モンゴルの子どもたちの現状を知る 2
スカウト連盟員による報告

D.ボルトバータル
モンゴル・スカウト連盟
翻訳:大島 武行



 今年、1995年の5月の末、モンゴルでの子どもたちの組織活動70周年記念式典が行なわれました。

 モンゴルでは、民主化運動が始まる1990年以前、社会主義制度で政党の指導の下、就学年令の子どもたち全員を対象に組織された、唯一の子どもたちの組織「スフバートル子ども連盟」が活動を行なっていました。これは子どもたちの自発的意志ではありませんでしたが、子どもたちの自由な時間を合理的に使うことで、才能を開き、発達させる面では、たいへん重要な役割を果たしてきましたし、彼らの関心を満たしていました。以前この組織をはじめ公共の機関は、国からの予算で活動を行なっていましたが、自由経済に入ると、これらの組織、機関を管理する指導力が弱くなるとともに、政府の資金もなくなり活動が停止することになりました。

 1991年の半ばから、子どもたちの自発的な活動のなかで、運動が始まってきましたが、それらを組織しようとする人はほとんどいませんでした。そんな中で、子どもたちを組織するのに援助する人たちが出てきました。現在、子どもたちの組織には、子どもたち自身の興味で自主的に活動する組織と、「組織された」組織があります。現在、モンゴルには子どもたちの組織は、10ほどあります。これらの簡単な紹介をしましょう。



1.スフバートル子ども連盟

 70年の伝統のあるピオネール(モンゴルのパイオニア:子どもの組織)で、創設者や活動を担っている人たちの大部分は行政機関に務め、子どもについての政策を実行しています。

 主な目的はよい国民を育てることです。行政区単位で子どもの担当者が管理して、学校で活動を行なう機会が多いのですが、現状ではあまり活動がなされていません。

 8〜16歳の子どもが組織されています。そして、制服があります。最近、よく活動しているところもあります。ウランバートルと地方の都市で支部が組織されています。彼らの統計では、約2万人の子どもを組織しています。


2.モンゴル青年同盟

 モンゴル人民革命党の青年組織として創設され、現在はモンゴル青年同盟として15〜18歳の青少年が組織されています。青少年の自由時間を合理的に使うために、いろいろなコンクールや試合を開催するなどの活動を行なっています。以前は大部分の都市に支部がありましたが、現在は機能していない状況です。


3.モンゴル・スカウト連盟

 1991年から活動をはじめました。7〜25歳の子どもや青少年が自発的に組織しています。首都(ウランバートル)と全ての県で活動をしています。全体で5000人の会員がいます。子どもたちや青少年が自分の生きかたについて学びあうのを援助することが目的です。世界スカウト組織の136番目の組織になりました。今のところ、一番活発に活動している組織になっています。


4.技術に興味のある子どもたちの会

 1990年から活動を始めました。技術に関心のある子どもたち、技術、開発、モデルのサークルがあります。年令の制限はありません。だいたい12〜18歳の青少年が参加しています。支部は、技術関係のサークルで活動を行なっています。正確な会員の数はでていませんが約500人程で活動が行なわれています。


5.バイガル・エージ(母なる自然)運動

 最近、活動が始まりましたが、まだあまり積極的ではありません。ザローバイガリチ(植物の好きな子どもたちが、植物を育てて、観察などする)センターで主な活動をしています。地方では、植物や自然関係のサークルで活動をしています。好きな人が好きなときに集まって活動しています。


6.外国語に関心のある子どもたちの会

 1993年から活動を始めています。組織としては、活動をしている状況にはありませんが、外国語に関心のある数少ない子どもたちを対象にしています。


7.若い警察官の会

 警察署の機関のなかの子ども・青少年対策部と、警察署の下部組織で、将来警官になりたい子どもたちを対象に活動をしています。子どもたちに法律の知識を与えたり、ときどき警察官の巡回に参加させたりしています。そして、犯罪などにかかわった子どもたちを啓蒙したりもしています。100人くらいの子どもたちが組織されています。



 以上のような子どもたちの活動をしている組織が集まって連合組織がつくられていますが、この連盟は機能していません。モンゴルでは、青少年組織とその他の公共組織の活動を行なうための法律環境が充分整っていません。行政機関と共同で活動する環境もまだ整っていない状況です。そして、それらの組織を支援する組織がないため、活動を発展させる基盤がないのが現状です。これは、市場経済に移行する時の経済的混乱とも深い関わりがあると思います。



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