子どもに関する事件【事例】



注 :
被害者の氏名は、書籍等に掲載された氏名をそのまま使用させていただいています。ただし、加害者や担当教師名等については、個人に問題を帰すよりも、社会全体の、あるいは学校、教師全体の問題として捉えるべきではないかと考え、匿名にしてあります。
また、学校名については類似事件と区別するためと、隠蔽をはかるよりも、学校も、地域も、事実を事実として重く受けとめて、二度と同じ悲劇を繰り返さないで欲しいという願いを込めて、そのまま使用しています。
S.TAKEDA
890831 体罰事件 2005.7.新規
1989/8/31 兵庫県西宮市の市立段上町小学校で、4年生の担任の男性教師(54)が、自分が決めた規則を守れないと罰を与えていたことが、父母らが神戸地方法務局に人権救済を申し立てたことから発覚。
経 緯 1989/4/ 始業式で、雑談していた男子生徒の太ももをけったり、「授業中の態度が悪い」「忘れものをした」などと言って、児童の顔や腹を殴ったりしていた。

5/ 教師は、ホームルームなどで、自分が決めた規則を守るよう指示。守れないと罰を与えていた。毎日、15人が運動場を走らされていた。

6/ 父母らが校長に強く抗議。体罰はなくなる。

8/31 父母らが14人が、「これは教師の『子どもいじめ』。教育とはいえず、やめさせてほしい」と神戸地方法務局人に人権救済を申し立てた

学級規則・ほかの内容 授業中、ブラスチック製の筆箱を机から落とすと1時間、金属製の筆箱を落とすと2時間、立たされる。

20分以内に給食を食べ終えないと給食中の会話を禁止する。

体育の授業で、走るのが遅いと、放課後、運動場を約300メートル走らせる。
体操服を忘れると2倍にする。

トイレに行かせてもらえなかった女子児童もいた。

教師は、自分が不在時も、学級委員に監視と罰を加えさせていたた。見つけた者には直接罰を加えさせていた。
生徒たちの反応 教室の後ろや廊下で授業を受ける児童が増加。

筆箱を持たず、鉛筆と消しゴムをポケットに入れて登校するようになった男子児童がいた。

給食中、叱られないよう、同級生が食べるのが遅い女子児童の口に食べ物を押し込んだこともあった。「給食の時間が一番いや」と親に泣いて訴える子どももいた。

顔にみみずばれをつくって帰宅した児童もいた。

1989/3/ 卒業式で、児童が「学校生活の思いでは、たばこ臭い教室で立たされたことです」と述べていた。
加害教師 1987/11/ 授業中に男子児童の顔をけって、5日間のけがをさせていた。 

教師は、授業態度が悪いなどと言って、クラスのほぼ半数の20人を殴ったり、けったりしていた。


授業中にたばこを吸っていた。

6/中旬、父母らが校長に抗議し、体罰はなくなったが、「クラス37人の子どもは体罰がなければ面倒をみられない。世間にはもっとつらいことがある。がまんしてもらわないと困る」と話した

また、「やるべきことができない子をなんとかしてやろうと思って罰を与えた。給食は20分で食べないと後片付けの当番に迷惑がかかる。たたくのが悪いことは知っているが、一生懸命やれば手が出る。教室は厳しくあるべきだ。30年間、教室でたばこを吸ってきたが、信念をもってやってきたので文句はでなかった。時代でしょうか」と反論した。

8/末 体の不調を訴えて病院に検査入院。
市教委ほかの対応 1989/6/初め 市教委は、父母からの体罰をやめるように求めた訴えで、校長から話をきいた。

6/17 指導二課が、男性教師を呼んで、「指導の行きすぎがある」と口頭で注意。
3日後にも、同教師は「授業態度が悪い」と言って、男子児童の顔を平手打ちにした。

6/26 同教師から再聴取。
子どもや父母に体罰と受けとめられる指導のまずさがある、直前に指導を受けたにもかかわらず体罰をしたなどとして、「厳重注意」処分。
市教委は、教師が「学級規則」をつくり罰を与えていたことを知りながら、充分に実態を把握しなかった。

8/31 市教委は校長や教師から改めて事情をきくなど、調査を開始。

市教委は、県教委に報告をしていなかった。
参考資料 1989/8/31讀賣新聞・大阪・夕刊(月刊「子ども」1989年10月号/クレヨンハウス)、1989/9/1讀賣新聞・大阪(月刊「子ども」1989年11月号/クレヨンハウス)



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