子どもに関する事件【事例】



注 :
被害者の氏名は、一人ひとりの墓碑銘を私たちの心に深く刻むために、書籍等に掲載された氏名をそのまま使用させていただいています。ただし、加害者や担当教師名等については、個人に問題を帰すよりも、社会全体の、あるいは学校、教師全体の問題として捉えるべきではないかと考え、匿名にしてあります。
また、学校名については類似事件と区別するためと、隠蔽をはかるよりも、学校も、地域も、事実を事実として重く受けとめて、二度と同じ悲劇を繰り返さないで欲しいという願いを込めて、そのまま使用しています。
S.TAKEDA
780224 いじめ報復
事件
2001.12.15 2003.6.15更新  
1978/2/24 大阪府枚方(ひらかた)市の招提中学校で、男子生徒4人(中2)が、日頃自分たちをいじめているグループに仕返しをしようと、昼食時に全員に配るお茶の中に劇薬の水酸化ナトリウムを混入。飲んだ生徒10数人が吐き気を催し、気分が悪くなった。
経 緯 、日頃から男子生徒4人は、同級生の非行グループ数人に、「教科書を忘れてきたから貸せ」と教科書を取りあげられたり、いたずら書きをして返されたり、暴力をふるわれるなど、いじめられていた。

「このグループを殺してしまえば、こんな目にあわなくてすむ」と話し合い、理科クラブに所属していた4人は、理科室にあった劇薬、重クロム酸カリウムや水酸化ナトリウムなどを少量ずつ盗み出した。

4人の内2人が、昼食のお茶当番になった時、お茶を入れたヤカンの中に重クロム酸カリウムを混入。全員に配った。男子生徒のほとんどがお茶を飲んだが、女子生徒はコップの数が少なかったため、お茶を飲まなかった。また、弁当の中に水酸化ナトリウムをふりかけたりした。

昼食後、グランドに遊びに出た1人がまもなく吐き、10数人が「気分が悪くなった」「頭が痛い」などと訴えた。症状を訴えた生徒は保健室で手当を受け、まもなく症状は収まった。混入量が少なかったために大事には至らなかった。

計画が失敗したために、再び理科の準備室から水酸化ナトリウムを盗みだし、いじめた子の一人の弁当に約10粒ふりかけたが、同生徒が食べる直前に気づき、教師に報告したことから事件が発覚。
加害者 4人とも性格はおとなしいほうで、これまで校内で問題を起こしたことはなかった。
加害者の処分 4人の内3人は殺人未遂で、大阪地検に書類送検。1人は児童相談所に通告処分。
ふだん4人に暴行を加えるなどの行きすぎた行為が、この事件を引き起こしたとして、被害にあった男子生徒1人も、暴力、暴行容疑で大阪地検に書類送検。
参考資料 (1978/2/24朝日新聞)「いじめ問題ハンドブック」分析・資料・年表/高徳忍著/1999.2.10つげ書房新社、オピニオン叢書緊急版「間違いだらけのいじめ指導」/小宮山要/1996.10.明治図書出版



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