子どもに関する事件【事例】



注 :
被害者の氏名は、書籍等に掲載された氏名をそのまま使用させていただいています。ただし、加害者や担当教師名等については、個人に問題を帰すよりも、社会全体の、あるいは学校、教師全体の問題として捉えるべきではないかと考え、匿名にしてあります。
また、学校名については類似事件と区別するためと、隠蔽をはかるよりも、学校も、地域も、事実を事実として重く受けとめて、二度と同じ悲劇を繰り返さないで欲しいという願いを込めて、そのまま使用しています。
S.TAKEDA
910400 いじめ事件 2002.1.13. 2002.2.13更新
1991/4/ 千葉県神崎市の町立神崎中学校で、男子生徒(中2)が入学直後から同級生4〜5人にトイレなどに連れ込まれ殴られたことをきっかけに暴行が始まる。2年足らずの間に計1万回以上も殴られた。
いじめの態様 同級生4人に、集団で殴られたり、髪や眉毛を抜かれ、ズボンを破かれるなどした。
親の対応 1993/1 顔にあざをつくって帰宅したため、父親が学校に相談。
1993/2 PTA学年集会で父親が発言して事件が明るみに出た。
学校の対応 学校は何の対策もとらず、担任教師はホームルームの時間に「いじめられるほうも悪い」との内容の発言をしていた。
加害者の親の対応 いじめ発覚後の示談交渉で、加害者の親は、「公の機関が算出した金額なら支払う」と約束。
裁 判 会社員男性(23)と両親が、町と元同級生5人の父親に総額5300万円の損害賠償を求めて提訴。

元同級生4人の父親は「単なるふざけだった」と主張。町も「いじめという認識はなかった」と主張。
判 決 2001/1/24 千葉地裁は、同級生4人のいじめを認定し、町と4人の父親に総額760万円の支払を命じた。残る1人の元同級生の父親に対する請求は棄却。
及川憲夫裁判長は、「暴行は執拗かつ悪質で、ふざけ半分の域を超えている。親権者として教育監督し、これを制止するなどの措置を怠った。
」「学校は表面的な判定で決めつけるべきではない」「いじめのうち相当多数が教師の目の届く場所で行われていたと推定できるのに、学校は漫然と傍観しただけで、防止措置を怠った」「違法ないじめを予見しえたというべきであって、その時点で適切な防止措置を講じていればいじめを回避することができた」として、町の過失を一部認めた。

一方、「(親が)いじめの存在を認識しえたといえる具体的証拠は見当たらない」として、いじめの原因に親権者の義務違反があったとする原告側の主張は退けた。

被告側控訴。
控訴審判決 2001/12/20 東京高裁で裁判長は一審判決の事実認定を支持し、町と元同級生の父親4人に計690万円の賠償金支払いを命じた。

担任教諭らはいじめを把握できていたとして、町の賠償金を一審より15万円増額し455万円とした。また、ふざけていただけという元同級生の主張を退け、男性が受けた暴力は長期間継続した執ようなものだったと、一審と同様にいじめを認めた。
参考資料 2001/1/24西日本新聞・夕(月刊「子ども論」2001.4/クレヨンハウス)、2001年教育ニュース、2001/1/24産経新聞、その他



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