保坂展人衆議院議員とテレビ朝日記者の電話会話が盗聴された件で、テレ朝は、被疑者不詳で告発状を東京地検に提出しました。
以下は、その告発状要旨です。


告 発 状 (要旨)

1999年7月19日
東京都港区六本木一丁目1番1号
告発人 全国朝日放送株式会社
代表取締役 広 瀬 道 貞

住所   不詳
被告発人 氏名不詳

東京地方検察庁 検事正 殿

電気通信事業法違反告発事件

告 発 の 趣旨

 告発事実記載の被告発人の行為は電気通信事業法104条第1項に違反すると考えられるので、同人を処罰するよう求めます。

告 発 事 実

 被告発人は、平成11年6月22日午後6時24分頃、告発人の従業員である記者が、電気通信事業者である日本電信電話株式会社が取扱う告発人の加入電話を使用し、電気通信事業者であるエヌ・ティー・ティー移動通信網株式会社が取扱う衆議院議員保坂展人氏加入の携帯電話に架電し、同氏と通話していたところ、通信を傍受し、もって電気通信事業者の取扱い中に係る記者及び保坂議員の通信の秘密を侵したものである。

告 発 の 事 情

  1. 告発人は、電波法にもとづき放送局の免許を受け、放送事業営んでいるものである。
  2. 告発人は、放送事業の一環として時事のニュースの報道を行っており、社内には報道局報道センターを置き、国会、裁判所、行政機関その他に設けられた記者クラブに取材記者を配置している。
  3. 告発人の報道局報道センターに所属する記者は、本年6月22日午後6時24分頃、国会内にある平河クラブ内の告発人会社用区画の机上に設置されていた告発人加入電話(日本電信電話株式会社取扱い)を使用し、衆議院議員である保坂展人氏加入の携帯電話(エヌ・ティー・ティー移動通信網株式会社取扱い)に架電し、告発人会社の番組「朝まで生テレビ」の出演について同氏と会話を交わした。
  4. 朝日新聞社および毎日新聞社に、それぞれ警察官と称する匿名のものによる投書が寄せられ、「電話通信回線の傍受記録」と称する文書が同封されていた。
     上記傍受記録と称する文書の内容は、記者が保坂議員と交わした上記会話を再現したものと思われるものであり、上記電話での会話が傍受(盗聴)された疑いが強い。
  5. 上記通信を傍受(盗聴)したものが何者であるかは不明であるが、記者と保坂議員の通信の秘密が侵されたもので、電気通信事業法104条第1項違反の犯罪に該当すると考えられる。
  6. 本件は、報道機関である告発人が取材のため国会内に設置した電話を使用し、告発人の取材活動の一環として記者が国会議員である保坂氏に架電した電話の会話が違法に傍受(盗聴)された疑いが強く、憲法が保障する通信の秘密および報道機関の取材の自由が侵害された極めて重大な事犯であると考えられる。
     よって、厳正な捜査のうえ、被告発人を厳重に処罰するように求める。