組織的犯罪対策三法案についての声明

                          1999.06.06
                移住労働者と連帯する全国ネットワーク

 一九九九年六月五日現在、参議院で審議されている組織犯罪対策三法案につい
て、移住労働者と連帯する全国ネットワークは、以下のように声明します。

1. 私たちは、組織犯罪対策三法案が、通信の権利、表現の自由、結社の権利な
どの基本的人権を侵害するものであると考えています。

2. 私たちは、人身売買、密入国ビジネス、麻薬取引などが来日外国人の深刻な
人権侵害を引き起こしており、被害者の救済と犯罪組織の取締りが必要であるこ
とは熟知しています。しかしながら、組織的犯罪対策三法案はこれらの問題の解
決とは無関係であり、捜査当局による基本的人権の侵害は正当化されえないと、
私たちは考えています。

3. 通信傍受(盗聴)の対象犯罪には「集団密航に係る犯罪」が挙げられていま
す。この罪は一九九七年の入管法改定によって新設されたものであり、不正規に
入国した外国人にかかわる市民と団体の活動を犯罪とみなす可能性のあるきわめ
て問題の多いものです。この事実は、組織犯罪対策三法案が、在日民族団体、在
日外国人支援連帯運動および人権運動、そして在日外国人およびかれらにかかわ
る日本人一般を監視し、弾圧する、民族差別の法案であることを明らかにしてい
ると、私たちは考えています。

 以上の理由から、私たちは組織犯罪対策三法案に反対し、同法案を廃案にする
ように参議院に求めます。

priv-ec@jca.apc.org