145回-参-予算委員会-08号 1999/03/02 平成十一年三月二日(火曜日)    午前十時二分開会     ─────────────    委員の異動  三月一日     辞任         補欠選任      石田 美栄君     円 より子君      浜田卓二郎君     沢 たまき君      岩佐 恵美君     小池  晃君      橋本  敦君     八田ひろ子君     日下部禧代子君     福島 瑞穂君  三月二日     辞任         補欠選任      沢 たまき君     浜田卓二郎君     ─────────────   出席者は左のとおり。     委員長         倉田 寛之君     理 事                 鴻池 祥肇君                 竹山  裕君                 林  芳正君                 矢野 哲朗君                 今井  澄君                 平田 健二君                 山下 栄一君                 笠井  亮君                 大渕 絹子君     委 員                 市川 一朗君                 岩井 國臣君                 大野つや子君                 狩野  安君                 金田 勝年君                 岸  宏一君                 斉藤 滋宣君                 常田 享詳君                 長谷川道郎君                 松谷蒼一郎君                 溝手 顕正君                 依田 智治君                 吉村剛太郎君                 若林 正俊君                 海野  徹君                 江田 五月君                 郡司  彰君                 内藤 正光君                 広中和歌子君                 福山 哲郎君                 円 より子君                 柳田  稔君                 加藤 修一君                 沢 たまき君                 浜田卓二郎君                 益田 洋介君                 小池  晃君                 須藤美也子君                 八田ひろ子君                 照屋 寛徳君                 福島 瑞穂君                 入澤  肇君                 月原 茂皓君                 菅川 健二君                 山崎  力君                 佐藤 道夫君    国務大臣        内閣総理大臣   小渕 恵三君        法務大臣     中村正三郎君        外務大臣     高村 正彦君        大蔵大臣     宮澤 喜一君        文部大臣        国務大臣        (科学技術庁長        官)       有馬 朗人君        厚生大臣     宮下 創平君        農林水産大臣   中川 昭一君        通商産業大臣   与謝野 馨君        運輸大臣        国務大臣        (北海道開発庁        長官)      川崎 二郎君        郵政大臣     野田 聖子君        労働大臣     甘利  明君        建設大臣        国務大臣        (国土庁長官)  関谷 勝嗣君        自治大臣        国務大臣        (国家公安委員        会委員長)    野田  毅君        国務大臣        (内閣官房長官)        (沖縄開発庁長        官)       野中 広務君        国務大臣        (金融再生委員        会委員長)    柳沢 伯夫君        国務大臣        (総務庁長官)  太田 誠一君        国務大臣        (防衛庁長官)  野呂田芳成君        国務大臣        (経済企画庁長        官)       堺屋 太一君        国務大臣        (環境庁長官)  真鍋 賢二君    政府委員        内閣参事官        兼内閣総理大臣        官房会計課長   尾見 博武君        内閣審議官        兼中央省庁等改        革推進本部事務        局次長      松田 隆利君        内閣官房内閣内        政審議室長        兼内閣総理大臣        官房内政審議室        長        竹島 一彦君        内閣法制局長官  大森 政輔君        内閣法制局第一        部長       秋山  收君        内閣総理大臣官        房審議官     佐藤 正紀君        警察庁長官    関口 祐弘君        警察庁刑事局長  林  則清君        警察庁警備局長  金重 凱之君        金融監督庁長官  日野 正晴君        金融監督庁検査        部長       五味 廣文君        金融監督庁監督        部長       乾  文男君        総務庁行政管理        局長       瀧上 信光君        総務庁行政監察        局長       東田 親司君        防衛庁防衛局長  佐藤  謙君        防衛庁運用局長  柳澤 協二君        防衛庁人事教育        局長       坂野  興君        防衛庁装備局長  及川 耕造君        防衛施設庁長官  大森 敬治君        防衛施設庁総務        部長       山中 昭栄君        防衛施設庁施設        部長       宝槻 吉昭君        経済企画庁調整        局長       河出 英治君        経済企画庁調査        局長       新保 生二君        科学技術庁長官        官房長      興  直孝君        科学技術庁原子        力局長      青江  茂君        科学技術庁原子        力安全局長    間宮  馨君        環境庁自然保護        局長       丸山 晴男君        環境庁水質保全        局長       遠藤 保雄君        沖縄開発庁総務        局長       玉城 一夫君        国土庁計画・調        整局長      小林 勇造君        法務大臣官房長  但木 敬一君        法務大臣官房司        法法制調査部長        兼内閣審議官   房村 精一君        法務省刑事局長  松尾 邦弘君        法務省入国管理        局長       竹中 繁雄君        外務省総合外交        政策局長     加藤 良三君        外務省アジア局        長        阿南 惟茂君        外務省北米局長  竹内 行夫君        外務省経済局長  大島正太郎君        外務省条約局長  東郷 和彦君        大蔵大臣官房長  溝口善兵衛君        大蔵省主計局長  涌井 洋治君        大蔵省主税局長  尾原 榮夫君        大蔵省理財局長  中川 雅治君        大蔵省金融企画        局長       伏屋 和彦君        国税庁次長    大武健一郎君        文部大臣官房長  小野 元之君        文部省生涯学習        局長       富岡 賢治君        文部省初等中等        教育局長     辻村 哲夫君        文部省教育助成        局長       御手洗 康君        文部省高等教育        局長       佐々木正峰君        厚生省健康政策        局長       小林 秀資君        厚生省生活衛生        局長       小野 昭雄君        厚生省老人保健        福祉局長     近藤純五郎君        厚生省児童家庭        局長       横田 吉男君        農林水産省構造        改善局長     渡辺 好明君        運輸省運輸政策        局長       羽生 次郎君        運輸省海上技術        安全局長     谷野龍一郎君        運輸省航空局長  岩村  敬君        海上保安庁長官  楠木 行雄君        郵政省電気通信        局長       天野 定功君        労働大臣官房長  野寺 康幸君        労働大臣官房政        策調査部長    坂本 哲也君        労働省労働基準        局長       伊藤 庄平君        労働省職業安定        局長       渡邊  信君        労働省職業能力        開発局長     日比  徹君        建設大臣官房長  小野 邦久君        建設省住宅局長  那珂  正君        自治大臣官房総        務審議官     香山 充弘君        自治省行政局長        兼内閣審議官   鈴木 正明君        自治省行政局選        挙部長      片木  淳君        自治省財政局長  二橋 正弘君    事務局側        常任委員会専門        員        宍戸  洋君     ─────────────   本日の会議に付した案件 ○平成十一年度一般会計予算(内閣提出、衆議院  送付) ○平成十一年度特別会計予算(内閣提出、衆議院  送付) ○平成十一年度政府関係機関予算(内閣提出、衆  議院送付)     ───────────── <0001>=委員長(倉田寛之君)= ただいまから予算委員会を開会いたします。  平成十一年度一般会計予算、平成十一年度特別会計予算、平成十一年度政府関係機関予算、以上三案を一括して議題といたします。  昨日に引き続き、総括質疑を行います。照屋寛徳君。 <0002>=照屋寛徳君= 社会民主党・護憲連合の照屋寛徳でございます。  連日、総理を初め各閣僚、御苦労さまでございます。  私は、最初に真鍋環境庁長官にお伺いいたしますが、予算委員会の合間を縫って先日、初の沖縄視察をなされたようでございますが、視察の目的と成果、それから北部訓練場の国立公園化について、長官の御所見をお願いいたします。 <0003>=国務大臣(真鍋賢二君)= 去る二十七日、八日の両日、沖縄本島を訪問させていただきました。  今回の訪問の目的は、来年早々オープンいたしますやんばる野生生物保護センターをまず視察させていただきました。その後におきまして、北部の訓練場を含む山原地域の森林、そしてまた沖縄海岸国定公園のサンゴ礁の模様、そして国設漫湖鳥獣保護区などを拝見させていただきました。  地元沖縄県の知事さんを初めといたしまして、市町村長さんにお目にかかり、いろいろと御意見を伺いました。自然を守ることに対する地元の方々の熱意と、地域振興のためにこの地域を活用していきたいという切実な要望をお聞かせいただきました。  今回の訪問の中で、特に山原地域一帯について私自身は一度ぜひ訪問いたしたい、こう考えておりました。イタジイに代表される亜熱帯性の自然林に広く覆われた地をこの目で見て、改めてその自然のすばらしさを実感いたしたわけであります。  時あたかも新緑の候でございましたので、その景観は見事であったと、こう思うわけであります。  山原地域にはヤンバルクイナなど多くの固有種を含む野生生物が生息し、生物多様性の観点からも貴重な地域でございます。環境庁では、平成十四年度末に北部の訓練場が返還をされるわけでありますが、これを機に国立公園として活用することも念頭に置きながら自然環境等の調査を平成八年度から進めております。本年度からは地元の意見を伺うための検討委員会を設けまして、おかげさまで順調に調査が進んでおると伺っております。  今後とも、地元の御意見を十分伺いながら国立公園化に向けて努力していきたいと考えておりますので、関係方面、関係者の皆さんの一段の御理解や御協力をお願いいただけたらと思っておるところでございます。 <0004>=照屋寛徳君= 環境庁長官、本当に御苦労さまでございました。ぜひ、我が国で唯一の亜熱帯性気候、そして豊かな自然環境と生態系の保全のためにこれからもお力をかしていただきたいと思います。  ところで、五月にラムサール条約に登録される予定の漫湖鳥獣保護区を御視察されたようでございますが、その感想と課題、あるいはラムサール条約登録後の管理についての国の協力についてお伺いいたします。 <0005>=国務大臣(真鍋賢二君)= 実際に現地を視察した漫湖は、沖縄県の人口の集中する地域であります那覇市と豊見城村にまたがった所在地でありまして、渡り鳥の渡来地としてだけでなくて都市部に残された貴重な干潟であると認識をいたしております。その価値や保全の必要性を改めて感じた次第であります。  一方、当該地域は、ごみやマングローブの繁茂などによりまして鳥類の生息環境の悪化が指摘されておるところでございます。  環境庁としては、国設鳥獣保護区特別保護地区としての規制や、県へ委託して鳥類の利用状況の把握などを行ってきておりますが、指摘されている問題に関しても、沖縄県及び流域の七市町村が加わった協議会など、地元の取り組みと連携して対策を検討してまいりたいと考えております。 <0006>=照屋寛徳君= それから長官、サンゴの白化現象というのが今大変大きな問題になっておりますけれども、このたびの御視察で、サンゴの白化現象についての国の緊急調査と対策がぜひ必要だと私は思いますが、いかがでございますでしょうか。 <0007>=国務大臣(真鍋賢二君)= サンゴの白化現象につきましても、船上、海上よりその現場を見せていただきました。白化現象が非常に大きいことに驚いたわけであります。これはもう早急に対策を講じていかなければならないということを痛感いたした次第であります。  そこで、現在、環境庁と水産庁では、今年度、環境庁が所管しております環境基本計画推進調査費を活用いたしまして、造礁サンゴ群集の白化が海洋生態系に及ぼす影響及びその保全に関する緊急調査、これは予算額は千九百万つこうとしておりますけれども、これを活用してまいりたいと思っておるところであります。この調査では、平成十年の夏のサンゴ白化現象について、実態把握、生態系への影響、保全策の検討を行うことにいたしております。  それからなお、環境庁では東アジア海域のサンゴ礁モニタリングネットワークの拠点となる国際サンゴ礁研究・モニタリングセンターの設置を沖縄県の石垣市において進めておるところであります。来年度以降、このセンターを中心にいたしまして、サンゴの回復状況について情報の収集、提供に努めていきたいと考えておるところでございます。 <0008>=照屋寛徳君= 環境庁長官にあと一点お伺いいたします。  今回の視察で、嘉手納基地から投棄されたと思われるPCBのため池を基地の外からですけれども視察されたということでありました。沖縄の基地問題はその環境問題でもあるわけですね。そういう意味で、この米軍基地内の環境対策、環境問題についてどういうふうにして取り組んでいこうと思われておりますか。 <0009>=国務大臣(真鍋賢二君)= 先日の沖縄訪問時に嘉手納地区の飛行場で過去にPCBが投棄されたという報道の場所を視察して、これは地位協定等々もございまして施設内に入れませんので、その周辺区域外から視察をさせていただいたわけであります。環境庁といたしましても、昭和五十一年度からずっとこの地域におきまして調査をし続けておるわけであります。そんな関係もございまして、その地区を見せていただいたところであります。  米側は環境専門家チームを昨年十月二十六日より十一月七日まで現地に派遣しまして、当該地区の土壌等のサンプリングを含め調査を実施し、現在調査結果を取りまとめていると承知をいたしております。  環境庁としては、この調査結果の取りまとめを待って、関係省庁及び沖縄県と連絡を密にして、環境にかかわる技術的知見を生かして本問題に適切に取り組んでまいろうと思っておるところであります。 <0010>=照屋寛徳君= それでは次に、嘉手納飛行場におけるパラシュート降下訓練の問題についてお伺いいたします。  来る三月六日に嘉手納飛行場で陸軍特殊部隊、グリーンベレーによるパラシュート降下訓練が行われるということで、今沖縄県民が不安におののいております。  外務省、この訓練通報はいつ日本政府にあったのでしょうか。 <0011>=政府委員(竹内行夫君)= 米側からそういう話がございましたのは先週の後半でございます。 <0012>=照屋寛徳君= 具体的な日にちを特定してください。  そして、通報された訓練の内容はどういうものでしょうか。 <0013>=政府委員(竹内行夫君)= たしか二月二十何日でございましたか、二十六日であったかと記憶いたします。ちょっと正確なところ、申しわけございません。  それで、米側におきましては、陸軍を中心といたしますパラシュート降下訓練を行うことが米軍の運用上必要であるということで実施をいたしたい、こういう話がございました。 <0014>=照屋寛徳君= 正確な日付、これ大事なことなんです。 <0015>=政府委員(竹内行夫君)= 失礼いたしました。二月二十三日でございます。二月二十三日、三月六日午前に嘉手納飛行場においてパラシュート降下訓練を実施予定しているという連絡がございました。 <0016>=照屋寛徳君= 外務省、こういうことじゃ困るんですよ。事は県民の命にかかわることですよ、安全にかかわることですよ。それをこんなあやふやじゃ困る。だから外務省は沖縄県民から信頼を得られないんですよ。日本政府の外務省でしょう、日本国の外務省でしょうが。アメリカ国防省の霞が関出張所かね。そうじゃないでしょう。  訓練内容、陸軍を中心とする云々とありましたが、もっと詳しく説明してください。 <0017>=政府委員(竹内行夫君)= 三月六日午前に嘉手納飛行場において陸軍の特殊部隊等の訓練を行いたいと、こういうことでございました。  これは従来から、米軍の運用の所要といたしまして一定のパラシュート降下訓練を行う必要がある、それが昨年からことしにかけましてその予定がなかなか進んでいなかったということで、嘉手納飛行場においてぜひ陸軍特殊部隊、グリーンベレーなどを交えた訓練を行いたい、こういうお話がございました。 <0018>=照屋寛徳君= 外務省、ごまかさないでくださいよ。陸軍特殊部隊等とはどういうことですか。それ以外の軍隊も参加するんでしょう。 <0019>=政府委員(竹内行夫君)= まことに申しわけありませんが、今直ちに資料を取り寄せてお答えいたしたいと思います。 <0020>=照屋寛徳君= ちゃんと質問通告しているのに、こんな大事なことをそんな、できないよ。質問通告もして、レクもやっているのに、人をばかするな。 <0021>=委員長(倉田寛之君)= 速記をとめて。    〔速記中止〕 <0022>=委員長(倉田寛之君)= 速記を起こして。  北米局長、事実関係については正確を期してお答え願いたい。答えられないものは、その理由を付して答弁にかえてもらいたい。こういう委員会運営では進行上妨げになるので、十分心してやっていただきたい。 <0023>=政府委員(竹内行夫君)= どうも申しわけございませんでした。  二十三日に通告がございましたところによりますと、米側からの通報内容によります訓練の概要でございますが、嘉手納所属の空軍の飛行機をもちまして陸軍の特殊部隊、この人数については通告の内容には入っておりませんでしたが、陸軍の特殊部隊を降下させる、こういう内容でございます。 <0024>=照屋寛徳君= 資料を取り寄せた上でこの内容ですか。外務省、グリーンベレーだけじゃないでしょう。空軍の飛行機だけじゃないでしょう。  皆さん、これはそんな簡単なことじゃないですよ。地域住民がおびえているんですよ、県民が。もっと通報内容を細かく言ってくださいよ。だめだよ、これじゃ。隠しているんだ。 <0025>=政府委員(竹内行夫君)= 二月二十三日に我が方に通告がございましたのは、嘉手納所属のMC130、これは空軍所属でございますけれども、それをもちまして陸軍の特殊部隊のパラシュート降下訓練が行われる、こういう通告でございました。 <0026>=照屋寛徳君= では、柳井事務次官がフォーリー大使にこの件でお会いになったようでございますが、マスコミ報道によりますと、二十三日以降判明した訓練内容を言ってください。 <0027>=政府委員(竹内行夫君)= 米側から二十三日以降の訓練内容について追加的な情報というものは私どもはいただいておりません。 <0028>=照屋寛徳君= では、フォーリーさんにはだれが会ったんですか。どういう内容の話をしたんですか。 <0029>=政府委員(竹内行夫君)= フォーリー大使と柳井次官の会合でございますが、これは二月の二十五日の夜でございます。フォーリー大使がかねて柳井次官を夕食に招いておられました。これは、日米関係全般につきまして意見交換を行うと、総理の訪米ということも予定されておりますので、そういう会合でございました。そこにおきまして、柳井事務次官の方からこの問題につきまして日本側の考えを米側にお伝えしたということで、そこで意見交換というものが行われました。  柳井次官の方から、それは昨年の例もございますし、いろいろ沖縄の現地におきます問題意識というものもございますので、そういう問題意識を踏まえた対応をお願いするというようなことでございました。  フォーリー大使の方からは、米軍にとっての運用上の所要というものについての説明がございました。特段そのときに結論が出たということではございませんけれども、この件については日米間でよく協議をしていきましょう、こういうことでございました。 <0030>=照屋寛徳君= これは、グリーンベレーだけじゃなくして、空軍も海兵隊も三軍合同でやるということが既にマスコミでも報道されているわけですよ。  外務省、正式にアメリカ政府に対して中止要求やりましたか。 <0031>=政府委員(竹内行夫君)= これは私どもの方といたしましては、いろんな問題を踏まえた検討をお願いするということで、その問題の中で、問題意識の中で、この時期に、しかも昨年の例にもかんがみまして沖縄県民の感情等を考えますと、この訓練を嘉手納飛行場で行うことはいかがなものであろうかという問題提起をいたしているところでございます。 <0032>=照屋寛徳君= たまたま招かれた夕食会で言うと。そんなことじゃ困るんですよ。どうして正式に日本政府として中止要求しないんですか。 <0033>=政府委員(竹内行夫君)= その先ほど申しました御質問の柳井事務次官とフォーリー大使の意見交換というのは、そういう場合でございましたけれども、そのほかの機会にも北米局長、私からこちらの在京米大使館の筆頭公使に対していろんな申し入れをしておりますし、そのほかのレベルでも毎日のように協議、意見交換は行っているところでございます。 <0034>=照屋寛徳君= 外務大臣、本当にこれは重大な事故の危険があります。それから、基地機能の強化にもつながるんじゃないかということで地元では心配しております。もう事務方じゃなくして、大臣が直接中止要求するというお考えはありませんか。 <0035>=国務大臣(高村正彦君)= 地元の方の御心配はよく存じているつもりでございます。  先週の金曜日に今米側と協議をしているという報告を受けて、そして事務方でだめであれば私が直接フォーリー氏に会うよというのを金曜日に事務方に言いました。事務方ではもう少し事務方同士でぎりぎりやらせてほしいと。それで、私が会って話すことあり得べしということは金曜日に外務省の中で決めていることでありますが、もう少し細かい点についてもぎりぎりやらせてほしいというのが事務方の話でありましたから、きょうもやっていると思っております。 <0036>=照屋寛徳君= さっきから答弁聞いていると、ぎりぎりどころじゃなくして、てんでばらばらじゃないですか。冗談じゃないですよ。今の時点で大臣として本当にアメリカ政府に申し入れられませんか。 <0037>=国務大臣(高村正彦君)= 今予算委員会で拘束されておりますが、事務方の報告をきっちり受けた上で何らかの形をとるということはもう金曜日に決定をしているところでございます。いたします、だから。 <0038>=照屋寛徳君= この軍事訓練について、沖縄県や関係市町村へは正式通報はやっておりますか。 <0039>=政府委員(竹内行夫君)= 正式通報という形でございますと、我々としましては、外務省としては、まさに今米軍と協議をいろいろしている最中でございますので、正式の通報ということは、手続はとっておりません。 <0040>=照屋寛徳君= なぜ通報しないんですか。多くの県民が今不安におののいているんですよ。アメリカから通報を受けた内容を速やかに知らせるというのがSACOの合意内容じゃないですか。 <0041>=政府委員(竹内行夫君)= 正式の通報ということでお答え申し上げましたけれども、当然沖縄県の方とは事務的にも緊密に連絡を行っているところでございます。 <0042>=照屋寛徳君= 官房長官、やりとりを聞いておられてどうですか。昨年五月の訓練のときには、当時の鈴木沖縄開発庁長官が米軍に自粛を求めたいというふうに公式にコメントをしております。官房長官がいつぞや批判をした、アメリカに対して弱腰なんですよ、外務省は。沖縄開発庁長官としてこの訓練問題についてどういうふうに考えておられますか。 <0043>=国務大臣(野中広務君)= 米軍が日米安全保障体制の上で我が国の平和と安全を確保するために米軍としての訓練を行うことは一般論としてあるべしと考えております。  ただ、嘉手納におきますパラシュートの降下訓練につきましては、昨年五月の経緯もかんがみまして、今、外務大臣その他から答弁がございましたように、外務省において米軍当局に、沖縄県民の昨年の経過も踏まえた上で一応対応を考えてもらいたいということを申し述べております。私も会見で記者からの質問に答えまして、けさほども、今外務省と協議を進められておるところでありますけれども、昨年の経過を踏まえまして、米軍当局におきましても、米国におきましても、よき隣人とし、同盟国として特別の配慮を期待するという旨を申しました。外務大臣の意向も踏まえまして私どもも対応してまいりたいと考えております。 <0044>=照屋寛徳君= それでは、法務大臣、お待たせをいたしました。法務大臣にお伺いをいたします。  この予算委員会始まって以来、民主党の角田委員、それからきのうは江田委員、そして社民党の大渕委員、共産党の橋本委員などなどから改憲発言や指揮権発動をめぐって辞任を求められておりますが、どうですか、まだおやめになられる気はありませんか。 <0045>=国務大臣(中村正三郎君)= いろいろ御答弁させていただきまして、御理解を賜りたいと思っております。 <0046>=照屋寛徳君= 何か急に声が小さくなったような感じがしますが、官邸のホームページによると、あなたの信条は「議会制民主主義の確立と社会正義の実現」と書いてあるんですよ。ところが、どうもやっていることはそれに逆行することばかりじゃありませんか。  これから具体的に聞いてまいりましょう。  さて、いわゆるオーバーステイ外国人の在留特別許可制度の法的な根拠と要件についてお伺いいたします。 <0047>=政府委員(竹中繁雄君)= お答えいたします。  在留特別許可の制度は、入管法の第二十四条に規定する退去強制事由に該当しているとの容疑により退去強制手続を受けている外国人が法務大臣に対して異議を申し出たときに、その異議の申し出に理由がないと認める場合であっても、法務大臣が特別な事情があると認めるときは、その者の在留を許可することができるという制度でございます。  特別の事情としましては、容疑者が永住許可を受けているとき、かつて日本国民として本邦に本籍を有していたことがあるとき、難民の認定を受けているとき、それから最後に、その他法務大臣が特別に在留を許可すべき事情があると認めるとき、この四項が入管法の主に第五十条に列挙されております。 <0048>=照屋寛徳君= 入管局長、関連して、入管法で定める我が国への上陸の条件、あるいはまた上陸特別許可という制度について説明してください。 <0049>=政府委員(竹中繁雄君)= 上陸特別許可につきましても基本的に同じ発想でございまして、基本的に上陸する際には入国審査官の証印を受けなければ入国できないということになっておりますけれども、特別の事情があるときは法務大臣に異議申し立てができ、法務大臣が特に理由があると認めるときにはその上陸を許可することができるという制度でございます。 <0050>=照屋寛徳君= 法務大臣、あなたはアーノルド・シュワルツェネッガーという俳優を知っておりますか。 <0051>=国務大臣(中村正三郎君)= 存じております。 <0052>=照屋寛徳君= あなたもしくは奥さんかお嬢さんか、どちらかがシュワルツェネッガーのファンであるというふうに聞いておりますが、間違いないでしょうか。 <0053>=国務大臣(中村正三郎君)= そうだと思います。 <0054>=照屋寛徳君= どちらですか。 <0055>=国務大臣(中村正三郎君)= みんなだと思います。私もファンですけれども、みんなだと思います。 <0056>=照屋寛徳君= 昨年、シュワルツェネッガーが自家用機で関西空港に我が国への上陸を目的に来たことがありましたでしょうか。 <0057>=国務大臣(中村正三郎君)= ございました。 <0058>=照屋寛徳君= その際、シュワルツェネッガーはビザを持っておったでしょうか。何の目的で我が国に上陸しようとしたんでしょうか。 <0059>=国務大臣(中村正三郎君)= 日本のどこかの企業と提携した事業のキャンペーンで来られたと伺っております。それで、ビザでなくてパスポートを持っておられなかったんです。 <0060>=照屋寛徳君= 入管局長、具体的に、事業のキャンペーンと言っていますけれども、シュワルツェネッガーはそのとき入国審査官には何と言ったんですか。 <0061>=政府委員(竹中繁雄君)= 当時、入国の目的として、大阪市等が協賛する舞洲テーマパークの起工式に出席したいということで、同氏はこのセレモニーに不可欠の人間であるので特に上陸をお願いしたい、こういうことでございました。 <0062>=照屋寛徳君= 映画のプロモーションに来た、こういう目的を告げたのではありませんか。 <0063>=政府委員(竹中繁雄君)= 先ほど申しましたように、この舞洲テーマパークの起工式に出るという目的ということで、関係の資料も持ってまいりまして、それを我々も確認しております。 <0064>=照屋寛徳君= シュワルツェネッガーの上陸許可の手続はどういうふうになされましたか。 <0065>=政府委員(竹中繁雄君)= シュワルツェネッガー氏は、十月二十七日に自家用機で関西空港に到着しております。それで、同氏は、米国出国の直前に旅券を盗まれたということで旅券を所持していなかったわけでございます。それで、審査の結果、上陸のための条件に適合していないと認定されて、それに対して、法務大臣に対し異議の申し立てがあったものでございます。それに対して、先ほど述べたような経緯で最終的に法務大臣の許可が出たということでございます。 <0066>=照屋寛徳君= 旅券なしで入ってきた。それで、異議の申し立てがあって、大臣が上陸特別許可の裁決をされたわけですね。  どういう理由で決裁されたんですか。 <0067>=国務大臣(中村正三郎君)= 今申しましたような状況の中で、同氏の異議の申し立てについて、特別に上陸を許可するべき事情があるかを検討いたしましたところ、同氏は既に旅券の再発給を申請済みであり、我が国にある米国公館において速やかに新たな米国旅券の発給を受けることができる見込みであることなどの諸事情を総合的に考慮の上、同氏の上陸を特別に許可することが相当であると判断いたしました。 <0068>=照屋寛徳君= 大臣、その際に、シュワルツェネッガーに反省文、あるいは表題は上申書か何か知りませんが、そういうたぐいの文書を書かせたことはありませんか。 <0069>=国務大臣(中村正三郎君)= 通常、こういう特別な許可をいたしますとき、必要に応じててんまつ書を書いてもらうようにしておりますので、それはそういう手続をとったと思います。 <0070>=照屋寛徳君= 大臣御自身がそのてんまつ書をごらんになった上で上陸特別許可を決裁されたんですね。 <0071>=国務大臣(中村正三郎君)= 事務の内容は、ちょっといろいろ、それは夜中のことでありましたから、許可したときに、決断したのは夜中でありますから、そのときは、内容は聞いておりましたけれども現物は見ていなかったと思います。 <0072>=照屋寛徳君= そのてんまつ書の内容はどういうものでしたか。 <0073>=国務大臣(中村正三郎君)= 内容はよく覚えておりませんけれども、たしかパスポートを紛失したか──盗まれたと書いてありましたかね、盗まれたので再発給を要請してある、そういうことで特別に許可してくれないかということだったと思います。 <0074>=照屋寛徳君= 入管局長、シュワルツェネッガーのそのてんまつ書の原本はどこにありますか。 <0075>=政府委員(竹中繁雄君)= お答えいたします。  担当課のファイルにございます。 <0076>=照屋寛徳君= 担当課と。正式な課名と、その原本はいつ戻ったんですか。 <0077>=政府委員(竹中繁雄君)= 課は入国管理局審判課でございます。  時間の問題につきましては、内部の事務処理のことでもあり、答弁を差し控えさせていただきたいと思います。 <0078>=照屋寛徳君= 大事なことだ。これは続く質問とも重大な関連がありまして、入国管理行政そのものにかかわる問題なんです。いつ戻ったんですか。 <0079>=政府委員(竹中繁雄君)= 申しわけございません。内部の事務処理のことでもあり、答弁を差し控えさせていただきたいと思います。 <0080>=委員長(倉田寛之君)= 速記をとめて。    〔速記中止〕 <0081>=委員長(倉田寛之君)= 速記を起こして。 <0082>=照屋寛徳君= 入管局長、シュワルツェネッガーのてんまつ書の原本はいつ戻ってきたんですか。 <0083>=政府委員(竹中繁雄君)= 済みません、前と同じお答えになりますけれども、内部の事務処理のことでございますので、答弁を差し控えさせていただきたいと思います。 <0084>=委員長(倉田寛之君)= 速記をとめて。    〔速記中止〕 <0085>=委員長(倉田寛之君)= 速記を起こして。 <0086>=政府委員(竹中繁雄君)= お答えいたします。  昨日、大臣室より返戻されたものと承知しております。 <0087>=照屋寛徳君= これは恐ろしいことですよ。入管記録の中の、しかも特別に上陸を求めた外国人のてんまつ書の原本が、私が質問通告をしたら、昨夜でしょう、戻ってきたのは。歩いてきたの。どこから戻ってきたんですか。冗談じゃないですよ。 <0088>=政府委員(竹中繁雄君)= 先ほど申しましたように、大臣室から返戻されたと承知しております。返ってきたということでございます。 <0089>=照屋寛徳君= 法務大臣、大変なことですよ、これは。このシュワルツェネッガーのてんまつ書の原本が大臣室にあったんですか、それともあなたの御自宅にあったんですか、はっきり答えてください。 <0090>=国務大臣(中村正三郎君)= これは今事務の内容だからよく話せないとありましたけれども、よく話したいと思います。  最初はファクスが参りました。ファクスが来て、それで決裁されて、そのファクスがずっとあったんだと思います。それからかなりたって、原本が来ましたので御確認くださいと持ってこられて、それを私、秘書に返却するように言ったんですが、それがあったんだと思います。ほかに出たことはございません。その二重になったということで誤解を生んだんだとすれば、最初はファクスで来て、それで決裁して、それがあって、それから大分たってから来て、それがたまたま置いてあったんだと思います。 <0091>=照屋寛徳君= 大臣、あなたが原本を預かり保管して、コピーを一件記録に添付しておったんでしょうが。 <0092>=国務大臣(中村正三郎君)= そういうことは絶対ございません。  最初に来たファクスで決裁したので、最初の文書はコピーであります、ファクスのコピーであります。その次に送られてきたのが原本でありましたけれども、それがかなりおくれて来ました。来て、それが、私は秘書に返却するように言ったのが大臣室に忘れられてあったんだと思います。 <0093>=照屋寛徳君= 法務大臣、この一件をもってもあなたは本当に法務大臣としての資格がない。しかも、入管行政というのは国家の主権にかかわることですよ。それをあなたは秘書が秘書がと、また言い逃れしようとしている。  これは私が通告してレクをした、大慌てで昨夜戻したんでしょうが。そんなことじゃ困るんですよ。しかも十月に入ってきた、もう半年近くも返すように言ったけれども自分のところにありました。それで済むと思いますか、あなた。 <0094>=国務大臣(中村正三郎君)= 事実を申し上げるしかないんですが、最初ファクスで来て、そのコピーでもって決裁して、それから随分おくれて原本が参りまして、これをよく確認してくださいというのでそれを大臣室に置いてあって、それを返却すべきときに返却すべきことですが、法務大臣室に置いてあったものが、それが返却されないでいたんだと思います。そして、秘書にこれは返却しろと言ってありましたから、秘書が返却したんだと思います。 <0095>=照屋寛徳君= 法務大臣室のどこに置いてあったんですか。秘書が持っておったんですか。しかも、なぜ昨夜になってから大急ぎで返したんですか。おかしいじゃないですか。そんなことで国民の理解が得られますか、入管行政に対する、大臣。  本当はあなたの御自宅に持ち帰っておったんじゃないですか。 <0096>=国務大臣(中村正三郎君)= 自宅に持ち帰っておりません。  私の部屋に来た方はよく御存じですけれども、私は部屋にずっと書類を置く癖がありまして、そこの中にあったそうでございます。 <0097>=照屋寛徳君= 入管局長、だれの指示で、しかも昨夜遅くになってからその原本を戻したんですか、何のために。答えてください。正直に答えなさいよ。 <0098>=政府委員(竹中繁雄君)= 昨日、大臣室から返戻があったということで、我々の方は受け取ったということでございます。だれの指示ということではございません。 <0099>=国務大臣(野中広務君)= 先ほど来、照屋議員の御質問、法務大臣、法務省の答弁を通じて、私ども入管問題について御指摘の事項については到底満足すべき御理解をいただくような答弁になっておらないと思いますので、実態を内閣において調査いたしますので、御猶予をいただきたいと存じます。 <0100>=照屋寛徳君= 総理、これは本当に大変な問題になりますよ。今、官房長官が内閣の責任で実態調査をやられると言った。いつまでにやるのか、その結果を予算委員会を含めて国民に明らかにして、その責任を法務大臣にしっかりとらせる。約束できますか。 <0101>=国務大臣(小渕恵三君)= ただいま官房長官からも御答弁させていただきました。事実関係につきましては、正直申し上げて照屋委員と法務大臣との質疑応答しか、私は内容にわたりまして承知をいたしておりません、事務当局もいたしておりますが。したがいまして、官房長官が申し上げたような趣旨でございますので、御理解いただきたいと思います。できる限り早くそのお答えができますように努力いたしたいと思います。 <0102>=照屋寛徳君= では、委員長、今の官房長官、総理の約束をこの総括質疑をやっている間に調査の上明らかにする、こういうことを約束してください。 <0103>=国務大臣(野中広務君)= 可能な限りそう努力いたしたいと存じますけれども、総括質疑は本日いっぱいでございますので、締め総を含めて御猶予をいただきたいと存じます。 <0104>=照屋寛徳君= 私の調査によると、これは大臣室以外から昨夜運び込まれたというふうに明らかになっておりますので、私はぜひしっかりした責任ある調査をお願いしたいと思う。これは大変な問題ですからね。  さて、法務省にお伺いをいたしますが、入管局長から地方入国管理局長、支局長あての平成四年四月八日付、平成八年八月十日付の通達の内容について説明をしていただきたいと思います。 <0105>=政府委員(竹中繁雄君)= お尋ねの通達は、出入国管理及び難民認定法に基づく上陸及び在留に関する法務大臣の裁決に関するものであろうかと思います。  この通達は、異議申し立て案件のうち一定の範囲のものについては地方入管局長に専決させることを内容としております。  具体的には、政治、外交等に影響を及ぼすおそれがあるもの、政策決定等の参考となるもの、報道により一般の関心を引いたもの、そういうもの以外の案件であって、かつ上陸または在留の特別許可を与えることにこれまでの例から見て特段の問題がないと認められるものにつきまして地方入国管理局長限りで専決ができるとするものでございます。  なお、このような案件であっても、地方入国管理局長において専決することが適当でないと判断した件については、やはり本省に進達するということになっております。 <0106>=照屋寛徳君= この専決案件それから進達案件、このことが通達で決めてあるわけですね、要件で。どうですか。 <0107>=政府委員(竹中繁雄君)= おっしゃるとおりでございます。 <0108>=照屋寛徳君= 時間が少なくなりましたので、入管局長、この通達に基づき長年入管行政で行われておった専決案件、進達案件の取り扱いが、中村法務大臣就任後に変わりましたね。 <0109>=政府委員(竹中繁雄君)= 大臣が御就任されてから、上陸及び在留いずれにつきましても、どういう流れになっているのか一度自分で見たいという御希望でございまして、基本的にすべて少なくとも概要は大臣に御説明して決裁をしているところでございます。 <0110>=照屋寛徳君= 全然答えになっていない。  中村正三郎法務大臣が就任する前に、歴代の法務大臣でみずから直接に決裁をした人がおりましたか。 <0111>=政府委員(竹中繁雄君)= 私が承知している限りでは、そういう方はおられなかったというふうに聞いております。 <0112>=照屋寛徳君= それで、通達による専決処分は、地方入管局長が専決をやっていた、文字どおり。それから進達案件については、裁決委員会がつくられて、そこで裁決委員会が裁決を代行しておった。歴代の法務大臣でみずからやった人はいないんです。  ところが、中村さんが法務大臣になって後、この専決案件、進達案件の取り扱いが全部変わりましたでしょう。どう変わったか説明してください。 <0113>=政府委員(竹中繁雄君)= 先生が御指摘になりました裁決委員会というのは、実は最近余りもう行われておりませんで、昔、本省に上がってくる件数が余り多くなくて、比較的時間に余裕があったときはそういうことをしておりましたけれども、今は特にそういうことをしておりませんで、事務的に決裁でもって決めているというのが実情でございます。  それで、どこが変わったかということでございますけれども、先ほど申しましたように、上陸特別許可それから在留特別許可双方につきまして、すべての案件を大臣にお目通しするというふうにしております。 <0114>=照屋寛徳君= 入管局長、旧専決案件については今や大臣が全部決裁しているんでしょう。大臣は記録を読んでいますか。一々全記録を読んだ上で決裁していますか。 <0115>=政府委員(竹中繁雄君)= 基本的に在留特別許可の案件につきましては、件数も多いものですから、数十の案件を束ねまして、それをある種分類して、それで私どもの判断を付して、余り問題のないもの、特にこれは大臣に見ていただいて御判断いただいた方がいいもの、そういうものをピックアップして大臣に御説明して御決裁をいただいているということでございます。 <0116>=国務大臣(太田誠一君)= ちょっと私、関係をするところがありますので、お答えさせていただきますが、文書決裁規則を各省に設けておりまして、これは大臣の訓令として文書決裁規則が置かれているわけでございます。その文書決裁規則につきまして、さきの橋本内閣のときに調査をされまして、閣僚懇談会の申し合わせとして、決裁事項が、大臣が実際にする部分が大変少ないというか、限りなくゼロに近い状態でありましたので、それでは大臣自身の決裁権限が十分発揮されていないということでもって、なるべく大臣の決裁をみずから行っていただくようにということを初閣議のときに申し上げまして、恐らくそのことでもって法務大臣も決裁事項をふやすという努力をされたのではないか、運用上も工夫をされたのではないかと思います。それは御参考までに申し上げたいと思います。 <0117>=照屋寛徳君= 総務庁長官、せっかくですが、あなたが思うのは結構ですが、中身は全然違うんです。  入管局長、旧専決案件について大臣に記録を送っていないでしょう。氏名と国籍と事件番号だけをリストアップして、それでマル・バツで決めているんじゃないですか。どうですか、本当に。正直に言ってください。 <0118>=政府委員(竹中繁雄君)= 件数が多いものですから、基本的にだれが見ても余り問題がないものについてはそれこそある種簡便なやり方で御説明しておりますけれども、問題になる、判断を要するものについてはそれなりの資料を添えて御説明申し上げて御決裁をいただいているということでございます。 <0119>=国務大臣(中村正三郎君)= 御説明申し上げます。  それほどやり方が変わったわけではございません。  裁決委員会というのは最近やっていない制度であり、通達は通達で出ておりますけれども、今お話ございましたように、難しい問題は大臣みずからが決裁するべきであろうという考えを私は持っております。  そして、ちょうど決算行政委員会から、去年の九月ごろだと思いますけれども、出入国管理の厳正化についての申し入れがございました。それは、ビザの発給の厳格化とか水際での取り締まりの強化とか、外国人の不法就労の防止、密航組織の実体解明、出入国管理体制の強化等でございました。  そこで、新聞でいろいろ問題があるのではないかというような指摘をされたこともございますので、改善するべき事項はないんだろうかということでもって、私が、これは大臣許可でありますから、大臣の責任においてやることでありますから、目を通そうということでいたしました。  実態は、これも内部の事務ですから御説明はあれなんですが、申し上げますと、いっぱいの案件があります。それを全部持ってこられまして、担当の人が、これは従来の基準でいくと許可すべきものですので自分たちの権限で許可させてくださいと言うので、許可して、その中で特に問題のありそうなものをピックアップして判断を仰ぐと。そして判断をいたしますが、事務当局の判断と私の判断と違ったということはございません。 <0120>=照屋寛徳君= 歴代法務大臣がみずから決裁しなかった、にもかかわらず、突如としてあなたになってから内部通達も全部変わった、手続も。大変大きな問題を含んでおりますが、先ほどのてんまつ書の原本の保管問題を含めてまた引き続いて追及をしてまいります。  さて、通告しておりましたシカゴ条約と周辺事態法との関係でお伺いいたしますが、一点運輸省にお伺いいたします。  二月二十三日付の朝日新聞で、朝鮮有事を想定した際の我が国への作戦支援の問題でございますが、その中で、アメリカが成田空港も使わせろ、こういうふうに言ってきたというんですが、それは事実でしょうか。また、成田空港を米軍に使わせるようなことも考えておるんでしょうか。 <0121>=国務大臣(川崎二郎君)= 報道されたようなことは運輸省には全く届いておりません。  それから、成田空港につきまして少し申し上げますと、米軍機は地位協定第五条に基づき我が国の民間空港の一時的使用が可能であります。大体年間千回ぐらい全国の民間飛行場の離発着がございます。ただ、優先使用は認められておりません。したがいまして、混雑空港、民間の利用でいっぱいな空港につきましては基本的には難しいと考えております。  それから、成田の問題については、空港建設の経緯がございます。国会で歴代の運輸大臣が答弁されております。そういった意味では慎重に対応しなきゃならないな、こう考えているところでございます。  いずれにせよ、周辺事態という場合には当然基本計画を設定いたすことになりますので、基本計画の設定の段階におきまして今私が申し上げたことを十分配意しながら調整を進めてまいりたい、こう考えております。 <0122>=照屋寛徳君= 大臣、周辺事態法がもし成立したならば場合によっては成田を使わせることもある、こういう御趣旨でしょうか。 <0123>=国務大臣(川崎二郎君)= 今申し上げたように、成田は今、地位協定がありますが、使っていません。それから、周辺事態法が成立をして、そしてその事態が起きて、そのときに基本計画というのが組まれることになります。そのときに今私が申し上げたような経緯というものを大事にしながら米軍とお話をします、こう申し上げているわけです。 <0124>=照屋寛徳君= 外務省にお伺いいたしますが、いわゆるシカゴ条約第三条二項の有権解釈というのでしょうか、外務省、どういうふうに考えておられるかお聞かせください。 <0125>=国務大臣(高村正彦君)= シカゴ条約は、第三条(a)において、「この条約は、民間航空機のみに適用するものとし、国の航空機には適用しない。」、こう規定しているわけであります。そして同条(b)においては、「軍、税関及び警察の業務に用いる航空機は、国の航空機とみなす。」、こう規定しているわけであります。  そして、シカゴ条約上、軍、税関及び警察の業務以外に用いられる航空機については特段の規定はないわけであります。シカゴ条約上、具体的にいかなる航空機がここに言う民間航空機あるいは国の航空機に当たるか、また、軍、税関及び警察の業務に用いる航空機に当たるかについての明確な基準が設けられていないわけであります。  我が国としては、具体的にいかなる航空機がシカゴ条約上の民間航空機に当たるかについては、航空機の所有形態、使用形態あるいは使用目的等に照らして個別に総合的に判断されるべきものである、こういうふうに考えております。 <0126>=照屋寛徳君= そうすると、外務大臣、周辺事態法九条で民間機による武器弾薬の輸送が行われるようになりますと、個別具体的な事例によっては、その民間機がシカゴ条約で言う国の飛行機と認められて、相手、交戦国から攻撃をされる可能性もある、こういうふうに考えてよろしいでしょうか。 <0127>=国務大臣(高村正彦君)= 今申し上げましたように、具体的にいかなる航空機がシカゴ条約上の民間航空機に当たるかについては、航空機の所有形態、使用形態あるいは使用目的等に照らして個別に総合的に判断されるべきものであると考えているわけで、どういう場合を想定して言っておられるかよくわかりませんので、そういう可能性が想定されるのかどうか、今ちょっと具体的な事例でないとなかなかわかりにくいというふうに思っております。そして、具体的な事例といっても、大変難しい問題でありまして、まさにその時点で総合的に判断する、こういうことになるのだろうと思います。 <0128>=照屋寛徳君= せんだっても外務大臣と撃墜の可能性、安全だという保証について議論がありましたけれども、九条で、民間が協力をして、民間の飛行機で周辺事態のときに武器弾薬を運ぶ、具体的に想定されますでしょう。そういう場合のことですよ。どうですか。 <0129>=政府委員(大島正太郎君)= 民間航空条約に関連しまして解釈を御説明申し上げたいと思います。  政府が民間航空機を利用しまして米軍の武器弾薬の輸送をする場合であっても、そのことのみをもって直ちに当該民間の航空機が国際民間航空条約の対象外になるとかそういう話ではございませんので、その場合は、先ほど来大臣からお答え申し上げているとおり、航空機の所有形態、使用形態、使用目的等、具体的な事態に照らして個別総合的に判断されるということで、一概には申し上げられないと思います。 <0130>=照屋寛徳君= 防衛庁長官、在日米軍基地のうち、米軍の武器弾薬庫というのはどこにあるんでしょうか。 <0131>=国務大臣(野呂田芳成君)= 本件に関しましては、提供施設・区域内における米軍の管理運用にかかわることでありまして、当庁としては所掌事務上そのすべてについて掌握することは困難でございますが、現在、当庁として承知しておりますのは全国で十一施設、本土の川上弾薬庫ほか八施設と、それから沖縄嘉手納弾薬庫地区ほか一施設であります。  その他につきましても、提供施設・区域内において米軍が弾薬貯蔵施設として使用するものがあると推測されますが、その詳細については承知していないところでございます。 <0132>=照屋寛徳君= ガイドラインをつくって、今ガイドライン関連法を立法しようとするのに、しかも九条で武器弾薬を輸送するというのに、武器弾薬庫がどこにあるかも知らない、十分承知していない、そんなことで通らないでしょう。防衛庁長官、しっかり答えてくださいよ。 <0133>=国務大臣(野呂田芳成君)= 委員御案内のとおり、米軍の管理運用にかかわることについては防衛施設庁の所管でないことを御理解いただきたいと思います。 <0134>=照屋寛徳君= どこの所管ですか。外務省ですか。では、外務省答えてください。 <0135>=政府委員(竹内行夫君)= お答え申し上げます。  我々の承知しておりますところでは、先ほど来防衛庁長官も触れられましたけれども、例えば浦郷倉庫地区、秋月弾薬庫、川上弾薬庫、佐世保弾薬補給所、針尾島弾薬集積所、三沢飛行場、厚木海軍飛行場、岩国飛行場等にも弾薬庫があると承知いたしております。それから、辺野古弾薬庫、嘉手納弾薬庫地区というところが承知しているところでございます。 <0136>=照屋寛徳君= 防衛庁長官、せんだって私は、安保条約や地位協定上、沖縄に基地を置きなさいという根拠は何にもない、にもかかわらず沖縄に集中している理由について外務大臣からお伺いいたしました。あなたは外務省と全く同じだと言いましたが、改めて防衛庁としてはどう考えているかお聞かせください。 <0137>=国務大臣(野呂田芳成君)= 改めて申すまでもありませんが、沖縄県には全国にある米軍施設・区域の七五%が集中しており、沖縄県の面積に対し一〇%を占めておる現状でございます。特に、沖縄本島の中部の枢要な部分については施設や区域の多くが存在することから、その存在が沖縄の開発、振興、発展の制約になっていることは私どもも深く認識しているところであります。また、これに加えまして、米軍による高密度な訓練活動に伴う騒音の発生や事故の問題など多くの要因から、県民の方々の生活や経済活動を圧迫し、地域の自立的な発展への活力が阻害されてきたことは否めないと考えております。  したがいまして、当庁としては、このような実態を解消するため、SACO最終報告の内容を着実に実施することが沖縄県民の御負担を軽くするゆえんであるということで、一歩一歩着実にこれを解決してまいりたいと思っております。  なぜ基地が沖縄に集中するかということでございますが、米軍が沖縄に駐留する理由としては、地理的に米本土やハワイ、グアムよりも日本を含む東アジアの地域に近く、同地域に急速な戦力投入を行うに際しての迅速性が確保できる一方で、周辺諸国の間に一定の距離があること、また、練度、即応性の維持向上に必要な演習場及び後方支援施設が県内に存在していることが挙げられると思います。  そういうこととか、あるいは歴史的な経緯から見てもそういうふうに沖縄に基地が集中しており、私どもとしては、そういう意味で県民の皆さんに大変な御負担をかけておるので、前段で申し上げたとおり、ひとつSACO最終報告というものを確実に前進させてまいりたい、こう思っておる次第でございます。 <0138>=照屋寛徳君= 防衛庁長官、防衛白書で沖縄に基地を置く理由として、本土では得られない縦深性を確保できる地理上の利点と、こういうふうに言っていますが、この本土では得られない縦深性の確保というのはどういう意味なんですか。 <0139>=国務大臣(野呂田芳成君)= 防衛白書におきます縦深性についてでありますが、これは、沖縄は周辺諸国から一定の距離を有する地理的位置にあることから、沖縄に展開している米軍部隊に対する警戒及び経空脅威は東アジアの他の地域に展開している部隊に対するものとはおのずから異なるという意味で、沖縄の位置が有する地理的有利さについて述べたものだと考えます。 <0140>=照屋寛徳君= 防衛庁長官、あるいは外務大臣でしょうか、沖縄県民が海兵隊の削減あるいは撤退を強く望んでいる、そのことを日本政府が本気になってアメリカと交渉してほしい、そういう願いを持っていることは承知していますか。 <0141>=国務大臣(野呂田芳成君)= 国際社会におきまして引き続き大変な不安定要因、不確定要因がある中で、沖縄に駐留する海兵隊は、その高い機動力、即応性を通じ、在日米軍の重要な一翼を担っているわけでございますが、我が国の安全及び極東における国際の平和と安全の維持に不可欠の役割を果たしていると認識しております。  県民が海兵隊の削減や撤退について求めていることについては聞いておりますけれども、今申し上げたような観点から見ますと、現時点においてはその削減や撤退を求めることは考えておりません。 <0142>=国務大臣(高村正彦君)= 確かに沖縄に基地が集中しているわけでありますから、沖縄県民がそういう願いを持っているということはよく承知しているところでございますが、今、防衛庁長官が述べられたような理由で、直ちにアメリカ側にそういうことを要求するという考えは持っていないということでございます。 <0143>=照屋寛徳君= 防衛庁長官、私はたびたび言いますが、五十三年余ひたすら安保と防衛の犠牲を県民は強いられてきた。今あなたは、海兵隊は機動力、即応力があると。何を根拠にそう言っているんですか。沖縄に海兵隊が何名おって、仮に朝鮮有事を想定したときに、機動力、即応力を発揮できるような戦略体制ですか。 <0144>=政府委員(佐藤謙君)= 現在、沖縄には海兵隊は一万六千ないし一万七千所在している、こういうふうに認識しております。  それから、海兵隊につきましては、これは地上部隊と航空部隊が常に一緒に行動をとるというようなことで、非常に即応性の高い部隊であるというふうに認識しております。 <0145>=照屋寛徳君= 時間がありませんので、改めてこれはやりますけれども、政府は、県民がどんなにお願いしてもそれは今は求めないと言う。あるいは台湾海峡の有事、朝鮮半島の有事を想定しているかもしれませんけれども、沖縄に一万七千人とも八千人とも言われる海兵隊がおる。第三海兵遠征軍の一個師団を置いている。その一個師団で約六千名、運ぶ船がないじゃないですか。運ぶ船は佐世保にしかないじゃないですか。そんなに機動性、即応性と言うのなら、沖縄から九州やそこらに移したらどうですか。運べないんですよ。それを知っていますか。海兵隊を運ぶ船はないんですよ、揚陸艇は。最後にその一点だけ。 <0146>=政府委員(佐藤謙君)= 確かに、沖縄に所在します一つのMEUに対応いたします艦艇、これが佐世保にいるということはそのとおりでございますけれども、沖縄に所在します海兵部隊の移動につきましては、その艦艇だけに移動手段が限られるわけではございません。いろいろな対応手段も考えられるところでございます。 <0147>=照屋寛徳君= 福島委員に関連質問をお許しいただきたいと思います。 <0148>=委員長(倉田寛之君)= 関連質疑を許します。福島瑞穂君。 <0149>=福島瑞穂君= 総理、一年間警察に家族の電話も含めて盗聴し続けられた場合、どういう気がなさるでしょうか。 <0150>=国務大臣(小渕恵三君)= 仮定の問題についてなかなか答弁することは難しゅうございますが、法令に基づきまして対応すべきものは対応すべきものと考えております。 <0151>=福島瑞穂君= 国会に提出されている捜査のための通信傍受法案、略して盗聴法について議論したいというふうに思います。  緒方靖夫さんは、一年間盗聴され続け、東京高裁で国家賠償請求が認められました。一九九七年六月二十七日判決でこれは確定をしています。先日、二月二十五日、住民訴訟の判決が東京高裁で出ました。「本件盗聴行為は現職の警察官により、その所属する県警の警察活動の管轄区域外に所在する日本共産党の幹部自宅の電話を継続的に盗聴していたというものであり、しかも、それが合法的捜査活動であると認め得る証拠が全く認められないことに照らすと、警察組織の末端に位置する一部の警察官限りで敢行されたものであるとは考え難い」。組織的犯罪を警察がやっていたということを判決ははっきり認めています。  警察は違法盗聴をしていたことを認めますか。 <0152>=国務大臣(小渕恵三君)= 通信傍受法案についてかと思いますが、これは厳格な要件を満たす場合、裁判官の発する傍受すべき通信及び傍受の実施の対象とする通信手段を明示する令状によりまして通信の傍受を行い得るものとするものであることから、令状主義の趣旨を満たすものと考えております。  なお、ただいまの案件につきましては、詳細について法務大臣あるいはまた政府委員から答弁することをお許しいただきたいと思います。 <0153>=政府委員(関口祐弘君)= 先生お尋ねのいわゆる緒方宅事件でございますけれども、昭和六十二年当時の東京地方検察庁の捜査におきまして警察官による盗聴行為があったと認められたこと、またその後の民事訴訟におきまして同様の行為があったことが推認されたことは警察といたしましても厳粛に受けとめておりまして、まことに残念な事態であったというふうに考えております。  警察といたしましては、本件の反省を踏まえまして、今後とも国民の信頼を裏切ることのないよう厳しく戒めてまいる所存でございます。 <0154>=福島瑞穂君= 再度確認しますが、警察は違法盗聴を行っていたということをみずから認められるわけですね。 <0155>=政府委員(関口祐弘君)= ただいま申し上げたとおり、本件の反省というものを踏まえまして、いやしくも国民から疑惑を招くことのないよう適正な法執行に努めてまいる、かようなことでございます。 <0156>=福島瑞穂君= 端的に答えてください。  違法捜査を認めるのか認めないのか、それを答えてください。 <0157>=政府委員(関口祐弘君)= 再度のお尋ねでございまして、答弁でございますけれども、今申し上げましたように、昭和六十二年当時の東京地方検察庁の捜査におきまして警察官による盗聴行為があったということが認められた、またその後の民事訴訟においても同様な行為があったことが推認された、警察としてこうした事態というものを厳粛に受けとめる、そして反省をしたところでございます。  こうした反省を踏まえまして、今後とも国民の信頼を裏切ることのないよう厳しく戒めてまいる、かように考えるところでございます。 <0158>=福島瑞穂君= そういう事態になったことを反省しているかどうかを聞いているのではありません。  端的に答えてください。違法捜査があったことを警察は認めるんですか認めないんですか。イエスかノーかだけ今お答えください。 <0159>=政府委員(関口祐弘君)= 同じ答弁で恐縮でございますけれども、深く反省をしているということで御理解を賜りたいと思います。 <0160>=福島瑞穂君= 済みません。反省しているかどうかなどを聞いているのではありません。違法捜査があったと警察が認めるか認めないかについてイエスかノーかを今答えてください。 <0161>=政府委員(関口祐弘君)= 恐縮でございますけれども、答弁はただいまのとおりでございます。 <0162>=委員長(倉田寛之君)= 速記をとめて。    〔速記中止〕 <0163>=委員長(倉田寛之君)= 速記を起こして。 <0164>=福島瑞穂君= では、自治大臣にお聞きします。  違法捜査があったことを認めるのか認めないのか、イエスかノーでお答えください。 <0165>=国務大臣(野田毅君)= これは、今、警察庁長官が答弁を何遍か申し上げましたが、判決において、本件盗聴行為は現職の警察官によりその所属の管轄区域外で云々ということで、合法的捜査活動と認める証拠はないというようなことが判決で言及されております。今、東京地方検察庁の捜査においても警察官による盗聴行為があったと認められたということは警察庁長官が申し上げたとおりであります。  そういう点で、警察庁の立場としては正しいことをやったという思いがあったとはいえ、客観的に見て合法的捜査活動を超えておったというような結果が判決によって出ておるということであると思います。 <0166>=福島瑞穂君= 判決を聞いているのではありません。イエスかノーか、警察が違法盗聴をかつてやったかどうかについて今認めるのか認めないのか答えてください。 <0167>=国務大臣(野田毅君)= ですから、東京高裁がそのように判決で述べているということでありますから、合法的捜査活動であったということについては警察庁の主張はそれを通すことはできなかったということは客観的に認めざるを得ないということだと思います。 <0168>=福島瑞穂君= 人からどう言われたではなく、警察として今どう認識しているかについて端的に答えてください。 <0169>=政府委員(関口祐弘君)= お尋ねのいわゆる緒方宅事件でございますけれども、当時の警察の内部調査の結果におきましては、警察は組織として本件に関与したことはなく、職務命令を発したこともないと承知をしているところでございます。  しかしながら、一連の本件関係訴訟におきまして警察の関与に言及した判決もあり、結果といたしまして警察活動に疑惑を招くことになったということ、再三申し上げているように、警察としてこうした事態を厳粛に受け取っているということでございます。 <0170>=福島瑞穂君= 済みません。イエスかノーかを答えてください。 <0171>=委員長(倉田寛之君)= 速記をとめて。    〔速記中止〕 <0172>=委員長(倉田寛之君)= 速記を起こして。 <0173>=国務大臣(野田毅君)= 先ほどちょっと回りくどいように聞こえたかもしれませんが、先ほど申し上げたのは、本件盗聴行為は現職の警察官が行ったわけでありますが、そのこと自体は、現職警察官が行った行為自体は合法的捜査活動と認めるわけにはいかないということであります。ここまで言えばはっきりわかっているでしょう、合法的捜査活動ということではないということを言われておるということを認めておるわけでありますから。ただし、それに組織全体が云々という話ということとは別問題であるということをあえて申し上げておきます。 <0174>=福島瑞穂君= 警察が違法盗聴をやったかどうかを認めるかどうかについて答えてください。 <0175>=国務大臣(野田毅君)= 警察という言葉を一般的に使われる場合に誤解が生じます。したがって、具体的な個別の警察官が行った行為ということと警察という組織が行ったという行為ということとはおのずから違うということをあえて申し上げたいから申し上げておるのです。 <0176>=福島瑞穂君= 確定した東京高裁の判決は組織的犯罪であったと認めています。それを踏まえて、なお否定されるのでしょうか。東京高裁判決、先日、二月二十五日に出たのも組織的なものであったことを認めております。  ですから、きょう私はお尋ねしたい。そうでなければ、盗聴法の審理などには入れません。 <0177>=国務大臣(野田毅君)= 御指摘のような断定ではなかったと思っております、判決は。「疑うべき余地がある」ということの言及、判断はございますけれども、そういうお話しのような断定には至っていないということであります。 <0178>=福島瑞穂君= 「上司であった被控訴人山内及び金田が、その所掌する事務として、組織的にこれを指揮命令していたものと推認することが相当と判断されるのみならず、その上司で」云々とあります。 <0179>=政府委員(関口祐弘君)= 今、委員が読み上げられたとおりでございまして、「推認」ということ、それから私ども、大臣が御答弁申し上げましたように、「疑うべき余地がある」というふうな言い方でございまして、断定をしているということではないと私どもは理解をしております。 <0180>=福島瑞穂君= 裁判所からこれほど指摘をされ、ある程度客観的な事実がわかっているにもかかわらず、真っ正面から違法盗聴したということを認められないということがわかりません。  再度、最後にお尋ねします。どうですか、警察が違法盗聴したことをやはり認められないのでしょうか。 <0181>=政府委員(関口祐弘君)= 先ほども大臣が御答弁申し上げたとおり、警察組織として盗聴というふうなことをやっていたということは、私ども、まずあり得ないことでありますし、今後ともそうしたことはないものと明言をいたしてまいりたいと思います。 <0182>=福島瑞穂君= 警察が過去のうみをきちっと出して、もう二度と違法盗聴などしませんということであれば別ですけれども、違法な盗聴がここまで客観的に指摘されているにもかかわらずそれを認めないのであれば、盗聴法が成立した後どんな事態に一体なるでしょうか。  質問します。この緒方事件に関して第三者を入れてきちっと査察をし、レポートを提出するなどという行為はされたのでしょうか。 <0183>=政府委員(関口祐弘君)= 第三者を入れて云々ということでございますけれども、私どもの内部におきまして関係者多数から当時の状況を詳しく聞いたというふうに報告を受けております。 <0184>=福島瑞穂君= 報告の結果を教えてください。 <0185>=政府委員(関口祐弘君)= 先ほども御答弁申し上げたと思いますけれども、当時の内部調査の結果では、県警は組織として本件に関与したことはなく、また職務命令を発したこともないということでございます。 <0186>=福島瑞穂君= 当該警察官は懲戒処分あるいは刑事処分に付せられたのでしょうか。 <0187>=政府委員(関口祐弘君)= 当時、検察庁の方におきまして起訴猶予処分になったということでございまして、そうした疑惑を招いたということで、当時懲戒処分を受けたというふうに報告を受けております。 <0188>=福島瑞穂君= 懲戒処分の内容を教えてください。 <0189>=政府委員(関口祐弘君)= 戒告でございます。 <0190>=福島瑞穂君= 総理、こういう態度が改められない限り、盗聴法の審理には入れないというふうに考えています。不誠実ではないでしょうか。  済みません、総理、答えてください。 <0191>=国務大臣(野田毅君)= ただいま予算を御審議願っておる段階だと思っておりますが、少なくとも、盗聴法という言い方は私はいただくわけにはまいらないと思っています。この通信傍受という問題について、これはその法案審議の際にしっかりとあるいは法務省、私どもの方から御説明はさせていただきたいと存じます。  この問題を先ほど来個別の案件と絡めていろいろ御議論ございましたが、先ほども申し上げましたとおり、神奈川県における事案については少なくとも個別の事案として現職警察官が盗聴行為ということを行った、そしてそのことについては合法的な捜査を超えている事柄であるという意味で私どもはそのとおり申し上げておるわけであって、しかしそれがいわゆる警察の組織的な行動ではないと。組織としてはそういうことは今日までやっていないし、今後もやることはないということは先ほど来申し上げておるとおりであります。  同時に、今度の法案そのものは、少なくともむしろ今までのそういうやり方よりも、一定の重大な犯罪について、十分な嫌疑があって他の捜査方法では捜査が著しく困難であるというような極めて厳格な要件を満たす場合に初めて、最後の手段として今度は裁判官による審査の結果、厳格な審査を経た上で通信傍受は行うことができるという形になっておるわけであります。  特に昨今の国際的な国境を越えた組織犯罪に対して、あるいはマネーロンダリングの問題であったり、麻薬であったり、言うならサミットなり国際会議においても今は極めて大事なテーマになっておるという客観情勢の中において、私どもは捜査の実を上げるために、そういう意味で捜査当局が恣意的にこの運用をすることのないように、厳格な要件の中で裁判官による厳格な審査を経た上で限定された中で行うんだ、しかもその運用結果についてまとめて国会にも御報告を申し上げる、そのような内容の法案を提案しておるということは事実でありまして、今の盗聴という、盗聴法とかいうような角度からの物の言い方は私はいただくわけにはまいらない、そう思っています。 <0192>=福島瑞穂君= かつて違法な盗聴が行われたことが裁判で確定をしているわけです。そういう状況で、今後、警察が通信傍受を行うとしても、私たちはそれが果たして合法的に行われているかどうかという確信を持つことはできません。  総理、何よりも自浄作用がないという点が問題ではないでしょうか。イギリスでも今、黒人に対する差別事件、白人が黒人を殺した件で差別があったのではないかと大問題になっています。しかし、それについて第三者を入れ、きちっと問題解決を図っております。私が一番懸念をするのは、自浄作用が全くない、やったことについて真っ正面から認め、懲戒処分、刑事処分ができない、であるならば、通信傍受の法律が出た後、私たちはその違法な捜査が万が一行われた場合にきちっと手続ができるかどうか、非常に不安を持っております。  先ほど総理は令状主義についておっしゃいました。現在、捜索差し押さえの令状の却下率はどれぐらいか御存じですか。 <0193>=政府委員(林則清君)= 令状の却下率ということでございますけれども、手元に資料がないので正確なことはお答えできませんが、極めて少ないものというふうに考えております。 <0194>=福島瑞穂君= 〇・〇七%と言われています。これは令状主義と言えるでしょうか、総理。 <0195>=国務大臣(小渕恵三君)= 現行法に基づいて対処しておるものと思っております。 <0196>=福島瑞穂君= では次に、郵政大臣にお聞きいたします。  この通信傍受の法ができた後、NTTの中に警察が入って盗聴をするというふうに言われております。どうやって通信傍受をするか、その点についてお答えください。 <0197>=国務大臣(野田聖子君)= 福島委員の御質問は恐らく通信傍受法案についてのことだと思いますが、これは先ほど総理がおっしゃったとおりで、一定の要件を満たす場合に裁判官の発する令状により捜査機関が通信傍受することができるものとすること等を内容とするものであります。  通信傍受に関しましては、憲法二十一条二項の通信の秘密を侵す行為ですが、しかし憲法の保障する各種の基本的人権も公共の福祉の要請に基づき必要最小限の範囲でその制約が許されると考えられます。  さらに、これは弁護士の委員御承知のとおりと思いますけれども、従来の判例や学説においても、重大な犯罪の手段方法として通信が利用されている場合に、事案の真相を究明するため、厳格な要件のもとで必要最小限の通信傍受を行うことは憲法に違反するとは言えないとされているところであります。  郵政省は、電気通信の主管庁として、捜査機関による通信の傍受手続については、利用者の通信の秘密を不当に制約しないこと、電気通信役務の円滑な提供を阻害しないこと、電気通信の利用者や電気通信事業者の立場への一定の配慮が必要という観点から、法務省と調整を行ってきました。  この法案は、通信傍受の手続について、要件の厳格性、実施内容の必要最小限性といった観点から、通信の秘密保護に必要な配慮がなされているとともに、電気通信役務の円滑な提供についても配慮されているものと考えております。 <0198>=福島瑞穂君= 具体的にお聞きしたいんですが、警察がNTTの中に入るのでしょうか。 <0199>=政府委員(天野定功君)= お答え申し上げます。  先ほどから申し上げておりますように、令状に基づきまして、必要に応じて、電気通信の設備のありますNTTの施設に入ることがあり得ると思います。 <0200>=福島瑞穂君= 具体的にどうやって通信傍受をするのでしょうか。 <0201>=政府委員(天野定功君)= 技術的な細かいことまでは申し上げることはできませんけれども、令状に基づいて検察官あるいは司法警察員がNTTの施設に入りまして、責任者がそれを見まして、そして一定の傍受できる施設に案内しまして、そこで恐らく機器の接続等の案内があって、そして傍受に入るというふうに思われます。 <0202>=国務大臣(与謝野馨君)= 実は、この問題はずっと照屋先生とも一緒にやってまいりまして、電話局にも見学に行ったことがございますので、技術的なことだけ御参考までに御説明申し上げます。  裁判所の発する令状には傍受の対象となる電話番号が特定をされております。したがいまして、その番号だけに関しまして交換機から音を乗せている電気を取り出しまして、それを増幅させて聞いているということでございます。当然、録音機も持ってまいります。  ただ、警察だけでそういう作業をするのかといいますと、そうではなくて、そこには法律に定められている立会人を置くということになっております。 <0203>=福島瑞穂君= 刑事訴訟法上要求されている立会人は、この場合だれになるのでしょうか。 <0204>=国務大臣(与謝野馨君)= その場合は、NTTの職員にお願いする場合もありますし、地方公共団体あるいは消防署等にお願いをすることも、いろいろあります。  ただ、この通信傍受法が成立する前に、山梨県において覚せい剤事犯を捜査するために裁判所が特に令状を出した場合には、多分あの場合には消防署の職員に立ち会っていただいたと、そういうように記憶をしております。 <0205>=福島瑞穂君= その検証令状で有効とした裁判所の範囲は切断権があったと思います。  NTTの職員によく最近話をしますが、警察官を見張ることはできないというふうに言われています。NTTの職員は果たして警察官の電話をどうやって聞くのでしょうか。 <0206>=政府委員(林則清君)= 要所要所において立ち会いということになっておりますけれども、法に定められた要件のもとで立ち会いを行うということになっております。 <0207>=福島瑞穂君= 会話は将来発生するものですから、いろんな人の会話が入ります。無関係な会話もたくさん入ります。そのときの切断権など一切ありません。  要所要所にNTTの職員が聞くとして、警察が万が一違法捜査をやっている場合、どうやってチェックするんでしょうか。 <0208>=政府委員(林則清君)= 万が一違法捜査をということでございますけれども、私どもとしては、法律が成立しましたら、その法律に従いまして、万が一にもそのような違法な、要件を外れた捜査を行わないという前提に立っておりますので、これをもってお答えといたしたいと思います。 <0209>=福島瑞穂君= ですから振り出しに戻るわけです。違法捜査があったということを認められない警察が将来違法捜査をやった場合にどうチェックするんでしょうか。裁判所で十年かけて違法と言われて、まだこのざまです。刑事処分も受けられてはおりません。そんな段階で今、つまり問題なのは、違法な捜査をNTTの中で万が一やった場合に、それを法的に担保する制度がないことです。 <0210>=政府委員(松尾邦弘君)= この法案を所管しておりますのは法務省の刑事局長でございますので、御質問に私からお答えしたいと思います。  先生お尋ねのような疑問といいますか、そういう危険はないのかということにつきましては、この法案を策定する前に法制審議会でいろんな角度から論議されておりまして、そこでも議論があったところでございます。  そうしたことを踏まえまして、今法案の中には、傍受している電話の内容につきましてはこれをすべて記録いたしまして、これを原記録と言いますが、これを裁判官に保管していただくというような手続とか、あるいはその実施状況を記載した書面を裁判所へ提出するとか、さらには通信の当事者に対する事後の通知とか、そういったことでこの適正の担保を図っているということでございます。  先生御指摘のように、一刻一刻の電話の通話の内容を中断するというのはなかなか現実には難しい場合も確かにございます。そういったことにつきましては、記録をこれはすべてとっておりますので、事後のチェックを手厚くする、また当事者にも実施後、適当な期間を置いてこれを通知してチェックを受けるというようなことで担保いたしているところでございます。 <0211>=委員長(倉田寛之君)= 残余の質疑は午後に譲ることといたします。  午後一時に再開することとし、休憩いたします。    午後零時三分休憩      ─────・─────    午後一時開会 <0212>=委員長(倉田寛之君)= ただいまから予算委員会を再開いたします。  休憩前に引き続き、平成十一年度総予算三案を一括して議題とし、質疑を行います。福島瑞穂君。 <0213>=福島瑞穂君= この写真を見てください。(資料を示す)これは緒方靖夫さんのところで盗聴されていたもので、電信柱の上の端子函のものです。こういう手の込んだものを使って盗聴していたわけです。  それで、NTTの職員に聞きますと、一一三がそうですけれども、その管区内の電話は全部聞けるということだそうです。緒方さんの件もそうなんですが、もし警察官が違法捜査をした場合に、NTTの中でそれをチェックする担保の方法について教えてください。 <0214>=政府委員(松尾邦弘君)= 午前中にも、通信の傍受についての手続については非常に厳格な要件のもとに令状が発付され、また実施の手続についてもいろいろな担保措置がなされている、乱用にわたらないような担保措置がなされているということでございます。  今、先生のお尋ねの点につきましては、実施の段階になりますと、まず、その当該の通信傍受の機器を管理する者に対しまして令状を提示いたします。それから、職員の立ち会いを確保します。原則としてその通信機器を管理しているところの職員が立ち会うということでございます。  それから、傍受をしました記録につきましても、これはすべて記録をする、その上で、今申し上げました他の機関の立会人ということになりますが、立会人がこれを封印いたします。それを裁判官が保管するという二重三重の手続がなされております。  それで、傍受しました原記録も含めましてでございますが、記録をされたときから三十日以内に、原則としてでございますが、これは通信の両当事者ということになりますが、当事者に対しましてこういう傍受を行いましたよという通知をいたします。  そうなりますと、この通知の当事者、通信の当事者は傍受記録の自己の通信について、テープであればテープを聞く、あるいは閲覧をするとかあるいは複製をつくることができることになっております。その上でまた、この一連の手続につきましてはその当事者からの不服の申し立てがなされるということでございまして、具体的な実施段階におきましてはこのような何重ものチェックがかかるような仕組みになっております。  以上でございます。 <0215>=福島瑞穂君= NTTの職員が三百六十五日二十四時間張りつくことは可能なのでしょうか。 <0216>=政府委員(松尾邦弘君)= この法案を作成する過程で郵政省等関係の機関とも十分な協議をいたしました。原則として立会人を確保していただくということで了解をいただいております。  ただ、極めて例外的な事例かと思いますが、確かに原則十日間という長期間にわたります。そんなこともありますので、先生がおっしゃるように、二十四時間びっしり立会人が張りついておられるかどうかということについては、確かに御相談申し上げた機関から場合によると難しいこともあり得るというお話はございました。その際には、確かに職員のやりくりとかそういうことでそれが非常に難しい場合もあるという御相談もありましたので、例外的にはそういう立会人がいないということもあり得ることであると承知しております。 <0217>=福島瑞穂君= 午前中、要所要所に立ち会うとおっしゃいました。要所の判断はだれがどういう形で行うのですか。 <0218>=政府委員(松尾邦弘君)= それは、立会人も立ち会うからには責任を持ってこれを監視するといいますか、手続が実施されるのを見守るわけでございますので、立会人の判断ということに基本的にはなろうかと思います。  その際にも、どうしても立ち会いが難しいということになりますと、実施している捜査機関の者と協議をいたしまして適宜の方法をとるということになろうかと思います。 <0219>=福島瑞穂君= 立会人といってもNTTの職員で、立ち会わない時期もある。違法捜査が起きた場合の担保には全くならないというふうに考えます。  ところで、郵政大臣にお聞きします。  このチラシをお配りしているのですが、「韓国でのパニック」、韓国は、政府が新聞に広告を掲載しました。「安心して通話して下さい」「国民の皆様の私生活保護は、国民政府が追求するトップ課題です」という広告を打ちました。  通信の秘密が侵され、電話をかけるときに、もしかして盗聴されているのではないかと思われる社会は、まさに経済活動も不活発な、政府が信用されない社会だと考えます。いかがでしょうか。 <0220>=国務大臣(野田聖子君)= 先ほどの答弁で申し上げましたけれども、今回の通信傍受法案というのは、極めて要件に厳格性がありますし、また先ほど来御説明があるように、実施内容の必要最小限性というのが確保されているので、そういう心配はないということで理解しているところでございます。 <0221>=福島瑞穂君= 緒方事件で違法に収集されたテープは廃棄されたのでしょうか。 <0222>=委員長(倉田寛之君)= どなたに尋ねますか。 <0223>=福島瑞穂君= 警察庁長官です。長官、お願いします。 <0224>=政府委員(松尾邦弘君)= ただいまお尋ねの件につきましては、検察庁で事件を捜査いたしましてこれを処理しておりますが、その過程で、先生の今お尋ねのテープについても、恐らくそういうものがあるのであればそれは証拠として提出されていると思いますが、その処分がどうなったかということにつきましては、今手元に記録がございませんので、直ちにお答えはいたしかねるところでございます。 <0225>=福島瑞穂君= その御報告をお願いします。  盗聴の場合は、将来発生する会話をすべてとりますので、無関係な人の会話も全部入ります。ですから、そのとられたテープがどうなるのか。情報としては集積をしていくわけです。  御存じFBIのフーバー長官は、新聞にもありますが、四十九年間FBI長官として君臨をしました。彼の力の源泉は要人のファイルです。政治家の弱みを握る、情報収集するファイルを持っていて、彼に弱みを握られた政治家たちは、歴代大統領も含めて刃向かえなかった、そういう構造があります。  日本でいずれそういう状態が発生するだろう。ここにいる私たち政治家が政争の具、あるいは盗聴の対象にされることも非常にあるだろうと。ミッテラン大統領、それからハビビ大統領の盗聴、エリツィン大統領への盗聴、ウォーターゲート事件、すべて政治、政争の具と盗聴は極めて密接な関係を持っています。そういう意味では、むしろ私たち国会議員に一番関係があるのがこれではないかというふうに思っています。  それでは次に、男女共同参画社会基本法についてお聞きをいたします。  これが早く成立するようにということを望むわけですが、この法案には女性に対する暴力あるいは雇用の場における担保の方法がありません。  東京都が作成している男女平等推進条例案は、夫から妻への暴力についての取り組み、それから企業に対して男女平等を進めるための報告などを盛り込んでおります。この二点について、総理、いかがでしょうか。 <0226>=国務大臣(小渕恵三君)= 男女共同参画社会基本法案は、男女の人権が尊重され、かつ少子高齢化の社会経済情勢の変化に対応できる豊かで活力のある社会を実現することが緊要であることから、男女共同参画社会の形成を総合的かつ計画的に推進することを目的とするものであります。  したがいまして、女性に対する暴力の問題等、個別具体的な施策は同法案の中には具体的に規定はいたしておりませんが、同法案には、基本理念として男女の個人としての尊厳が重んぜられること等、男女の人権の尊重を盛り込んでおり、女性に対する暴力は当然のことながら許されるべきものではない、このように考えております。 <0227>=福島瑞穂君= 地方公共団体の計画策定が義務づけとなっておりませんが、この点についてはいかがか。 <0228>=国務大臣(野中広務君)= 男女共同参画社会の担当としてお答えをいたします。  今、この法案でそれぞれ地方公共団体の関与についてのお尋ねでございますけれども、本法案におきましては、委員御承知のように、都道府県においての計画の作成を義務化したところでございます。  他方、市町村につきましては、その規模がさまざまでございますので、こういう問題を画一的に策定を義務づけることは適当でないものと判断をいたしまして努力義務としたところでございますが、市町村におかれましても、本法案の趣旨にのっとりまして積極的に取り組みが進めていかれるよう期待をするとともに、今後また市町村関係との協議を進めたいと存じております。 <0229>=福島瑞穂君= 人権侵害の救済について独立性と強力な権限を備えた機関の設置が必要だと考えますが、この点についていかがですか。 <0230>=国務大臣(野中広務君)= この法案は御承知のように基本法でございますので、具体的にどのような措置を講ずるかにつきましては規定をいたしておらないところでございます。  男女共同参画社会の形成を促進いたしますためには苦情の処理等が重要でありますことは言をまたないのでございまして、国は政府の施策についての苦情の処理のために必要な措置及び人権が侵害された場合における被害者の救済を図るために必要な措置を講じなければならないと考えたところでございます。 <0231>=福島瑞穂君= 日本はILO百五十六号条約を批准しております。職業生活と家庭生活の両立、それから家庭責任を理由に雇用の場で差別されてはいけないことが要求されております。  この点について六条の規定は弱いと考えますが、いかがか。 <0232>=国務大臣(野中広務君)= 男女共同参画社会の形成のためには、家庭生活における活動とその他の活動とを両立させることが重要であるわけでございまして、この法案におきましてはその旨を基本理念として明記をしたところでございます。  また、そうした基本理念を生かしていきますために、国民の責任規定といたしまして、「国民は、職域、学校、地域、家庭その他の社会のあらゆる分野において、基本理念にのっとり、男女共同参画社会の形成に寄与するように努めなければならない。」という旨を織り込んだところでございまして、この規定に基づきさまざまな立場の国民が男女共同参画社会の形成に向けた取り組みを進めていくように期待をしておるところでございます。 <0233>=福島瑞穂君= では次に、MOX輸送容器の問題についてお聞きします。  MOXというのはプルトニウムとウランの混合燃料ですが、関西電力のMOX輸送容器も、プルサーマルが予定されている東京電力のMOX輸送容器も中古品だということが問題です。放射性物質の輸送容器は、設計承認申請、設計承認、容器承認申請などの手続を経て最終的に認められます。しかし、今回のはかつて一度廃止届けを出されたものをもう一度使うという点が問題です。MOX輸送容器としての容器承認申請では証明する資料が添付されていない。過去の段階においてはどうかわかりませんが、一たん廃止届けを出した容器を今回MOX輸送の容器として使う。この点について御説明願います。 <0234>=国務大臣(川崎二郎君)= MOX燃料輸送容器の問題でございますけれども、今お話ありましたように、平成七年に輸送容器の設計承認を行いました。平成八年三月二十六日、承認を行い、その後容器承認申請がなされた段階で輸送容器の中性子遮へい材の成分データ改ざんがございました。これは科学技術庁が中心になって検討され、結果としてこれが取り下げられた、そして今改めて設計承認を求められているところでございます。  この設計承認に関しましては、放射性物質等海上輸送技術顧問会の意見、学識者の意見を聞きながら科学的にどうであるかというところを詰める、これが大事なところだろうと思います。  今、委員が言われた、過去使った容器であるとかいう話ではなくて、出てきた容器が科学的に耐えられるかどうか、そこが肝心なところであろうと思いますので、御理解を賜りたいと思います。 <0235>=福島瑞穂君= 運輸省はどうやってこの容器が試験条件を満たしていると判断されたのでしょうか。 <0236>=国務大臣(川崎二郎君)= まだ判断いたしておりません。設計承認が求められ、今、先ほど申し上げました学識経験者の意見を聞きながらそれを詰めているところでありますので、まだ進行中でございます。 <0237>=福島瑞穂君= きょうは、通信傍受、こちらとして略称して盗聴法と言わせていただきましたが、について説明をしました。きょう問題になったことは、自浄作用が果たしてあるのかということです。きちっと過去に起きたことを分析、検討、何が問題かということを踏まえなければ、将来、違法捜査が起こり得る可能性も十分あるわけで、それを担保する制度がない限り盗聴法の審理には、通信傍受の法律には審理に入ることはできないというふうに考えます。  それで、今回、緒方靖夫さんの件で内部で調査をされたということですが、何が問題であったのかというレポートを私は寡聞にして見ておりません。この予算委員会にぜひその調査結果、きちっとしたレポートを提出してくださるように要求いたします。 <0238>=委員長(倉田寛之君)= ただいまの福島君の要求につきましては、その取り扱いを後刻理事会で協議することといたします。 <0239>=福島瑞穂君= 終わります。 <0240>=委員長(倉田寛之君)= 以上で照屋寛徳君の質疑は終了いたしました。(拍手)     ───────────── <0241>=委員長(倉田寛之君)= 次に、月原茂皓君の質疑を行います。月原茂皓君。 <0242>=月原茂皓君= 自由党の月原です。  主として安全保障の問題を中心にお尋ねします。  まず、冒頭、防衛庁長官にお尋ねいたします。  中期防、これは十二年度で終わります。この中期防の中にTMDのこと、要するに弾道ミサイル、これについてはもう既に合意を見て共同技術研究が始まるという段階でありますが、もう一つ大きな問題として空中給油の問題があると思います。そして、その空中給油についての記述は、「結論を得、対処する。」となっております。TMDよりもっと強い表現であります。  そういうことからいって、常識的に言えば平成十二年度の予算でこれの結論を得たものを対処するというふうに思われるんですが、長官の御意見をお願いします。 <0243>=国務大臣(野呂田芳成君)= 最近の航空軍事技術の進歩に伴いまして、レーダーが目標を発見してから戦闘機が地上を発進して要撃していたのでは間に合わない、こういう場合が生じますために、今、委員御指摘のように、戦闘機による空中警戒待機、いわゆるCAPの必要性が高まっており、防衛庁としては、空中給油機能の導入はこのようなCAPの支援等のために有用なものだと考えているところでございます。    〔委員長退席、理事竹山裕君着席〕  この空中給油機能につきましては、月原委員がよく御承知しておられるとおり、前々中期防衛力整備計画、これは昭和六十一年から平成二年度まででございましたが、から既に研究、検討されてきたところでありますが、今お話がありましたように、現中期防計画、平成八年から十二年度までの策定時におきまして、空中給油機が空中給油機能とともに輸送能力をも兼ね備えていること等も考慮し、なおまた空中給油機能の具体的な運用のあり方や費用対効果等に関する検討を行うことが必要であると考えられたため、現中期防におきましては、「空中給油機の性能、運用構想等空中給油機能に関する検討を行い、結論を得、対処する。」という、ただいま委員が御指摘のとおりに書かれているわけであります。  現在、防衛庁としては、かかる中期防の考え方に従いまして、内部において鋭意検討を行っているところであります。まだ最終的な結論が得られない段階でございますが、本件につきましては、引き続き所要の検討を行い、結論を得た時点で適切に対処してまいりたい、こう考えております。 <0244>=月原茂皓君= 大臣の最後の言葉でありますが、念を押しますと、中期防衛力整備計画は十二年に終わる、だからことしの夏、予算要求するぐらいまでにこの問題を検討しなければ、私は中期防の大きな欠落になる、こういうふうに思いますので、よろしくお願いいたします。  さて、外務大臣にお尋ねいたします。  KEDOです。KEDOの前提となる米朝枠組み合意というものが一般には、何でも、ミサイルも含めて、それから大量の殺りく兵器も含めて、そういうものが対象になっておるような誤解もありますから、ここで米朝枠組みの合意の対象は何か、どういう考え方でそういう枠組みができたんだということを簡単に御説明願いたいと思います。 <0245>=国務大臣(高村正彦君)= 北朝鮮の核兵器開発問題は、国際的な核不拡散体制にかかわる問題であるとともに、我が国自身が直面する安全保障上の重大な懸念ですが、米朝間の合意された枠組みは、この核兵器開発問題に対処するための最も現実的な、かつ効果的な枠組みであると承知をしております。 <0246>=月原茂皓君= その枠組み、九四年十月ですが、それ以前に少なくとも核を持っておったんじゃないか、プルトニウムを持っておったんじゃないかということがいろいろ言われております。  そこで、お尋ねいたしますが、以前に生産された核が存在するとすれば、米国なんかの見方から見てどの程度のものを持っているのか。また、北朝鮮の生物化学兵器の現状、これは今まで国会でも議論がありましたので、議論というか答弁がありましたので、簡単で結構ですがお話し願いたいと思います。 <0247>=国務大臣(高村正彦君)= 現在、北朝鮮が核兵器を保有しているということは確認されておりません。米国の政府機関の中には、北朝鮮が合意された枠組みの署名以前に、少なくとも一個、恐らくは二個の核兵器を製造可能なプルトニウムを生産したと分析するものもありますが、北朝鮮による核兵器の保有について確たる証拠を明らかにしているものがあるとは承知しておりません。  それから、生物化学兵器の現状でありますが、我が国政府は、北朝鮮が生物兵器や化学兵器を保有しているとの確度の高い情報に接しております。米国政府による分析の中に、北朝鮮は多種の化学剤を製造し使用する能力を有するとともに、限られた量ながら生物兵器を生産する能力も有する旨指摘するものがあります。 <0248>=月原茂皓君= 最近言われておる地下核疑惑、金倉里のことが言われておりますが、これは米朝合意の違反となるんですか、あるいはどういう関係になるんでしょうか。 <0249>=国務大臣(高村正彦君)= 北朝鮮は金倉里の地下施設において、合意された枠組みに違反する活動を行っている疑いがあり、まさにそれゆえに現在米朝間で協議が行われており、米国は北朝鮮に対しこの施設への訪問を要求しているわけであります。我が国は、このような米国の努力を支持しており、この協議を通じ、北朝鮮が合意された枠組み違反の疑いを解消することを強く望んでいるということでございます。 <0250>=月原茂皓君= 今の外務大臣の答弁では、これは米朝枠組み合意の違反だと、こういうふうにとらえられるわけです。あるいはそれはグレーゾーンだというふうになるのか、そこらのところが今後米朝合意のときの非常に大きな焦点になってくるんじゃないか、こういうふうに思うんです。  さて、NPTとIAEAを脱退するときの手続というのはどういうふうな方法があるのか、そして現在北朝鮮はNPTとIAEAについてはどういう立場に立っておるのか、そのことをお願いします。 <0251>=国務大臣(高村正彦君)= 北朝鮮はNPTの締約国であります。また、北朝鮮は一九九四年六月十三日、IAEA憲章の寄託国政府である米国政府に対し、IAEAから脱退することを通告し、同日、加盟国の地位を失っているわけであります。  NPT第十条は、「各締約国は、この条約の対象である事項に関連する異常な事態が自国の至高の利益を危うくしていると認める場合には、その主権を行使してこの条約から脱退する権利を有する。当該締約国は、他のすべての締約国及び国際連合安全保障理事会に対し三箇月前にその脱退を通知する。」旨、規定をしております。また、IAEAについては、IAEA憲章第十八条Dに、加盟国は、寄託国政府たる米国政府にあてた書面による脱退通告により、IAEAから脱退することができる旨、規定をしているわけであります。 <0252>=月原茂皓君= 今の外務大臣の御答弁で明らかなように、NPT等も周りの国が非常に我々にとって脅威になってきたと言った途端に脱退することができる、だからNPTに入っておるからといって安心はできない、私はそのように思います。当然同じ御意見だと思います。  それでは次に、防衛庁長官にお尋ねいたしますが、弾道ミサイルとよく言われているもの、弾道ミサイルというのはどういう利点があって登場したのか、そのことを教えていただきたいと思います。 <0253>=国務大臣(野呂田芳成君)= これはもう釈迦に説法のたぐいでございますが、弾道ミサイルというのは、一般に、発射後数分の間推進ロケットで打ち上げられ、その後みずからの慣性によって放物線のような弾道を描いて目標に向かって飛んでいくミサイルを言うと思います。  弾道ミサイルは、戦闘機等と比較して極めて速い速度で高高度を飛翔し、着弾するまでの飛行時間が短く、その際、極めて高い進入角度で落下してくるとともに、レーダーが発見する電波を反射する面積が小さいために発見することは極めて困難であるといった特徴を有しております。  こうした特徴を有する弾道ミサイルは、例えば核兵器とか生物化学兵器とか化学兵器といった大量破壊兵器の運搬手段となり得るものであり、大量破壊兵器を搭載した弾道ミサイルが発射された場合には、御指摘のように大規模な兵力を用いることなしに他国に対して大きな破壊効果を与え得るものと、そう認識しております。 <0254>=月原茂皓君= 今、防衛庁長官のお話のように、そういう条件を持っておるから、むしろそうお金をたくさん持っていない国、そういうものにも適した兵器であります。そしてまた、大量破壊兵器と結合したときには非常に大きな効果を発揮するものであるというふうに防衛庁長官のお話からうかがえるわけであります。  さて、北朝鮮のノドンそれからテポドンの開発、それから配備状況とミサイル輸出の現況。さらには、この前のテポドンの発射が、米国がかつての世界各国の経験から思ったより、非常に速いスピードでこれが実現しておる。これはどういう背景があってそういうふうにスピードが上がってきたのだろうか。そういう点について、防衛庁長官の御意見を伺いたいと思います。 <0255>=国務大臣(野呂田芳成君)= 北朝鮮ミサイルの開発や配備状況等につきましては、これまでも何度か本委員会でもお話ししておりますので省略させていただきます。  このミサイルの開発や配備が予想より速いテンポで進んでいる理由もしくは背景についてでございますが、先般のミサイル発射においても示されましたように、北朝鮮はミサイル開発を急速に進展させていると見られておりますが、その背景には、一般に各種の外部からの資材、技術の流入等も推測されるところであります。  こうした技術拡散の問題に対しては、ミサイル輸出管理レジーム、MTCR等による対応が極めて重要であり、我が国を含め国際社会全体で適切な対応をしていく必要があると考えております。 <0256>=月原茂皓君= 今の防衛庁長官のおっしゃった外部から入っておるということについては最近いろいろなところで見かけるんですが、くしくも、イラク、イラン、パキスタンの例を挙げると、昨年の四月に発射実験を行ったガウリ、そしてイランでは昨年七月に発射実験を行ったシャハブ3、これは北朝鮮のノドンミサイルだとの指摘もあるぐらいであります。  ということは、ある雑誌の言葉をかりれば、ミサイルコネクションだと。そういうものがお互いに技術の交流をしながら、まず旧ソ連の技術がイランに入ってくる。そして、勤勉な、技術水準の高いのが北朝鮮である。それらが中心になってまたその北朝鮮を経由してパキスタンに行くと、そういうふうなことすら言われておるわけであります。そういうふうな大変な、それぞれの国の特色を生かしながら、水面下で協力が行われておると見るのも一つの大きな見方だと私は思います。  そこで、外務大臣にお尋ねしますが、今、防衛庁長官がおっしゃったミサイル輸出管理レジーム、MTCRというものについて、北朝鮮のミサイル開発、配備、関連機材の輸出を規制する方法はどういうのがあるんだと。そして、今申し上げたミサイル輸出管理レジームにもし入ったとしても、これの限界というか、これの対象はどういう話なんだということを外務大臣にお尋ねしたいと思います。 <0257>=国務大臣(高村正彦君)= ミサイル輸出管理レジーム、MTCRでありますが、この参加国は北朝鮮のミサイル開発を支援しないように、ミサイル関連物資・技術の輸出について特に厳格な審査を行うこととしているわけであります。  我が国としては、米朝ミサイル協議における米国の努力を支持すると同時に、米韓等と緊密に連携しつつ、さまざまな方法によって、北朝鮮に対しミサイルの発射、開発、配備及び輸出等の活動を行わないように求めているわけであります。 <0258>=月原茂皓君= 今まで外務大臣、防衛庁長官にお尋ねいたしましたが、それは結局、KEDOがうまくいっても、それ以前の核のことについてはコントロールできない、破棄できないと。不拡散だと、これから先の開発をやめさせたのであって、それまでに開発したものがもしあるとするならば、今、外務大臣もおっしゃった、あるかないかわからぬけれども、一、二発分プルトニウムがあるとすれば、それはどうなるんだと。依然として私は存在すると思う。  そしてもう一つ、ミサイルの規制にしても、この間北朝鮮がテポドンを打ち上げたときに、おれのところの国の権利じゃないか、こういうふうに言っている。ということは、ミサイルをもう既に、今までの国会で答弁されましたが、ノドンなんかも配備されておる。そうすると、これは何ぼミサイル輸出管理レジームでやろうとしたって、それは違う話なんだ。外国に出したらいかぬのだ、自分の国のものについてはさわることができるということを言うと、結局日本の国にとってはそういうものが順調にいっても大変な問題を残しておると。  この前、ちょっと新聞で読んだんですが、町村政務次官もアメリカの方にその旨の話をしたということが出ておりましたが、過去のものも含めてやってくれよというようなことを言ったというふうなことを私は新聞で読みましたが、そのとおりだと思うんです。  だから、それぞれの国の国益が違うわけで、もちろん共通のことについて力を入れることは大切だと思いますけれども、我が国自身が一番大きな問題を抱えておるという認識が私は必要でないかなと、こういうふうに思います。  そこで、こういうふうなことの現状を踏まえて、これにどういうふうに対処していくか。日米安保の問題もあるでしょう、それから自衛隊の欠落した機能あるいは自衛隊に新しい力を付与するという方法もあるでしょう。こういうものに対してどういうふうに考えておられるのか。  外交に絡みますから外務大臣ももちろんですが、それから防衛庁長官、最後に総理にその決意を述べていただきたいと思います。 <0259>=国務大臣(高村正彦君)= さまざまな面で外交努力をして北朝鮮が建設的な対応をするように努めていくことは当然でありますが、そういったことを米国、韓国と特に協力しながらやっていきたい。国際社会全体と協力するわけでありますが、そういうことをやっていきたいと思っていますし、日米安保条約の信頼性を高めていかなければなりません。  そういったことから、今国会に提案している周辺事態安全確保法案、これはもちろん特定の地域、特定の国を対象としたというものではありませんけれども、日米安保条約の信頼性を高めるためにそういったこともきっちりやっていかなければいけないと、国会に対してもお願いする次第でございます。 <0260>=国務大臣(野呂田芳成君)= 冷戦終結後も依然として、委員御指摘のとおり、不安定性と不確実性が存在している中で、我が国の平和及び安全に関する重要な影響を与える周辺事態に対する日米協力の枠組みを構築しておくことがまず大変大事なことだと考えます。  御指摘のとおり、今国会に提出している周辺事態安全確保法案は、日米安保条約に基づく日米安保体制のより効果的な運用を確保し、我が国に対する武力攻撃の発生等を抑止することに資するものであり、政府としてはまずこの早期成立が極めて重要と考えております。  また、政府としては大量破壊兵器や弾道ミサイルの拡散状況にかんがみまして、弾道ミサイル防衛、BMDにつきまして我が国国防政策上の重要課題と考えまして、昨年十二月二十五日の安全保障会議の了承を経て、政府として平成十一年度から弾道ミサイル防衛に係る日米共同技術研究に着手することを決定したところであります。  こういうものを総合的に整備しながら対処していくべきだと考えております。 <0261>=国務大臣(小渕恵三君)= 外務大臣並びに防衛庁長官から御答弁申し上げたとおりでございます。  備えあれば憂いなしというのは自国を守る最大の問題だろうと思っております。そういった意味におきまして、みずからの国をみずから守るという確固たる信念とともに、日米における信頼性を高めまして、そして我が国の安全、また周辺地域における我が国に対する攻撃その他が起こり得ないように万全を期していくことが政府の責任と心得ております。 <0262>=月原茂皓君= 今責任ある答弁いただきましたが、日米防衛協力の指針というものの中にも、この間答弁にもありましたが、「自衛隊及び米軍は、弾道ミサイル攻撃に対応するために密接に協力し調整する。米軍は、日本に対し必要な情報を提供するとともに、必要に応じ、打撃力を有する部隊の使用を考慮する。」と。こういう非常に大きな、私はそういう意味で日米関係はさらに緊密にしておかなければならないな、こういうふうに思いますが、ただ、よくよく考えていただいたら、自衛隊についての今後の整備の仕方というものもおのずから姿が浮き上がってくるんじゃないかな、こういうふうに思っております。  過去の話ですが、一九八一年六月七日、イスラエル空軍はバグダッド近郊のオシラック原子炉を奇襲攻撃した。これを完全に破壊した。バビロン作戦と命名すると。F16四機編隊で二つ、八機。F15二機編隊三、計六。F16は基地から六百マイルの目標に向かって、ヨルダンを迂回して、ヨルダン、サウジアラビア、イラクのレーダーを避ける細い回廊を百フィートの超低空飛行で行った。そして、攻撃した後は四万フィートの高高度でヨルダン領空を通って帰投した。無傷で帰ってきた。  こういうことはいろいろな背景があることでしょうが、やっぱり国を憂える、民族の生存のためにはというこの決意は私は見なければならない、こういうふうに思います。そして、もしこのことがなかったら、クウェートにイラクが侵攻したときに、核を持って侵攻した場合にはどういうふうな結果になっていたのかと、そういうふうに思うわけであります。  次に、信頼醸成のことについてお尋ねいたします。  防衛庁長官にお尋ねします。  東南アジアからの留学生の受け入れ状況及び最近の施策を御説明願いたいと思います。 <0263>=国務大臣(野呂田芳成君)= これももう委員がよく熟知のとおりでございますが、防衛庁は、自衛隊法百条の二の規定に基づき、防衛大学校、防衛研究所、各自衛隊の幹部学校等において外国人留学生の受託教育を実施しているところであります。  東南アジア諸国については、これまでにタイやシンガポールなど五カ国から約三百五十名を受け入れたところであります。このうち、平成十年度についてはタイ、シンガポール、インドネシアから二十三名を受け入れたところであります。  外国人留学生の受け入れは、留学生との交流を通じ、日本人学生の国際的視野を広げ自己啓発を促すという教育効果が大変大きく期待されているわけでございますが、それだけではなく、我が国の防衛政策とか自衛隊の実態などに関する留学生の理解と認識を深めさせ、我が国と留学生派遣国との間の相互理解や信頼関係を増進させる上で大変大きな意義や効果を持つものと考えております。このような観点から、防衛庁では留学生の受け入れを積極的に進めているところであります。  これまでに、授業料の徴収免除とか防衛大学校本科への留学生に対する食事の無料支給とか、あるいは宿舎費の徴収免除、自衛隊の病院等における医療費の徴収免除等のほか、平成十年度から教育訓練履修給付金の支給など、留学生の受け入れ基盤の整備を行ってきたところであります。  平成十一年度予算につきましては、陸海空各幹部学校、統合幕僚学校及び防衛研究所における外国人留学生のための家族用宿舎の建設に係る経費を計上したところであります。 <0264>=月原茂皓君= 今、防衛庁長官からのお話のように、東南アジア諸国の人たちを防衛大学校に受け入れる、幹部学校、研修所にも受け入れる、私は、非常にいいことですし、また長官がおっしゃったような効果は非常に大きいものと思います。  その延長線上の問題ではありませんが、私は最近このように思うことがあるんです。  東南アジア諸国の若手軍人が日本を知るために、またお互いが、アジア全体の若い軍人たちが個人的な信頼関係を築くために、指導層になるような人たちの短期研修を、日本がその場を提供して、もう旅費も全部持つ、そのくらいのことをやったらどうかな、こういうふうに思うわけであります。それは、東南アジア諸国は特に軍人の方々が将来の各層の指導者になっていく可能性が非常に高いからであります。  そして、私が昔インドネシアに行ったころ、ちょうど田中総理が行かれたときに自動車が焼かれたあの後ぐらいに行ったのですが、そのときに迎えてくれたのが向こうの一流の歌手だというのですが、歌ってくれたのが「ブンガワンソロ」と「愛国の花」だった。「愛国の花」という歌は、私は初めてそれで知ったわけで、こっちに帰ってきてからよく訓練したのですが、とにかく日本のことについて、いろいろなことがあったかしらぬけれども、日本人というものを知り、心を通じている人たちがたくさんおった。しかし、今考えたら、その人たちはもう年齢が来て、もうこの指導層からかわってしまった。若い人たちがどんどん出てきている。  御承知のように、最近防衛庁の方にも各国の、例えば中国とかそういうところの方が来られますが、その国防長官、国防大臣なんかは、やっぱりパーロ軍のときからの長征から鍛えた人間だから、腹は据わっておるんでしょうが、技術的な問題はなかなか、大局の判断はできるけれども、そうでない。しかし、ついてくる人々がほとんど米留しておる。そして、トップグループがついてきておる。そういうことを考えたときに、韓国でもそうだしインドネシアでもそうだし、周りの国々で軍人の優秀な連中は全部米国へ留学しておる。それはそれでいいんですが、そういう人たちの中から日本に短期研修に来てもらう、そしてお互いに知り合う、そういうことが私は大切でないかなと、こういうふうに思うわけであります。  この前、マクナマラさんが出たベトナムの戦った相手方との会があって、それをたまたまテレビでやっておりまして、見せていただいてびっくりした。プレイクの攻撃は、アメリカ的に言ったら、中央から指令が出て第一陣が来たんだ、後から続々来ると、こう思っておった。ところが、この間の会議で向こうが言ったのは、いや、そうではありません、あれはもう統制のきかない小さいやつがちょっと行っただけですと、こういうふうに。そういうことによってあの和平が非常におくれたというようなことからいっても、いろいろなパイプをつくっておかなきゃいかぬ。  日本の国は、幸いに自分の国自身が東南アジア諸国に自分の立場を説明しなければならない、そういうことから考えたら、そういう場を提供できないかな、こういうふうに思っておりますが、防衛庁長官と総理大臣に御答弁をお願いして、私の質問を終わります。 <0265>=国務大臣(野呂田芳成君)= 防衛庁としては、御指摘を踏まえ、相互理解や友好親善を推進するという観点から、外国人留学生施設の有効活用等により、東南アジア諸国の若手軍人を含めた諸外国からの留学生の受け入れ、今、委員御指摘のとおり、短期研修をぜひ推進してまいりたいと思っております。また、その宿舎等の手当てについても万全を期したいと思っております。 <0266>=国務大臣(小渕恵三君)= 東南アジア諸国のかつての軍人が日本を知り、お互い個人的な信頼関係を築くことは、我が国の安全保障やアジアにおける立場を高める上でも重要だと考えております。  特にアジアの中では、そう言ってはなんですが、それぞれの国の中で優秀な若者が軍の中に入って力をつけてくるというケースがございます。そういった意味でも、そうした方々が日本をよく知るということは極めて大事なことだと思いますので、防衛庁長官もお話ありましたが、防衛庁のみならず、アジアとの友好親善という立場からもそれぞれ日本の実態を知っていただく、そのために努力をしたいと思っております。 <0267>=月原茂皓君= どうもありがとうございました。  それでは、関連で入澤議員にお願いします。 <0268>=理事(竹山裕君)= 関連質疑を許します。入澤肇君。 <0269>=入澤肇君= 私は、各省各般にわたる政策の構造的改革を促進するという視点から御質問申し上げたいと思います。  まず、経済戦略会議の報告も出ましたし、それからその前には生活空間倍増計画、さらには産業再生計画、これが閣議決定されているわけでございます。この三つで一応構造改革を示す文書がそろったのではないかというふうに私は考えます。  しかし、構造改革と一口に言いましても、業界の現状によって違います。農政と福祉では全く異なります。しかし、共通な項目としてそれぞれに貫かれているものは、例えば、民主主義を一層徹底させる、それから生活者の視点、消費者の視点を重視する、それから民間でできるものは民間で徹底して行う。生産者へのこれはシグナルにもなるわけであります。    〔理事竹山裕君退席、委員長着席〕  それから、規制が必要な場合でも必要最小限にする。それからさらに、一部の分野によってはグローバルスタンダード、これがどこまで貫かれるかどうかという視点もございます。それからまた一方で、ジャパニーズスタンダード、これも主張し得る分野もございます。こういうふうな共通の視点からの政策の見直し、検討が要求されているのじゃないかというふうに私は思うわけであります。  きょうは、そういう中で、最も基本的な立法政策につきまして各般の御質問を申し上げたいと思います。  きのう時点で調べたところによりますと、今国会の法律の提出件数は、衆議院に閣法で五十七、議員立法で三本、参議院に閣法で十二本、それから議員立法で九本、合わせて八十一本の法律が出されております。一本が成立していると。  私は、自由党の各部会に出まして、各部会に出される法案を聞いておりまして、今国会は、ガイドライン関連法だとか、あるいは自自連立によります行政改革に関する法律とか、たくさんの重要な法案を抱えているにもかかわらず、百二十数本に上って非常に法律が多い。しかし、よく聞いていますと、法律としては当然なんでしょうけれども、あるべき姿、それからレベルという観点からしますと、疑問になる点も多々あるわけであります。  例えば、法律事項がないのに無理に法律事項を捻出して、そして法律に仕立て上げている。あるいは実績の評価がないにもかかわらず、実績の評価を十分しないまま期限が来たから単純に延長する。あるいは行政改革の関連の法案につきましても、十分な業務の見直しがないまま合体させる。あるいは基本法につきましても、実定法の裏づけが十分に念頭にないまま基本法として打ち出される。いろんな疑問を感じていたわけでございます。  そこで、まず法制局長官にお伺いしたいのでありますけれども、ちょうど主計局長が夏の予算編成の前に主計官を集めまして、来年度の予算編成の重点事項はどうか、それから査定に当たる態度はどうかということを訓示しますけれども、法制局長官といたしましては、その時々の通常国会の前の法案審査に当たりまして何か特別な訓示をされるのかどうか、お聞きしたいと思います。 <0270>=政府委員(大森政輔君)= お尋ねの件でございますが、法制局におきましては通常国会が繁忙期でございまして、毎年一月、御用始めが終わりますと早々に法律案の提出予定省庁の文書課長等から法律案の内容の説明を受けます。これが事始めということになるわけでございます。  そこで、その聞き取った内容を踏まえまして、私主催の幹部会を開くことになっております。通常全一日、時には深夜にわたるまで法律案の内容、そしてそれの含んでいる問題点、これを提出予定法案ごとにそれぞれ全般的に検討いたします。そして、その上でまさに用意ドンということで各参事官のもとで最終的な審査が行われる。大体毎年そのような手続を繰り返しているところでございます。 <0271>=入澤肇君= 毎日毎日の法律審査に当たりまして参事官が大変な御苦労をされているということは、私は心から敬意を表したいと思うのであります。  そこで、当然のことながら、毎年の法律の審査に当たりましては、法律事項がないものはもちろんでございますけれども、ただいまの内閣の重点項目、重要政策であります規制緩和あるいは地方分権、構造改革、こういうふうな基本方向に即していないもの、あるいはもっと即するようにするもの、あるいは予算措置で奨励すれば済むもの、こういうふうなものについては重点的にとにかく前向きの形で法律をつくれ、それにもとるものは可能な限り各省に差し戻して各省でもう一回内容を検討してもらえというふうな指導がなされてもいいんじゃないかと思うんですが、いかがでしょうか。 <0272>=政府委員(大森政輔君)= ただいま御指摘の点、一々ごもっともでございます。  ただ、そのようなことを毎年その都度指摘しなくとも、参事官においてもうそれは重々理解して、大体法案の相談と申しますのは、その前年の秋ぐらいから下相談が始まりまして、いろいろな観点からの検討を重ねた上、先ほど申しました翌年の文書課長会議に至るわけでございます。したがいまして、そのあたりはその都度私が申さなくとも、各担当参事官においては十分留意して審査しているはずでございます。  これは一般論でございますが、特に委員御指摘の規制緩和との関係について若干申し上げますと、御承知のとおり、最近では平成十年三月三十一日に閣議決定がございまして、これは規制緩和推進三カ年計画と題する規制緩和計画でございますが、この中でも「規制の新設に当たっては、原則として当該規制を一定期間経過後に廃止を含め見直すこととする。法律により新たな制度を創設して規制の新設を行うものについては、各省庁は、その趣旨・目的等に照らして適当としないものを除き、当該法律に一定期間経過後、当該規制の見直しを行う旨の条項を盛り込むものとする。」という基本的な方針が内閣から示されまして、法制局といたしましても、このような趣旨、目的に照らして相当としない事情があるかどうかということを含めて、厳格な審査を総務庁とともに行っている次第でございます。 <0273>=入澤肇君= 今の長官の御答弁は、私も長官の立場で見ればそうだと思うんです。しかし、私もかなりの法律をつくってまいりましたけれども、必ずしもそうなっていない、実際の運用の現場では。もしそういうことであれば、昭和二十九年からずっと続けている法律、また今度の国会に延長法として出てまいります。単純な延長であります。  こういうものについては、何か工夫があっていいのではないか。五年間の実績を踏まえてさらにその次の五年間は何をするんだというふうなことも、各省がもちろん検討して法制局に持ち込んで十分に説明するマターでありますけれども、法制局の方も単純延長は認めないよと、単純延長そのものは法律事項じゃありませんから。そのような指導指針が示されていいのじゃないかと思うんです。  さらに、基本法の世界について申しますと、基本法というのは、各省にわたる基本法でございます。例えば農業基本法で言えば、これは農林省の基本法じゃございません。農林省だけじゃなく政府全体の基本法であります。こういうものにつきまして、私は一度内閣ベースで十分に法案の中身につきまして検討して、そして各省に協力を要請すると。  聞きますと、今、九日の閣議に出すべく連日担当者が徹夜でやっているそうですが、徹夜する大部分は各省の設置法にどう抵触するか、縄張り争いはかなり熾烈だというふうなことを聞いております。こういうものは、内閣ベースでまず重要法案として位置づけて、そして内閣の方から各省に十分なる協力を、円滑な制定のための協力を、成立のための協力を要請するというふうなぐあいがあっていいんじゃないかと思うのであります。これは意見として申し上げておきます。  ところで、現在、日本の法律の数というのは何本あるんでしょうか。さらに、このうち実効性を失っている法律は何本ありますか。もし、わかっておりましたら教えてください。 <0274>=国務大臣(中村正三郎君)= お答えいたします。  昨年末現在で把握している慶応三年以降の法律の総件数は四千百四十三件でございますが、廃止等により明らかに効力を失い、または執行を停止されているものは二千二百十七件でございまして、実効性を喪失したものとして取り扱っている現行法令は二百十一件でございます。その意味で、現在効力を有するものとして取り扱っている法律の数は千七百十五件でございます。  ただ、法律が効力を失ったか否かということは、各法令の所管省庁において判断されることでありますので、今ここに挙げました数字は法令編さんを法務省が担当します観点から実効性を喪失したものとして取り扱っている現行法令を引いたものでございます。その数字は千七百十五件でございます。 <0275>=入澤肇君= 大変ありがとうございました。  もう間もなく二十一世紀を迎えるわけでございますけれども、ここら辺で二十世紀の影を引きずらないで新しい世紀に向けて、この法律制度につきましてもさらに一層実効性を失っているかどうかの総点検をして臨むべきではないか。そういうことをいいますと、ことしが最後のチャンスなんです、来年の通常国会に向けて総点検してもらうわけでございますから。そこで、きょう私はこういう質問をしているわけでございます。  例えば、臨時金利調整法というのがございます。これは昭和二十二年にできました。その内容は、当分の間、金利調整審議会を置くと。当分の間ということで五十年以上続いているわけです。周辺地域の法律じゃありませんけれども、周辺という概念に地理的概念が含まれないということはあり得ない、これは日本語として。しかし、当分の間というので、五十年が当分の間と言うことはできるかというと、私はちょっと疑問なんです。当分の間で五十年以上も一つの法律が続く、あるいは臨時ということで続くということは、私は問題があるんじゃないかと思うんです。  したがいまして、こういう臨時金利調整法、これは実効性を失ったとは恐らくカウントされない法律だと思うんですけれども、こういうことも含めて、行政改革の視点から政府全体として見直しを行うべきではないかと思うんですが、いかがでしょうか、総務庁長官。 <0276>=国務大臣(太田誠一君)= まことにごもっともな御指摘でございます。  私も総務庁に参りましてから主として行政管理局、行政監察局の仕事ぶりをずっと見てまいりまして、本来ならばこれは新たに法律が出されるときにそれに付随した許認可の権限や、あるいは補助金がついてくるわけです。それについては総務庁がそのような権限を与えることがいいことかどうかという判断をいたしますし、またそれに伴って機構ができれば予算がつくわけでありますから、それは大蔵省が予算の査定ということでされるんだと思います。それから、法制局がされる仕事は、その法律と既存の法律との整合性いかんということを判断されるわけでございますから、政策的な整合性というのはむしろ総務庁と大蔵省が見るべきであって、法体系上の整合性は法制局が見られるものだと理解をしております。  そういたしますと、過去の仕事からいいまして、そこまで踏み込んで新しい法律について審査をしておるかどうかというところは、またそこは深みにおいて私もちょっと疑問がございますけれども、努力する方向ははっきりしておる。ところが、できてしまった法律が果たしてそのときに、例えば十年前、二十年前にできた法律が今も効果があるかないかということも実は同次元の判断の対象であろうと思うわけでございますが、過去の解釈としては、そこは既存の法律の改廃について踏み込んでいくということには事実上は仕事としてはなっていないわけでございます。  何かの枠組みをつくって見直す、既存の法律を改廃するということについては、やはり考えなければいけないとは思っております。 <0277>=入澤肇君= そこで、いい前例があるんです。  佐藤内閣のときに五回にわたって法律の整理をいたしました。これは許可、認可等の整理に関する法律というふうに整理いたしまして、私も事務官で覚えていますけれども、あのときは一省一局削減のほかに、一律一割の法律を削減しろという指示が来たのを覚えています。四十二年八月一日、四十三年六月十日、四十五年六月一日、四十六年六月一日、四十七年七月一日というふうに五回にわたって法律の整理をいたしました。  そのときの基本的な考え方は、法律制度の基礎とされている行政目的が既に達成されその使命が終わったかどうかを点検して、終わったものについては廃止しろ。二つ目には、国民の権利義務に直接的な関係がなく法律の規定によることを要しない事項を規定している法律を点検し、こういう法律を廃止しなさい。これは今の法制局の審査基準にも連綿として続いているわけであります。三つ目が、各省共管事務等で改廃、統合または簡素化することが可能な事務を規定している法令を点検して、これに該当するものは廃止しろというふうなことを言っているわけであります。  私は、今度の小渕内閣でもし法律の総点検をやっていただくのであれば、さらにこれに加えまして、二十一世紀に向けて各般の構造改革を促進するという観点から、特に経済政策に関する法律につきましては点検をしていただくことがいいんじゃないかというふうに思うんですけれども、いかがでしょうか。 <0278>=国務大臣(太田誠一君)= 本来、内閣全体でお答えをすべきことかもしれませんけれども、今の法律の改廃ということについては、総務庁が全体の根っこからそこまで対象かどうかというのは疑問があるわけでございますが、当然法律に付随した許認可や権限ということについては私どもが責任があるわけでございますので、頭の中ではそれは早急にやらなくちゃいかぬことだというふうに思っております。  ただ、今中央省庁等改革は機構の再編成の方に専念をいたしておりまして、なかなかまだそこまではエネルギーが回らないというのが実情でございます。必要性はよくわかっております。 <0279>=入澤肇君= 実態といいますか、物理的な事務が今は中央省庁の再編成に重点を置かれているからなかなかこっちに向かないというのは私わからないわけじゃないんですけれども、これはタイミングを失しますとなかなかできないんです。  御存じだと思いますけれども、行政というのは一年おくれると効果の発生、実施が三年おくれるんです。ことし予算要求をする。例えば今予算編成、法案の審査もやっていますけれども、来年度予算に向けてことし要求をする。来年の通常国会で法案が通る。実際に法案が施行されるのは来年の秋であります。それをさらに実効あらしめるためにはその再来年になる。一年おくれますと三年おくれるというのは、これは行政経験からする一つの行政実務、鉄則でございますけれども、ぜひこういうのは前倒しで、早手回しでスケジュールを組んでいただけたらいいんじゃないかと思うんです。  そこで今度は、許可、認可等の整理に関する法律が六十三回国会、六十四回国会、六十八回国会に提出されましたけれども、今般、規制緩和についての一括法あるいは地方分権についての一括法、この関係で、特に規制緩和についての一括法でどのくらい許認可が整理されるでしょうか。 <0280>=国務大臣(太田誠一君)= 今、規制緩和の委員会につきましては、昨年の三月に規制緩和推進三カ年計画をつくって、それを昨年の十月にフォローアップをしまして、今月末にこの改定をしようといたしておりまして、どのぐらいになるのかというのは、今ちょっとここでは即答できないわけでございます。 <0281>=入澤肇君= ぜひ徹底して、お題目に終わらないで中身のある規制緩和のための一括法を出していただきたい。今までの経験からしますと、例えば報告書を五部出せと言ったのを三部にしたからこれは規制緩和だとか、そういうふうなことは官僚の世界ではよくやるわけであります。しかし、今度は自主的に規制緩和がなされるように、ぜひ総務庁としては見張っていただきたいと私は思います。  それから、さらに続けて申しますと、いよいよ今度の国会が終わりますと臨時国会から政府委員制度が廃止になります。さらに、そういう状況のほかに、小選挙区制のもとでは、各議員が一つの専門だけじゃなくて、どちらかというとオールラウンドプレーヤーとしていろんな知識を持たないと演説がぶてません。そういう意味からいきまして、私は立法政策として法律についてもう少し工夫があっていいんじゃないかと。毎日毎日提出される法律を見ていますと、私自身も経験があるんですけれども、文章が正確を期する余りに難しくて読めない。  一番往生しましたのは、例えば政府提案の金融安定化緊急措置法でございます。私はこの法律を、常にあるようにチャートに落として、そして条文を移しかえてやってきましたけれども、どうにもわからない。大蔵省の職員に来てもらいまして、二人でこの条文はこういうふうに落とすんじゃないかというふうにやった記憶がございます、ついこの前。そのときに、閣僚の皆さん方はこの法律をどう理解しているのかねと申しましたら、ある閣僚の言葉としまして、いや、この法律は難しい、地図の上で住所を探すようなものだというふうに言われた方がいたそうでございます。私はなかなか頭のいい言い方だなと思う。本当に難しいんです。それはなぜかというと、金融実務を知らないとか実態を知らないというんじゃなくて、文章そのものが難しい。例えば協定銀行なんという言葉ですね。私は協定銀行と言うからこれは特定な銀行かと思いますと、これは普通名詞で出ていたり、要するに文章がなかなか練れていない。  そこで、私はできるだけわかりやすい法案を書くように、言ってみれば散文的に書くようなことがあってもいいんじゃないかと、法制局長官、思うんですよ。  例えば計算式ですね。計算式を文章にします。何とかに加えて得た額から何とかを減じて得た額、それに何とかを乗じて得た額、それに何とかを除して得た額とか、こんなことを文章にするのもいいんですが、場合によっては参考として、計算式は次のとおりと、並立して置いてくだすっていいんじゃないかと思うんですが、いかがでしょうか、そういうふうな工夫は。 <0282>=政府委員(大森政輔君)= 御指摘の、法律中に計算式を組み入れたらどうかと。これは賛成でございます。現に産炭地域振興臨時措置法、これは題名は少し古めかしいんですが、この中でもそういう算式を組み込んだ例がございますし、これ以外にもかなりの法令中に書かれていることがあると思います。  そこで、時間をとるつもりはございませんが、法令の平易化というのは、これは永遠の課題であるとともに、私どもは常々これを第一義の課題として行わなければならないということは痛感しております。日々そのように努力しているわけでございます。  ただ、若干弁解をいたしますと、国民の権利義務に関する事柄については正確に書かなければならないということとの衝突がございます。また、法律に盛り込もうとする政策が複雑になってきますと、それに応じて法文もますます複雑にならざるを得ないという点もあるということではございますけれども、全くおっしゃることはそのとおりだと思いますので、今後、法令文の平易化、これは最大の努力をいたしたいと考えている次第でございます。 <0283>=入澤肇君= 今まで積み上げてきたいわゆる官庁文学、法令文学、これを一挙に覆すことはなかなか私は難しいと思います。しかし、例えば一部改正法などは、改正方式をもう一工夫、二工夫すれば我々としてもわかりやすい。例えばかぎ括弧何々を改めとずうっと続く年金法の改正なんかあります。こういうのは、全文を次のように改めると一挙にできないものでしょうか。そうすると非常にわかりやすい。  もしそれができないのであれば、二つ目の提案としまして、法制局は審査していないらしいんですけれども、法律案要綱というのを必ず出させますね、新旧対照表とそれから参照条文と法律案要綱というのを三点セットで必ず法案提出時に出させられます。この法律案要綱がまたある意味ではおざなりになっている。法律の条文をただ短くしただけであって、中身を具体的に示すようなものになっていない。そこで、法律案要綱、これを解説的にもう少しわかりやすく書くというふうに書式を改めたらどうか。  さらに、チャートだとか図ですね。金融再生化法とか健全化法のときにブリッジバンクがどういうふうに位置づけられるという図がございました。ああいうのは必ず法律案要綱に添付するんだということをひとつ原則として、統一方針として決めて御指導されたらいかがでしょうか。 <0284>=政府委員(大森政輔君)= まず、後半の法律案要綱、これは御指摘のとおり審査の対象じゃございません。ただ、法案審査の過程で参事官がそのような趣旨を徹底するという場はございますので、おっしゃるような方向で努力させたいと思います。  ただ、常にチャート等を入れてわかりやすくするという方式が成り立たないものもございますので、それはケース・バイ・ケースでということになろうかと思います。  次に、一部改正方式の点でございますが、これは、淵源をたどりますと、法令全書等をたどりますと、どうもドイツの改正方式を採用したんじゃないかと思いますが、おっしゃるとおり、確かに全文改め方式の方がわかりやすい場合は多々ございます。特に最近はワープロその他を活用いたしますので、どちらが字数が多いかなんということを一々数えるのはばかげております。できるだけ、私も全文改の方がわかりやすいじゃないかというのは何回も言った記憶がございますので、この点においても委員のおっしゃることはもっともだと思います。賛成でございます。 <0285>=国務大臣(太田誠一君)= 別に法制局長官と仲が悪いわけじゃありませんが、これは、法律を出すときにだれの責任でもって法律を出すのかというと、内閣の責任でございます。とりわけ所管の大臣の責任で出すわけでございますから、それがわかりやすい、わかりやすくないということはありますが、そこはわかりやすい表現にするとか、あるいは今おっしゃったようなことをつけるということは各大臣の責任でもってやるということで御理解をいただきたいと思います。  総務庁は、情報公開の法案を今参議院にお願いしているところでございますけれども、情報公開は、国民にわかりやすく見えやすくするということについては私どもの所管だと思いますので、今の法律の体裁あるいはそのさらなる工夫というのは、一般的には、私よくまた法制局長官とも相談をいたしまして、何か工夫ができる余地があるというふうに思っております。 <0286>=入澤肇君= 各大臣の責任においてというのはよくわかるんですが、説明を聞いていますと各省ばらばらなんですよ。  私は、法律において罰則というのは、その法律の社会経済的な意味づけを決定する重要な条文だと思うんです。その罰則の内容、例えば罰金刑か懲役刑かあるいは禁錮刑か、あるいはその罰金についても五十万なのか二十万なのか十万なのか、その軽重ですね、こういうものはその法律の性格を示す重要なシグナルだと私は思っているんですけれども、省によっては解説書にこの罰則のことを全然書いてこない。ですから、運動論として、善意の発動としてこういう法律をつくるんだと言っていながら、この法律案要綱なり法律案を見ますと大変な罰則がついている。  この間もこれをちょっと指摘して議論があったところなんですけれども、そういうふうに省によってまちまちだから、私はこれはひとつ内閣でモデルとしてこういう書式があっていいんじゃないかということをお示しされた方が各省とも一斉に動きやすいんじゃないかと思って言っているわけでございます。 <0287>=国務大臣(太田誠一君)= 御趣旨はよくわかります。ただ、私が言っておりますのは、各省においてと言っているのではなくて、各大臣がリーダーシップを発揮してされる部分が相当ある。そして、それは行政改革の観点からしても、従来よりももっと大臣が法律については主導権を発揮されなければいけないということを申し上げたかったわけでございます。 <0288>=入澤肇君= 法律というのは、いろんな行政をやる場合に、予算と並んで車の両輪でありますから、この法律が難しくてすぐに理解できない、読めないとなりますと立法府の責任も十分に果たすことができない。そこで、立法形式についての改善を急ぐべきじゃないかという視点で私は今るる御質問申し上げたわけであります。  もう一つ大きな問題点としまして、定員削減問題について若干お聞きしたいと思います。  今度の自自連立で国家公務員を十年間で二五%削減するというふうになりました。これは、これから各党の同意を得て国会に出されて法律として制定されるかどうかということになりますけれども、現行の第九次の定員削減計画と今後進めようとする、十年間で二五%削減しようとする公務員定員削減計画、これとはどのように関連するのか。  それからまた、現行の定員削減計画、これは総務庁もなかなかうまくて、各省にあなたのところは何人削減しなさいと言って、最終トータルは一覧表にしますけれども、削減する理由あるいは増員する理由というのは明確に示さないままやっているわけです。削減計画というのはどういう基準でつくっているのか、増員計画はどういう基準でつくっているのかということについて、ひとつ教えていただきたいと思うんです。 <0289>=国務大臣(太田誠一君)= 例えばことしあるいは来年あたりはどういうことでいくかといいますと、去年の査定で申しますと、二〇%削減をするということが二年後に控えておるということで、それに近いところでもって定員削減をやらなければいけないということで、たくさんのファクターを組み合わせながら各省との折衝、必要性あるいは組織全体としての大きさというか、何と言えばいいかわかりませんが、このぐらいはのんでいただけるんじゃないかというふうなことで、たくさんの要素を組み合わせながら折衝をしていることと思います。  計画といいましても実際に私が一つ一つやっているわけではないので、もしお許しをいただければ、行政管理局長が参っておりますので答弁をさせたいと思いますが、いかがでしょうか。 <0290>=入澤肇君= お願いします。 <0291>=政府委員(瀧上信光君)= お答えいたします。  定員管理におきましては、毎年の各省庁からの新規行政需要を踏まえました増員要求と、それから一定期間の定員削減計画の実施というのがございます。そして、定員削減計画によりまして政府部内の要合理化部門の要員を削減いたしまして、それをプールいたしまして新規行政需要の生じている増員部門に充当するということで定員査定を行っているところでございます。  そして、先ほど御質問のありました定員削減計画のそれぞれの算定につきましては、計画の策定に当たりまして各省庁と十分協議をしまして、合理化、効率化等による定員削減の難易度等を勘案し、それぞれの各省庁の定員事情等も踏まえまして、所要の調整を行った上で削減目標数を定めているところでございます。 <0292>=入澤肇君= 最後の質問になりますけれども、今の御答弁で、私は、今度二五%というと相当各省間でいろんなきしみが出るんじゃないかと思うんですよ。そのときに、やっぱり基準というのは透明性がなくちゃいけない、それから公平性がなくちゃいけない。  そこで、きちんと業務量というのを識者の意見も聞きながら客観的に定めて、そしてその上で各省の了解を得てやっていくことが私は必要じゃないかと思っています。強力な内閣府ができるわけですから、ぜひ内閣においてきちんとやっていただきたいと思います。  以上で終わります。 <0293>=委員長(倉田寛之君)= 以上で月原茂皓君の質疑は終了いたしました。(拍手)     ───────────── <0294>=委員長(倉田寛之君)= 次に、菅川健二君の質疑を行います。菅川健二君。 <0295>=菅川健二君= 参議院の会の菅川健二です。  いつも、はしたの時間しか与えられないのでございますが、きょうは久方ぶりにじっくり時間がございますので、ひとつそれぞれの問題につきまして一つ一つ御質問をさせていただきたいと思います。  主な内容といたしましては、景気対策、行政改革、雇用問題等々についてお聞きいたしたいと思います。  まず、景気の見通しでございますが、これはもう再三政府の見解というのをお聞きいたしておりますので、これ以上正式の見解をお聞きするつもりはないわけでございますが、堺屋長官には、就任当初は、正確で的確な見通しを立てなければならないという大変な意気込みで、私ども新鮮な感覚で受けとめておったわけでございますが、最近の景気見通しになりますと、客観的な指標をさらに飛び越えまして、非常に強気の発言が目立つわけでございます。これは昨年の、やはり前の長官と同じような並の長官になられたかなという、まことに失礼でございますが、そういった印象をぬぐえないわけでございます。  そこで、景気判断につきましてはもとより諸説があるということは当然でございますが、最近、民間の学者等のいろいろな景気判断の説の中で、私、非常に説得力があると思われますのは、いわゆる政府によってなされる政策、これは公共投資とかあるいは減税等が主でございますが、それによる景気の下支え効果というのはそれなりに期待できるけれども、しかしながら景気の主要な浮力の要因としましては、御案内のように、個人消費であり民間の設備投資であるわけでございます。それにそういった下支えのいろいろな政策というものが点火して、さらに持続的な成長をもたらすかどうかということになろうかと思うわけでございます。今までの段階で見ますと、なかなか個人消費とか民間設備投資に火がつかないという状況ではないかと思うわけでございます。  そこで、ことしの上半期におきましては、昨年来やっておるいろいろな財政措置がございますので、そういったものの下支え効果がありまして、若干の浮力はつくにしても、年の後半になりますとそれが切れてまいります。切れてまいったときにはまた再び景気は下落するのではないかということで、下り階段の踊り場とかあるいは厳冬の前の小春日和とか、そういった説があるわけでございますが、これについて長官、どのようにお考えでしょうか。 <0296>=国務大臣(堺屋太一君)= 景気判断につきましては、お説のように各種、将来の見通しでございますので、意見があることは十分承知しております。  私は、決して楽観的なことを無理に言っているわけではございませんで、私自身として信念を持って現在の状況を申し上げております。それは、繰り返し申し上げますと、現在の景気状況は甚だ厳しい、しかし一部に変化の胎動が見られるということでございまして、それを言い出しましてから既に三カ月たちます。その間に動きはやや広がっているのではないかと思います。  委員御指摘のように、政府が行っております公共事業、これは当然のことながら去年の秋からかなり伸びてまいっております。  そして、次の問題といたしまして住宅でございます。住宅が、減税措置及び低金利によってこのところ、この一月に入ってからいささか活発な動きを見せるようになりました。  消費でございますが、十二月の統計を見ますと、勤労者世帯の統計等を見るといい数字が出ております。一方、百貨店やスーパーマーケットなど売り場の方から見た統計は依然と厳しいものを示しておりまして、この点は動きがまだ判明しない状況が残っておりますけれども、少なくとも下げどまり現象が出ていることは明確だと思います。  さて、ここで委員お説のように、これが続くのか、公共事業等が息切れをして、その後に消費の本格的な回復、設備投資に燃え移らないのか、これが一番問題のところでございます。見通しでございますから、これ見ろ、このとおりだということはございませんけれども、私は、消費を初めとして明るさが少し広がってきている、それから耐久消費財の買いかえ需要時期も延びておりますが回転してきている、したがってここで住宅需要がふえ少し景気がよくなってまいりますと、これがことしの後半以降消費に拡大し、やがて設備投資にも続くのではないか、こう考えている次第でございます。 <0297>=菅川健二君= 長官の希望的な観測でございますが、そうありたいと思うわけでございます。  宮澤大蔵大臣には、今度の予算というのはハマの大魔神を第一回から登板させたようなものだという御発言があったわけでございますが、ハマの大魔神が途中で打たれて交代しなくちゃならぬといった場合に次の打つ手というのはあるんでしょうか。 <0298>=国務大臣(宮澤喜一君)= 先ほどのお話ですが、つまり普通のときでしたら政府の公共投資が先導して、そして消費と設備投資という二段目のロケットに火がついて動くというのがパターンでございますけれども、今度はそうはいかないだろうというのは大体私も、菅川委員のおっしゃるようにもともと考えておるわけです。  ですから、そういう例えですと非常にわかりにくいんで、私はもう少し、仮に全体に非常に過剰な在庫があると、数年間の。在庫というのを少し広い意味にとらえていただきまして、流通在庫も在庫でございますし、それから過剰な設備投資もそういう意味で在庫である。それから、家庭に持っておりますものもある意味で在庫である。したがって、何度も何度も設備投資をやっていくうちに在庫の水準が少しずつ落ちていって、つまり少しずつ水が引いていくような、そういうふうに考える方が私は正確かもしれないというような気がしています。  したがって、そんなに早く設備投資に火がつくことはないし、家庭も節約疲れというか何というか、持っていたものが少しなくなってきたと。それでそれが少し要るようになる。したがって、回復もそんなに火がつくように早いわけはないがというふうに私は本来考えてきているものですから、もともと設備投資はちょっとまだまだこの稼働率、この在庫水準では無理と思います。そういうことで、ようやく何か水が引きかけているという感じが当たっているかどうか、私はそういうような気がしております。  ですから、ここはどうも、早い方がいいんですが、悪い方になっていっているわけではありませんから、少し辛抱が必要であるかもしれない。外国の人がよくいつだと言いますから、それはもう長年こういう目をして苦労しているんでいつまでたってもということはないでしょうというふうに私は心底そう思っています。  したがって、今度の場合これがなくなっちゃったら何かあるかとおっしゃいますけれども、いやそれはやっぱり辛抱してこの道をずっと続けていったらいいんだというふうな感じが私はしておるわけです。 <0299>=菅川健二君= いずれにしても、この見通しにつきましては水かけ論でございますので、しばらく辛抱してその様子を眺めておきたいと思います。  もう一つ、やはり持続的な成長をもたらしますためには、日本経済の高コスト構造、非効率な経済体質というものをこの際思い切って転換、体質改善を図る必要があるんじゃないかと思うわけでございます。その一環として、公的部門の肥大化とか非効率等に対しまして抜本的な改善を進める必要があるわけでございます。公務員制度の改革とかあるいは財投の改革等が重要でございます。  総理におかれましては、大変優しくえびす顔で借金を元手にして随分財政をばらまいておられるわけでございますが、これらの中でやはり体質改善を図るためには痛みを伴うわけでございます。痛みを伴う改革につきまして、最初の就任の所信表明で言われたように、鬼手仏心の心でもって思い切って外科手術に立ち向かわなくちゃならない、立ち向かっていただきたいと思うわけでございますが、今のところどうもその様子が見えないんですが、いかがでございましょうか。 <0300>=国務大臣(小渕恵三君)= 痛みをいとわず鬼手仏心で政治に立ち向かえという御叱正をいただきました。  簡単に言えば、国民に多くの税負担を求めるというふうなことになれば、これは一番痛みだろうと思いますが、これは前の内閣で財政構造改革におきましていろんな制約を加えるということでございますし、また昨年来九兆円に上るところの国民負担というものが経済に対する大きな影響を与えた、こういう御指摘もございまして、この内閣としてはかなり大きな予算を編成することになりました。  でありますゆえに、俗にばらまきとかいろいろ御批判をされておりますが、この際はいつも申し上げておりますように、日本経済を再生する、そのためにはなすべき手段はすべて実行する、こういうことでいたしておるわけでございます。  今御指摘がありましたが、例えば公務員制度につきまして、その定数の削減の問題とかコストを、十年ではありますけれども三割削減をするというようなその第一歩を踏み込もうということも、ある意味では厳しい対応を考えておることでございまして、一遍にというわけにはいきませんけれども、決して唯々諾々といいますか、ただひたすらに財政を膨張させようというような