組対法三法案の審議入り強行採決に抗議します

衆議院法務委員会は、4月28日に参考人質疑を行いました。そして、質疑終了後、突然
自民党の橘康太郎委員が審議継続の動議を提出し、杉浦委員長は、動議についての審議を
行うことなく「動議に賛成の諸君の起立を求めます」と提案し、「起立多数。よって、動
議は成立いたしました」との発言で、組対法三法案の審議入りを強行しました。
動議の提案は後半がまったく聞き取れない状態でした。審議継続の動議については、多
くの委員から反対の意見があったにもかかわらず、委員長はこれら動議についての討議を
一切せず、採決を強行しました。
議会における議事運営の権限は、議長(委員長)に委ねられています。議長は、委員の
意志を十分に汲んだ議事運営をおこなう責任を負うものであるという議会制民主主義の大
前提の上に立って、議事運営をおこなうべきであることは、今更いうまでもないことで
す。したがって、今回の法務委員会の強行採決はこうした議事運営の原則を逸脱したもの
であり、まったく認めることはできません。
この三法案に関しては、法律家組織、市民団体、通信関係労働者、インターネットプロ
バイダなどさまざまな方面からその問題点がすでに指摘されてきました。この法案に関す
る審議日程に対しても与野党間でなんらコンセンサスが得られない状態であったところ、
審議日程を議長に一任するというきわめて異例な方法を討議なしで強行採決によって「決
定」したことを私たちは断じて認めるわけにはいきません。
私たちは、衆議院法務委員会議長ならびに、強行採決に同調したすべての委員に対し
て、断固として抗議し、今回の採決を白紙撤回することを強く要求するものです。

1999年4月30日
盗聴法成立阻止ネットワーカー連絡会
ネットワーク反監視プロジェクト(NaCT)
連絡先
e-mail priv-ec@jca.apc.org
携帯電話 0908-261-7041(小倉)

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盗聴法成立阻止ネットワーカー連絡会
市民コンピュータコミュニケーション研究会のプロジェクトの一つで、今までも盗聴法
の成立に反対して数多くの行動を展開してきた。ホームページは以下。
http://www.jca.apc.org/jca/wiretap/
ネットワーク反監視プロジェクト(NaCT)
99年3月に米国自由人権協会(ACLU)のバリー・スタインハードさんを招いて開催され
たネットワークへの政府の盗聴、監視、プライバシー侵害に反対する集会の実行委員会を
母体に結成された団体。メーリングリストprivacyMLを主催。ホームページは以下。
http://www.jca.apc.org/privacy/
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