていただきます。 <0037>=国務大臣(宮下創平君)= 基本的な方向につきまして、年金、それから医療、介護につきまして総理の方から御答弁をいただきました。  基本的にはその方向でやらせていただいておりますが、特に年金問題は、一応の成案を得ましたがなお閣議決定には至らないという状況でございます。そして、私どもとしてはどうしてもこれを早く御理解をいただいて、非常に重要な課題でございますので、審議をお願いしたいなというように思っております。  それから、介護につきましても、先週、衆議院の予算委員会でいろいろな御討議がございました。それにつきましていろいろ報道されて御承知かと存じますけれども、私の申し上げた点は、介護保険につきましては法律も制定しておるし、所管大臣としてはこれを実施する以外にないという趣意のもとに御答弁申し上げております。そんなことであります。  それから、医療保険制度の改革も、厚生省の提案いたしました日本型参照価格制度、いわゆる薬剤定価・給付基準額制という制度をずっと長いこと検討してまいりましたが、なかなか合意が得られないということでございまして、これも一応、その方式それ自体はいわば白紙還元ということであります。しかし、薬価問題その他の診療報酬のあり方、老人医療のあり方、非常に重要な課題がたくさん控えておりますので、今精力的にこれの取りまとめに努力をしておるということでございます。 <0038>=今井澄君= 努力をしていることはわかるんですけれども、この大事な社会保障の幾つもの柱が全然姿が見えてこない、あるいは安定しない。  総理、このことについて、国を預かる、国民に安心を与える立場としてどういうふうに責任をお感じになっておられるんですか。 <0039>=国務大臣(小渕恵三君)= 年金の問題、介護保険の問題、そして医療改革、それぞれ正直申し上げて極めて難しい問題でございますので、一つ一つ答えを出していく努力を今いたしておるところでございます。いずれにいたしましても、厚生大臣が今御答弁申し上げましたようなことで、全力を挙げて当面の課題、また将来にわたる方向性というものを定めながら、結論を得るべく努力をさせていただいておるところでございます。  年金につきましては、今御答弁申し上げましたように、財源をめぐりましていろんな考え方がございます。そういった点も含めまして、今最後の決着といいますか、方向性を見出すべく努力をさせていただいております。  介護保険につきましては、先生も専門でございますので、昨晩のドイツの介護保険制度についての番組をごらんになったかと思いますが、私も一時間拝見しておりました。この制度を始めて五年のドイツにおきまして、なおいろいろな問題が起こっておるというような状況を拝見いたしまして、介護保険の先進国たるドイツの実態をいろいろ勉強いたしますにつけても、我が国もこれを来年四月一日から導入するということにつきましては、できる限りいろんな問題につきましてもなお検討していくことではなかろうかという考え方をいたしております。医療制度につきましては、国民総医療が三十兆近くになってきておるという状態をこのまま続けていけるかどうかという問題もございます。  いずれも冒頭申し上げましたように極めて難しい問題でありますが、国民にとりまして将来安心のできる社会とは何ぞやということになりますと、社会保障制度の改革ということがなければならぬということは申すまでもないことでございますので、懸命の努力をいたしておるということでございます。 <0040>=今井澄君= 社会保障制度の柱として、私は年金制度が一番大きいと思っているんですが、朝日新聞の調査でもやはりそのことが出ておりました。  この年金制度について、自治大臣は自由党の立場でどういう制度が安定すると考えておられるのか、ちょっとお答えいただきたいと思います。 <0041>=国務大臣(野田毅君)= これは、社会保障を考えます場合に、特に日本の場合に特徴的なのは、単に高齢化というだけでなくて少子高齢化ということ、このことの現実なんです。そういう意味で、社会保険方式というものが本当にそれだけで対応できるんだろうか。少子高齢化、かなり世代間負担ということを考えれば、特に今のいわゆる団塊の世代が給付を受ける側に回ったときに本当にどういうような仕組みになるんだろうか。  そういう意味で、年金の問題について現在は五年ごとに再計算をして見直しするということになって、今回そういう意味での見直しの論議ということになっております。しかし、そもそも年金制度の安定というのは五年の中だけの視野で解決できるものではないのではないか、むしろ十年、二十年、三十年というより長期的な展望というきちんとした方向性をそろそろ本気になってやらなきゃいかぬのじゃないか、そういう発想の中でまず検討すべきであると。  それから、年金は今いろんな仕組みがあります。厚生年金のほかに公務員の場合は共済年金があり、国民年金があり、いろんなのがあるんですが、いずれにせよ、基礎年金という形で統一はしたものの、今現在国民年金の中で、学生とかいろいろありますけれども、一体どれだけの人が本当に年金の保険を支払っているのかということを考えると、そもそも根本のところ、特に基礎年金の部分に関してかなり大きな問題点が出てきているんではないか。このことはみんな承知しているはずだ。そうであれば、そういった根源的な問題をもう一遍きちんと仕組みを冷静に立て直すという議論を党派を超えてやるべきじゃないか、それは単に政府だけの話ではないんじゃないか、そういう考え方が実は根底にありまして、そういう議論を今やっている。  そういう中で、消費税というのは、そもそも導入の時点から少子高齢化に対応する、老後の不安をなくするために導入した税であるという説明をしてきたんだと。したがって、介護と高齢者医療と基礎年金、むしろ消費税の使い道をそこに限定すべきではないか。そういう発想をしてきて、そして昨年、自自両党間でとりあえず現在の消費税収入、国税部分についての消費税収入については、その三つ以外には使わないというか使途を限定する。今現在そこに使われている歳出の方が消費税収入よりもはるかに大きいわけですから、そういう意味ではそれは満たされているということで、予算総則でそれを明記するということにしたわけであります。  しかし、今後、では今までの積み立てられてきた年金についての保険料はどういうふうに取り扱っていくのか、あるいは将来消費税というものを、基礎年金部分は消費税をもって充当していくとした場合に、いつからどういう形でそこにランディングさせていくのかなどについて十分な詰めた議論をする必要もある。来年から一気にごろっと変えるわけにもいかないでしょう。そういった議論を冷静に、相談していくべきであるということを実は言ってきておるわけであります。  物事の考え方というものを将来的な、十年、二十年、三十年先というものを視野に入れた中で、当面の措置として、そういう基本的な方向を向いているから当面どういうところに向けてどういうところをどの程度五年間で手直しすべきか、そういう位置づけで対応すべきであるというふうに考えているというのが自由党の基本的な考え方であります。 <0042>=今井澄君= 日本の少子高齢化が、特に少子化が激しいから社会保険方式がふさわしくないというのは、私はこれは乱暴な議論だと思います、そういう議論を今してもしようがないんですが。  ただ、年金に関しては、自治大臣が今言われたように、基礎年金が実はかなり形骸化している、未加入者やあるいは低所得者は三分の一しかもらえないわけですから生活の足しにもほとんどならない、この部分をしっかりさせることが年金制度を安定化させる第一だということは、私もそのとおりだと思います。したがって、基礎年金部分、現実に社会保険方式として崩壊しつつあるわけですから、しかもこれは単なる財政調整の仕組みなんですね、基礎年金と言いながら、導入された直接のきっかけが。そういう意味では、ここはきちっと税方式でやっていくということについては、私はこれは党派を超えて、国民が一番望んでいる老後の安心はまず所得保障なんです。そういう意味では、基礎年金の税方式化というのは私は進めるべきだろうと思っております。  ところで、自治大臣にお尋ねしますが、十六日の閣議で署名をされなかった年金法改正案、それはやっぱりその辺のところが主たる原因ですか。 <0043>=国務大臣(野田毅君)= 年金問題についていろいろ自民党、自由党両党間で協議を重ねてきていただきました。そして、一応の結論を得て、法案としてどういう形で表現をするか、同時に、それを担保する措置としてのさらに引き続いて両党間で協議していくべき事項ということを二段構えで合意したという背景がございます。  一方で、介護の問題につきましては、公的介護体制を来年四月から実施に移すということ自体は、自由党もそれはやるべきである、ただ、その財源を何に求めるのかということについて、頭からこれ以外にない、つまり保険方式以外にないということで本当にいいのかどうか。御承知のとおり、トータルの介護コストの中で実際に保険料で賄うのは半分もないわけであります。本人負担が一割あるし、公費負担は残りの半分があるわけですしね。そういった意味で、市町村間のかなりの格差が現にあるわけです。  そういう意味で、そもそも人口二百人の村から三百万人を超える横浜市まで、市町村には非常に大きな財政力あるいは高齢者割合、いろいろな格差がある中で、本当に画一的なやり方でうまくいくんだろうかという懸念があったので、介護に関して、そういう意味でもう一遍冷静に改めるべきところは改めるという協議をやろうじゃないかということで、昨年の暮れに合意をして確認文書を交わしたわけでございます。  そういう点で、この点は来年四月を目前にして冷静に協議をしっかりして、円滑な形で公的介護サービスがスタートするためにどうすべきかということで協議しましょうということになって、それに関する質問がございました。総理からその点について、公明党は公明党なりに別途別の考え方もございますが、いずれにしても、現在のままでいけるかどうかについて、さらに公明党も含めて、場合によっては三党間で協議もして、その上で結論を得てきちんとした対応をしなければなるまいという趣旨の御答弁がございました。  そういうことであればそのとおりで結構だと思っておりますが、若干厚生大臣の答弁が、総理の答弁はそれはそれとして、この問題だけは別であるという趣旨の御発言があったものですから、党の方においては、介護においてそういうことであるのなら、年金においても党の合意事項についてうまくちゃんと後がワークできるのかどうかということについて、これはちょっと待ってほしいと、もう一遍その点の確認はしたいという趣旨のことがありましたので、私は、拒否というよりは多少その辺が明らかになるというまで署名を見合わせている、今のところ手控えているという状況にございます。その点で確認がとれればまたちゃんとした対応が可能になるのではないか、私はそのように考えております。 <0044>=今井澄君= そうすると、閣議でその法案に署名をされないのは、年金制度の問題ではなくて介護保険制度の問題ですか。 <0045>=国務大臣(野田毅君)= 今申し上げましたとおり、少子高齢社会における対応、その中で介護の財源も年金の財源もともにこれからなお両党間、あるいは場合によっては公明党も含めて協議して結論を得ていかなければならない、そういうテーマであると考えております。そういう点で、連動していると私は考えております。年金に関してもあるいは介護に関しても、そういう財源についての協議を約束していることでありますから、それは同じ次元の話だと考えております。 <0046>=今井澄君= ちょっとその問題については後に回しまして、後ほどまたちょっと議論させていただくこととしまして、どうもこういう形でセーフティーネット、特に社会保障が全くあいまいなんですね。混乱を起こしている。私も今の年金改正法案がいいとは思いませんけれども、いよいよ閣議決定となったら、こういうところでとんざをしている。ますます国民は何だかわからないわけです。  さて、もう一つのセーフティーネットに関連いたしますが、総理にお尋ねいたします。今回の補正予算編成の目的は何でしょうか。 <0047>=国務大臣(小渕恵三君)= 今回の補正予算の御審議をお願いいたしておりますのは、申すまでもなく、最近の日本における雇用問題の重要性にかんがみまして、昨年来、いわゆる十五カ月予算と申しますか、十一年度予算も含めまして予算的措置は講じてきたものの、さらに現下の雇用の状況等をかんがみますれば諸般の政策を打ち出すべき必要がある、こう考えまして補正予算の審議をお願いしておる、こういうことでございます。 <0048>=今井澄君= この前の十六日の質疑、特に我が党は雇用対策、労働省関係の問題について随分議論をさせていただきましたが、新規・成長分野雇用創出推進事業九百億円、昨年の六百億円に次ぎますもの、これはほとんど使われていない、今度も見せ金に終わるんじゃないかということも明らかになりましたし、また緊急地域雇用特別交付金二千億円についても、これは都道府県からいろいろなアイデアを出してもらうということですけれども、これも何か新たな雇用の創出というんじゃなくて、余り効果がないということがはっきりしてきたと思います。  そこで、もう一つの対策である今回の少子化対策臨時特例交付金の交付対象として、先ほども長谷川先生のときに私の資料を配らせていただきましたが、二十項目ありますけれども、この交付金二千億円の雇用創出効果はどのぐらいありますか。  厚生大臣と、それから労働大臣にも所見をお尋ねいたします。 <0049>=国務大臣(宮下創平君)= 二千億円の目的は、雇用創出ということ、待機児童を解消することによる雇用創出、それも大きなねらいでございまして、今四万人とも言われます待機児童、これを何とか解消したいということでございます。よしんば、仮に四万人が解消できれば約六千人の保育士の雇用の増加になると私どもは推算はいたしておりますが、この予算は市町村の創意と工夫を尊重して上げておきなさいということでやらせていただいておりますので、全額待機児童等解消ということでは必ずしもございません。ただ、七割くらいは待機児童の解消になるというように私どもは考えておりまして、待機児童の解消による雇用効果を考えておるということを申し上げさせていただきます。 <0050>=国務大臣(甘利明君)= 先ほど配付された先生の資料、これは例示として二十項目挙げられておりますが、厚生大臣の答弁のとおり、一、二項目に重点的に配備をされればそういう結果が出ますが、基本的には市町村の自由意思でどういうものに取り組むか。ほかの項目がゼロだということは申しませんが、その配置の仕方によって数字が変動すると思います。いずれにしても雇用対策に資することは明確であると思います。 <0051>=今井澄君= 労働大臣ちょっと、労働省の方では何万人というあれが出ていますけれども、今六千人と言われたわけですよね、待機児対策で。ほかの項目をごらんになって、ちょっと労働大臣として、どこかに雇用が生まれますか。 <0052>=国務大臣(甘利明君)= 直接雇用ということに関して言えば待機児童の対策ということになりますが、それ以外のことに関して間接的にゼロということはないという意味で申し上げたわけであります。 <0053>=今井澄君= ちょっと労働大臣、今省庁の縦割りを廃して、本当に雇用について責任を持っておられる大臣として、この中で何万人、何千人という雇用がどこか生まれてきますか、この二十項目の中で。感想をちょっとお尋ねします。 <0054>=国務大臣(甘利明君)= 実は、政府が発表した七十二万人の中にはこれはカウントされておりません、御案内のとおり。プラスアルファとして、少子化対策が雇用に資するという意味で厚生大臣のあの試算が発表されたわけであります。  ですから、雇用対策という意味では、これは少子化対策でありますから、少子化対策が雇用にも資するということでお話をされているわけでありまして、緊急雇用対策としての数字のカウントには入れておりませんが、雇用創出効果はあるということであります。 <0055>=今井澄君= これ以上お尋ねしませんけれども、確かに今回の補正予算、これは大蔵大臣の説明の中でも、歳出面においては「緊急雇用対策費として五千百九十八億円を追加計上しております。」ということで書いてありますが、しかし今この二十項目を見ていただいてもわかるように、保育所をつくる以外には雇用というのはほとんどないですよね。公民館で何か行事があるときに、その子供を預かるのに人を雇う、それはいいでしょう。だけれども、それは雇用にはなるでしょうけれども、雇用対策にはほとんどならぬわけです。  しかも、厚生省の……(「建設省予算の雇用にはなる」と呼ぶ者あり)そうですね。この別紙がついている四枚紙の最初のところの説明は非常に苦しい説明で、「もって地域における少子化対策の一層の普及促進を図るとともに、雇用・就業機会の創出に資することを目的とする。」というので、これは大蔵大臣の説明と厚生省の説明とはちょっとずつ違ってきているんです。現にこれを見ていただければ、これは雇用創出効果はほとんどない、しかも緊急の雇用創出効果はないということはおわかりだと思うんです。しかも、この二千億円の七割を待機児童の解消策に充てるということです。  私は、少子化対策が重要でないなんて全然言うつもりはありません。これは喫緊の重要な課題でありますし、冒頭にも申し上げました厚生省の発表した国民生活基礎調査を見ても、例えば二十代のお母さんの五五%が育児について悩みを持っていると言っているわけですし、三十代の母親も三割が持っているわけでありますし、実際これは非常に重要な問題だと思うんです。それからまた、緊急のことはともかく、長い目で見てこの少子化対策というのが日本の将来の労働力対策、そしてまた経済対策として重要であることは、これは論をまたないわけであります。  そこで、総理にお尋ねしますが、少子化対策への現在の政府の取り組み状況は具体的にどういうふうに進んでおりますか。どういう本部をつくったとか、どういうふうになったとか。 <0056>=国務大臣(宮下創平君)= 少子化対策は、小渕内閣として最重要課題であるという位置づけをいたしまして、これは橋本内閣のときにつくられた有識者の会合をもちまして、民間の方々から広くこの少子化問題の意見を聞こうということで有識者会議の答申を得ております。その後、閣僚協議会を設置いたしまして少子化問題について精力的に取り組む。少子化問題というのは単に厚生省とか文部省だけの問題ではなくて、住宅も入りますし、雇用環境の改善も入りますし、あらゆる面が総合化されなければなりませんので、この前実施いたしました閣僚会議におきまして基本方針をつくるということを確認しております。年内に総合的な基本方針をつくりたいということでございます。  なお、国民会議というのを立ち上げまして、各界各層の代表者から成る国民会議の第一回をこの間いたしまして、総理にも御出席いただき、少子化問題の認識を深めると同時に、広報その他あらゆる手段を通じましてこの少子化対策を国民の各層に広く認識していただいて対応していこうということで、そのような対応を今させていただいておるところでございます。 <0057>=今井澄君= 総理、そうすると、これまで厚生省を中心に保育対策はそれなりに五カ年計画などでやってきているけれども、全体の少子化対策は、関係閣僚会議を五月にやって、今やっと国民会議をつくって基本方針を検討する、具体的な方針はこれからだということで確認してよろしいですか。 <0058>=国務大臣(小渕恵三君)= 結論を申し上げればそういうことだろうと思いますが、今日までいろいろな形で少子化対策ということ、それ一本ということではありませんけれども、子育てができるような環境づくりに努力をしてまいりました。  やはり今ここで改めて日本の人口構造を考え、少子化問題について国民的な理解を得る努力をしなきゃならぬということで、厚生大臣から今御答弁申し上げましたようなことで、閣僚会議あるいはまた有識者の皆さんにお集まりをいただいて会合を開いておりまして、できればその中で一つの方向性というものを打ち出し、具体的政策もその上にのせて実行できるような形にいたしていきたいと努力をいたしておるところでございます。 <0059>=今井澄君= そうすると、今回の補正予算はますますおかしいと思うんです。  ところで、先ほどお話のありました待機児童というのは、全国にどのぐらいいて、それは主にどういう市町村にいて、そして今度の二千億円の中では七割というお話でありましたが、具体的にどのぐらいが待機児童の解消対策に使われるのか、それをもう一度お答えください。 <0060>=国務大臣(宮下創平君)= 待機児童は、季節によって違いますけれども、約四万人くらいと私どもは想定しております。あるいは年度途中に増減がございます。  今回の二千億の配分につきましては、今御指摘のように待機児童を抱えている市町村というのは約六百六十弱、六百五十八でございましたか、そういうことでございますが、それに対して約七割、千三百七十億でございますか、これを交付することにしておりますので、待機児童の解消にかなり有効に働くということだと思います。  なお、その残余の予算につきましては、これは先ほどメニューで御議論ございましたように、市町村の自主的な取り組みを尊重してまいって、そして少子化対策への多様な需要にこたえようということでございますので、そのような対応にさせていただいております。 <0061>=今井澄君= 確かに待機児童のいるところ、ゼロ歳児とか一、二歳児、主にゼロ歳児ですね、横浜とか東京二十三区、それから大阪、特に堺市なんかも随分ひどいようですね。集中的にそういうところにあるわけです。  ところで、昨年も実は補正予算で待機児童解消策として百七十億円が計上されている、しかもこれは十分の十国庫補助ですが、これはどのぐらい消化されていますか。 <0062>=政府委員(横田吉男君)= 十年度の第一次補正予算におきまして、保育所の乳児保育の取り組みを推進するために、沐浴設備あるいは調乳設備等ゼロ歳児を保育するに必要な設備の補助を百七十億円計上いたしております。このうち執行されましたのは約八十六億円、五〇・七%ということでございます。これは十年度におきまして既に市町村で独自に整備をされているところもありました。また、保育所が狭いということでこれらの設備を整備する余裕がないところもあったというふうなこともございました。  この結果につきましては、まだ十一年度四月時点の入所者数がございませんので、どの程度乳児がこれによってふえたかお示しすることは困難でございますが、ちなみに直近、十年度四月一日と十年度の十二月一日を比べますと、四月一日時点で五万九千人ゼロ歳児が入所しておりましたけれども、十二月一日現在で九万七千人ということで、この間三万八千人ぐらいゼロ歳児の保育がふえている状態になっております。 <0063>=今井澄君= 緊急に必要だとか、どうしても必要だとかといって補正で去年組みながら、半分ですよね、消化されているのは。今度もこれ二千億のうちの七割が行くというわけですね、千三百何十億。これ、どのぐらい使われる見込みですか。これもまた、金曜日の労働何とか基金の九百億の積み増しと同じで、見せ金に終わるんじゃないですか。 <0064>=国務大臣(宮下創平君)= これは市町村の自主性に任せて、そして要求していただくことを建前としておりますので、確たることは申し上げられませんが、私どもとしては、メニューの選択も広げておりますし、市町村も少子化対策の重要性を考えておりますので、十分私は要求が満たされてくるものというように考えておりますが、先ほどの問題は、五〇%の消化率という問題は、あとが不用になっておりますので、確かに問題なしとしません。こうした予算執行上の問題についてもやはりきちっとした対応が今後必要であろうかというように私自身は考えております。 <0065>=今井澄君= 大体かなりいいかげんなもので雇用対策にもならないということがわかったんですが、そのほかの六百億余りですけれども、この二十項目、例えばと挙げているのを見ると、少子化問題キャンペーンの実施とは何かパンフレットかポスターでもつくるんでしょうか。自治体版エンゼルプランの作成、過疎の市町村でどうやってつくるのか知りませんけれども。  そうすると、先ほど、国としてはまだ基本方向すら出ていないという中で、この六百数十億円はまさにばらまきじゃないですか。要するに国でこれから考えるんだけれども、過疎の町村も含めてアイデアを募集するのに六百億円かけるんですか。これは研究費じゃないですか、じゃ。そんな膨大なお金を今全市町村に上限一千万でばらまいて、おかしいんじゃないですかね、これ。 <0066>=国務大臣(宮下創平君)= 従来のやり方で申しますと、一定の保育所の基準があり、その基準を満たすものだけを追加要求はさせて財源を措置するということが建前であろうと存じます。  しかし今回は、やはりこの少子化問題は国が一方的に上意下達的な形で押しつけるのではなくて、地方の自主的な取り組みを尊重するということに基づくものでございますので、ちょっとメニューを見ますと、確かにおっしゃられるように何かこんなことでいいのかなという感じを持たれる項目もないわけではございませんが、私どもとしては、予算が通ればこれは全国課長会議を開きまして、そして基本的な考え方を申し上げ、出てくるものは何でもいいというわけにもまいりませんので、精査して執行していきたいと思っております。 <0067>=今井澄君= やっぱりおかしいと思うんですよね。この時期に補正予算を五千億組んだ理由は一体何ですか、総理、お尋ねいたしますが。この程度の規模であれば、もう当然失業者がふえるということは予想されていたわけですから、当初予算の中へ組んでもよかったわけですよ、少子化対策も含めて。現に公共事業用に予備費というか五千億組んであるわけですから、それだけの余裕があったわけですよ。何で今この時期に緊急雇用対策としてこういう中身のない、緊急雇用対策とは関係もない、しかもばらまきのようなさっきのアイデア募集で何で六百何十億ですか。総理、どうしてこんな予算を組むんですか。理由を説明してください。 <0068>=国務大臣(宮澤喜一君)= このたびの補正予算を組むにつきまして、本来、雇用については前年度の補正予算、それから当年度予算について一兆円の施策をしておりますけれども、ここに来まして企業のリストラもございまして、これが非常に具体化して問題になってまいりました。殊に、景気回復の最終段階で雇用というのは遅行指数として出てまいることは御存じのとおりですから、その問題と、それから同時に、リストラも我が国経済の不況脱出の最終段階の問題であると思いましたので、両方含みまして緊急対策をいたしたわけでございます。  その中に含まれている今御指摘の少子化対策あるいは保育所等々の問題というのは、それ自身がすぐに雇用に幾ら響くということではないにしても、保育士にしてもあるいはいわゆる保育ママと言われているお母さん方にしても、そういう働く場がふえるわけでありますし、またいわゆる待機児童がこういう形で受け入れられるということになれば、それは何がしかの意味で、あるいはいろんな形で雇用に影響するということは否定できないであろう。それが数えられなくてもそれに貢献するということは否定できないところであります。所管大臣がぜひこれは必要だというお考えであれば、本来このこと自身はおっしゃるように間違ったことでない、悪いことでない、どちらかといえば行き届かない部分でございますから、私としてはこれを全体の予算に含むことが相当であるという判断をいたしたわけであります。 <0069>=今井澄君= 今の御答弁では、相当でないと判断したということなら、最後に判断せざるを得ないという御答弁ならわかりますけれども、論理矛盾じゃないですか。あなた御自身が緊急雇用対策費として五千百九十八億円を追加計上しているとちゃんとこの委員会で説明されたんじゃないですか。そうなっていないじゃないですか。  しかも、今度出されたのは、恐らくあさってですか、閣議で決定される産業活力再生特別措置法案、これでリストラを進めやすくする、そうすれば余計また失業者が出るわけです。そのこととセットだと私どもは受けとめているわけです。だからこういうものもセーフティーネットで出したんだと。前回の質疑でも、自殺者がどんどんふえているということもあるでしょう。そういうときに、それ自身は悪くないです、少子化対策、やるべきだけれども、それを何で緊急雇用対策の中で出したかということを聞いているんです。総理、内閣の責任者として答えてください。 <0070>=国務大臣(宮澤喜一君)= 問題は私は明らかだと思うんです。これでどれだけ雇用がふえるかということにすぐにお答えできないにしても、こうやって施設がふやせればそれだけ実際働く人たちにとっては朗報でございますから、その限りで雇用がふえるという論理に間違いがありませんでしょう。幾らと言えなくてもそのことに間違いはございますか。 <0071>=今井澄君= 間違いありますよ。そんな答弁で逃げないでください。緊急雇用対策といったら、だれでもここで首になる人が出てくる、あるいは現にふえている、だからその人たちに緊急に当面でもどういうところで働いていただくか、その対策でしょう。労働省の方がそうやって出しているでしょう。何で少子化はこうなんですか。どこで働いてもらうんですか、今リストラに遭った人たちは。答えてください、大蔵大臣。この二十項目の中から選んで答えてください。 <0072>=国務大臣(宮澤喜一君)= 働く意思があり、働く場所がつくられても、自分の子供さんたちをどうもできないというケースはたくさんあるんですから、それをこういう施設で御面倒を見る、それは雇用の増加になるじゃないですか。 <0073>=今井澄君= 四万人でしょう。 <0074>=国務大臣(宮澤喜一君)= 待機児童が四万人ではいかぬのですか。具体的にこれで雇用が幾らふえるかということは、それは両大臣が言っていらっしゃるように計算できないにしても、雇用の増に貢献するということは別段間違いがなかろうと思います。 <0075>=今井澄君= 全くあなたはいいかげんにうそを言ってたぶらかそうとしている。だって、今、待機児童というのは現に働いている人なんです。その人たちが困っているんです。その人たちがリストラに遭うのに慌ててこれから待機児童対策をつくってどうなるんですか。全然ピント外れのことを言わないでください。総理、答えてください。こういういいかげんな大蔵大臣の答弁でいいんですか。ふまじめじゃないですか。 <0076>=国務大臣(小渕恵三君)= 閣内でそれぞれ担当の大臣も含めまして検討した結果、こうした数字としてお願いをいたしておるところでございます。 <0077>=今井澄君= そこで、まさに雇用対策ということであり、セーフティーネットを張るということであれば、私はこの際、少子化対策もいいけれども、それよりは介護保険対策をやった方がより実効的であると思うんです。  それは、今介護保険制度に現場は不安を持っているわけです。基盤整備ができていない、ホームヘルパーが足りない、ショートステイが足りないと。そうでしょう。そして、ホームヘルパーは来年末に十七万八千人にすると言っていますけれども、これじゃ足りないわけですよ、在宅にはとても。だから、私ども民主党は、緊急失業・雇用対策として、ホームヘルパーをさらに十三万人増員して三十万人体制にしたらどうか、あるいはショートステイを四百カ所、デイケアについては五千カ所を施設増設したらどうかという提案を出し、衆議院では補正予算の組み替え動議も出しました。それは御承知ですね。  なぜ、雇用創出効果のある、しかも緊急に、もうスタートが来年四月ですよ、この介護保険制度の介護人の緊急基盤整備に補正予算を組まなかったんですか、総理大臣。 <0078>=国務大臣(宮下創平君)= 介護保険の前提となる介護基盤の整備が重要であることは、もう委員の御指摘のとおりでございます。これはかなり前広に準備をする必要がございますので、私どもとしては、今あります新ゴールドプランの達成を目標といたしまして、そして毎年度、所要の事業量を確保するための予算措置を優先的に確保してまいりました。  具体的に申しますと、平成十年度の第三次補正予算におきまして、景気対策の臨時緊急特別枠ということで、介護保険関連サービス基盤を整備するための予算を盛り込んでございます。そして整備を図ろうということでありますし、十一年度予算におきましても、ケアハウスについてはちょっとこのゴールドプランの目標値には到達できませんけれども、これを除いたいろいろ各種の施設については目標量を達成するための必要な予算を盛り込んでございます。  これで十分かどうかということになりますと、今後高齢化が進みまして要介護者がだんだん、今二百八十万人とも言われておりますけれども、年間十万人もふえるとも言われています。したがって、こうした施設も重点的に整備していかなければなりません。そして同時に、在宅介護と施設介護とのバランスも考えていかなけりゃいかぬという問題を踏まえながら、今後その整備には十分意を用いていきたい、こう思っております。 <0079>=今井澄君= いや、だから、それにさらに上乗せしてここで緊急雇用対策ということで補正予算を組むならば、ホームヘルパーを思い切って、我が党の言うように十三万人じゃなくてもいいですよ、三万でも五万でもやったらどうですか。きのうだってやっぱりテレビでやっているわけです、老人ホーム、特別養護老人ホームに入っていて自立と判定された人は出ざるを得ないと。それで、家族もいると。そうすると、ホームヘルパーがいれば家で見ていけるわけです。そのために緊急整備したらどうかということを今お尋ねしているんですけれども、そっちの方が先だったんじゃないですか。どうですか。  では、大蔵大臣、今度はどうですか。 <0080>=国務大臣(宮澤喜一君)= その点になりますと、やはり所管大臣が仕事の前後をお考えになって、その上でいつどういうふうにとお考えでございますから、またそういうお話があれば私としては十分に考えるにやぶさかでございませんけれども、その判断はやはり所管大臣にしていただかないとならぬと思います。 <0081>=今井澄君= そうすると、やっぱり総理にお尋ねしなければならないと思いますが、では今度の少子化対策は担当大臣の方から要請があって、ぜひここで緊急雇用対策をやりたい、こういうことだったから組んだのですか。 <0082>=国務大臣(宮澤喜一君)= そうでございます。 <0083>=今井澄君= 緊急雇用対策にはならないところにお金を回して、しかもそのお金もかなりの部分は使われないだろうと。残りのお金は市町村からアイデア募集の、言ってみれば研究費的に六百何十億円と。一方で、介護保険では基盤整備が足りない、ホームヘルパーが足りない、こう言われているんです。これは一体、国民はどう考えるでしょうね。本当に話にならないというふうに思います。  そこで、ここで改めてちょっと介護保険制度についてお尋ねしたいんですが、今大分混乱が起こっているようで、税方式なんという話もあるようですが、そもそもこれは社会保険方式として介護保険制度として法が定められ、今準備が進められている。なぜ税ではなくて、税でこれまで見てきたわけですが、それをやめて社会保険方式にすることになったのか。その理由を厚生大臣にお尋ねいたします。 <0084>=国務大臣(宮下創平君)= これからの少子高齢化社会を控えまして、高齢者の介護問題、非常に深刻かつ重大な問題であるという基本的な認識に立っております。したがって、これを従来のような方式でなく、相互に支え合う方式でシステム化しようというのが介護保険制度だったと思います。  そして、一昨年の十二月にこの法案が成立いたしまして、私は所管大臣として、この法の定めたところに従いまして諸準備を今精力的にやらせていただいておる、こういうことでございます。 <0085>=今井澄君= 事務当局でもいいんですが、なぜ措置制度から、税による制度から保険方式にしたのか、いろいろ経過で議論があったと思うんですが、理由を説明してもらえますか。 <0086>=政府委員(近藤純五郎君)= 介護システムについての財源をどうするかというのはいろいろ議論がございました。それで、最終的に今の案になりましたのは、個人の自立自助、これを基本といたしまして、サービスと負担の関係が明確である、負担について国民の理解が得やすい、大体社会保険方式で社会保障制度の主なものができておりますので、そういう面で国民になじみやすい、こういうことで社会保険方式ということで介護保険ということを導入いたしたわけでございます。 <0087>=今井澄君= いや、それだけじゃないんじゃないですか。民活ということは目的にありませんか。 <0088>=政府委員(近藤純五郎君)= 特に在宅サービスにつきましては民間企業も参入できる、こういう意味も込めて、広く多様な主体がこの介護サービスに参加する、こういうものも一つの目的でございます。 <0089>=今井澄君= 一つの目的というより、実はそれが大きかったのじゃないかというふうに思います。  私自身ももともとは税方式でした。この公的介護制度の議論が始まったときに、ナショナルミニマムとして国の責任で保障すべきではないかと考えてきたんですが、途中から保険方式に宗旨がえをいたしました。  そのきっかけは何か。私も一時与党におりまして、ゴールドプランを新ゴールドプランにするときに一生懸命頑張った、そのときの与党福祉プロジェクトの座長だったんです。大蔵省にも行きました。自治省の人とも話しました。それで、来年の末までにホームヘルパーを十万人、これがゴールドプランだったんですが、それを十七万人まで持っていくのがやっとだったんです。当時、私たちは二十万人にしようと思ったけれども、大蔵省が先に十七万人というチラシをつくってまいちゃったんです。結局、国が予算を立てて何万人にしますというふうにやっていくのは限界があるということを私ははっきりわかりました。ここなんですね、保険方式は。  保険基金からお金がおりるということになると、民間の人が我も我もと開業するようになるんです。そのいい例が医療保険なんです。医療保険は戦後、国民皆保険制度を目指して、特に市町村では昭和二十年代、三十年代に国民健康保険を広げてきたんです。住民から保険料をもらって保険証を渡した。そのときに何が起こったか。保険あって医療なしということが言われたんです。市町村長さんたちは物すごく責められました。ある村長さんのところは家に石が投げ込まれてドアを壊された。戸を壊されたといううちもあるんです。だけれども、保険からお金がおりる、金持ちだけを診ていなくても、貧乏人を診てもちゃんと収入があるということのわかったお医者さんがどんどん開業を始めたんです。開業を始めたお医者さんで成功した人は有床診療所になりました。それで成功した人は小さな病院をつくりました。そのうち成功した人はお医者さんや看護婦さんを大勢雇って大きな病院をつくって、一番成功した人は医科大学までつくっちゃったんですよ。こういうふうにして、今日本では保険証一枚あれば、よほどの僻地、離島でない限り医者、病院に不自由しない状況ができたんですよ。まあ、質はわかりませんよ、質はわかりませんけれども量だけは十分なんです。  これは医療保険制度のおかげなんですよ。むしろ今過剰になりつつある。まさに私たちが今、予算でホームヘルパーをふやす限界、そういうことがわかったからこそやるというのが非常に大きな理由だと私は思っております。  さて、そこで最初のところに戻りますけれども、この介護保険制度、特に市町村の皆さんや現場の皆さんは物すごい不安を抱え、不満を言いながら、今一生懸命その方向へ進んでいるわけですよ。市町村だって、反対はあるというが六、七割は一生懸命賛成でやっている、やるしかないとやっているんです。もう条例もつくりました。そして、認定審査会の委員の任命まで終わりました。いざ十月一日から今度は要介護認定の審査受け付けが始まるわけですよ。そのときに何ですか、こんな混乱が起こって。  私は総理の責任は大きいと思いますよ。それは自自の合意があるかもしれませんけれども、三党で話し合ってその結果に基づいて財源問題を含めて討論する。こんなことでできますか。法律改正するんですか。間に合いますか。  総理、お答えください、それ。 <0090>=国務大臣(小渕恵三君)= この財源問題につきましては、段々の公党間とのいろいろお約束の中で論議が進められてきておるところでございまして、そういった意味で、今各政党間でお話し合いを精力的に詰めておるわけでございます。  今、今井先生おっしゃるように、確かに来年四月一日から実施ということで、各市町村におきましても懸命の努力をいたしておるところでございまして、そういった意味で、一日も早くそれが結論を見出さなければならぬと思っておりますが、政治は、行政の責任をゆだねられている私にいたしましても、各政党間の話し合いによりまして、より本格的な財源というものを将来にわたっての考え方としてどう取り組むかということも、これまた重要な課題でございますので、今そうした話し合いの最終段階に来ておりまして、一日も早くその結論を得て、そして来年の実施に向けまして、安心してそれがスタートのできるように最善を尽くしていきたいというふうに考えております。 <0091>=今井澄君= いや総理、そうじゃないんですよ。いいですか。もし財源問題について別の結論が出たら法改正するんですか。間に合いますか。 <0092>=国務大臣(小渕恵三君)= ですから、間に合いますか間に合いませんかと言われましても、どういう結論になるかということについて、それこそ政権を担当しておる政党同士の話し合いが今精力的に進められておる段階でございますので、それが一日も早い結論を得て、しかるべき措置を講じていかなきゃならぬと思っております。 <0093>=今井澄君= いや、そうじゃないんですよ。現場はもうやっているんですよ、人も張りつけいろんなことを。これを変えろと言うんですか。来年の四月からこれではやらないよという可能性があると言うんですか。  私は厚生大臣の答弁が正しいと思いますよ。来年四月のスタートはもう決まっているんですよ。その後、ひょっとして税方式に変えるかどうか、保険方式でやっても保険料を集めなければやっていけないわけですから、出してくれなければ。そういう問題でしょう。  だから、来年四月からやるべきじゃないですか。お答えください。 <0094>=国務大臣(小渕恵三君)= それは、きちんと四月一日からの実施に向かって今着々と政府もまた地方自治団体におきましても努力をさせていただいておるということでございますけれども、根本的な財源問題につきまして各党間の話もございますので、今その話を進めさせていただいておるということでございます。 <0095>=今井澄君= 野田自治大臣にも聞きたいですね。  これだけ国民が一生懸命頑張っているときに、来年四月どうなるのか、市町村が今やっている仕事をやめなきゃならないのかどうか。そんな混乱を与えるのはよくないでしょう。将来の問題でしょう。来年はいいじゃないですか、四月一日、今のままの実施で。それ以外にないでしょう。 <0096>=国務大臣(野田毅君)= 先ほどから申し上げておりますが、来年四月一日からの公的介護体制というものは実施すべきである、この点は重ねて申し上げておるとおりでございます。  ただ、それはそうとしても、具体的に各市町村間におけるそれぞれの格差がございます。そういう点で、今現在そんなに粛々と進められているという背景ではない。それはもう報道されております。そういう中で、どうやって円滑に公的介護サービス体制をスタートするか、この一点が大事であって、それに向けて、その財源をどういう方向性でやっていくのかということについて、公的介護という問題と介護保険という問題は別問題なんだということをまず申し上げたい。  それから、先ほど来お話がございましたが、社会保険というときの保険料、何を基準にして保険料を取るのか。つまり、社会保険料というのはある意味では強制徴収、税の変形でございます。消費税というのは、まさに消費をある種の課税標準にして保険料を取っているのと同じことなんじゃないでしょうか。そういう意味で、パーヘッドで取るようなやり方の介護保険というやり方がいいのか、あるいは消費というものに着目した中で消費税で取ってやった方がはるかによりベターな形でのこの少子高齢化における介護サービスの財源になるんじゃないか。  そういった意味で、どちらが混乱をするかということは、今おっしゃるとおり、法律で決まったから決まったとおりやれば混乱がないんだということなのか、あるいは逆に、今大事なのは来年四月一日から公的介護サービス体制を実施する、そこへ向けてどういう具体的なやり方をすればより混乱を避けられるのか、私はいろんなアプローチの仕方があると思います。  そういう点で、自由党も連立を組んでいる与党の一角を占めておるわけでありますから、そんな無責任なことを考えているわけではございません。もう少しこの点について、思い込みだけをするんじゃなくて、私たちも何も自由党の言っていることが百点満点で、あとは零点だということを言っているわけじゃございませんが、そういう中で冷静に、どうすれば来年四月からの公的介護体制を実施できるのかという、本当にそこのところに着目した具体的な協議をやっていくべきではないか、そのように考えておるわけであります。 <0097>=今井澄君= 私は、あなたは自治大臣として無責任だと思うんです。各市町村に大変な混乱を与えているんですよ、金曜日以降、あるいは木曜日以降と言ってもいいです。現実的に考えて、今法改正をして財源方式を見直して来年四月からできると思っていますか、答えてください。 <0098>=国務大臣(野田毅君)= 中身がどういうことか、それがはっきりしないうちにできるできないという議論は避けたいと思います。しかし、それは当然のことながら、対応の仕方いかんで来年四月一日からの実施は十分可能であると考えております。 <0099>=今井澄君= どういうふうに可能ですか、どういう方式で。 <0100>=国務大臣(野田毅君)= ですから、私は何か思い込んでおられるような気がしてしようがないんですが、例えば認定作業をスタートする、これは当然財源問題とは別途にスタートできるはずのことであります。そうでしょう。  あるいは、かつて新進党時代に、今現在公明党におられますが、ある先生を中心にして具体的な介護保障体制というものを党として検討したことがございました。そのときには、むしろいわゆるバウチャーという問題を考えたこともあったわけであります。そういう点で、必ずしも措置方式であるからコストがかかるというだけではなくて、民間における介護サービス、そういう業者なり民間のそういったものを育成していく、その中でバウチャーというやり方を考えていくということにおいて総コストをどうやって低めていくか、いろんな議論をやっぱりしておくべきじゃないか。  私は、率直にそんなことを考えますときに、先ほど来申しておりますが、公的介護サービス体制を四月一日から実施する、そのために必要な認定作業なり、基準づくりなり、そういったことは着々と進めていくべきは当然のことである、あるいは必要な施設の整備なりホームヘルパーの育成なりということは当然進めていかなければならない課題であると思っています。  その問題と財源の話というものが直接的にリンクしなければならないものではないのではないかというのが自由党の考え方であり、私は、今御質問で自由党はどう考えるかということだからその立場で今申し上げておるわけで、今、自治大臣として言えば、できるだけ各市町村がこのことにおいて混乱が生じないようにしてもらわなければいけない。それから、できれば市町村の財政調整という問題は、むしろ本来的に、各行政分野に応じた財政調整が行われるということは一体いかがなものだろうか。私はその点、地方自治ということから考えても多少問題なしとしない部分もあるということは申し上げておかなきゃならぬと思っております。 <0101>=今井澄君= この問題は、非常に総理、自治大臣の責任は大きいと思っておりますが、時間が来ましたので、きょうはこの辺にして、関連質問をお許しいただきたいと思います。 <0102>=委員長(竹山裕君)= 速記をとめて。    〔速記中止〕 <0103>=委員長(竹山裕君)= 速記を起こして。  残余の質疑は午後に譲ることといたします。  午後一時に再開することとし、休憩いたします。    午前十一時五十三分休憩      ─────・─────    午後一時開会 <0104>=委員長(竹山裕君)= ただいまから予算委員会を再開いたします。  休憩前に引き続き、平成十一年度補正予算二案を一括して議題とし、質疑を行います。  関連質疑を許します。簗瀬進君。 <0105>=簗瀬進君= 時間が限られておりまして、多少早口になることもあると思いますが、お許しをいただきたいと思います。  私の敬愛する田中秀征さんがかつて、オウムは時代のよどみの中から生まれてきた一匹のハエであると大変秀抜な例えをなさいました。実は、そのハエが茨城県の旭村から栃木県の大田原市の方に飛んでまいりまして、今地元では大変大きな騒ぎになっているわけであります。本席には栃木県の自民党の矢野理事さんもいらっしゃいますので、同じような気持ちだろうと思います。そういうことで質問させていただきたいと思うんです。  実は、林容疑者もかつて宇都宮の病院に勤務をしていたことがございました。その他のオウムの関係者の中に意外に栃木県の関係者も含まれておりました。そういう背景もありまして、大田原市を初め周辺の住民の皆さんは戦々恐々といたしているわけでございます。  そこで、まず、この問題に対処する総理の基本的な考え方をお聞かせいただければと思います。 <0106>=国務大臣(小渕恵三君)= オウム真理教は、地下鉄サリン事件を初めとする組織的な凶悪事件を引き起こした後も、現在に至るまで、組織として何らの謝罪、反省もせず、反社会的教義を維持しており、最近では各地に新たな教団施設の取得を図るなどして施設周辺住民に対して多大な不安を与えていると認識をいたしておるところでございます。  このため、オウム真理教にかかわる諸問題につきまして、関係省庁の密接な連携を確保し、政府として必要な対応を検討するため、内閣にオウム真理教対策関係省庁連絡会議を設置いたしたところであります。オウム真理教問題に対しましては、現行法による対応のほか、関係省庁において法改正等必要な検討を行っていると認識をいたしておるわけでございます。  簗瀬委員お地元のお話をお取り上げになられました。実は私も、私の選挙区にかつてその施設がありまして、その撤去の問題等で管財人でありました阿部弁護士さんなどと当時いろいろお話をしました。地元住民のこれに対する敏感な感情というものを承知いたしておるつもりでございますが、政府といたしましては、今申し上げましたような趣旨にのっとって対応させていただいておるところでございます。 <0107>=簗瀬進君= 現在、大田原市の転入届の受理拒否ということがまず焦点になっているわけであります。憲法には多くの人権が列挙されております。その中で、公共の福祉に反しない限りという文言を入れ込んでいる条文と入れ込んでいないものがございまして、憲法二十二条一項の居住移転の自由という条項には「公共の福祉に反しない限り、」という文言がついているわけであります。  私は、もちろん居住移転の自由は保障されなければならないとは思うんですけれども、問題は、教団が現時点に至っても教団の犯罪行為を総括し反省しようとしてはいない、ここが最大の問題だと思います。その結果、オウム信者が来るところ必ず再犯のおそれを周辺住民に対して与え続けている、こういうふうな状況であるわけであります。  こういうふうな背景があるわけでございますので、ある意味では、この大田原市の転入届の受理拒否、それは公共の福祉を守るためのやむを得ない措置として是認されるべきなのではないのかなと思いますが、自治大臣の御見解をお伺いしたいと思います。 <0108>=国務大臣(野田毅君)= 確かに憲法第二十二条においては、「何人も、公共の福祉に反しない限り、居住、移転及び職業選択の自由を有する。」ということがございまして、「公共の福祉に反しない限り、」ということが書いてございます。そこで、今御指摘の大田原市を初め他の地方公共団体においても、なかなかこの辺、苦渋の中で結果としてそういう転入拒否というようなことをしておられるんだろうと考えております。  ただ、この問題等、直接的に自治省として公権的なこの辺の解釈を申し上げるのはちょっと私も遠慮したいとは思います。  ただ、これはどういうあれかわかりませんが、宗教法人法第八十一条に基づいて、平成七年東京地方裁判所では、このオウム真理教というのは、法令に違反して著しく公共の福祉を害すると明らかに認められる行為をし、かつ宗教団体の目的を著しく逸脱した行為をしたものであって、もはや宗教法人としての保護を受けるべき宗教団体であるとは認められないというようなことが東京地裁において述べられておりますし、この破防法の適用の是非を審査された当時の公安審査委員会の、これは官報の中にいろんなことが書いてございますが、結論は、請求は棄却されたんですが、しかし、途中の時点でかなり、九割方は、政治的目的を持って組織的な暴力的破壊活動をやったとか、いろんなことが認定をされております。  その中のところで、結局、本団体が教義の危険な部分を破棄、払拭したとは認めがたく、現時点でも開祖松本への帰依を中心として本団体の存続を目指して組織の維持に腐心していることが認められ、本団体の危険性が消失したと言うことは到底できないということも公安審査委員会では述べておられるわけでございます。  そんなことももろもろ考えますと、関係の地方自治体がオウムの問題について、自治体だけではなくて住民においても非常に神経をとがらせるべき事情というのは痛いほどよく理解ができることだと考えております。 <0109>=簗瀬進君= 居住、移転の自由という人権との絡みもある、すべての自治体が転入を拒否ということになるとどこに行ったらいいのかという問題も起きてしまう、そういう意味では大変悩ましい問題ではあります。しかし、ぜひとも住民の率直な気持ちを受けとめていただきまして、きちんとした対処をしていただければと思うわけであります。  そこで、私は子供たちに罪はないとは思います。例えば、今大田原に来ているのは次男の五歳の子供、それから十八歳の次女、こういう二人の松本被告人の子供が来ているわけであります。私は、基本的には子供たちに罪はないし、また教育を受ける権利もしっかりと認めてあげなければならない。  ただし、一方で、その子供たちの周りの者たちが子供に対して、単なる子供じゃなくて宗教的な位置づけをしっかりと与えてしまっている、これが非常に悩ましい問題であります。子供であって子供でない。例えば、大田原に来ている次男の方は教祖という教団での位置づけをしっかりと与えられているようであります。ここが非常に私自身もいろいろと、人権を守らなければならないと思いつつ悩ましい一番のポイントだと思うんです。  私は、本当に子供たちの人権を守ろうと考えたときには、ある意味では教団の維持のためとかあるいは教団関係者のエゴによっていわゆる判断能力のない子供を宗教活動に利用している、こういう側面をやっぱり最も重く見るべきなのではなかろうかと思うわけであります。  そこで、例えば民法八百三十四条という条項があります。親権の喪失宣告についての規定が定められているのがこの民法八百三十四条でございまして、親権者が親権を乱用する場合あるいは親権者に著しい不行跡があった場合には、検察官の請求によって家庭裁判所が親権喪失の宣告をすることができる。当然、親類縁者あるいはそれがなければさらに適当な者の中から後見人を選んで、その後見人がその子供たちのことをしっかりと養育し監護する、こういう規定があるわけであります。  また、児童福祉法にも同様の規定があると聞いているわけでありまして、これらの諸規定についての積極的な検討をする段階に来ているのではないのか。法務大臣にその見解を伺いたいと思います。 <0110>=国務大臣(陣内孝雄君)= 二点について御指摘がございました。  まず最初の民法八百三十四条についてでございますが、親権の乱用というのは、ここでは監護教育権、住居指定権等の乱用を意味しております。また、著しい不行跡とは、飲酒、賭博にふけること、放蕩により自己の財産を浪費することなど、子以外の者に向けてなされる甚だしく不良な素行をいうものとされております。  オウム真理教が自己の子供を置いている養育環境の問題については、監護教育権または住居指定権の乱用に当たるか否かが検討されることになりますけれども、具体的な事案に従って判断されるべきことでございますので、一般論としてしか申し上げることはちょっとできかねると思います。  また次に、児童福祉法についても、これは今の状態では一般論としてしか申し上げるべき段階ではないと思っております。 <0111>=簗瀬進君= 子供の人権を守りながら、しかもその周辺の皆さんの不安をしっかりと解消するためにとる対策の仕方として、私は、まさに子供を不当に宗教的活動のために乱用している。五歳や六歳の子供には事理弁識能力はありません。そういう子供を宗教的な環境の中に置き続けることによって自分の都合のために利用している。これはまさに子供の人権を著しく疎外しているというのはもう明らかではないのか。  また、その不行跡というようなことも、これは殺人というのは不行跡の最たるものですから、それについて法務大臣が今後の推移を見守ってみたいな、そういうちょっとゆったりとした解釈を述べるのは私は納得がいかないんですけれども、いかがですか。 <0112>=国務大臣(陣内孝雄君)= 民法八百三十四条の適用については、ただいま申し上げたとおりでございます。  ただ、オウム真理教の現在のあり方につきましては、私ども法務省、公安調査庁として極めて注意深く見守っておりまして、これに対する法的措置も別途考えていく必要がある、このように取り組んでおるところでございます。 <0113>=簗瀬進君= 八百三十四条の適用についてはどうですか。 <0114>=国務大臣(陣内孝雄君)= これはただいま申し上げましたように、国家権力によりまして親権を奪うということは極めて慎重に行わなければならないということでございます。 <0115>=簗瀬進君= 今慎重な御見解であるというようなことでありますけれども、私はこれは一つの解決策ではないのかなと思います。  そして、しかるべき後見人を選んだ上で、場合によっては子供たちを宗教的な教団の囲いの中からある意味で助け出す。そういう意味では、人身保護法、何人もこの請求ができるというふうな規定もあるので、この辺の積極的な適用も検討していいのではないのかなと思うんですけれども、いかがでしょうか、法務大臣。 <0116>=国務大臣(陣内孝雄君)= 親権の重要性にかんがみまして、検察官が親権喪失宣言の請求を行うことにつきましては、今申し上げましたように慎重な配慮が必要である、このように考えておりまして、本件につきましても、親の親権や子の利益、福祉の観点から慎重に検討してまいりたいと思います。 <0117>=簗瀬進君= オウム問題についてはこの辺にさせていただきまして、実は最近、タイム誌に載せられました昭和天皇の写真についていろいろと新聞をにぎわしたことがございました。  総理にお聞きしたいわけでありますけれども、これがタイムの記事でございます。(資料を示す)そんなに大きくはないんですけれども、ここに天皇陛下の軍服姿、これは当時で言えば大元帥閣下としての正式な軍装だったと思いますが、この写真が掲載されました。  タイム誌は、今世紀に大変影響を及ぼした百人を選ぶ、こういうふうなことで昭和天皇を選び、それについて総理に推薦文を寄せていただきたいという依頼があったわけでありますけれども、どのような推薦文を寄せられたのか、こちらに英語では書いてありますけれども、総理のお言葉で御説明いただければと思います。 <0118>=国務大臣(小渕恵三君)= 去る二月にタイム誌より推薦の要請を受けました。自分といたしましては、昭和の御代といいますか、六十四年の長い御在位の中で、戦前、戦中、戦後、大変御苦労もされましたし、また私自身も個人的に、昭和天皇が崩御されたときの内閣官房長官として昭和の最後に立ち会い、かつ平成の元号を発表する責任にあった経験を踏まえまして、来るべき新しい世紀が真に日本そしてまた世界の平和と繁栄の世紀になるように尽力をいたしたい、こういう意味を込めまして御推薦させていただいたところでございます。  しかしながら、今回タイム誌が記事とともに掲載した軍服姿の戦前の昭和天皇のお写真は、このような自分の考えを体現しないものであり、タイム誌がそのような写真を掲載したことは大変残念に思うということを申し上げまして、内閣副広報官より東京支局長に対し遺憾の意を表明させたところでございます。  タイムというのは、アメリカ国内それからアジア版、ヨーロッパの版はちょっと記憶していませんが、それぞれの地域に出ておるんだろうと思います。そういう意味で、私としては、昭和天皇のあの終戦時における御決断といいますか御聖断といいますか、そうしたものを通じて今日の我が国の繁栄があり、このことをもってして世界平和にも我が国が貢献をするその礎を築かれたという気持ちも込めまして御推薦を申し上げたわけでありますが、確かに、御生涯の中には軍服を召された陛下もおられるでしょうし、また戦後国民とともに歩まれる皇室、そして新憲法における象徴としての天皇の御態度、こういうことを考えますと、軍服に代表される陛下でなくて、むしろ国民とともに歩まれ、日本国の象徴として、また日本が世界の平和に貢献するというその意味の象徴としての陛下のお姿とすれば私は遺憾である、こういうことでそのような対応をさせていただいた、こういうことでございます。 <0119>=簗瀬進君= そのような写真を使われたら困ると抗議をなさった、しかしタイムの方はその抗議は受け付けなかった、こういうふうな話のようでございます。  今の総理の答弁を聞いておりますと、やっぱり願望としては、昭和天皇に対する国内的な見方は平和の担い手としてアピールしたいとお思いになっているようでありますけれども、例えば交戦国のアメリカとか、あるいはアジアの国々では、やっぱり昭和天皇のイメージというものは、戦争を終結させたということよりもむしろ戦争を始めたということのイメージがまだ強いというふうなことをこの写真でお感じにならないでしょうか。 <0120>=国務大臣(小渕恵三君)= であればこそ、私としては、終戦といいますか、昭和二十年八月十五日に至る間の陛下の御聖断といいますか、そういうことに始まって、戦後の我が国が真に平和国家として世界に貢献していこうということを具現されたお方として御推薦いたしたわけでございます。先ほど申し上げる途中だったのですが、アメリカにおいてはそのお写真以外のものがあったのか、あるいは意図的にそうされたのか、非常に私としては私の気持ちを十分伝えるものでなかったという趣旨で申し上げました。  ただ、メディアに対する抗議あるいは訂正その他につきましてはいろいろな手法があるかと思いますが、例えばザ・レター・オブ・エディターというような形で真意を伝えるという方法もあろうかと思いますけれども、いずれにいたしましても、私の御推薦を申し上げた気持ちにそぐうものでないということで、私としてはそのようなことを申し上げさせていただいておるところであります。 <0121>=簗瀬進君= 私は、この写真を見るときに、アメリカあるいはアジア、それぞれの国が、盗聴法あるいは住民基本台帳法、そして国旗・国歌法案と、昨今大変急速に国家管理の色彩を強めている我が国に対する一つの潜在的な恐怖感、これのあらわれがこの天皇陛下の写真に出ているんではないのかなと思うわけでありますけれども、いかがでしょうか。 <0122>=国務大臣(小渕恵三君)= さすればこそ、そうした考え方で、日本国民もまた日本国の象徴たる陛下もそのようなお考えが存しないという趣旨をあえて世界に大きく御理解いただきたいということも気持ちの中にはあっただろうと思います。  であるがゆえに、今お話しのように、その写真を使われたことが、すなわち米国において今の日本における諸法律案に対しての対応とか、あるいはアジア諸国において日の丸・君が代の国旗・国歌の問題について、その気持ちのあらわれとしてそのお写真になっておるのだというようなことは私は全く考えられないことだろうというふうに理解しております。 <0123>=簗瀬進君= 一部のマスコミにも出ておりますが、日の丸・君が代の法制化に当たって、かつての軍国主義との関連をどう総括するのか、その点が明確になっていない、こういうふうな批判もあるようでございますので、その点についての総理の見解をお聞かせいただきたいと思います。 <0124>=国務大臣(小渕恵三君)= これは、今現在衆議院におきまして法案が提案されて御審議をされておられるところでございますので、そうしたところで十分御議論されておると思います。  私自身は、今国旗・国歌の問題につきまして、過ぐる大戦の時期における国民の国旗・国歌に持つ感情については、かなり世代を上にする方々にはそうしたお気持ちも全くないとは申し上げませんけれども、しかしこの戦後だけでも半世紀にわたる期間、国民的な考え方としては、これからの二十一世紀に向かって、我が国の国旗・国歌として存立するゆえんのものと理解をしておられると、こう認識をいたしておりまして、政府としても法案として出させていただいておるということでございます。 <0125>=簗瀬進君= 最近の世論調査を見ますと、国旗・国歌の法制化については反対の意見が徐々に数を増している、そして反対と賛成が逆転をしているといった結果も出ております。私個人としては、国旗・国歌、特に歌についての法制化というようなものは絶対避けた方がいいのではないのかなと思っております。  私自身も合唱の経験を持っております。歌は自由です。歌の言葉の中にいろんな思い入れがあって初めて歌は命を持つ。例えば君が代と歌うときに、それを天皇陛下のことを思い浮かべて歌ってもよし、あるいは自分の愛する妻や子、あるいは父や母、あるいはふるさとの山や川、これらを思い浮かべて歌ってもいいんです。  しかし、それを法制化するということになりますと、当然立法者は言葉の解釈をしなければならない。解釈をする過程でいわゆる自由な意思というようなものに対する間接的な束縛を与えることは明らかでございます。そういう意味で、ぜひともイギリスの例に倣って、私は慣習法の段階にとどめておくべきなのではないのかなと思っております。まだ今からでも遅くはありません、この法案を撤回するお気持ちはありませんか。 <0126>=国務大臣(小渕恵三君)= 国会において十分御審議をいただきたいと存じます。 <0127>=簗瀬進君= それでは、補正予算についての私の考え方を述べさせていただきたいと思います。  私は、今井議員あるいは先週行われた今泉、平田両議員の質問で、まさに今回の補正予算が泥縄予算あるいは羊頭を掲げて狗肉を売る、こういうような予算なのではないのかなと思っております。七十万人の雇用・就業機会の増大と言うにはいかにもその額が少な過ぎますし、またその対策もすべて小出しであり、後出しであるわけであります。  そもそも今日の失業率の増大というのは世界的な構造変革の結果である。当然失業率が高くなってくるというのは予想しなければならない、対策をあらかじめ立てておかなければならないはずのものでありました。  そこで、まずお聞きしたいのですけれども、総理大臣といたしましては、例えば構造改革とか経済の激変が日本を襲うなというふうな予感をなさったのはいつごろなのか、ちょっとその辺の個人的なお考えを聞かせていただきたいと思います。 <0128>=国務大臣(小渕恵三君)= 個人的というよりも、自由民主党の議員という立場もありますし、一連の政策を遂行する与党という立場もございますが、いずれにいたしましても、これを考えますれば、円高の進展から冷戦終結による大競争時代の本格化に至るまで、国際経済環境は八〇年代半ばから大きく変化を遂げてきたところであります。九〇年代に至り、国内におきましてもバブル経済の破綻、人口構成の変化や消費構造の多様化が明らかになり、従来の我が国の経済システムが抜本的構造改革を迫られるに至ったと考えられます。こうした中で、歴代政権が取り組んできた構造改革、経済改革等は新たな産業と雇用の機会の創出を目指すものであったと思います。  私は、就任以来、これまでに増しまして、新規・成長分野における質の高い労働力の確保が円滑に進められ、労働者ができる限り失業を経ずに労働移動ができるよう、労働力需給調整機能の強化や職業能力開発対策を積極的に推進してきたところであります。  さらに、今回の緊急雇用対策におきましても、規制改革等による新たな事業の創出、成長分野における雇用創出の推進や人材移動特別助成金の創設等、民間部門における雇用の創出や円滑な人材移動に向けた施策を盛り込んだところでございます。  今後とも構造改革や雇用の創出、安定に積極的に取り組むことによりまして、二十一世紀が希望と活力にあふれる経済社会となるよう全力を尽くしてまいりたいと考えておるところであります。 <0129>=簗瀬進君= 経済構造の変動というようなものはもう八〇年代の半ばから予測をしておった、これは大体皆さん一致していると思うんです。  本来でありますと、まず順番としては、新しい新規のパイをつくる、そしてそのパイに対して労働移動していく、そしてその上で今回の補正予算で出されるような緊急対応に入っていくというようなものが通常の一つのパターンだと。ところが、今もって新産業を十分に育成し切れていない、新しい経済のパイをつくれていない、そういう状況で、大変泥縄式な対策を今回の補正予算でもつくってくる、これは私は大変政府の猛省を促したいと思う次第であります。  そこで、検証の意味でちょっとこちらにまとめたフリップがありますけれども、(図表掲示)これは通産省あるいは経企庁が中心になってつくった二〇一〇年を目指したいわゆる十五分野の雇用・市場規模の拡大見通しでございます。見通しということでありますけれども、一定の数字を挙げております。例えば、二〇一〇年を目指して拡大見込みが、十五分野で現時点では一千六十六万人の雇用が一千八百二十七万人、七百六十一万人増大する。それから市場規模も百九十八兆円が二〇一〇年には五百六十一兆円になる。大変遠大な計画を立てられた。  この計画の、見込みということでありますけれども、現時点での達成状況といいますか、その辺の実績をちょっと聞かせていただきたいと思うんですが、まず概括的に通産大臣からお話をいただきたいと思います。 <0130>=国務大臣(与謝野馨君)= 平成九年五月に閣議決定をいたしました経済構造改革のための行動計画は、医療・福祉、情報通信、環境等の今後成長が期待される十五の分野について、関係省庁が総合的かつ戦略的に取り組むべき政策パッケージを整理し、これを政府一丸となって強力に推進することを目的としたものでございます。新規・成長十五分野について公表されている数字は、こうした総合的な政策を講じることによる効果として二〇一〇年においてどの程度の雇用・市場規模が見込まれるかをあくまで参考として示したものでございます。  通産省としても、新規・成長十五分野について各種の施策を講じてきたところであり、例えばまず第一に、医療・福祉分野については医療機器、福祉用具に関する技術開発を医学的、工学的見地から実施、第二に、情報通信分野については電子商取引の推進に向けた行政、研究開発、教育等における情報化の推進、第三には、環境分野については資源循環型経済社会システムの構築を目指したエコタウン事業の推進などに取り組んでおります。こうした新規・成長分野ごとの取り組み等を通じ、引き続き政府一丸となって新規産業の創出及び良質な雇用機会の確保のための環境整備に努力してまいる所存でございます。 <0131>=簗瀬進君= 単なる見込みだからとの答弁であります。しかし、このような計画をつくる際には、当然アクションプログラムをしっかりとつくり、また事後的な評価体制というようなものをつくりながら進めていくというのが、これは経済計画の常道なんじゃないんでしょうか。そういうフォローアップのシステムを持たないでこれを立てたというようなことについて問題点をお感じになりませんか。 <0132>=国務大臣(与謝野馨君)= 日本は別に社会主義経済でもなければ計画経済でもございません。ただ、政府としては、大体世の中がこういう方向に進むと政府もみずから努力をいたしますし、民間においてもそういう一定の方向性を持って企業努力をしていただきたい、こういうことを申し上げているわけでございます。 <0133>=簗瀬進君= 計画経済じゃないというのは、この議論を予算委員会でやっているときに再三いろんな大臣がおっしゃいます。しかし、だからといってその見込みが根拠のないものであってはならないと思うんです。そういう意味で、私は、本当の意味でこの見込みというものがなかなか恐らく今のところしっかりと到達できるような、そういう実現可能性というのは非常に少ないからあのような答弁になるのではないのかなと思うんです。  そういう中で、なぜこのような計画の仕方がだめなのかということを考えてみるときに、私は最初から思ったんです。十五分野ということですべての分野にばらまいて、どこにインセンティブがあるのかということが全然示されていない。私は、かつての通産省のいろんな計画の中では、例えばこれから軽薄短小の時代ですよと、その時代の一つの指針というようなものがあったような感じがいたします。しかし、この十五分野ということでばらっとばらまかれたことによってその辺のインセンティブが社会的、経済的に非常に薄められてしまったんではないのか、あるいは政府がその部分についてのしっかりとした認識を持っていないからこういうふうな不十分な計画になったんではないのかなと思うんですけれども、通産大臣、いかがですか。 <0134>=国務大臣(与謝野馨君)= バブルがはじけました平成二年から三年にかけて、経済に対して経済評論家を初め学者の多くの皆さんあるいは我々も含めて何を考えていたのかということを思い起こしていただきたいと思います。  それは、バブルがはじけたのは構造問題ではなくてむしろ循環的な不況がやってきたんだというふうに多分私どもは理解していたんだと思います。その後、やはりこれは循環的な不況だけではなくて、日本の経済構造そのものに実は問題が起きているんではないかということに多くの方が気がつき始めました。それは複合不況という形でも呼ばれていた時期でございまして、これは循環型経済不況と構造的な不況とが重なり合っているんだと、そういう理解をしていたわけでございますが、もちろん循環的な部分もありますし、むしろ我々が二十一世紀を目指すのであれば、やはり構造問題に大胆に取り組んで二十一世紀に日本もまた強い経済を持てる、そういう方向を考えなければならないというのが小渕内閣の競争力に対する私は基本的な考え方であると思っております。  そして、そこに掲げております十五分野というのは、むしろ社会のニーズあるいは国民のニーズにこたえる分野はどういう分野かということが書いてあるというふうに私は理解をしております。荒唐無稽にばらまき的に分野を並べたわけではありませんで、例えばその中に環境ということが書いてありますが、十年前に環境分野が産業としても社会的ニーズが出てくるということは恐らく考えていなかったんだろうと思いますが、現在では環境とか介護とか従来は考えられなかった分野に国民的ニーズがある。そういう分野を点検していった結果がその十五分野であると思いますし、また経済自体の変化、例えば情報産業とか通信産業が大変盛んになるという分野に対応するためにはどういうふうに雇用がふえていくのかということを頭の中で考えた話でございまして、実体経済にそれが実現するためには政府も相当政策的な努力をしなければなりませんし、また民間の方も勇気を持ってそういう分野に進出し投資をしということがなければ、ただこれは絵にかいたもちになってしまうということであれば、先生のおっしゃるとおりでございます。 <0135>=簗瀬進君= 本委員会でも出ておりますけれども、アメリカでは一九八〇年代に大企業が三百五十万人の雇用削減を行った、一方、従業員五百人以下の小規模企業が一千七百万人の雇用を創出したと言われておるわけでありますが、この要因を通産大臣はどのように分析なさいますか。 <0136>=国務大臣(与謝野馨君)= 一つティピカルに言われております話は、やはり一九八五年を境にとりましたプロパテント政策、技術を大切にする政策というのが大いに効果があったと言われております。かてて加えまして、私はそのプロパテント政策というものを生み出せるだけの科学の力、技術の力というものがやはりアメリカにはあったんだろうし、それが私は花開いたんだろうと思います。  我々が心しなければならないのは、ただ新規産業を創出するとかあるいは新規分野に行くんだということだけではだめなんで、それを支えるアイデアあるいは科学や技術、こういうものに心して国の資源を投下していかなければ、私はベンチャービジネスというものは発現をしないんだろうと思います。  今の論じられ方は、何かお金があれば、そして勇気のある青年がいればベンチャービジネスというのは急にできるというふうに錯覚をしている人がおるんですが、やはりベンチャービジネスが生まれるための一番根っこのところにある力というのは科学や技術の力だと思いますし、その科学や技術の力というのは、医療や健康や環境やすべてを含んだ科学や技術の分野で日本が基礎的な力を持っている、その基礎的な力を活用して業を興す、これが私は正しい手順であろうと思いますし、そういう環境が整った中で、例えば資金が足りないという場合にはみんなで応援をする。これはベンチャーキャピタルのマーケットしかり、あるいは公的な分野から資金を応援するというアメリカ的な考え方もしかり。こういうものは必要になってまいりますが、基礎になる分野、それはやはり厚みのある基礎的な力だと、私はそのように思っております。 <0137>=簗瀬進君= 私も、今の基本認識は通産大臣と全く同じであります。  ただ、もう一つつけ加えさせていただければ、科学技術の力ともう一つはやっぱり情報の力だと私は思っております。  実は、ここに「九〇年代のアメリカにおける雇用増加上位二十業種」というようなものが、これは野村総研の資料でございますけれども、(図表掲示)ずっとこれを眺めたときに、コンピューターネットワークを巧みに利用した業種がぐんぐん伸びている、こういうふうに認識をすることができるんではないのかなと。人材派遣にしてもレストラン・バーでも、流通でございますけれども、その流通を効率よくするためには絶対欠かせないネットワークの力というようなものがある。  すなわち、私が言いたいのは、先ほど十五分野と、このように申し上げましたけれども、この分野の縦軸としてしっかりとあるのは、やっぱり一つは情報革命なんだと。こういう点は筋の立った柱として私は立てるべきなんではないのか。ということで、私はその情報革命の本質を問うという質問をさせていただきたいと思います。  よく情報化の問題といいますと、情報通信産業のバックアップと勘違いなさっている方がある。私はこれは大間違いだと思います。端的に言えば、キーボードがたたけなくたって、パソコンの本当の意味での道具としての特色がどこにあるのかということをわかっていればどんなことだってできる。どんな機構改革だって、新しいビジネスへのチャレンジだってできる。しかしそれがわかっていなければ、キーボードがたたけたって結局その人にとっては道具でしかない、こういうふうなことだと思うんです。  そこで私は、情報教育というようなことで最近随分熱心に取り組んでおるようでありますけれども、文部大臣にお伺いしたい。情報教育の本質といいますか、どこが一番大切だと思っているか、その認識を聞かせていただきたいと思います。 <0138>=国務大臣(有馬朗人君)= 大変世の中変わったと思います。私が初めて計算機を導入しようと言ったときに、おまえは頭が悪いから計算機を使わなきゃいかぬのかと批判をされたものでありました。今そういうふうな人はほとんどいなくなった。大変世の中が進展したと思っております。  しかし、先生の今御指摘のように、単にハードウエアを使えるようになるだけではだめだと思います。まず、ハードウエアに対してソフトウエアを十分こなすような人間ができてこなければだめで、日本の中で一番おくれているのはソフトウエアの方だと思います。  それからまた、先生は多分ソフトウエア、ハードウエアという、そういうことではなくて、もっと情報化社会というものにはどうしたらいいかということを今お聞きになろうとしておられると思うんですが、まず機械に使われないように、人間が主体的に、創造的に対応できていかなければならない。そして、情報が余りにもあふれている中で、適切な情報を選び出す能力、それを生かす能力を教育していかなければならないと思っています。そして、情報化が人間の社会に悪い影響を与えないように、よい影響を与えるように今後努力をしていかなければならないと思っています。  そういう意味で、情報社会の中へ参画していく上で、人間として最も理想的な姿を教育していくべきだと思っております。 <0139>=簗瀬進君= もっと明確に答えていただければと私は思うんです。  どうも情報教育といいますと、道具を教えること、操作性の教育を情報教育と勘違いしている教師が多いんじゃないのか。そうじゃないんです。子供たちに、こういうすばらしい道具がある、この道具を使ったらあなたのこういう気持ち、例えば趣味とか友人とか、こういうのが無限に広げられるんだよという、言うならば道具を使う前の、自分が何をやりたいのかという、その自分をわかってもらう、それを教育の出発点に置かなきゃだめだと。その辺をすごく履き違えているような感じがするんですけれども、いかがですか。 <0140>=国務大臣(有馬朗人君)= 決して履き違えているわけではありませんで、先生のお考えと私は全く同じだと思います。ただ、しかしながら、まず道具が使えないことには自分のものが表現できないということもありますので、やはり道具の使い方も教えなきゃいけない。畳の上の水練ではだめでございます。  そういう意味で、文部省といたしましても、平成十四年度から実施予定の新しい学習指導要領におきましては、小学校段階から新設されます総合的な学習の時間を初め、各教科等の学習においてまずコンピューターやインターネットをどう使うかということを教えてまいりますが、先生のおっしゃられるように、さらにまた計算機を使うことによってどういうふうに人間を、自分自身をあらわしていくか、そういうさまざまな情報に振り回されないような教育をしていかなければならないと思っています。中学校や高等学校で新たに情報に関する教科を必須といたしまして、より高度なコンピューター活用や情報に関する科学的な理解、情報に関するモラルの育成を教えていきたいと思っています。  精神は先生のおっしゃるとおりでございます。 <0141>=簗瀬進君= 最近、行政の情報化ということがどんどん進んでまいっております。ホームページもたくさんできましたけれども、どうもそのホームページが各省庁ばらばらで、またその規格も統一されていないし、こちらの省庁にはあったりこちらの省庁にはなかったりというふうな感じがするんです。  利用者すなわち国民に使いやすい各省庁の情報化の窓、これがホームページです。この際、そのホームページのつくられ方についての一つの基準というようなものを明らかにする必要があるのではないのかなと思うんですが、総務庁長官、どうでしょうか。 <0142>=国務大臣(太田誠一君)= お答えをいたします。  行政の情報化の具体的な取り組みは、今各省庁でインターネットのホームページを活用した各種行政情報の電子的提供の促進をし、また国民からの申請・届け出手続について、ネットワークによる申請を可能とする措置やワンストップサービスの推進を図っているところであります。  行政部内の情報化も今進めておりまして、行政事務のペーパーレス化などの事務処理の効率化、省庁間、省庁内のネットワークを活用した文書交換システムや情報公開制度に対応した文書管理システムの整備などを進めているところでございます。省庁再編など行政改革が進む中にありまして、行政の情報化を一層強力に推進することを考えております。  今、委員の言われました省庁の中でのスタンダードというものをつくるということでございますが、今は、霞が関のLANとかWANとかいうことで統一的に進める、対国民に対するサービスの方ではありませんけれども、省庁間の文書交換などについては統一的に進めているというふうに考えております。  なお、今行政改革のことにこの情報化が関連があるという委員のお考えでありましょうけれども、それはもとよりそのように考えておりまして、平成十年から十四年までの五カ年計画で行政の情報化を行政改革の重要な手段として位置づけて、総合的、計画的に推進しようというふうにいたしております。 <0143>=簗瀬進君= 大蔵大臣にお尋ねをしたいんですが、大蔵省のホームページをごらんになったことはございますか。 <0144>=国務大臣(宮澤喜一君)= もとはございませんが、プリントアウトしたものはたまに見ております。 <0145>=簗瀬進君= 実は、私もきのうの夜久しぶりに大蔵省のホームページを見てみました。随分使い勝手はよくなっているような感じがいたしますけれども、若干問題があるなと思ったのが「先輩だより」でございます。これ、ダウンロードしてまいりましたが、言うならば大蔵省に入ったT種、U種、V種の方が後輩に託すメッセージというようなものを送っていらっしゃる。  それはそれで大蔵省にとってはいいことでしょう。しかし、すべて登場人物の写真がついているんですね。インターネットをやってみればわかるんだけれども、写真というのはすごく重いんです。だから、この「先輩だより」に載せられた大蔵省のエリートの皆さんの写真を見、文章を読むために物すごくホームページの容量を使われているんですよ。  だから、すなわちホームページはだれのためにあるのかということなんです。大蔵省に入らんとする人たちのためにあるのか、あるいは大蔵省の情報を見たいと思う国民のためにあるのかという観点がちょっと僕はずれているような感じがするんですけれども、いかがでございましょうか。 <0146>=国務大臣(宮澤喜一君)= そういうお尋ねを承りましたので、詳しいことであればまた官房長から申し上げますけれども。  確かに、写真、映像を使いますと大変ハードディスクの記憶容量を使います、これは文字と比べものになく使うそうでございますから。しかし、写真がない文章だけというのは、またこれ、私はこうやっているとかああやっているとかいうんですが、これもまた色気のないものですから、どこかその辺のところで、使い過ぎているようでしたら、よくそこは御趣旨を体しまして、しかし、べただけでもいけませんから工夫をさせます。 <0147>=簗瀬進君= ホームページは国民のためにあるというその視点をぜひとも踏み外さないでいただきたいと思います。  さて、本当に残り時間が少なくなってまいりました。  先ほど通産大臣の答弁の中に、科学技術の重要性というようなことがありました。総理に聞いてみたいんですけれども、岐阜県の神岡町にある東大宇宙線研究所に行かれたことがございますか。 <0148>=国務大臣(小渕恵三君)= 大変関心を持っておりますが、残念ながらまだ伺っておりません。 <0149>=簗瀬進君= 先日、私は行ってまいりました。有馬文部大臣の額がちゃんとありましたので、どんなものか、ちょっと有馬文部大臣に説明していただくとともに、もう持ち時間がなくなってしまいましたということで、一つだけ。  実は、神岡でニュートリノについてのすばらしい実験を昨年やりました。そしてつい先日も、つくば市から二百五十キロの岩盤を通してニュートリノを神岡の宇宙線研究所に当てることに成功した。それによって、ニュートリノに実は質量があるのではないのかなというふうなことが確認をされて、今実は世界がこの分野について大変な興味を持っている。  私が一番残念に思っているのは、こちらにアメリカのマサチューセッツ工科大学の、やっぱりこれもホームページからダウンロードしたんですけれども、昨年の六月の実験直後にクリントン大統領が、日本の神岡の実験成果についてマサチューセッツ工科大学の卒業式でちゃんと触れているんですよ。アメリカの大統領が、日本の総理大臣が知らない実験をしっかりと知って、しかもそれをアメリカの科学技術の一番盛んなマサチューセッツ工科大学の卒業式で、日本にもしかしたらまた抜かれるかもしれぬよというようなことで話をするんです。これがやっぱり科学技術を喚起するための政治家のリーダーシップの一つのすばらしいあらわし方なんだろうなと私は思うんですね。  ぜひとも総理にそのような、科学技術というのは新しい知的世界に挑戦をする挑戦者です。その挑戦者への称賛といいますか、それを社会的にバックアップするような、そういうことをやっていかない限りは、私は、本当の意味で日本がすばらしい科学技術を持って新しい新規産業を生み出していくという力は生まれてこないのではないのかなと思います。  ということで、答弁はもう結構です、時間がおくれましたので。  以上でございます。ありがとうございました。 <0150>=委員長(竹山裕君)= 以上で今井澄君の質疑は終了いたしました。(拍手)     ───────────── <0151>=委員長(竹山裕君)= 次に、山下栄一君の質疑を行います。山下栄一君。 <0152>=山下栄一君= 私は、まず最初に、この平成十一年度の補正予算の財源の問題でございますけれども、これは、平成十年度の決算の結果を踏まえてそれが組み込まれておるわけですけれども、ただ、この平成十年度の決算の中で税収の見込み違いといいますか、これが非常に甚だしくなっているという、この問題点を取り上げたいというふうに思うわけでございます。  平成十年度は三回補正を組んだわけでございますけれども、最終的に税収不足が七千四百七十億円というふうになっておるわけです。特に、法人税でございますけれども、法人税収が、当初見積もり十五兆二千七百四十億円、三度の補正予算の中でも二度減額修正、第一次六百七十億、第三次三兆五千億やって、なおかつ三千億円の不足が生じている。これは、今回の補正予算を組む前提となった平成十年度の決算の結果わかっておるわけでございますけれども、当初予算から見ればこれは三兆八千五百億円強の見積もり違いが生じたことになる。誤算率三三・七%。これは過去二十年間、最大の誤算になっているわけでございます。  こういう事態になぜ陥ったのか、その原因について大蔵大臣にお聞きしたいと思います。 <0153>=国務大臣(宮澤喜一君)= 平成十年度の財政見積もり、租税収入見積もり、当初五十八兆五千億でございましたが、決算としては四十九兆四千億でございますので、その間非常に大きな、九兆一千億円の対当初の増減になりました。その中でも法人税は今おっしゃいましたような落ち込みをいたしたわけであります。  原因は二つあったと思いますが、一つは、いわゆる発射台と称するもの、最初の計算のベースにいたしました平成九年度の税収が見積もりよりもかなり現実には減ったということがあると思います。御承知のように、見積もりの時期が大体十一月から十二月でございますので、その後にもっと大きな目減りがあった。  しかし、それと同じぐらい、少なくとも同じぐらい私は平成十年度の経済の推移についての見方が事実と違っておったと。だれの責任ということを申すつもりはございません。そうではございませんが、これだけの十年度の不況というものが大規模であり、かつ永続的であったということについて、それは殊に御承知のように法人についてあらわれるわけでございまして、法人がある意味では従来戸惑っておりましたいろいろな不良部分を決算に出してきたということがあると思いますけれども、それにいたしましても、それは非常に大きな金額でございました。このことが法人税収の落ちに一番の関係があったというふうに思っております。 <0154>=山下栄一君= 今、二つの原因のうち一つだけ言っていただいたんですね。  次の質問が中心の質問なんですけれども、昭和五十三年度に財政難を理由にして税収区分を見直して、年度内、三月までに納税義務が発生した場合でも、翌年四月、五月に納入された税金、これもその年度の税収としてカウントするというふうになったわけでございます。この変則的な税収区分が税収見通しを非常に困難にしておる、これがずっと昭和五十三年度から続いておるということがこの見積もりの誤りの一つの大きな原因でもあるというふうに思うわけでございます。  大蔵大臣が、昭和六十三年、当時も大蔵大臣であったわけですけれども、この税収区分の現状につきまして、余り都合のよいことじゃないということを認めた上で、今後の財政事情の変化を見ながらよく検討すると、このように参議院予算委員会で答えられておるわけでございます。さらに、平成三年、今度は総理大臣のお立場で、衆議院本会議ですけれども、見積もりが狂うのはやはり税収の年度区分が悪いのではないかということを痛感している、いつか直したい、このように考えているというふうに答弁をされておるわけでございます。その間、その間というか昭和六十二、三年の財政事情が極めてよかったときにも見直されないままに今日に至って、今最悪の状態になっているわけでございます。  いずれにしましても、この税収の算出が非常に信頼できない状況になっておるということ、これは非常に大きな事態であるというふうに考えるわけでございまして、いつか直したいとおっしゃって七年、八年たつわけですけれども、やはり本来の税収区分、四月一日から翌年の三月三十一日納入分で切るという基本に戻すべきだというふうに考えるわけです。繰り返しこの問題についてはお考えになってきたわけですけれども、そろそろ結論をお聞きしたいなというふうに思います。 <0155>=国務大臣(宮澤喜一君)= これは昔からこの問題についての御指摘がありまして、正直を申し上げていまだに御指摘にこたえていないということを正直に申し上げなければなりませんけれども、理屈としましては、これはもう前にも申し上げました。  税収というのは納税義務が発生したそのときに属するという考え方でございますから、そういうわけで年度内に納税義務が成立しております税収はその年度に属するということで、三月期決算法人の法人税は翌年度の五月税収に本当はなるべきところを当年度に組んでおる。この理屈はこれでよろしいのですが、ただ、先ほど私は平成十年度の法人税収を、十一兆四千億でございますが、申し上げましたが、実はそのうちでことしの四―五月に入っておりますのが四兆六千億円ございますので、四〇%は実は今年度になってから入っているという、こういうことを毎年毎年繰り返していくようなことになっていますので、これを変えるとなりますと非常に大きな特例公債でも出しませんと、そのつなぎ目が泳げないという問題がございまして、言いわけみたいなことでどうも立派なお答えにはならないんですが、それをずっと続けてきておりまして、確かにこれが税収見積もりを困難にしておる、そのとおりと思います。  結局、五十三年ですから、二十年間やってまいったということになりますけれども、どう申しますのでしょうか、もう少しいい時代になりましたら何とかしなきゃならぬなということは考えておりますけれども、なかなか今どうも変えられないというのが正直な話でございます。 <0156>=山下栄一君= 次の問題に移ります。  ダイオキシン類対策特別措置法、七月十二日に成立したわけでございますけれども、去年の九月から法案に取り組んできました我が党といたしまして、多くの関係者の方々の支えがあって、また住民の皆様方の厳しい監視もあって、今国会で成立にこぎつけた、感無量であるわけでございます。  ただ、この法律は、国の枠組みはできましたけれども、かぎを握るのはこれからであるわけでございます。すなわち、来年一月に施行されるわけですが、その成否は、政省令事項、環境基準を初めといたしまして、対象施設もこれから特定されていくわけでございます。中央省庁にゆだねられている。また、対策の実施主体、これは自治事務でございますので地方自治体がかぎを握っておるわけでございます。まさに枠組みはできたけれども、その成否はこれからだというふうに思うわけでございます。  このダイオキシン問題、二月に閣僚会議でも取り上げられて、内閣の最重要課題、最重要課題が多いわけですけれども、ダイオキシンもその大きな課題だというふうにおっしゃった小渕総理のこの法律の実効性に万全を期すための御決意をお伺いしたいと思います。 <0157>=国務大臣(小渕恵三君)= このたび、国民の健康をダイオキシンから守ることを目的とするダイオキシン類対策特別措置法が議員立法によりまして成立をいたしましたこと、政府といたしまして深く敬意を表するものでございます。  ダイオキシン対策は、国民一人一人の安全性を確保し、安全へのかけ橋を築いていく上で重要と認識をいたしており、これまでも政府一体となって取り組みを進めてきたところではあります。今後は、法が成立したことを真摯に受けとめ、地方公共団体とも連携を図りつつ、ダイオキシン対策をさらに強力に推進することにより、国民の皆様の不安の解消に努めてまいりたいと思っております。  御指摘のように、これから政省令等を出していくわけでありますけれども、まさにこの法律が制定された趣旨をそのもととして、十分な政府としての対応を、もちろん閣僚会議もそうでありますけれども、万遺漏なきを期して努力をいたしていきたい、このように考えております。 <0158>=山下栄一君= それにかかわる話ですけれども、二十一世紀は環境配慮が求められる、そういう社会になることは間違いないと思うわけです。中央省庁の再編、法律が通りまして、平成十三年一月に発足するわけですが、環境庁の組織、定員等の体制強化、これは総理大臣、既に国会答弁でお答えになっておられますけれども、平成十三年一月ということは来年度予算に反映させなければならない、今まさにこれは取り組まなければいかぬわけでございます。この十二月の政府原案を目指しまして、これは総理の特段のリーダーシップにかかっておるわけでございますけれども、この点のお考えをお聞きしたいと思います。 <0159>=国務大臣(小渕恵三君)= まさに環境省として出発をするわけでございますので、そのための準備怠りなく対処していきたいと思いますし、庁から省に格上げされたこのゆえんのものも、国民に対する責任と政府の中での環境省の重さということがあるかと思いますので、その十分な配置その他、環境省にふさわしいものにしていくべくこれから最善を尽くしていきたいと思っております。 <0160>=山下栄一君= 排ガス規制の問題につきまして、環境庁それから厚生省にお伺いしたいと思います。  一月施行までに排出基準を決めるわけですけれども、これは新設炉と既設炉で今差を設けながら行政指導をやっておるわけです。平成十四年まで八十ナノグラムという基準で既設炉は猶予されているというふうに考えるわけですが、これを見直さなきゃいかぬと。来年一月施行と同時に排出基準は新しく法律事項として実施されるわけですから、今までの行政指導を改める必要があると考えますが、お考えをそれぞれお聞きしたいと思います。 <0161>=国務大臣(宮下創平君)= まず、廃棄物の焼却施設の排出濃度基準の設定でございますが、今、委員御指摘のように新設の場合と既設の場合で基準を異にしておりますが、これは一々申し上げませんけれども、平成十四年の十一月までは八十ナノグラムということになっておりまして、平成十四年十二月以降につきましてはこれをさらに相当強化する基準値を設定してございます。これは、いろいろの技術的可能性を考慮した上で、できるだけ低い値を設定したものというように私どもは理解しておりますが、今度のダイオキシン特別措置法の制定によりまして、最終的には最新のデータを踏まえて、専門的な見地からの検討が必要であるという認識は持っております。  したがって、生活環境審議会におきましてTDIも四ということで、政府の方でも先般のダイオキシン閣僚会議で報告させていただいておるわけですが、産業廃棄物焼却施設に係る基準の妥当性を検証するために、厚生省としては廃棄物処理法に基づく排出濃度基準の見直しの必要性について検討を進めていきたいと思っておるところでございます。 <0162>=国務大臣(真鍋賢二君)= ダイオキシン類の危害については国民一致した危険性を持っておりまして、全党一致でこのたびダイオキシン類対策法案が通過いたしたわけであります。それに基づいて、これからいろいろな問題が派生するわけでありまして、的確に対応していかなければならないと思っております。  先生今御指摘の大気汚染防止法でございますけれども、これに基づきまして、廃棄物焼却炉等に対しまして可能な限りの排出抑制を図るという観点から、新設の施設については現在とり得る限りの厳しい基準を設定いたしておるところであります。また、既設の施設については技術的な対応可能性をもとに当面の基準を設定するとともに、先ほど御指摘のありました平成十四年の十二月からさらに厳しい基準を適用することといたしております。  そして、今後、環境庁といたしましては、ダイオキシン類対策特別措置法の施行に向けて排出基準値の設定について、現在の基準値の見直しの必要性も含めて検討を急いでまいりたいと考えておる次第であります。 <0163>=山下栄一君= 結論から申しますと、現行の行政指導、既設炉に対しては見直しをして、国民の皆さんが納得できる対応をお願いしたいと思います。  残された時間、青少年問題をお伺いしたいと思うわけでございますけれども、青少年の問題というのは世界的な課題になっておるわけでございます。  よく言われますように、青少年の凶悪事件が激増しておりますし、薬物汚染、低年齢化、性犯罪の増加、いじめ、また高校中退者がどんどんふえておるという状況、極めて深刻な問題であるわけです。  私は、この一月に出されました青少年白書、これを見させていただきまして、特に十代の青少年が一番大きな問題であろうと思うわけです。青少年問題審議会、これは首相の諮問機関であるわけですけれども、また有馬大臣も直接中教審等、有識者会議にかかわってこられたわけですけれども、私はこれを読ませていただいて、現実のこの十代の子供たち、青少年の命に響かない、そういう対応になってしまっているなということを感じるわけです。  大人が青少年に対して指導するということではないんでしょうけれども、命に響くような状態になかなかなっておらない。何となく、いろんな会議をつくり施策をされておるんですけれども、心を揺り動かすような状況になっておらないということはどこから来ておるのかなというふうに感じるわけですけれども、やはり青少年の側に立った施策が最も求められておる。もちろん、そういう観点からお考えなんでしょうけれども、非常にずれがあるなということを感じます。  私は、特に学校教育、それはもちろん高校もありますし中学もある、そして各種学校、専修学校、いろんな教育機関があるわけですけれども、そこから社会に出る接続の問題、これは現状は非常にうまくいっておらないというふうに思うわけです。健全に青少年を社会参加させていく、そして思いやりの心を育てるための貢献ができるような、そんな社会参加の活動に参加させていく仕組みが余りないというふうに思うわけです。  NPO、法律は施行されておりますけれども、そういうところにも自然に入っていけるような、そんな仕組みも情報不足でできていないというふうに考えるわけですが、この点につきましての総務庁長官、所管大臣、それから総理大臣のお考えをお聞きしたいと思います。 <0164>=国務大臣(小渕恵三君)= まず、私から御答弁申し上げますが、なかなか難しい問題であろうと思います。  ただ、山下委員も中学、高校の教諭として青少年の教育に携わった御経験も持っておられるわけでございますので、いろいろ御苦心もあったことだと思っております。  青少年について、お話しのように、いろいろと不良化あるいは麻薬の汚染の問題、性犯罪等々、大変暗いニュースばかりが非常に報道されるわけでございますが、もちろん、こうしたことは改めていかなければならない、諸政策は講じなきゃならぬと思いますけれども、同時に、今お話の