子どもたちは二度殺される【事例】



注 :
被害者の氏名は、一人ひとりの墓碑銘を私たちの心に深く刻むために、書籍等に掲載された氏名をそのまま使用させていただいています。ただし、加害者や担当教師名等については、個人に問題を帰すよりも、社会全体の、あるいは学校、教師全体の問題として捉えるべきではないかと考え、匿名にしてあります。
また、学校名については類似事件と区別するためと、隠蔽をはかるよりも、学校も、地域も、事実を事実として重く受けとめて、二度と同じ悲劇を繰り返さないで欲しいという願いを込めて、そのまま使用しています。
S.TAKEDA
981226 いじめ自殺 2001.1.8新規
1998/12/26 福岡県飯塚市内の私立飯塚高校の古賀洵作(しゅんさく)くん(高2・16歳)が、自宅で首吊り自殺
経 緯 1998/1 頃から、同級生ら6人が洵作くんに脅かしや現金強要を繰り返していた。

1998/12/25 クリスマスパーティに女子高校生の出席を要求。連絡がとれないと答えると、洵作くんに対し、「飲み代60万円を払え」などと執拗に要求していた。
学校・ほかの対応 学校側は、「いじめの事実そのものが存在しないか、事実の有無が明らかでない」とし、責任を否定し謝罪もない。
アンケート 両親の要請に応じて学校側は、「被害者が恐喝されていたことを知っているか」など、真相究明のために全校アンケートを実施。見せる約束をしていた回答用紙を開示せずに焼却した。
加害者 同級生6人を恐喝未遂等で中等少年院に送致。
裁 判 1999/6/15 遺族は自殺の真相と謝罪を求めて、同級生6人とその保護者の計18人を相手に総額約7000万円の損害賠償を求めて、福岡地裁飯塚支部に提訴。

2000/10/10 被告側が和解金総額1300万円を支払い、直接謝罪する形で和解成立。

民事訴訟裁判の中で、少年審判記録の開示による事件の真相究明と、同級生とその保護者からの謝罪を得ることができた。裁判所側が、被告側の文書を代読。「愚かな行為で追いつめてしまい、取り返しのつかない結果を招いた」といじめと自殺の因果関係を認め、同級生らは起立し、「すいません」と謝った。
裁 判 1999/6 遺族が、学校を経営する学校法人を相手に総額約7400万円の損害賠償を請求して提訴。

2000/12/7 解決金500万円の支払いと陳謝文を和解調書に記載することで和解。

学校側は、和解調書に盛り込んだ謝罪文の中で、「生徒同士のいじめやけんかなどに十分な対応を取れなかったことが、恐喝未遂事件発生の一因になった。生徒指導が十分ではなかった」と陳謝した。
参考資料 1999/6/16佐賀新聞、2000/10/11共同通信、2000/12/8西日本新聞、2000/12/8毎日新聞



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