服部三男雄さんの発言

服部三男雄さん (参議院法務委員、自民党) は、5月30日のテレビ朝日 番組で、「盗聴法では、盗聴されたひと全員に通知が行く」という、 事実に反する発言をされました。

以下、新聞報道から、そのやりとりの模様を引用します。

日本経済新聞 東京本社 1999年5月31日 朝刊 (13版) 総合・政治面
通信傍受記録の本人通知 容疑事実ない場合も 自民党法務部会長が見解
服部氏は同番組の中で、共産党の木島日出夫氏 (衆院法務委員) が「被疑者の所へ通知が (全部) 行くと考えているようだが、 それは行かない」と指摘したのに対し「(通知は) 行くんだ」と反論した。木島氏は「被疑者の所へ通知が行くのは刑事手続きに必要ということで傍受記録が作成されたときのみだ」と疑問を投げ掛けたが、 双方の見解は一致しなかった。

朝日新聞 東京本社 1999年5月31日 朝刊 (14版) 総合面
「容疑者へ必ず通知ある」自民部会長 TVで強調
番組の中で、木島日出夫代議士 (共産) が「服部さんは容疑者のところに (必ず) 通知が行くと考えているようだが、それは行かない」と指摘したのに対し、 「行くんですよ」と反論。木島氏は政府見解を踏まえ、「通知が行くのは (刑事手続きに使う) 傍受記録が作られた時のみだ」と念を押したが、 服部氏は自説を変えなかった。

引用中にあるように、法務省の見解では「傍受記録が作成されたときのみ、 当人に通知がされる」とされています。また、法案中では明確に
第二十三条 検察官又は司法警察員は、傍受記録に記録されている通信の 当事者に対し、傍受記録を作成した旨及び次に掲げる事項を書面で通知 しなければならない。
(以下略)
と書かれています。

第一党の法務部会長ともあろう方が、法案の内容も読まずにやみくもに 賛成しているとしか思われない発言です。審議する当の議員さえ法案の 内容を理解していないのに、「議論は尽くされた」とか「専門的で、 素人にはわからない」などといわれても、まったく納得できません。


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